2016年12月09日

2代目CX5登場 マツダの2代目にハズレ無し!!

  アメリカ市場での市販モデルが多く展示されるLAオートショーで次期型モデルとなる2代目CX5が発表されました。チーフデザイナーは満を持して登場の諌山さんだそうです(GHアテンザも担当)。気のせいかもしれないですがGHアテンザのように顔が締まって見えますわ〜。マツダらしいキレのあるデザインへと進化したことで、「コレはカッチェーぞ」と欲しくなる人もいれば、「ちょっとガキっぽいかも?」と先代の方がよかった〜なんて離れていっちゃう人もいるのかな〜。まあ良くも悪くもマツダが覚悟を決めたデザイン面での「進化」だと思います。

  これまでのマツダデザインの名車は、一台一台がキレイに作り込まれていて、ひたすらに「クール」でした。ヘンに暑苦しいこともないですし、とにかく1991年以降(ユーノス、アンフィニ以降)は特に、大衆に後ろ指さされることを恐れるかのように、神経質なまでの無欠なデザインを緻密に作るメーカーだったなーと思います。実際10年経っても20年経ってもありえないくらいにカッコいい!!それでもポルシェやMINIのような熱狂的マニアをデザインによって集められているか?っていうとそれほどでもないです。・・・つまりもっと「ガキっぽい」デザインの方がむしろブランドのステータスは高まるってことなんじゃないか?

  「マツダのSUVデザインはどこかイっちゃってるよね!?」そう呼ばれることをむしろ望んでいるかのような、アクの強さみたいなものを新型CX5から感じます。相変わらずというか、もはやマツダらしさの一部になりつつある「ソウルレッド」(他のブランドも挙って真似してるけど)をイメージカラーとしたままに、よりエモーショナルでスポーティな外観スタイルを選んだことで、初代CX5の「ファミリーカー」っぽいとっても幸せな世界観が一気に吹き飛んだ感じがします。誤解を恐れずに言ってしまうと、2010年以降から急速に魅力を失いつつあるアウディの大失敗に終わった「スカしたSUV路線」を、マツダがやや盲目的に後追いしている感すらあります。アウディのようにキレイに作ればとりあえず人気が出ると思っている節がある?余談ですがアウディは相変わらずダメですね。和田智氏がいなくなってからもうずっとダメです。

  初代CX5はとにかく大成功でした。アメリカでも中国でもデビューから燻ることなく売れましたし、何より日本でミドルクラスSUVがここまで売れるのか?ってくらいに予想を良い意味で裏切って快進撃を続けました。日本を代表する一流の重工メーカーの傘下にある三菱自動車の得意なジャンルにおいてアウトランダーに完勝したのは素晴らしいですし、あの日産がエクストレイルにアレコレと手数を加えてくるなど、完全に本気にさせています!!そもそもこのクルマが売れなかったら・・・日本向けのアテンザやアクセラにディーゼルが搭載されることもなかったですし、もしそんな消極的な展開だったならば、GJアテンザは全く売れなかった可能性もあります。まだマツダが日本市場に踏みとどまっているのも初代CX5のおかげです。

  これだけ偉大なモデルが先代だとすると、2代目を開発するのは相当に大変だったろうと思います。境遇はまさにGHアテンザデビュー当時と同じじゃないですか!?基本シャシーやエンジンなどは先代モデルからの引き継ぎ。ボデーサイズやデザイン面での意匠変更などはあるものの、スペック面での大きな変動はなし。ただしGHアテンザがGGアテンザの荒削りなところを洗練させて、あらゆる路面でより高い次元の乗り味が引き出せるように徹底的に弱点の強化に励みましたが、それと同じような意味合いのフルモデルチェンジと言えるかもしれません。良いクルマが欲しい、あるいは長く使うクルマが欲しいなら「買い」のタイミングだとは思います(少なくとも試す価値はあると思います)。

  トヨタのC-HRが圧倒的な乗り込みによって相当に完成度の高いクルマになった!!と盛んに宣伝していますが、CX5がデビューしたての新型SUVに乗り味であっさりと負けるとは考えにくいです。C-HR自慢のドイツメーカーのダンパーを使ったから一気に走りがよくなるとも思えないですけども、試乗レビューではハッキリと「乗りやすい」と書かれていますので、あまり断定的なことを書くとあとで大恥かもしれないですが、CX5とはマツダの「信念」ともいえる「世界一の操縦性」をSUVというパッケージに全力でぶつけた結果による、ある意味では「必然的」なヒットです。

  初代CX5をさらなる高みへ微調整して来たであろう2代目CX5を、あっさり越えて来るモデルを、ポルシェならまだしもトヨタ(のクルマ文化)がいきなり作れるはずがない!!もしそれが簡単に出来るというなら86はロードスターを軽く越えたハンドリングマシンになっていたでしょうし・・・。もっともトヨタのC-HRをここまで真剣にさせた一因はCX5の成功にあるのでしょうけど。

  予定通りに2017年の上旬にも登場するならば、モデルサイクルはわずか5年という最近のマツダでは異例の短さとんります。SUVは今がまさに旬であり、勝負の時だと考えているんでしょうね。フルモデルチェンジがあと1年2年と遅くなれば、もしかしたらトヨタの本気の設計と本気のプロモーション(これは脅威過ぎる!!)によって、日本のスポーティ路線のSUV市場は完全に占拠されてしまう!!という脅迫観念に追われているかのようです。

  確かにSUVは良く売れています。トヨタやVWも慌てて新型モデルを仕立ててきました。初代CX5はエクストレイル、ハリアー、CR-Vがちょうどモデル末期を迎えて存在感を無くしている抜群のタイミングで投入され、日本市場では瞬く間にミドルクラスSUVの頂点に立ちました。その後に次々と発売されたアテンザ、アクセラ、デミオはマツダの気合いがやや空回りしたのか案外な結果でしたけど、CX5に関しては完全に嬉しい誤算だったと思います。前にも書いたことがありましたが、「魂動」デザインはCX5の為だと言っていいくらいに、端正なデザインとSUVの良い意味でのラフさがよく調和しつつも、日本車らしい気取ったところが無いスマートな雰囲気が見事です。

  冒頭にも初代から2代目になって、エクステリアから伝わってくるものが変わったと書きました。2012年の発売後に様々なSUVが次々と発売されましたが、CX5に続いて出て来たモデルで特に日本で反響が大きかったのがホンダ・ヴェゼルとポルシェ・マカンです。特に後者のスタイルはどうやら2代目CX5のスタイリングに大きな影響を与えているのは間違いなさそうです。

  マツダ以外にも2017年を目処に新型SUVの投入を予定しているブランドがいくつもありますが、そのほとんどが「マカン」の影響下にあるといっていいかもしれません。アウディQ2、BMW・X2、プジョー3008、アルファロメオ・ステルヴィオ(FR車です!!)などなど・・・。この中に混じっても新型CX5は光ることができるのか?想定価格は270〜400万円の範囲だと思われますが、利益率と販売台数を考えたら今やCX5が完全にやマツダの屋台骨ですから、これでコケたらマツダ終焉?の可能性すらあります。さて今月15日発売の四季報には何と書かれるのか?とてもマツダ株に手を出せるタイミングではないですけど・・・。

  そしていよいよ北米でもディーゼル搭載モデルの販売が始まるらしいです。先行報道によるとメルセデスやPSAが使用する尿素SCRを搭載して排ガスを浄化することになったようで、日本向けも同じとなると本体価格に跳ね返ってきそうです。ベースモデルで300万円〜ともなると、日本ではさすがに売り上げが激減しそうです。あの豪華装備のトヨタ・ハリアーですら大苦戦だったのに(ハリアーはちょっとズレていた気もしたけど)。

  GHアテンザと同じ2代目のスピリッツを十分に感じさせるモデルであったなら、人生初のSUV購入も考えてみようかな?なんて感傷的な気分にもなっている今日この頃です。日本仕様にはコスト削減で尿素SCR付けないのかな!?まあガソリンモデルにすればいいわけですが・・・。あとは何といっても「色」ですかね。重厚感をしっかり感じさせてくれるアテンザの新色「メタリック」が使われるとは思いますが、ピラー回りの配色とのマッチングなどでイメージもだいぶ変わるので、その辺で徹底して「絵」になるデザインへと、ショーカーモデルから市販デザインへと作り込んでほしいと思います。


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2016年11月22日

アテンザ漂流。ブランドの「象徴」は売れればいいってもんじゃない。

  2012年に華々しく登場して一躍脚光を浴びた3代目GJアテンザ。デビュー当初から日本車らしからぬ存在感を発揮し、Eセグの代用が務まるくらいに立派な車格は観るものに新しいイメージを振りまきました。初代アテンザを越える大ヒットも予想されましたが、SUVが拡大するなかでセダン需要は世界中で伸び悩んでおり、特に日本や欧州ではセダンはかなり悲劇的な状況に追い込まれていて、期待のGJアテンザでも局面を打開するまでには至っていません。早いものでいよいよ発売から4年が経過し、同じ年に発売したCX5は早くも2代目がお披露目になるなど、いよいよモデルサイクルの終焉に向かってカウントダウンの時期になりました。

  洗練されたデザインは、2011年の東京モーターショーでのコンセプトモデルから評判が高く、マツダのやる気満々な姿勢からも、まだまだ発売後もいろいろな展開があるのかなーっと期待していましたが、結局スポーティなターボモデルが出ることもなければ、2ドアクーペが導入されることもありませんでした。北米市場は非常に利己的で、海外生産車には差別的で難しい面もあります。この4年間にGJアテンザが残した実績といえば、欧州でも評価の高いマツダのディーゼルを日本市場である程度は売ることに成功したかなー・・・くらい(結局北米ではまだ実現せず)。「ディーゼルを売るためのクルマ」それ以上でもそれ以下でもない・・・というのが当初からのマツダの目論見だったのかもしれません。GJアテンザの隠された使命はマツダの優れたディーゼルを売り込むこと!!もちろんユーザーにではなくトヨタに対してです。

  「スカイアクティブ」以前からも欧州で高い技術力を見せていたマツダのディーゼル。日本人はメルセデスやらBMWやらのドイツ車を過剰に評価しますが、欧州市場で発売されてきた歴代のディーゼルエンジンを比べても、マツダの技術は非常に高く、メルセデスやBMWのディーゼルはそれに比べればはるかに回らないし熱効率も悪く総合的に低スペックなものでしかありませんでした。世界のカーメディアは以前からマツダのディーゼルを高く評価していたのに対し、日本のカーメディアも渋々とマツダの優位を認めつつあります(清水和夫のようなとんでもないジジイもいるけど・笑)。しかしトヨタは欧州向けのオーリスやアベンシスに搭載するディーゼルを一旦はマツダを採用を決定しつつも、後からBMWに切り替えて今も供給を受けています。

  トヨタがBMWのディーゼルを選んだ理由は不明ですが、様々な分析によるとコスト面でのメリットが指摘されています。メルセデスやプジョー、シトロエンのような尿素処理が、あっさりと省略されているBWMの直4ディーゼルターボは、その簡易的な設計から北米で大問題に発展した旧型のVWディーゼルと同じく排ガス規制に違反しているのではないか?という疑惑がかけられていました。ちょっと前に国産メーカーを対象に行われたディーゼルの排ガス抜き打ちチェックでは、マツダのみが規制の範囲内に収まっていましたが、日本でディーゼルを展開する輸入車にも行ったらどういう結果が出たでしょうか?尿素処理を行うメルセデスやプジョー、シトロエンは大丈夫なようですが、BMW、ボルボ、ジャガーはちょっと怪しいです。

  一度はトヨタにフラれた格好になったマツダのディーゼルですが、トヨタの研究所が独自に将来性などを審査した結果でしょうが、再びトヨタとの包括的な技術提携に合意して、その際に大々的にマツダ・ディーゼルの供給が盛り込まれたようです。ランクルやレクサスGSに遅くとも次のFMCまでにはマツダのディーゼルが載ることになりそうです。

  アテンザが組み立てられるマツダの防府工場は、世界中のマツダファンが巡礼に訪れる日がやってくる時に備えて近代的な装いになっているそうです。世界中のポルシェのファンがヴァイザッハにやってくるように、マツダの防府工場が世界的に有名な観光スポットになる日は来るのか?・・・いや皮肉ではなくて、マツダはアテンザをもっともっと「人を惹き付ける」クルマに育てないとイカンと思うんです。ウイスキーの聖地スコットランドのアイラ島に村上春樹氏のようなマニアがやってくるように、上三川(栃木)、田原、太田と並んで防府も、もっともっとマニアを集められる可能性があると思うのです。

  GT-R、レクサスLS、WRX-STI。どれもメイドインジャパンにこだわって作られてきました。アテンザはすでに中国や米国で生産実績がありますけども、そんなことはあまり気にしなくてもいいと思います。それよりも、もっとアテンザに「日本だから生まれた」ことをダイレクトに感じられる要素を、付加していくことが大事ではないかと思うのです。初代アテンザは日本人の視点からはそれほど目立ったものでは無かったですけども、世界からみれば「これこそが繊細でプレジャーな日本車の理想型だ!」という讃辞が寄せられました。日本という地域の風味を良い意味で持っていたクルマだったと思います。もちろん「GT-R」も「スカイライン」も「LS」も「WRX-STI」も良いオーラを持ってますけどね・・・。それはちょうど日本人が「フォード・マスタング」や「ダッジ・チャレンジャー」にアメリカのライフスタイルを強く感じ取るのに近いんじゃないかと思います

  世界の主要メーカーは、ジャンルごとにサイズ・スペック・価格をある程度は横並びで設定しています。1万キロの彼方であるアメリカ東海岸や、西ヨーロッパのユーザーがわざわざ「防府」で製造されるクルマを選ぶ理由なんてあるのか? そう考えると、とてつもないハードルがそびえるかもしれませんが、これこそがマツダが自ら望んだ「ビジネスの形態」であり「事業ドメイン」であって、当然にその覚悟を持って経営陣は突き進んでいるはずです。例えば遥か1万キロ彼方のロンドンで予想以上の人気となり、あのトップギア(雑誌版)でもとにかく絶賛されているNDロードスターとCX3。これはマツダの近作では実に「日本らしい」要素の詰まった、成功して然るべき「選ばれる」2台なのだと思います。

  初代のGGアテンザはある種の理想を貫いたことが世界中で支持されました。もちろんフォードという勝ち馬に乗っていた部分もあります。フォードによる「非ドイツ連合」の一員として「ポジション」が与えられ、フォード直系のプレミアムブランド「リンカーン」「マーキュリー(2011年廃止)」、さらに外様の「ジャガー」「ランドローバー」「アストンマーティン」「ボルボ」そして「マツダ」の7ブランドが本体の「フォード」&「欧州フォード」の魅力を高める「衛星ブランド」としてクラスター的に輝いていました。注目度も高くマツダの技術力が世界に発信しやすい時でもありました。フォードグループがVWやBMWを徹底的に追い込む欧州戦略モデルの中核にあったのが「マツダGGプラットフォーム」を転用した「フォードCDプラットフォーム」であり、「MZRエンジン」でした。

  日産、スバル、レクサスとは違って海外ブランドの屋台骨を担ったマツダですから、「グローバル」を感じさせるモデルであってしかるべきなんですけども、フォードと袂を分って「新しいマツダの設計で勝負する」と宣言したのちに、2010年の後期プレマシーと後期GHアテンザから始まる「改革」を経て、2012年から「スカイアクティブ」としてラインナップを刷新してきました。最初から全てがうまくいくとは思いませんけども、CX5、CX3、NDロードスターに関しては「マツダの味」がいい感じで発揮できた佳作だったと思います。難しいのはフォード時代から賞賛されてきたアテンザ、アクセラ、デミオの主軸を担ってきた3車です。

  いずれも世界にその名が轟いている名シリーズで、世界から大絶賛されてきたアテンザ(MAZDA6)、ゴルフ を叩き落とすことに成功したフォーカスの兄弟シリーズであるアクセラ(MAZDA3)、そしてWCOTY堂々受賞のデミオ(MAZDA2)。いずれも新たに「小さく」再出発をするマツダがそのまま抱えるには「怪物」過ぎる存在なのかもしれません。ちょっとわかりづらいかもしれませんが、スバルがトヨタから「86」の看板を預けられて、自力のみでシリーズを存続させるみたいなものだと思います。トヨタがいたから「FA20」という専用エンジンが作れてFRシャシーを用意できたけど、これをスバル単独でやるのはやっぱりしんどいと思います。経営面を考慮してインプレッサ用の「FB20」に統一しただけで一気に評判ガタ落ち?するかも。

  デミオやアクセラなら欧州はもとより、東南アジアでも北米でも売れますから「年間40万台」という採算ラインはなんとか越えるでしょう。40万台ってとんでもない数ですが、この台数で開発費を償却できるから、新たに多くの資本を開発に投下できますから、同じメーカーが作るなら、一般的にはよりたくさん売れた方が良いものが作れるはずです。しかしアテンザに関しては40万台の見通しは全く立ちません(20万台も無理)。同じ欧州型FFサルーンは欧州では売れなくなってきていて、北米でもVWパサートやプジョー508(すでに撤退)は大苦戦で、アテンザの兄弟車だったフュージョンもアコード、カムリ、ティアナの後塵を拝しています。もしかしたらアコードやカムリよりも上手くFFサルーンを作れば米国で勝負になる!!とマツダは意気込んだのかもしれません。しかしトップ2の後ろ髪どころか、レガシィB4にもなかなか勝てない・・・(最近ではアテンザが上回る月もあるようですが)。アコード、カムリが各30000台なのに対して、アテンザは4000~5000台程度で、グローバルでも10万台を越えるかどうか・・・。

  販売台数こそ上回っているものの時価総額でスバルの3分の1程度になっているマツダ。スモール&コンパクト(アクセラ、デミオ)と、SUV(CX3〜9)というコアコンピタンスに開発資源を集中させる一方で、アテンザ、ロードスター、RX9(発売未定)の各事業があり、それに加えて2019年のEV発売まで公表しました。世界の人々が「敢えて」マツダを買う理由の源流には、やはりロードスター、RX7、GGアテンザの威光が少なからずあると思うのです。世界中で広く認知されたクルマ。それはデザインはもとより、他にはない「アイディア」を持っています。それはマツダのようなメーカーと開発者がやや異質なメーカーだから出来る!!という説もあります。近作のマツダの停滞は「デザイン」の力を過信したのでは?という気もします。デザインに頼り過ぎると、当然ですがユーザーを掴むポイントは「トレンド」などに左右されやすくなり、マツダに対する評価が時間の経過とともに大きく「縦ブレ」してきているように感じます。

  「威光」の3台は素晴らしいデザインに加えて、「選ばれる」特殊性・機能性も十分に備わっていました。それに比べると、現在のGJアテンザには同時代の他を圧倒するようなスペクタクルがやや希薄に思えるのです。「GJアテンザはカッコいいな〜・・・でもサルーンの質ならアコードHVかな?コストパフォーマンスならマークUかな?」・・・GJというクルマの総合的な印象を考えると、アコードやマークUといった「オッサンセダン」との競合は避けられないですし、その域からハミ出す要素をほとんど持っていません。市場環境を見る限りでは、今後どんなモデルチェンジを経ても、アテンザ・シリーズの販売が劇的に伸びることは無いと思います。そしてマツダのビジネスにおいてもアテンザは「コア」な存在ではないのだから、もっともっと思い切って「目立つ存在」に仕立て上げればいいと思います。「普通」に作ろう(アコードをコピーしよう!)と思えば思うほど迷路に迷いこむ結果になると思うんですよ・・・。


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2016年10月21日

マツダはやはり「マルチチャンネル」で輝くのでは?

  「大人のオトコ」が趣味で買うモノ・・・スーツ、靴、ベルト、ネクタイ、カバン、時計、ウイスキーそれからクルマ。とにかくなんでも「セカンド・ブランド」の時代を迎えています。某英国高級ブランドとの契約が終了した日本のアパレルメーカーが、大幅赤字で人員整理をしたというニュースもありました。改めて世の中は「品質」よりも「記号的価値」に訴えてモノを売っているんだなーと、まざまざと見せつけられました。

  あれこれと持ち物全てを「ブランド品」にするとやはり消耗します。直輸入の「ブランド品」は高価過ぎて売れないけど、ブランドと提携したメーカーがライセンス生産して、手頃な価格に落とし込んだ「セカンド・ブランド」の商品はよく売れます。直輸入の愛好家からしてみたら、日本のライセンス品なんて魅力ないのかもしれないですが、縫製技術やデザイン力において自動車産業のように優位な地位にある日本のアパレルが手掛けていますから、しばしば直輸入品よりも品質が良かったりします。イギリスの中心部にあるポー◯・ス◯ス・ロンドンのブティックには日本のライセンスメーカーの気鋭な商品が並んでいます。

  2012年以降、新たな戦略によってブランドの再構築を狙うマツダ。新たにシェアを獲得するべく北米へ進出し、出足はとても好調に見えたのですが、2015年、2016年はやや決め手不足で「息切れ」感があります。「マツダのソウルレッド」としてトレードマーク化するかと思いきや、他ブランドが次々と高級モデルのイメージカラーに「レッド」を使い始めて、いまではどこも「レッド」を敬遠するタームになってます。マツダも「マシーングレー」でなんだかGTカーっぽいイメージ戦略を仕掛けてます。ここまでの4年間で何か特別な地位が掴めたのか?確かに業績は改善し、多くの市場で成長が見られますが、「円高に負けないラインナップ作り」を達成した以外の成果は、あまりハッキリと見えてきません。

  「今の日本車ではマツダが一番素晴らしい!」みたいな甘〜い評価はしばしば見られますけど、北米ではトヨタ、ホンダ、日産、スバルの遥か遠い背中を追いかける「5番目の日本メーカー」という地位は変わらずで、直近の4年間の成長は、とりあえず北米シェアには全く反映されていません。ラグナセカのネーミングライツを取得するなど、北米での知名度アップにも精力的に取り組んでいますが、日本よりも25倍も広いアメリカでは販売網を構築するのもなかなか大変だと思います。

  マツダもそんなことは百も承知なようで、早くもトヨタとの提携をまとめ新稼働したメキシコ工場の生産分を、当面はトヨタ向けOEMで賄う方針のようです。具体的には2017年モデルにおいてもデミオの北米投入は無いようで、北米向けにノッチバック(セダン化)になったデミオは全量をトヨタブランドから「ヤリスiA」として販売するようです。ところでこのヤリスiAですがリアデザインが、GHアテンザセダンに似ていてとってもエレガントで個性的です。GJアテンザセダンのマークXだかヒュンダイ・ソナタだか分らないようなリアには少々閉口気味だったので、再びマツダデザインが前世代へのリスペクトを取り戻してくれているのは嬉しい限りです。内装はマツダ車そのものでマツコネもそのままです。これ日本に持ってきたら売れるんじゃないのー。

  フィアット/アバルトに供給している124スパイダーもそうですけども、「他のブランドに売ってもらう」ということは、自前のブランドを育てること以上にスゴい事なんじゃないかなーと思います。思い起こせばマツダの隠れた名車プレマシーも日産ブランドから「ハイウェイスター」というサブネーム付きで売られてました。三菱RVRがシトロエンから販売されるなど、欧州で評価の高かったマツダと三菱は、経営上の都合という枠を越えて「指名OEM」が舞い込む特別なステータスを持つメーカーでした。マツダの設計をパクったVWと、三菱の設計をパクったFFのメルセデスの成長を考えると合点がいきます。

  三菱はとうとう日産・ルノー・メルセデス連合の内部に取り込まれてしまいましたが、マツダはいっそのこと全ラインナップをOEMとして供出してはどーでしょうか?アテンザはとりあえずDセグが手薄なPSAかスズキ。CX5とCX3はフィアットかVWあるいはジャガー。アクセラはアルファロメオかボルボそしてやっぱりジャガーさらにレクサス。とにかくマツダの幹部が自画自賛するくらいのクオリティにあるならば、もっともっと世界の人に乗ってもらうことでおのずと道が開けるはず。マツダも「苦手」な販売から開放されて伸び伸びとマテリアルを生産に注ぎこむことができますし、今よりももっと多くの車種を展開できるでしょう。フォードが営業をやってくれていた時代のマツダのクルマ作りは神憑っていたっけなー。
 
  1990年頃に北米で主流となっていたのが、マルチブランド戦略による総合メーカー内部でのキャラ分けでした。いち早くそれを日本市場に取り入れようと、ひたすらに先走ったのが東洋自動車工業(MAZDA)でした。マツダの黒歴史として、今でもしばしば心無い&教養無いカスな評論家によってイジラれますが、そこで語られるようなロータリースポーツの成功によって、フェラーリやポルシェに肉薄(今じゃ誰も信じない?)したことからくる「自信過剰」「自惚れ」などによる盲目的な判断ではなかったと思います。バブル崩壊という誤算もありますが、やはりマツダという「いいクルマ作りたい集団」をさらに奮起させるには、マルチブランドによるキャラ(チャンネル)分けはとても合理的な判断だったように思います。

  いまさらにMAZDA5チャンネルを振り返ることはしませんが、ロードスターやコスモを擁した「ユーノス」はシトロエンの「DS」などよりも圧倒的なヨーロピアンイメージを爆発させたような「奥行き」を持っていたと思いますし、ポルシェやフェラーリに対抗すべく作った「アンフィニ」もRX7FD3Sという稀代の名車に恵まれ、デザイン的には「フェラーリを越えた!?」とすら言われました(今では信じ難いことですが)。どこのメーカーもやっていないことを日本で最初にやれば、いろいろ想定外なことも起こるでしょうし、日本に定着するまで辛抱する時間が続くのはマツダも十分に想定していたと思います。しかしバブル崩壊という未曾有の大クラッシュが直撃し、すっかり笑い草に終わってしまったことは残念無念です。

  さて今こそMAZDAが再びマルチ・ブランド戦略を採るにはいい頃合いじゃないかと思います。ディーラーを分けるなんて周りくどいことはせずに、「ユーノス」「アンフィニ」「オートザム」それからかつてフォード車向けに設定されていた「オートラマ」もマツダの北米戦略を日本で体感させるブランド名として復活させたらどうでしょうか。軽自動車はもう作ってないので「オートザム」はスズキOEM車しかないですけど、シンプルに「トーヨー」でもいいかも。マツダが使い分ける3タイプのシャシーごとにブランドが違うってのが分かりやすくていいと思います。アテンザ、アクセラ、CX5の「マツダ」。デミオ、CX3の「トーヨー」。ロードスターの「ユーノス」。RX9の「アンフィニ」。あとは「トーヨー」にヤリスiAことデミオセダンと、新開発のデミオワゴンも追加して、「ユーノス」によりベーシックなFRのハードトップクーペを追加すれば・・・。

  できればエンジンも分立させて、「マツダ」は1.5、2.0、2.5Lのガソリンとターボとディーゼル。「トーヨー」は1.3LのガソリンとスズキOEMの軽自動車。「ユーノス」はガソリン自然吸気のハイチューン(7000rpm以上)。「アンフィニ」はロータリー。

  レクサスのような「プレミアム」を設定するのではなくて、「スポーツライン」と「セカンドライン」によるブランド分けにこだわるのがミソです。お手本はアバルトとダットサンでしょうか。「マツダ」本体がプレミアム志向ならば、ある程度は収益率をコントロールしたブランド設定が必要になってくるのでは。マツダはメルセデスやBMWのようにラインナップ全体の「プレミアム」化を進めたいようですが、北米トヨタにOEMしているクルマ(デミオセダン)をそのままラインナップして「プレミアム」はちょっと虫がいい話です(アウディ・・・)。

  初代ロードスターの大ヒットによって知られ、ブランドの実働期間は短かったものの、欧州メディアでもしばしば表記されることも少なくない「ユーノス」。もし今新たなモデルとともに復活を果たしたなら、TVRタスカンやアルピーヌの復活のように、世界中のクルマ好きに熱狂とともに迎えられるはずです(すでにNDロードスターが熱狂されてますけど)。「マツダ」と意図的に切り離すことで、いろいろなブランドともコラボしやすくなるし、新型モデルの設計においても、別ブランドならばマツダの系列サプライヤーを気にせずに部品を調達できる(そんな甘くはない?)。たとえばフォードからMZRエンジンの供給を受けることも可能でしょう。

  「今のマツダにそんな余力はないよ・・・」まあこれが現実ですよね。けれどもマツダのポテンシャルを十分に引き出すにはやはりマルチ・チャンネルがやりたい!!!だったら売るのが上手いグループと片っ端から手を組むのがいいんじゃないですか!!!いまだに世界で引っ張りだこな「MZRエンジン」を作ったマツダ。ケータハムにはMZRエンジンだけでなく、マツダ製6MTも供給されています(最近供給体制にトラブルがあっとというニュースもあったけど)。英国に行けばロータリーをぜひ供給してくれ!という復活を期す往年のスポーツブランドもあるでしょう。

  余力が無いのはよくわかってます。けれどもマツダの技術に期待しているクルマ好きが世界にはたくさんいると思うのです。ト◯タやV◯に茶番的なWRCやWECを見せられて消沈している人も多いでしょう。行き過ぎた「商業主義」がクルマ文化を破壊した・・・。何がプリ◯スだ何がゴ◯フだ。クソ喰らえ!!!そういう人々がいたからこそ、ロータス、ケータハム、アバルト、ジャガー、アストンマーティンが綱渡りの経営状況でも生き残り、新たにアルピーヌ、TVRが復活するのだと思います。マツダがト◯タやV◯的なクルマ作りで大きな成果を上げたことなんてあったかな?「余力が無い」からっていつまで苦手なことをやり続けるのだろう。このままではずっと低空飛行じゃないか・・・。少なくとも私にとっては「ト◯タやV◯じゃない」クルマを作るからマツダって素晴らしい!!!って思ってた。だからゴ◯フをベンチマークした現行アクセラにはガッカリしましたよー。

  ホンダの新型NSX見て思いましたよ。日本メーカーの最大の武器は「想像力」だって。小手先の「生産技術」や「品質安定」は日本メーカーを研究することで世界中のメーカーが手にすることができますけど、ホンダがNSXを作ったような「想像力」は簡単には真似できないです。同じ様にトヨタが1989年に発売したセルシオ、日産のGT-R、三菱のランエボそして、マツダのロードスター。1989年にBMWも同じようなクルマを作ってますけど(Z1)、プラスチックボデーにもかかわらず1250kgという当時としてはマツダカペラなどと同等の重量です。あの名門メーカーを「なーんにもわかってない!」って次元に置き去りにしたユーノス・ロードスター。もう30年も前の話ですけど、ホンダを見る限りは「想像力」スゲーなって思う。マツダだって負けてないと思うんですよ!!!けど力を発揮する舞台が・・・。





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