2017年06月14日

歴代アテンザのデザイン と 4代目の行方

  初代のGGアテンザはE46と初代アウディA4(B5系)を意識しつつも、日本車的(カペラ的)なデザインを志向。そのクロスオーバーな感覚が、今も新鮮でまだまだ多く見かけます。リアのコンビランプ周りはかなり意識が高く作り込まれていて、2000年代モデルなのに、程よいビンテージ感すら出てます。

  2代目のGHアテンザのデザインは、当時は中型車で華々しい成果を見せていたプジョー407、アルファロメオ156/159、V36スカイラインからの影響が見られます。3シリーズと5シリーズの中間辺りの具合を狙った造り込みは、ドイツプレミアムブランドによる、上級モデル支配(Dセグ以上)に対する、カウンターパンチ(生き残り戦略)の意味もあったと思います。

  3代目(現行)のGJアテンザに関しては、もう何が『正解』なのかよくわかりません。マツダはかなり強硬に『オリジナリティ』を主張していますが、醸し出す雰囲気はメルセデスであり、アウディであり、BMWなんですよね。ただしジャガーXEが異常なほどF30・3シリーズに接近したような『模倣』ではなくて、マツダのポリシーに反しない範疇で目一杯の仕事をした結果、ブランド力を持つドイツプレミアムをも突き抜ける輝いたデザインとして完成させました。この『勤勉さ』こそがマツダの大きな魅力だと思うのです。

  単純にマツダがクラスで一番『絵が上手い』。スカイラインGT-Rとサバンナのライバル関係が成立してから、国内の優秀なデザイナーはみんなマツダを目指したらしい。デザイナーじゃないけど元日産のミスターGT-Rこと水野和敏さんも第一志望はマツダだったと著書に書いています。

  ルノーのバックアップで完成したアルピーヌA110(デザインは正直あまり好きじゃないけど)のチーフデザイナーはフランシ人のアントニオ=ヴェランだけども、エクステリアのイメージ全体を手掛けたのはマツダ出身の日本人だそうです。1年くらい前のオートメカニックにインタビューが載っていて『ロータリーが無くなったからマツダを辞めた!!』とおっしゃってました。どんだけピュアなんだー(おそらくヘッドハンティングだろうけど)。

  営業部門の発言力が強すぎるトヨタと並んで、マツダはデザイン部門が威張っているとか評判になっています。とうとうロードスターの主査がデザイナーの中山雅さんになって、某評論家が「新しいロードスターの主査に質問してみたけど技術的なこと何もわかってなかったぞ!!」とか書かれてました。小狡いカーメディアの連中にバカにされちゃうくらいに、真面目で誠実なキャラ。そういう人々がクソがつくくらいに真面目に作っているから『ロードスターRF』は美しいのかな。日産の開発者なんて無口で角刈りでイカツイ人が多いので、カーメディアもクルマに対してしか攻撃しないけどね・・・。

  さて4代目アテンザは『何を』モチーフにしてデザインされるのか!?D/Eセグセダンはどこを見ても『停滞感』に溢れてます。もうシビックに全てを飲み込まれるんじゃないか?ってくらいに・・・。ちょっと元気があるのはメルセデスとトヨタ・カムリなどですけども、おそらくマツダの開発者にはあまり魅力的な『被写体』にはならないでしょう。なんかイメージが広がらない。

  歴代アテンザのデザインに共通するのは、モチーフを見つけて、そこに新しい魅力を加えて今までになかった新しい『MAZDA』をつくる!!というブランドのアンテナ的な役割です。初代アテンザはスポーティセダン全盛の中で、どのライバル車よりも『空を飛べる』ような軽さが表現されています。どこよりもスポーティ。運動神経良さそう!!実際にそんな目標があったのかわかりませんが、実車は今も最もスポーツカーに近い4ドアとして世界中で愛されてます。担当デザイナーの小泉巌さんは、昨年CX4を担当し、やはり『運動神経』を強調したデザインで2016年の中国デザインCOTYを受賞しました。

  2代目アテンザは、プジョーやアルファロメオを出発点にして、これまでのマツダには意識が弱かった、パリやローマの街並でも馴染む(主役になれる)『繊細』なデザインを完成させましたが、このデザイン実はフォロワーがすごく多い!!『オペル・インシグニア』『セアト・エクセオ』『ボルボS60』『シトロエンDS5LS』などなど。いい感じに力が抜けたデザインが絶妙!!で、同世代で同じような『緩さ』を共有した、アクセラ(先代)もデミオ(先代)もそれぞれ欧州COTY準GPとワールドCOTY大賞ですからねー。とってもトレビアーンな世代。

  そして現在の『魂動』世代は、前世代とは対照的に力入ってます!!マツダの開発者も、先輩の実績を超える!!というプレッシャーを感じているんだと思います。よって先代のコンセプトを引き継ぐことを潔しとはせずに、アテンザ、アクセラ、デミオそれぞれ『ガラリ』とイメージが変わりました。初代が日本調、2代目がフランス調、そして3代目がいかにも力強いドイツ調。

  4代目は・・・!?アメリカンなマッスルを体現するデザインになりそうな予感が。モチーフはダッジかシボレーあるいはマスタング。ヘッドライトやグリルの形状が強烈になって、現行でせっかく集めた『還暦』前後のユーザーが一気に離れていくかもしれないですけど、多分リタイア間近な世代は3代目に乗り続けるだろうから5代目を売ればOKじゃないですか。もし5代目でFR化が既定路線ならば、4代目に関しては下手に熟成する必要もないですし、モデルライフも3〜4年の短命だと割り切って『ドカン』と大きな打ち上げ花火もありじゃないかと思います。・・・そしてそういうモデルに限って予想外に売れたりするわけですが。



↓ダッジ・チャージャーをモチーフにしたマツダデザインが見たいです!!
 


最新投稿まとめブログ
posted by cardrivegogo at 22:28| Comment(0) | アテンザ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月10日

CX3ガソリンモデルの日本投入が決定!!いよいよやる気が出てきたなー

ロータリー50周年を祝うはずだった2017年。マツダにとっては『四面楚歌』のような状況になりつつあります。良いニュースはアメリカ大統領がそれほど強硬派ではなかったことくらいか。C-HR発売によっていよいよ3桁目前までガタ落ちしたCX3。さらにシビックとカムリが登場すれば、アクセラとアテンザにも致命的な打撃が予想されます。さらに予想外だったのがスバルXVの完成度の高さで、マツダが相当に期待していたCX5よりも反響が大きいくらい・・・。

ここまで追い込まれると、マツダも打てる手は打ってくる・・・ということで、CX3に2Lガソリンモデルを投入するようです。アクセラの2Lガソリンは日本での販売が打ち切りになるほどで、中古車市場ではその希少性からか同年式で同程度走行でカーセンサーの内外装チェックも同じ水準のBMW116iよりも高値で取引されています(170万円くらいだった)。これがMT車だったらさらに上昇するんでしょうね・・・。

アクセラは売れなかったのに、CX3で再び2Lガソリンはどーなのでしょうか?って感じのシケたリアクションが多いかもしれないですが、『最近のマツダはディーゼルばっかりでダメだ〜・・・』と不満に思っていた人もいるのでは? ディーゼルを日本でも発売した2012年までマツダはロータリー車を作っていましたし、そのちょっと前まではNCロードスター基準で作ったショートストロークエンジンをミニバン(プレマシー、ビアンテ)に搭載していました。

そのエンジンは今も英国のAERが『MZR-R』として改良して主力エンジンとして活用してますし、ケータハム、ゼノス、ラディカルなどの英国スポーツカーメーカーには、フォード経由で供給されています。5年前までは『RENESIS』と『MZR』の2枚看板。いくらフォードの後ろ盾があったからといっても、これはさすがに「世界が唖然」とするレベル・・・。しかし2012年以降はロングストロークガソリンとディーゼルのみで、まるでVWやBMWのような何の取り柄もない凡庸なメーカーみたいになっちゃいました。

ロータリーとMZRの二本立ては、確かに無謀でしたけども、その破天荒さから欧州では非常にウケが良かったようで、欧州における『マツダ神話』はルマン制覇やRX7FD3Sを前フリとしつつも、2000年代の奇抜なRX8とアテンザ、アクセラの大成功によるところが大きいみたいです。マツダとしても『欧州で最も評価された日本メーカー』という手応えがあるからこそ、強気な価格設定で・・・『マツダ地獄』とかいういかにも中部地方訛り蔑称を鵜呑みにするお爺さん達の度肝を抜くことができるのだと思います。故本田宗一郎氏も著書ではっきりとその存在を認めていましたが、『中部訛り』はやばいっすよ・・・不良品のホンダ、リコール隠しの三菱などなど。それくらいの影響力を持っているから売れるんでしょうけどねー。

ロータリー復活の噂も出てきましたが、いよいよマツダが2012年以前の『伝説期』へと舞い戻る時期が到来したのかなー。その第一弾がこの2LガソリンのCX3。このクルマは英国で有名なカーメディアである『トップギア』で絶賛されてました。ロードスターの精神が宿るコンパクトSUVだって!!同じ英国ネットメディアの『AUTO EXPRESS』でも、CX3、アウディQ2、メルセデスGLAの3台の比較レビューで、堂々CX3がトップに評価されてました!!

相手はMQB(C/Dセグ)とCセグベースなのに、デミオベースのCX3が勝つなんて!!1.4Lターボ、1.6Lターボのギリギリエンジンに、軽量化が不十分な相手ですから走るのが精一杯なのに対して、2L自然吸気で1250kgのCX3ですから、ほぼ反則みたいなものですけども・・・完全なるミスマッチ(出来レース)です。

とりあえず英国では『アウトランダーPHEV』『ジューク』と並んで、日本の技術力の高さをまざまざと見せつけるSUV3傑の1角を占めるクルマです。単純にエンジン、ミッション、AWD技術だけでも完全に欧州のSUVに差をつけてます。Q2なんてFFしかないし・・・アウディなのに!!

日本発売前からすでに欧州で大評判(らしい)。これはなかなか熱いんじゃないですか!?久しぶりに『感性のレベルで欲しい』マツダ車が帰ってきた感じがします。これを契機に今度はシビックにアメリカで挑んでいる2.5L自然吸気の『MAZDA3・GT』(アクセラGT)も持ってきてくれー!!ちなみに『GT』と言いグレードは日本でいうところの『Lパケ』みたいな意味があるようです。

ちなみにアテンザにも『MAZDA6・GT』があって、価格は北米Dセグプレミアム価格である30000ドル越え!!BMWのM240i(645万円)や320i(530万円)が33000ドル、メルセデスCLA250(580万円)が33000ドルですから、アテンザLパケはグローバルでは500万円級なんですねー。ユニットが2.5L自然吸気であることを考えるとメルセデスやBMWよりも高いのかも!?4代目アテンザは文句なしで500万円でも安いくらい!!と言われるように頑張ってー。

↓『スカG2.0』VS『Vtec1.8』の対決!!日本市場でも売ってくれー!!


『マツダCX3がアウディ&メルセデスを完全にノックアウト!!・・・もとんでもない強敵は国内に』

最新投稿まとめブログ
人生最後に乗るクルマ (リクルートスペシャルエディション)
posted by cardrivegogo at 03:31| Comment(0) | CX3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月06日

『燃費表示変更』に込められたマツダの深謀遠慮とは!?

  最近のマツダは新型モデルを出す時には、必ずと言っていいほど『何か』を仕掛けてきますね。定番なのは『ティザー』ですが、クルマを発売する前に『Gベクタリング』を宣伝したり、『レザーの材質』をアピールしたり、とにかく『プレ』に勝負をかけています。新機能なんて極秘に開発しておいて、未搭載の新型モデルの販売がちょっと不調だと判明してから、後出しジャンケンすればいいのに。

  そして今回はなんと・・・『燃費表示を変えてみました』。CX3に2Lガソリン車が出てくるタイミングで変える意味って何!? どう考えても2L自然吸気エンジンを積むコンパクトSUVでは、他社のライバルモデルに対して、モード燃費が伸びないですから、それを見越した『布石』以外の何物でも無いです。HVだと30km/Lを超えるモデルも珍しく無いですから、2Lガソリン自然吸気で出せるせいぜい15km/Lでは、確かに苦しいのは間違いないですけどね。

  しかし『Gベクタリング』や『ナッパレザー』といった高性能車に付いてくる『アクセサリー』に力を入れているマツダの流れからすると、ちょっとブレてる気がする・・・。たとえ前年と比べて販売台数は逓減しようとも、『Lパケ』や『XD』の比率が高まれば、売り上げ自体は伸びるでしょうし、利益率はさらに上がるわけです。アクア、フィットHV、カローラHV、ヴィッツHV、ノートe-POWERなどなど200万円以上するコンパクトカーが飛ぶように売れている日本市場で、238万円〜のCX3が売れないのは、世間で言われているように『価格』だけのせいではないです。

  マツダらしいクルマへと『鍛えること』はやや中途半端にしたままに、『価格のせい』『燃費のせい』で他へ責任転嫁しているようなメーカーには、追い風なんて吹かないですよ。15km/L程度のモード燃費でも『いいクルマ』は何の障害もなく売れていきます。例えば同じくらいの燃費だったフェアレディZの『Z33』と『Z34』は前者は成功して後者は失敗しましたけども、この2世代の明暗を日産は『燃費』だと解釈している節があります。『Z』が大好きな人々にとっては『燃費じゃねーよ!!』と思わずツッコミを入れたいところです。

  トヨタやホンダのHVが異常なモード燃費を叩き出す状況で、ある種のやりにくさを感じていたであろうマツダにとっては、より使用環境に合った実燃費をユーザーが気軽に算出できるような仕組みを整えることで、状況を打開する狙いがあるようです。マツダはトヨタのハイブリッドシステムを使っていますが、マツダが本気を出せばプリウスより優れたモード燃費を叩き出すのはたやすいそうです(ディーラーの人が言ってた!!)。ディーラーパーソン向けの講習会では50km/Lくらいまで余裕で実用化できるけど、トヨタとの協定で市販できないとの説明があったらしいです。

  マツダにとって耐え難いのは、トヨタやホンダと燃費競争を繰り広げた先には、何が待っているのか!?それをリアルに想像した時に、メーカー同士が消耗した挙句に、燃費のみにパラメータを極大化させたパッケージが、そのまま『ジェネリック』化して中国メーカーから日本へ大量に輸出される時代がやってくる!? そして日本の自動車生産設備(ラインと開発拠点)は、シャープのようにペロリと全て中国資本の傘下に収まる可能性が高いです。その第一段階はすでに始まっていて、ちょと前に世間を騒がせた、技術系ブランドとして世界をリードするはずの『三菱自動車のつまづき』でした。燃費競争の弊害はすでに現実のものになりつつあります(メーカーとユーザーは目を覚ませ!!)。とりあえず自主再建を諦めた三菱自を日産が買い取ったことで『中国資本へ渡る』という最悪のシナリオは回避されましたけど、代わりに日産傘下の最大のサプライヤーであるカルソニックカンセイが宙ぶらりんになっています・・・(これは喰われそうだ)。

  三菱のつまづきに、自らの未来を見てしまったのがマツダ・・・。『Gベクタリング』の導入も、三菱のテクニカル・スキームをよく研究して、三菱のAWD基幹技術である『AYC』に匹敵する看板を打ち立てた格好です。日本の某大手メーカーのように、開発部門よりも営業部門や購買部門が大活躍して花形になるなんて本末転倒なんですよ!!鋼材サプライヤーに車体を設計させて、エンジニアリング会社に駆動系の開発を丸投げし、素材・家電メーカーに各部の機能をバラバラに任せたセット商品・・・。これではグループ全体の売り上げは10兆円を超えていても、メーカー自体のGDP付加価値分は実質1兆円にも満たないです(実際に営業利益は10%に満たない程度)。

  スバルやマツダの利益率が高くなっているのは、巨大グループから外されて、生産車種を絞りつつも、少数精鋭のラインナップの基幹部分を自社で開発しているからだと言われています。スバルは開発部隊が花形!!マツダはデザイン部門が・・・(笑) 利益率は決して工場稼働率から単純に導き出されるものではないのです!!どれだけ自力でクルマを作っているか!?が数字に表れる時代。だから(アメリカから制裁を食らう前の)VWでもメルセデスの利益率には遠く及ばないのです。日本であれだけ売れていない三菱自の国内部門が、決して赤字にならないのも、自己開発の比率が非常に高いから!!

  もちろんモード燃費を伸ばすイノベーションに関しても、トヨタとホンダがトップシークレットで自社中枢において青天井の開発費を費やして行っているから、トヨタもホンダも利益率は決して悪くないです。スッカスカのボロカスになっているのがVWとフォードですかね。ほんの10年ほど前まで、マツダはフォード傘下の『トータル・エンジニアリング・ディベロッパー』として仕事を得ていた!!フォード本体は空っぽになるのも無理ないです。スバルも日産やGMの参加で同じような仕事を請け負っていましたっけ。そして三菱自動車&三菱重工は世界中の自動車メーカーと取引をしているという意味で『ボッシュ』みたいなものです。

  今回の『燃費表示変更』は、2つの見方ができそうです。1つ目はマツダが燃費競争の激しさにビビっていて、ユーザーのマインドを少しでも切り崩す材料にしたい!!というミクロ視点のもの。そして2つ目は、三菱やスバルとともにマツダが国内市場で行き詰まり、結果的に『日本の』自動車産業としての体裁を保てなくなりつつある・・・そんな危機的な日本の状況を好転させようというマクロ視点のもの。・・・もちろん肝心なのは行動を起こしたマツダが、今後どのようなモデルを市場に投下してくるのか!?この『表示変更』はもしかしてロータリー復活の布石なのか!?



最新投稿まとめブログ
マツダ大全 ヒストリーからクルマづくりの真髄まで完全網羅 (SAKURA MOOK)

ラベル:マツダCX3
posted by cardrivegogo at 03:06| Comment(0) | マツダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする