2018年07月12日

マツダは腐っているってマジですか!?

マツダファンが見たクラウンとカローラスポーツ

  新型クラウンのリアデザインは・・・まるでGHアテンザセダンを見ているようだ。そして新型カローラスポーツのリアデザインはBLアクセラみたいだ。これは単なる偶然なのか!?それともマツダ旧車オーナーに対してのトヨタからの熱烈なラブコールなのだろうか!? ただし湧いてくるのは憤りの感情かも。ほんの6年前まで、210万円〜で最高のドライビングを楽しむことができたマツダを知っているGHアテンザオーナーに、480万円のクラウンを売りつけようっていうのか!? ちなみにカローラスポーツは213万円、あれれ・・・GHアテンザの最終ベース価格よりも高いんですね。もっとも初期のアテンザは「4ナンバー」モデルもあったくらいなので価格の付け方が現行とは全然違ったらしい(未確認)。またマツダは商用車共通モデル作らないの!?


マツダのラインナップは寂しい・・・

  クラウンもカローラスポーツもこの目を引くリアデザインのせいで、ちょっと「無視できない」存在になってる。新型クラウンは早くも2万台近いバックオーダーらしい。マツダから見れば480万円のクルマが2万台ってとんでもない数字ですけども、ここ数世代のクラウンと比べるとさすがにやや少ないらしい。14代目(先代)は発売から1年で6万台くらいは余裕で売っていた。カムリ、レクサスLS、センチュリーに加えてレクサスESも追加され、既存のクラウンユーザーも次は何に乗るかちょっとは迷うのだろうか。トヨタのフォーマルセダンのラインナップが増えた。どーせHVにするならクラウンもカムリも同じようなユニットだけども価格差も100万円程度でしかない。いっそアテンザ・ディーゼルという選択はないだろうか・・・?


トヨタなんてありえねー

  マツダユーザーは、頭では「ありえない」と思いつつも、カローラスポーツがちょっと気になる。「iMT」ってどんなに具合がいいのだろう? それでも1.2Lターボってのは無いな〜。アクセラ、CX-3、デミオが1.2Lターボだったら、まあスルーだよな。マツダの表情豊かなエンジンフィールとは、とても相容れない。アクセラが1.2Lターボになったらマツダファン辞める奴が続出するだろう。人見さんも「1.2Lターボはどう結論しても不可」みたいなこと言ってたから絶対にないだろうけど。


マツダは腐っている!?

  前回の投稿にも書いたけど、マツダは「イマイチ風通しが悪い」という声が渦巻いているようだ。手堅い戦略で、車種の設定もなかなか進まない。アテンザ派生のクロスオーバーや2ドアクーペは海外メディアなどでたびたび噂があったけども、結局実現はしなかった。メルセデスやBMWのようにチャラくてアホみたいなモデルは増やしたくない!!ってのはあるだろうけども、『デザイン>走り』で開発費を抑えた結果、当然のことだけども、アテンザのユーザー層は頭カチカチのオッサンが多くなったよ(クラウン化している)。それでもGJアテンザは可能な範囲で『手当』されてはいてバージョンアップしているけども、やはりマツダの設計自体が抜本的な取り組みを後回しにするなど、「風通しが悪い」のは確かだ。


2020年は無理だろ!?

  次のアテンザが2020年に登場して、何を意識しているのかわからないけどFRになるらしい。しかし2020年発売だったらもうすでにテストモデルが出てきてもいい頃だし、どう考えても開発期間が足りていない。4代目アテンザ(GJと同じシャシー)をキャンセルして、5代目アテンザ(次世代シャシー)を前倒しで投入、中長期スケジュールを少し変更しただけなのかもしれないが、あのメルセデスも開発期間の不足で「?」なモデルを量産している始末。焦ったばかりに、クルマの完成度には定評があるマツダの名声に傷が付かなければいいけども。


勝算

  ベストカーの連中は、FR化によって「Eセグではなくて、3シリーズ対抗モデルを作れ!!」みたいなアドバイスを書いてましたが、ハンドリングに秀でるXEやジュリアがくすぶるプレミアムDセグよりも、クルーザーみたいな眠くなるハンドリング音痴なクルマがたくさんあるEセグの方が結果は出せるんじゃなかろーか。アメリカ市場で月に5000台も6万ドルのセダンを売れば大成功だと思う。Eクラス/Sクラス、チャージャー、レクサスLS、ジャガーXJ、クワトロポルテを相手にした方が捗る気がする。


フェートン

  CX-5もミドルSUV市場に「マツダ印」のハンドリングを持ち込んだ結果の大成功だったわけだから、Eセグ、Lセグで存分にマツダが暴れればいい。日本のカーメディアは「マツダがフルザイズセダンを作っても無駄」だと思っているようだけど、現状では満足できるセダンが少ない。10年くらい前にはシトロエンC6なんていうフルサイズサルーンもあった。VWフェートンは確かに大失敗に終わったけども、VWよりマツダの方が、明確に「走り」の味を出せるという意味では、ブランド力訴求力で完全に優っているので、フェートンの二の舞になることはないんじゃないか。


市場は開かれている

  メルセデスのサルーン欲しい!?・・・NO。BMWは?・・・NO。LEXUSは?AUDIは?・・・やっぱりNOだ。マツダファンの肌感覚で失礼だけども、市場は新陳代謝を求めていると思う。いいクルマを作ってくれるならどこでもいい。テスラでもジェネシスでもボルボでも勝負できるのだからMAZDAでもいいと思う。よっぽど悪いイメージでもない限り、そこそこの実績のあるメーカーならば、どこでも参入可能だと思う。ヤマハや光岡だってOK。問題はディーラー網ですかね。本田宗一郎がエンジン付き自転車を全国の「自転車屋」で販売するような革命的な流通さえあれば、4輪車を作ってみたいメーカーはたくさんあるだろう。AMAZONで売る!?


マツダは動くのか!?

  国沢さんがいうには、マツダ内部には華々しいラインナップ展開を強気に主張する人々が結構いるらしい。しかし経営陣はとても保守的であり、トップダウンを黙々とこなすマツダらしくない小粒な人材が各セクションの要職に抜擢されているらしい。誰もが出てくると期待していたMSアクセラも全くなかったので、現行アクセラはすっかり地味な存在になってしまった。ゴルフやAクラスと団子レースを繰り広げるようなクルマで終わって欲しくなかった。確かに言われて見ればスカイアクティブ時代のマツダは保守的過ぎる。腐っているという人の気持ちもわからないではない。CX-3とRFが先月にマイナーチェンジするまで、マツダで買うべきモデルを全く見つけられなかった。マツダは好きだけど欲しいクルマが一台もない!!そんな状況でのらりくらりとマツダに関するブログを書き続けた自分の意識の低さがちょっと恥ずかしい・・・。




posted by cardrivegogo at 04:36| Comment(2) | マツダとカーメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月11日

新型アクセラがすごいクルマになる理由



広島に豪雨

  マツダの本拠地・広島は大変な自然災害に見舞われて、工場も数日操業を中止しているとのこと。ツイッターでも冠水車の対応を注意喚起するなど、被災地メーカーとしてのCSRへの意識の高さは素晴らしい。「北関東」「東海」「九州」の三大自動車産業集積地域は別として、東北のトヨタ、滋賀京阪のダイハツ、岡山の三菱、広島山口のマツダは、それぞれ地域産業の「中核」であり、例えばアクアやC-HRの大ヒットは東北の経済を回すし、三菱の軽自動車燃費不正事件は岡山(倉敷)に大きな暗い影を落とした。そして広島・山口の産業の行く末は、CX-5の売れ行きに左右される運命であり、25%という絶望的な数字を掲げたアメリカ大統領のご乱心っぷりは気が気じゃない・・・。


オートモービルカウンシル2018

  災害とトランプに怯える広島・山口を救えるようなスーパーな1台をマツダは鋭意準備中のようだ。8月3〜5日まで開催されるオートモービルカウンシル2018のMAZDAブース出展車両が公表されたけども、来年発売の『新型車』への注目を最大限に高めるべく、「テーマ」をガチガチに決めた演出になるようだ。とりあえず余計な「ヴィジョン・クーペ」や「RX-VISION」は来ないらしい(ヴィジョン・クーペをまたじっくり見たかったな)。


Cセグメントの意味を変える

  MAZDAのファンならもうとっくに気がついているだろうけども、2019年のMAZDAは「Cセグメント」に注力するらしい。しかしCセグメントのライバルモデルと不毛な過当競争をするのではない。敵はVWゴルフでもメルセデスAクラスではなく、Cセグメントに肯定的なイメージが持てずにいる我々ユーザーの「先入観」であり、これをいかに打破するか!?が2019年からのMAZDAの新たな指針になる!? 『Cセグはダサい=アクセラはダサい』を変えるためにはゴルフ、カローラ、シビック、Aクラス、インプレッサなどとは距離をとった方がいいのかも・・・。アクセラはこれから先の広島・山口の未来を背負っているわけだから。


アクセラの選択肢

  マツダは現行アクセラに「2.2Lディーゼル」搭載を強行し、Cセグ=スモールカーの枠組みを壊そうとしていた。しかし福野礼一郎みたいな強権的なライターは、その努力を黙殺し、ディーゼルを積むために、エンジンルームとの遮音を考えて長くしたボンネットを、「デザイン優先の愚かさ」と何度もこき下ろしていた。確かに現行アクセラは、「THS」を搭載するグレードが存在するなど、開発段階では五里霧中であり、完全に手探りの中でのスカイアクティブ化だったことを露呈している。もしアクセラより先にデミオが登場していてコンパクトカーとスモールカーの2つの需要を一気に請け負う今の日本市場での売れ行きを見せていれば、もう少し華麗な現行アクセラになったかもしれない。


タイミングの問題だった!?

  もしくはCX-5がもう少し早く発売されてヒットして、経営の見通しが立っていたならば、現行アクセラに向けてもっと腹をくくった決断ができたかもしれない。搭載エンジンは潔く2.2Lディーゼル(270万円〜)と、2.5Lガソリン(250万円〜)だけに絞り、ハッチバックとセダン、それから4ドアクーペ、2ドアクーペ、3ドアクーペ、ワゴン、クロスオーバー、2ドアカブリオレを展開したちょっと前のVWゴルフシリーズみたいなファミリー化ができたかもしれない。もちろんCセグへの認識がすぐに変わるわけもなく、販売台数に苦しんでいたかもしれないけども、A45AMGやシビックtypeR、ゴルフRへの注目度が高いなど、高性能Cセグの需要が北米、中国、欧州、日本の4大市場でいずれもかなり高いことがわかってきた・・・。もしかしたらビッグウェーブに乗ってプレミアムCセグの頂点に立っていた可能性もある。少なくとも何の色気もないVWゴルフと安易に比較されて「敢闘賞」をもらう地味で損な立場からは逃れられたはず・・・。


Cセグは激戦区ではない・・・ガラクタ市場だ

  2019年頃からリリースされるメルセデスAクラスやVWゴルフの新型モデルの情報がすでに出てきているけども、まあどちらも知っている限りのスペックのままで発売されるならば、次期モデルは売り上げを落とすことは確実だ・・・おそらく中国でもコケると思うよ。Aクラスは1.4Lターボ、ゴルフは1.5Lターボになるようだけども、日本では発売まもなく200万円前後で未使用車が溢れることになると思う。どちらもCセグの「残念なイメージ」を変える気配が全くない。同じように世界最高のシャシーを謳ったインプレッサも全く違いを出せなかった(そもそもFBエンジンはユーザーを舐めている)。インプレッサもカローラもそうだけど、まるでカングーやJPN TAXIのようにCセグを真面目に作ったところで結果は見えている。オーリスの二の舞だ・・・。


90年代とは全く別物

  世界的にCセグで成功してきたクルマは、カローラであり、シビックであり、ゴルフだった。なぜこの3台は累計で数千万台という規模で売れた偉大なシリーズになれたのか!?この3台が急成長を遂げていた90年代00年代において、常に革新的な姿勢を貫いていたからと言っていい。おそらく右肩上がりしか信じなかった当時の開発者の頭の中には、今のようにCVTや安普請のDCTを使った、『間に合わせ』にしか見えない設計などなかったと思う。そんな斜陽気味のCセグに200万円も払うなんてアホくさいことだ。インプレッサが全然売れないのもよくわかる(アイサイトで売れてただけ!?)。


ランティスも復活!?

  オートモービルカウンシル2018のマツダブースでは、来年発売のアクセラのベースとなる「魁コンセプト」と1980年にマツダがロータリーから脱却することに成功した名車「5代目ファミリア」や、ファミリア派生の「ランティス」などが展示されるらしい。これらの展示車両が暗示しているのは、糞詰まりでしかない状況のCセグを、ひたすらに進化・革新をマツダが貫いて、再び魅力的なセグメントへ変える!!という意思表明であり、スポーツクーペモデルのランティスをわざわざ持ってきたことから、次期アクセラでは意欲的なボデータイプ追加があることを示唆されているのかもしれない。


1.2Lターボじゃ「風になれない・・・」

  マツダファンであるせいかもしれないが、マツダ以外のブランドがやっている茶番みたいなCセグのフルモデルチェンジを見て、がっかりする以外に感じるものがない。カローラハッチバックには「THS」と「1.2ターボ」・・・Cセグをつまらないものにした二大潮流のエンジンをわざわざ嫌がらせのように選んでいる。利益のことしか考えないトヨタの戦略ってのは言い過ぎかもしれないけど、利益2兆円メーカー様のやることは手堅い・・・。何もわかってないアホ相手になら商売が成立するだろうけども、100psそこそこの1.2ターボのMTじゃ煩すぎて高速道路も満足に走れないから、長野のビーナスラインにたどり着く前に助手席の彼女は気分を悪くしてしまう(高速道路は2L以上の排気量が欲しい)。「風になりーたいー」とか言ってる場合ではない。カローラなんかよりも「CX-3の20SプロアクティブSパッケージ」の方がよっぽど良くないですか!?ってアドバイスしてあげたくなる。車格は下ですけども、2L自然吸気にMT、シートヒーター、パワーシート、ステアリングヒーターまでついてきて243万円。これこそマツダの真心グレード!!


新型アクセラの前座はCX-3とRFだ!!

  カーメディアの連中はCX-3に対して、1.8Lになっても馬力が増えないディーゼルをあれこれ言ってますけども、CX-3のマイナーチェンジの最大の見せ場はこのガソリンMTモデルのラインナップ充実にあると思う。なんでこれまで販売しなかったのか!?ちょっと邪推すると、ロードスターRFのエンジンを更新しないうちに設定してしまうと、MTドライビング派がCX-3へ流れてしまうからでは!? 今回RFとCX-3を同時に更新してきたけど、この英国で絶好調の2台こそが、今の日本市場でも、最高にエキサイティングで、欧州自動車文化に近いものを伝えている存在じゃないかと思う。


国沢光宏「マツダの内部は腐っている!!」

  ベストカー最新号で国沢さんが「マツダの内部は腐っている!!」みたいなこと書いてるけどさ、このオッサンこそ、マツダのプリミテティブな魅力にも気づけよ(RFとCX-3こそが今のマツダだ!!)。あくまで希望的憶測に過ぎないけども、これがそのまま次期アクセラ&日本導入CX4への指針になるのだと思う。果たしてどのエンジンをMTで売ってくれるのだろうか? 2.2D、2.0G、2.0Gハイスペック、2.5G、2.5G-t、2.0SPCCI3チャージャーとユニット数だけは順調に増えていて、これをエンジンも組み立ても同じラインで流すのがマツダの強みらしい。


被災地のために頑張れ!!

  言葉は悪いけども、カローラ、インプレッサ、ゴルフ、Aクラスなどは「工業団地」で生産効率を追求した設計で、販売は営業力任せで、お得意様市場で固め打ちするだけ・・・そんな厭世的/末期的なCセグなのに対して、「町工場」でニッチに作られ(それでもアクセラはグローバル40万台あるけど)、世界のユーザーが指名買いしたくなるスペックを提げてくるであろう新型アクセラ。もうすでに勝負はついていると思うけどね。あとは被災地の安定と繁栄のためにマツダの開発者は頑張って『手を抜くことなく』最後までいいモデルを磨き上げればいい!!マツダが腐っているかどうかは来年のアクセラのラインナップでわかる!?





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2018年07月04日

新型クラウンは・・・マツダの想定外!?


クラウン&カローラスポーツを超えろ!!

  クラウン&カローラスポーツのビッグなプロモーションの影にすっぽり隠れてしまったアテンザ(改良)&CX-3(改良)。ブログ書いてるとわかりますけども、今回は完全にトヨタの方が惹きが強いですね・・・関連記事のアクセス数にかなりの差がある。先代クラウンとGJアテンザはほぼ同時期に発売されましたけども、あの頃はアテンザの方が完全に有利だったし、アクセラとオーリスを比べてもマツダの方が圧倒的に注目度が高かったのだけど、2018年は完全にトヨタに持って行かれています。


2台同時発売がトレンドになる!?

  トヨタ勢がFMCなのに対してマツダ勢は「商品改良」なので、トヨタが優勢なのも仕方ないのでしょうけども、「伝統のシリーズ名」に「正統派の進化」を施し、しかもクラウン&カローラスポーツの「同時発売」、これこそがウェブでジワジワ広めるには効果的な戦略か!?日産もリーフとスカイラインを、ホンダもシビックとオデッセイを、マツダもアテンザとデミオを、これからは主力モデルは必ず2台同時に発売すべきなのかもしれない。トヨタの規模じゃないとプロモーションも初期生産にも対応できないかもしれないが・・・。


新型クラウンはマツダが超えるべきハードルに過ぎない

  先代クラウンはウェブでの注目度はかなり地味でしたけども、それでも話題沸騰したGJアテンザの倍以上は売れました。今回の新型クラウンはすでにウェブ上でもアテンザを大きく上回る注目度ですが、100万円近い値上げにもかかわらず一体どれくらい売れてしまうのか!?マツダが次期アテンザでやりたいであろうことを、片っ端からクラウンが先取りしてしまった!? 新型クラウンのセールスポイントは、ミッション&サスペンションの性能を大きく向上させ、ユニットも鋭いレスポンスに対応できるハイブリッドとターボ。これが見事なまでに、ディーゼル頼みのアテンザのやや弱点になっていたところを、トヨタは抜け目なく尽力してストロングポイントに変えてきた!!マツダの開発陣は大ショック!?いやいやマツダならさらに良質なアイディアを絞り出せるはずだし、完成度の高いものを作ってきた歴史があるので十分に期待しています。


GJアテンザを踏み台にする戦略!?

  勝手な想像ですけども、欧州車志向のユーザーの中には、2013年頃にGJアテンザを買った人も結構いたようですが、そんな人々の多くが今更に作り込みがイマイチの5シリーズやEクラスに戻るわけでもなく、新型カムリあるいは予算に余裕がある人は、ふらっと・・・新型クラウンに行くんじゃないか!? トヨタのマーケティングはすばらしくて、ナンバー1メーカーとして君臨しているわけですが、その優秀さゆえにGJアテンザを踏み台にして15代目のクラウンを飛躍させるという「悪魔のような」戦略を5年前からすでに考えていたのだろうか!?


マツダだってトヨタを研究している!!

  もちろんマツダも決してトヨタにやられているばかりではなく、CX-8のスマッシュヒットの秘密は、アルファードをよく研究した成果であり、北米に展開していたCX-9の内装をそのまま移植したのではなく、日本の高級志向の3列シート車ユーザーが満足するようなテイストをしっかりとアルファードからパクっていますから、GJアテンザが踏み台にされてもお互い様だと思う。どっちがたくましくタイムリーに顧客満足度の高い自動車を供給できるかが企業の総合力だ。お互いに有能すぎるゆえに、トヨタのアイディアを拝借したマツダの3列シートが売れて、マツダが欧州向けセダンやスポーツカーを作り続けてこだわってきた、サス、ミッション、レスポンスをまとったクラウンが新しい顧客をゲットする。


トヨタとマツダのきな臭い関係

  果たしてこれは単なる「完全競争の結果」としての自然発生的なクロスオーバー現象なのか!?それとも最初から「話題作り」ありきの談合的スワッピング現象なのか!? 某雑誌の最新号にも「最近のマツダは開発部が勘違いしている」と書かれていた。「トヨタみたいになってる」と・・・。2012年のスカイアクティブからすでにハンドリング、アクセルフィール、ブレーキングなどのドライビング要素がことごとく「寄ってる」とは感じました。もっとソリッドじゃないとMAZDAじゃねー!!なんだけども、各モデルともにボデー拡大&重量増が「高級化」として許容され、いつまでもGGアテンザのように「スポーツカーに近いフィール」とか言ってる場合じゃなくなってるのもわかる。難しい選択だ。


MAZDAのフラッグシップは世界の頂点か!?

  ソリッド側からマイルドに寄ってはいるものの、それでも北米ではマツダによる「SUVドライビング革命」は画期的で、気がつけばCX-5は北米で有数のSUVシリーズに成長して、さらに手を伸ばせばそこにはレクサス&アウディの「NVH」レベルが!!CX-5に吸音材を詰め込んだ「Lパケ版」なら、レクサスRXに手が届くってなれば、やっぱりポリシー捨ててもやってしまうよなー。2代目CX-5の静粛性は確かに「やってる」。同じようにFFで「NVH」がそもそも優位なアテンザも、GGの頃には考えもしなかったであろう、『王者クラウン超え』が現実のものになってしまった。


クラウン超えに賭ける情熱

  フラッグシップになったGHでNVHや高品質な設計の実験をして、その成果をGJの設計で急激なボデー拡大によってポテンシャルを上げ、その結果Lパケ用に吸音材をたくさん詰められるようになり(ベースモデルでケチるのは・・・)、ボンネットのロング化でエンジンの遮音にも十分に対応するスペースができた。アストンマーティンもベントレーもボンネットが長いのは猛々しいユニットと快適性を両立させるため。つまりアテンザを買うなら「Lパケ」買わないと損だ。しかもディーゼルの方が遮音に神経使ってるから余計に静かだったりする。あまりに遮音性が高すぎてCX-5より高い加速性能を誇っているのに、「遅く感じる」という福野礼一郎さんみたいなオッサンが続出してしまったが・・・。


マツダを嵌める・・・

  しかしトヨタはすごいですね。先代クラウンは、正直言って冴えないモデルだったし、まるでGJアテンザLパケに「快適性」で完全に喰われることさえも計算済みだったかのようだ。言葉は悪いけども、マツダに『死に体』だったゾンビのような先代クラウンを喰わせておいて、油断したマツダをその背後から襲う・・・。果たしてクラウンの新型がニュルを走るなんて誰が想像しただろうか!? いくらでもソリッドに仕立てることが可能!!だと言わんばかりに、マツダ車よりも強靭なイメージをまとって出てきた。これから出てくる「GRクラウン」は600psに達するようだけども、シャシーは新型レクサスLSと同じものだから十分に高出力に耐えられる設計なんだってさ。必死で掴んだはずのクラウンの尻尾が、スルリと抜けていったようだ・・・。


↓「マツコネ」とは違うなー・・・





posted by cardrivegogo at 02:54| Comment(0) | トヨタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月02日

マツダ車がちょっと物足りないと感じる理由を考えてみた・・・


絶好調

いよいよマツダのグローバル拡大路線がうまく回り始めているようだ。北米販売も好調で、5月販売が約3万台。現地生産が始まる前に目標の40万台/年を達成しそうな勢いだ。CX-5だけで約半分の1万5000台規模。しかし北米の虎・スバルはアウトバック、フォレスター、XVをそれぞれ1万5000台売っている。スバルとマツダの「SUV屋同士の対決」は、日本市場ではマツダSUVが優位に立ちつつあるようです。新型フォレスターが出てきましたが、CX-8のような他車ユーザーを惹きつけるタイプのクルマじゃなさそう。


北米向けとの整合

日本市場では15万台がやっと。それに対して北米は40万台。グローバル全体で165万台という規模のマツダにとって日本市場の依存度はわずか10%足らずです。先代アテンザはフォードとのアライアンスを使って、サイズ違いの北米専用モデルを現地生産し、V6搭載モデルもありました。北米市場だけに2.5Lターボが投入されたのも、旧型のV6ユーザーの乗り換えや、ライバルモデルのハイスペックバージョンに対応するため。トヨタ、ホンダ、日産のように北米で月に10万台以上売ってしまうメーカーならまだしも、4000台/月程度の販売モデルに無理してハイスペックバージョンを加えたのは、いよいよ35,000ドルクラスの北米プレミアム価格(レクサスIS、インフィニティQ50、BMW3シリーズ、メルセデスCクラス、ジャガーXEなどと同等)に名乗りを挙げるため。


MAZDAの転換

今までは1に欧州、2に日本でクルマ作りをしていたマツダが、今では1に北米、2に中国なんですね・・・どこのメーカーも同じですけど。そりゃクルマはどんどんトヨタやホンダに似てくるのも無理ない。CX-8のインテリアを見ても、トヨタやホンダの3列車をよく研究しているし、マツダなりにセンス良くまとめた結果高い評価を得ている。アテンザもインパネの作りが欧州から北米へ、アウディからレクサス/テスラへと内装のベンチマークが変わったようだ。


NDロードスターのドタバタ

旧型アテンザだけじゃない、すでに先代のNCロードスターも主力となっている北米市場の影響を大きく受けていた。北米のトレンドをNDロードスターにも受け継ぐべきか!?という議論があったらしい。2Lエンジンをさらにパワーアップさせ、ボデーもポルシェ911サイズまで大きくするってアイディアすらあったのだとか。最終的にはフィアットがスポンサーに回り、小型のイタリアンスポーツカーへと設計が絞り込まれたのでしょうけど、日本では「NAへの回帰」が盛んにアピールされたNDロードスターはセールス的には目立った結果は出ていないです。アテンザがターボ化されて35,000ドル市場に参戦するなど、プレミアム路線を目指すマツダにとっては、コルベットに近いサイズのスーパースポーツが欲しいところ。


分断されたラインナップ

フィアットとの関係は今回限りになってしまうのかわかりませんけども、NDロードスターが端的に表しているように、フィアットとの提携、トヨタとの提携などで、マツダの方向性が各市場向けに分断されて、かなりブランドイメージが決めにくくなっているようだ。北米向けがCX-9とアテンザ。日本向けがCX-8とデミオ。欧州向けがCX-3とロードスター。中国向けがCX-4。40万台を超えているアクセラ&CX-5は全世界向け。「器用貧乏」と言うべきなのかどの市場向けも、ライバルに先んじて「勝負できる」モデルがちょっと足りない印象だ。


スバルとヒュンダイ/キア

6万台のスバルも10万台のヒュンダイ/キアも北米が最優先でクルマ作りをしている。スバルはSUV3車種で4万5000台を超えていて、RAV4やCR-Vといった北米のトップセールスSUVを超える数字を出している。ヒュンダイ/キアも高級セダンをこれでもか!!というくらいに投入。あまりのモデルの多さにびっくりですが、「アゼーラ(4930mm/FF)」「ジェネシスG90(5204mm/FR)」「ジェネシスG80(4991mm/FR)」「スティンガー(4830mm/FR)」「カデンツァ(4970mm/FF)」「K900(5120mm/FR)」・・・こんなにあるのかよ。北米と中国、中東でしか売れないし、どこも変動リスクが大きい市場なんだけども、とりあえず日本メーカーやドイツメーカーがビビっている内に勝負を決めてしまえ!!という勢いを感じる。


マツダが北米に集中したら・・・

マツダはマツダであり、スバルやヒュンダイ/キアとは根本的に違うわけですけども、もしマツダがどっかの市場(もうどこでもいいです)に向けて全力で開発をしたらどんな凄いことになるのか!?例えば北米市場に全力投球するならば、FFとFRの中型/大型セダン&ビッグクーぺが用意され、RX-VISIONのようなスーパースポーツが500~700psくらいのスペックで発売され、CX-9、CX-10、CX-11とSUVも大型&高性能化され、当然ながらポルシェ・カイエンやランドローバースポーツに肩を並べる。アクセラも2ドア&4ドアのクーぺが追加される。CX-5もAWD&ツインターボのモンスタースペックが・・・。ちょっと馬鹿馬鹿しい感じもするけども、マツダの本気が見たいよなー。






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2018年06月28日

金井さんの『黄色いアテンザ』の亡霊・・・


アテンザ戦略の転換

  なぜGJアテンザが欧州でバカにされるのか!? マツダ幹部にとっては悔しいけども、リーマンショックの現実の前には、GJアテンザの簡易的な設計は非常に妥当な戦略だったようだ。しかし円高も収まり業績が大きく改善したので、次世代アテンザは「本気モード」で作っているらしい。そしてそれはGJの延長線上にあるものではなく、根本的に別のクルマになる公算が大きい。GJアテンザ自体はジワジワと売り上げを伸ばしているようだが、先代以前からアテンザが売れていたドイツ、イギリス、中国、アメリカでは予想どおり不人気に。


愛されないセダンは悲惨

  セダンの不人気は世界のどこの市場でも起こっている当たり前の現象であり、アコードもスカイラインも3シリーズもグローバルでの販売は後退気味。そんな状況なのでGJアテンザだけが悪いということはない。GJアテンザが専用シャシーを使わずに、アクセラと共通のシャシーになったという残念な設計に関しても、アコードやBMW3シリーズも全く同じ状況なので、アテンザだけが特別に性能が低下したということにはならない。ただ単にアコード、3シリーズが売れないのとほぼ同じような状況でGJアテンザは売れていないだけだ。ホンダ、BMW、マツダそれぞれに・・・メーカーの愛情不足が原因であることが否めない。


かつてのマツダのセダン愛

  「メーカーが愛情を注いだセダン」ってどんなクルマなのか!?やはりマツダだったらGG/GHアテンザでしょうか。そのちょっと前にあったユーノス800/ミレーニアも4WSやミラーサイクルユニット、4輪マルチリンクといったレクサスやメルセデスのフラッグシップに肩を並べるような豪華装備でした。ミレーニア、GGアテンザが併売されていた頃は、マツダセダン黄金時代で、2005年には過去最高の1000億円超の利益を出していました。ちょっと大げさかもしれないけど、メルセデスEクラスVSミレーニア、BMW3シリーズVSアテンザという、欧州を代表するサルーン2台を露骨に意識した対立軸をマツダが打ち出していて、「アマティ」というプレミアムブランドを北米で開業する計画もあったとか。


フォードに振り回される・・・

  しかしミレーニアの後継モデルは開発されず、フラッグシップに押し出されたGHアテンザは、3シリーズには大きすぎて、Eクラスには小さすぎてという中途半端な立ち位置での開発を余儀なくされました。アシも前期は硬いままだったのが、後期ではかなりマイルド(それでもトヨタよりは硬い)になりました。前期から後期になって静粛性が大きく上がり、ハンドリングも非常に上質なものに変わり、次世代モデルへの期待も高まっていたのですが、マツダを倒産一歩手前まで追い込むような未曾有の円高で、全く利益がでなくなり廃止。マツコネも電気式サイドブレーキも間に合わないまま、GJアテンザが始まる・・・。


スカイアクティブはSUV戦略がメイン!?

  2012年から先のマツダはアテンザを特別なモデルとしてこだわることをやめてしまったようだ。デミオからアテンザまで同じナビシステムが使われ、インテリアの満足度もアテンザだから特別ってものでもない。どのメーカーのモデルでも、フラッグシップはその組織のトップが乗るクルマだから必死でいいものを作る。だからクルマに詳しい人は、とりあえずはファーストカー選びで迷うことはなく、自分に合ったブランドのフラッグシップモデルを黙って買う。グローバルで中型以上のクルマを販売しているメーカーはそれほど多くない。その中でマツダ、スバルは今では最も手軽にフラッグシップが買えるブランドだ。だからアテンザは放っておいても売れるモデルなのだけども、マツダが十分に愛情を示していないと販売台数はガタ落ちする。裏を返せば、アテンザの売れ行きが鈍いのは、マツダが満足できるクルマに仕上げていないというユーザーからの評価だ。


欧州王者を撃破

  「金井さんの黄色いアテンザ」は欧州でも中国でもバカ売れした。現行のGJアテンザは年間11万台程度の販売だけども、GGアテンザは4年で100万台を突破したから、最初の4年で平均で年間25万台ペースで売れた。それだけ破格の成功を遂げればマツダも過去最高益を出すのも納得。年25万台ってのはBMW3シリーズの販売台数を超えてしまっている。メルセデスCクラスもパサートもモンデオも勝てなかった、Dセグの欧州絶対王者が、欧州外のクルマにあっさりやられた・・・。これまではC/Dセグのプリメーラやプレリュードくらいしか欧州では評価されていなかった中型車部門に彗星のごとく現れて、王座をあっさり奪った!!


中国での成功が今のMAZDAにとって大きな財産!?

  もちろんマツダの得意技は「パクリ」だ。GGアテンザもアルファロメオ156の成功に大きな刺激を受けて設計されている。絶対王者のFRのE46系3シリーズを倒すために、FF車のサスペンションにプレリュード譲りの工夫を凝らしたアルファ156が大ヒットして、縦置きエンジンのアウディA4も同じギミックを使ってBMWを追い込む。その2台の成功をGG/GHアテンザが真似て、プジョー407も取り入れた。・・・メーカーの愛情を目一杯受けて「最良」を目指した設計をもつ、これらのスポーツセダンはいずれも「名車」として今も高い人気を誇る。ホンダ、アウディ、アルファロメオ、プジョーといった90年代/2000年代の欧州で大成功を収めたグランドツアラー・ブランドの一つにMAZDAが加わり、これらのどのモデルよりもGGアテンザが素晴らしい!!という評価を受けた。特に中国COTY受賞、第一汽車の『紅旗』ブランドにマジェスタとともにアテンザが、世界のベストセダンとして選ばれたことは素晴らしい!!金井さんの執念が実ったと思う。


金井さんの遺伝子を持った中国車が日本に襲来!?

  GJアテンザが発売されても中国の提携工場ではGG/GHの二世代のアテンザの製造も同時に行われた。BMWの本丸である3シリーズを撃破したアジアのクルマとして評価が高い。そんな中国のクルマ好きに現行のGJアテンザはどう映っているのだろうか!? 中国メーカーで勢いがある吉利汽車は、ボルボとの共同開発でGGアテンザみたいなFFセダンを復活させた。新型ボルボS60として2019年くらいには日本でも発売されるらしい。そのタイミングで吉利汽車の日本導入もあるのだろうか!?その時に・・・GJアテンザ、アコード、カムリHV、レクサスES、ティアナといった日本の「セダンもどき」はどんな恥を晒すことになるのだろうか!?




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2018年06月27日

新型クラウンではセダン難民は救えないと思う・・・


トヨタのスローガンは泣ける

  「日本の力だけで世界に通用するサルーンを作ってみよう!!」・・・なんかマツダが言いそうなことを、最大手メーカー様に言われてしまった。国内専売サルーンが作れる余裕がまだまだある最大手メーカーが重い腰をあげて、ユーザーが完全に置き去りにされているだけで、各社のグローバルモデルがことごとく迷走しているだけの「くだらない」サルーン市場を一気に『浄化』すると宣言しているわけだ。日本の力だけで日本のセダン好きが喜ぶ世界最高のサルーンを作る!!しかも口だけではない見たい・・・。


黒歴史

  サルーンがダメになった理由。それはやっぱり「某国市場で大人気のロングホイール版が設計の基本になったから」だと思われる。できるだけコストを抑えてキャビンをデカくするためには、手っ取り早くCセグのプラットフォームを流用するしかない。最大手メーカーもカ○リというサルーンでその愚をやらかしている。MAZDAもやっちゃったよなー・・・。アテンザ、アコード、ティアナ、パサート、5シリーズ、Eクラスは揃って「クラウン」の前で切腹する宿命なのか!? トヨタは綺麗ごとを言ってますけども、「クラウン」もすっかり直4ユニットばかりの大衆車に成り下がってますけどね・・・。


セダンらしさが全て変わってしまった

  日本で売れているメーカーはどこもサルーンに関しては、どこか見失っている部分があるようだ。セダンがあまり肯定的に評価されることが減っているし、メーカーもどこか後ろめたさがあるようなぬるいプロモーションをしている。結局のところ、どのブランドのサルーンにも「スネに傷」がある。6気筒から4気筒へ、自然吸気からハイブリッド、ターボ、ディーゼルへの転換が急速に進み、ユニットが変わるからじっくりとミッションの作り込みもできないってのが開発現場の本音だと思う。サルーンの命である上質な乗り味は、サス、ミッション、エンジン、ステアリング、ブレーキング、タイヤの6要素で決まるけども、どのメーカーもサルーンに特別な6要素を満足に与えることができていない。


本気で作らないと違いが生み出せない

  SUVもミニバンもフラットに走るモデルがいくつもある。実はもう初代オデッセイが出た頃から、サルーンは終わりを迎えていたのかもしれない。シーマやアリストのような熱狂的ファンを動員できるスター性のあるサルーンは今では皆無。そもそも日本で売れないから開発に力が入っていない。カムリなんて北米・中国メインで年間70万台も売れているけど、特に頑張らなくても「耐久性」だけで余裕で売れてしまう日本車セダンのゆるゆるな状況では、いちいちブラッシュアップしようとは思わないだろうし、海外にはレクサスESがあるわけで・・・。


グローバルでも絶望的な状況

  日本じゃ高齢者しかセダンに乗らなくなった。アメリカでもどんどん売れゆきが落ちている。EUでもセダンは終わっている。中国では「セダンみたいなリムジン」が売れているみたいだけど。こんな絶望的な状況なのに、日本やドイツのメーカーに「心が踊るようなサルーンを作って欲しい」と祈り続けているセダン愛好者たち・・・。各地でよく見かけるマークXのオーナーは460万円もするクラウンを買わないとダメなのか!?もしくは妥協して340万円のカムリHVを買うべきなのか!?250万円くらいで気軽に買えたマークXは良かったな(まだ売ってますよ!!265万円〜)。


アテンザとマークX

  新価格282万円〜になって登場した(4代目の予定だった)新型アテンザ。気がつけばマークXの価格を軽く飛び越えています。265万円のマークXはFRで6気筒で200ps。282万円のアテンザはFFで4気筒で150psなんですけどね。もはやトヨタなんて眼中にない!!ってことはないでしょうけども、さすがにGHアテンザと同時期に誕生した現行マークXをライバルとは思っていないようだ。もしマークXが270万円〜くらいでフルモデルチェンジしたら日本のセダン難民を全部持って行きそうだな・・・。マツダがロードスターくらいの価格でアテンザを設定しているけども、トヨタも86くらいの価格でスポーティに乗れるセダンあるといいですけどね。


スター性のあるサルーン

  時代は繰り返すかどうかはわかりませんけども、再び「スター性」を持ったセダンが現れるとしたらどこのブランドから出て来るのか!?シーマ、セルシオ、アリスト、E39系5シリーズ、アルファ156、プジョー406/407・・・が輝いていた90年代を蘇らせるようなモデルを日本のセダン難民は待っている。もしユーノス500やユーノス800が復活したら!?なんて妄想を繰り返していると、夢と現実がたまにわからなくなる。GG/GHアテンザはおそらくセダンの時代の終焉に現れた最後のスターだったかもしれない。


新型3シリーズはレッドオーシャンへ

  新型3シリーズに期待している人はどれくらいいるのだろうか。現行のF30系はアメリカでも日本でも大きくシェアを落としていて、次期型でBMWも巻き返しを狙っているはず。F30系はCクラスにいくらかシェアを奪われただけだったけども、リーマンショック&震災から立ち直った日本メーカーが攻勢を強めてくるだろうし、吉利汽車と組んだボルボもプロモーションにお金をかけられるようになり新型S60はいよいよフロントDWBで登場する。プジョーも「3シリーズキラー」を公言する新型でショートボデーになった508をすでに発表済み。アルファロメオとジャガーもフロントDWBでFRでエンジンもよく回る対抗サルーンを発売中。さらに米国のテスラが挑んでくる可能性もある。新型3シリーズへのプレッシャーはハンパない。


MAZDAのFRセダンはBMWを終わらせる!?

  すでに発売情報だけで完全に飽和状態で、『溺死車』が多数出そうですけども、そのど真ん中をFR化されたアテンザ(かどうかわからないけど)が通る!!閉塞市場を強行突破させたら世界一との評判のMAZDAが、GGアテンザ以来となる、ライバルセダンを大蹂躙していく様を見ることができるのか!?このブログで繰り返し書いてますけども、やはりMAZDAはドッグファイトが似合う!!もう新型3シリーズとかセコイこと言わずに、クラウンでもレクサスLSでもメルセデスSクラスでもパナメーラでもいいけど、全部まとめて喰っちゃうくらいの破壊力のヤツを企画していると思う。




posted by cardrivegogo at 03:28| Comment(0) | トヨタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月22日

河口まなぶ氏が新型CX-3をディスってますね・・・やれやれ。



マツダは井の中の蛙

河口まなぶさんは、ご自身でも「僕はプロライターではない、ユーチューバーだ!!」と言っているので、「プロライターのくせにこんなことも・・・」っていう論調は自粛したいと思います。いつも奥歯に何かが挟まったようなコメントばかりの河口さんの動画レビューですけども、ビッグマイナーチェンジ版のCX3に関しては、結構ハッキリ言ってます。内容を要約すると「MAZDAは井の中の蛙だ」ってことに・・・以前にもマツダ乗りは「世界的なレベルがわかってない」と放言した吉田拓生とかいうライターがいましたけども、この動画見てたらそれを思い出した。



マツダは世界基準ではない!?

吉田氏は「VWゴルフをバカにするな!!マツダファンは頭がおかしい!!」みたいなことを書いてたと思う。確かにデミオ、アクセラ、CX3、CX5、GJアテンザ、NDロードスターに喜んで乗っている輩は、そういう傾向が少しはあるのかもしれないけども、ちゃんと限定してくれないと困る・・・。アクセラ乗りがゴルフを批判するのは筋違いかもしれないけど、歴代のマツダにはゴルフよりいいクルマがたくさんあるし、そもそも5代目ゴルフは、マツダ&フォードの設計をパクって作っている黒歴史があるんだけどなー。


CX-3とカローラハッチバック

それに対して河口さんは動画の中で「トヨタはスゴイです!!マツダファンは他社をバカにしすぎ!!」とちょっぴり言いたいようですねー。マツダを徹底的にコケにしてるのはオマエだろ!!というツッコミは今回は封印しておきます。とりあえず212万円〜のCX3に対して210万円〜のカローラハッチバックを持ち出した比較は、厳密にはセグメントが違うといっても比較対象としては妥当だと思う。マツダファンが動画のコメント欄で「クラスが違う!!」と必死に反論しているけどもこれに関しては河口氏の指摘が正しいんじゃないか!? そして当然の結果だけども、カローラハッチバックの「フィールド」で両車を比較してしまえば、CX-3は明らかに分が悪い。トヨタのクルマ作りにおいて、マツダでは考えられないような社内基準が設定されていて、一説によると世界で一番厳しいらしい。よって振動やシフトショックによるNVH基準で勝負するならカローラの完勝になるのは、ある程度は予想がつきます。


負けてはない!!

しかしその反面、CX-3の「フィールド」でジャッジすれば結果は全く逆になる。 例えば・・・@トヨタのCVTやiMTとマツダの6ATや6MTはどっちが好ましいか? Aトヨタの1.2Lターボとマツダの2.0L自然吸気どっちが豊かなドライビングフィールがあるか!? Bパワーウエイトレシオ の「走り」に関する主要3パラメータでCX-3の圧勝なわけで、勝手に結論すると、後席を利用するファミリーカーならばカローラの勝ち、実質2シーターのプライベートなドライビングマシンとしてならばCX-3の勝ち。後席を使う時はアテンザが出動すればいいじゃん(2台保有?)。トヨタもドライビングを楽しむスペシャルティカーとして86が用意されていますけども。


なぜカローラに言及!?やはりカネか!?

ちょっと話がそれるかもしれないけど、ユーチューバー河口さんが動画の中で不意に提示した「カローラ VS CX3」ってのは、そのまま「86 VS アテンザ」にも当てはまる異種格闘技戦みたいなものだ。それぞれ後席の使い勝手が良いモデルの方がリアサスが高級版になっていたりする。『200万円台』と『300万円台』でそれぞれ車格が違う対決ですけども、河口さんが動画で強調するような、マツダがトヨタに一方的に負けているとは思えない。いやむしろマツダの方が優秀じゃないか? ドライビングマシン同士としてCX3と86では実力に差があるように思うけど、マツダにはロードスターRFがあるし・・・。トヨタがカムリHVを出してきてもアテンザで返り討ちにできる!?たとえクラウン出てきても十分に対抗できる!?(新型は強そうだが・・・)


トヨタとマツダの違い

トヨタカローラランクスから先代のマツダアテンザへと乗り換えましたが、この両者の新車時のアシの硬さは全然違っていて、アテンザの最初の10000kmくらいの低速時の乗り味は欧州車並みにヒドいものでしたよ。河口さんは、マツダは日本車なんだから低速でもトヨタのようにギクシャクすることなく走れ!!と言いたいようですが、それは好みの問題じゃないかと。乗り換えてよかったなと感じるのは50km/h以上で巡行できる領域での乗り味ですね。中高速巡行においてはトヨタとマツダの力差は歴然。アテンザの方が大きい車だから当然ではありますが、トヨタにはどうやら低速重視の文化があるようで、アテンザと同じくらいのサイズのレクサスGSなどを試して見ても、やはり低速はいい具合で動きますけど、中高速になってさらに気持ちよく走る印象はなかったですね。


6速ATの意味

さらに聞いてられねーと思ったのが、トルコンATは「多段式」ありきな話をしていること。6速より8速がいいのは当たり前!?・・・この先入観を完全に壊してくれたのがBMWでした。縦置き横置きの違いこそあれ、同じ2Lターボエンジンで、MINIクーパーSと320iを乗り比べたところ、完全に気持ちが良い加速をするのは6速のMINIの方でしたよ。縦置きエンジン車だと、設計上のロスを取り返すために8速化するのがいいという意見もあるでしょうけど、マツダは横置きFFが基本なので無理に8速化する必要はない。・・・やはりユーチューバーの河口さんには、マツダ車の設計の意味はわかんねーだろーけどさ・・・。



posted by cardrivegogo at 14:50| Comment(0) | マツダとカーメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月21日

MAZDA と 日本代表 はなぜ批判されるのか!?




ヤフコメなオッサンは駆除していい

  コロンビア戦後のヤフーコメントがバカみたい。なぜこいつらは自分が愚かだったと認められないのか!? 同じようにヤフコメではアンチにボコボコにされることが多くなっているMAZDA。いちいちコメントのレベルが低い。一例を挙げると、「マツダは顔が全部同じで嫌」なんだってさ。どうやらコイツの目にはマツダ車だけが「同じ顔」に見えるらしい。眼科行けよ。トヨタやホンダは開発セクション、デザインセクションが分かれているから、国内市場には色々あるように見えるけど、主力のグローバルラインは「同じ顔」だし、欧州ブランドもまた「同じ顔」を使っているのだけども、国内OEMなどの事情が全く理解できないようだ。


無名な人々の「好み」

  日本代表のある選手が途中出場して数分でアシスト決めたのに、「もういらねー」とか言ってるコメントが半数以上。居なかった勝ててないかもしれないのにさ。コメント欄や掲示板に必死で書き込むオッサンのバカさに呆れる・・・。その選手が嫌いなだけなんだろうけどさ。ハッキリ言って匿名でヤフコメにストーカーしているだけの無名なオッサンの、性的嗜好なんて誰も興味はない。せめて和歌山のドンファンくらいになってから「好き嫌い」でも言ったらいいんじゃねーの・・・。


発信力のないクズ

どう頑張ってもヤフコメ/2ちゃんに押し寄せる『愚衆』にしかなれないオッサンと、多くの読者/視聴者を集められる、インスタグラマー、ユーチューバー、ブロガーの間には絶対に超えられない壁がある。そんなに好き嫌いが言いたかったらブログでも書け。ヤフコメはオッサンのブログではない。クルマに対するコメントも、サッカーに関するコメントも、ちょっと見た限りでハッキリわかるほど、ヤフコメとツイッターでは全くニュアンスが逆になるんですよね。ヤフコメは50歳前後のオッサン、ツイッターは30歳前後が多いんだろうと思いますが・・・。


ネットの日本人はバカばかり・・・

失礼を承知で言っちゃいますが、MAZDAと日本代表に対するコメント/投稿を読んで見えてくるユーザー層は、ヤフコメは『無自覚なバカ』で、ツイッターは『過剰な良い人アピール』。正直言ってどっちもウザいけど。おっさんが多いヤフコメ連中は、無駄に自己紹介をする。「25年サッカー見てきた」「40年クルマ乗ってきた」などなど。そんなご立派なキャリアに全くふさわしくない見解が後ろからついてくる。25年サッカー見てたらさ、コロンビアの初戦のプレッシャーくらい予測できるだろうに。40年も自動車乗ってたら、欧州車はもはや日本車に勝てなくなってきていることもわかるだろうに・・・。ただ年数長いだけのど素人は黙ってろ。大事なのは年数ではなくて、物事を的確に見抜く能力と判断力だと思うけども・・・。


ネットを見てるだけでは進化しない・・・

日本代表がどのレベルにあるのか、あるいは今のMAZDAがどれくらいの実力なのか、注意深く観察していれば大体わかると思うんですけどね。日本代表が手も足も出ない可能性があるのは、ブラジルとベルギーくらいしかないって。「コロンビアには20回やって1回勝てるくらい」とか意味不明な見解を述べている輩もいますけど、サッカーくじとか絶対に買わない方がいいよ。MAZDAがBMWやメルセデスに負けているって本気で信じているオッサンとか、もう絶対にクルマについて意見すんな。せめて本とか読めよ。オススメは「ニホン車のレシピ」とかさ。


MAZDA推しにアンチが群がる

さて『ベストカー』がマツダのグローバル販売についてのごくごく「当たり前」の記事がヤフーに出てました。案の定ですが、アンチがどこからか寄り集まってきて、変わりばえのしない批判を加えています。とにかく批判の内容がバカ過ぎる、というかそもそも批判になっていない、たんにオッサンが自らの無知を晒しているだけ。あるいは定番の「無名人の好き嫌い表明」という失笑しかできないケースがほとんど。日本人っていつからこんなに愚かになったんだろうか。「マツダのレベルの数字じゃ意味ねーだろ!!」とか書いてある。どうやら彼の頭の中には、マツダよりも巨大な自動車会社がたくさん浮かんでいるのだろうけども、車種が少ないマツダがグローバルで100万台以上売っていて、過去最高を更新している。しかもCX5とアクセラの『40万台以上』がどれくらいすごいことなのかわかってない。これ軽くプリウスと同じくらいですし、この数字が出せずに消えていく欧州車/経営不振の欧州メーカーがほとんどなんだが・・・。


MAZDA批判の中身

「顔が同じ」(?)「ディーゼルのスス」(ガソリン乗ってろ)「リコール」(BMWみたいに10年後にリコールした方がいいのか!?)「価格が高すぎる」(売る側の自由だ)「CX3は狭すぎる」(リッチファミリーのセカンドカーなんだよ)「マツダって名前がダサい」(フォード、クライスラー、ベンツ、プジョー、シトロエン、ブガッティ、フェラーリ、ランボルギーニ、マクラーレンの由来がわかってない!?)「フロントノーズが長くて嫌」(ホンダ乗ってればいい)・・・これらのどれかのパターンでしか批判できないみたい。どれも・・・「だからなんなの!?」って程度でしかない。マツダの欠点なんていくらでもあると思うんですけどね。


なぜマツダの欠点がわからないのか!?

マツダにクリティカルな批判を加えることはそれほど難しいことではないです。量販乗用車に乗って「感動」するってのは、ちょっと違うかもしれないですが、従来のマツダ車が持っていた量販乗用車のレベルを超えてる!!と絶叫させるほどの「輝き」は世界最高の切れ味があったものですが、スカイアクティブ以降に関しては、「走り」とは違う部分でユーザーに訴えかけるだけのモデルになり下がっている。どうやらアンチの人ほど現行のマツダ車がカーメディアで言われているように「そこそこいいクルマ」だと勘違いしているようです。しかし実際は歴代のマツダ車の中では「走り」に関して、現行モデルはどれも相当に薄味ですし、それが今のマツダにとっての『最大の悩み』と言っていいかも。まあ環境性能に適応したエンジンを作るだけでも大変なんですけども。


マツダも日本代表も世界の頂点に立てる

マツダが世界一のデザインブランドになれるのだから、サッカー日本代表が、コロンビア代表に勝つことだって当然ある。そもそもW杯出場国32カ国の中で日本はGDPでトップです。単純比較で恐縮ですけども、日本サッカー協会のバックには出場国で最も強い「経済界」がついていて、当然に世界で最も優秀なスポンサーが付くわけですから、ある意味で強くて当たり前。GDPで出場32カ国をランキングするならば、@日本 Aドイツ Bイングランド(イギリス) Cフランス Dブラジル Eロシア Fオーストラリア G韓国 Hスペイン Iメキシコ の順です。


アンチなオッサンも世界の頂点を目指せばいいじゃん

「日本は凄い」って言ってるのはちょっと痛いかもしれないですけども、MAZDAや日本代表の実力を的確に見抜けないで、バカみたいなことをヤフコメで書き捨てているオッサンたちには、自分の行動の愚かさにそろそろ気づいてもらいたい。好きなことを書く自由があるのは、自分たちが運営しているブログや掲示板だけだ。それでも「公開状態」にしておいて殺害予告とかすると逮捕されますから、完全に自由ではないですけどね・・・。


↓GQのレビューもアンチのコメントもクソ過ぎる・・・




ラベル:マツダCX3
posted by cardrivegogo at 02:23| Comment(0) | クソな話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年06月19日

フォードのラインナップ大幅縮小 と MAZDAの価値



フォードが北米向け乗用車ラインナップをほぼ全廃へ

  マツダはほんの10年ほど前までは、フォードのB〜Dセグメントの開発の中核を担っていました。デミオ、CX-3とCX-8はフォード時代に設計されたシャシーが継続して使われていますが、アクセラ、アテンザ、CX-5、ロードスターは「スカイアクティブ」を名乗るマツダオリジナルシャシーを使うようになっています。フォードでは、デミオ、CX-3と同じシャシーを使うフィエスタや、旧アクセラ用のC1シャシーを使うフォーカス、C1シャシーを改良してボルボ主体で作ったフォードEUCDシャシーを、さらに改良して作ったフォードCD4シャシーを使っているフュージョンを順次廃止して、プレミアムなリンカーンブランドと、『マスタング』と、新規開発中でスバルXVに近いモデルだと言われている『フォーカス・アクティブ』以外の乗用車モデルは廃止するとのこと。


マツダの微妙な立場

  フォード、マツダのプラットフォームについて調べてみると、CX-8は、GGアテンザ、GHアテンザと基本的には同じ『CD3シャシー』が使われています。旧アテンザ用のCD3シャシーは、フロントにDWBサスが組み込まれるなど、ハイスペックを実現。欧州でも高い人気を誇りましたが、高コストがネックとなっていて円高が止まらずにやむなく廃止されました。GJアテンザに使われるのは、アクセラを基準車とする『スカイアクティブシャシー』であり、実質的にC1シャシーの後継で、これを使うCX-5が、『CD3』を使うCX-8に乗り味でハッキリと差をつけられているところをみると、GJアテンザが欧州や北米などの既存市場でやや苦戦しているのも納得です。マツダには耳が痛い話ですが、アテンザに関してはGJになって確実にクルマのレベルが下がっているようです。


天才求む・・・

  Cセグメントのライバル、例えばスバル全モデルとか、VWゴルフや、トヨタプリウス/C-HRなどを相手にするぶんには、『スカイアクティブシャシー』の能力でも十分に蹴散らすことはできるのかもしれない。実際のところ、スバル車やプリウス/C-HRくらいの実力があれば、ブランディング次第では十分に上のセグメントのドイツ車にも十分対抗できてしまう。しかしマツダには、トヨタやスバルと同じ戦略は合わないだろう。これまでもトヨタやスバルと同等のスペックのモデルを作ってきたけども、実際の販売においては不可解な差が生まれることもあった。


世界の流れ

  話を整理すると、まず最初にホンダが北米主力3モデル(アコード、CR-V、シビック)で同一プラットフォームを採用。この流れに乗って日産がCセグとDセグを統一した『CMF-C/D』を開発。まだ北米向けのアルティマ/マキシマなどは旧シャシーのままですが、ルノーのDセグのタリスマンはすでに『CMF-C/D』化されています。そしてトヨタもTNGAの横置きシャシーに置いて、プリウス、カムリ、RAV4などの統合を行っています。スバルは最初からインプレッサとレガシィ他BRZ以外の全てのモデルを同じシャシーで開発。マツダも北米で成功しているこれらの日本メーカーの後を追うように、アクセラとアテンザのシャシーを統合したわけですが・・・ちょっと流れがおかしくなります。

世界は狭い

  CD4でC/Dセグを賄う予定のフォードがまさかの解体。北米の乗用車部門では日本勢に大きくシェアを取られ利益が出せないし、将来的に大きな収益を上げたり、日本勢に技術的に勝てる見込みもないと判断したようです。開発屋のマツダやボルボを手放してしまった以上は仕方のない決断かも。C1を改良したEUCDで一時はフラッグシップの『S80』まで開発していたボルボですが、それらを全て捨てて新たに吉利汽車と共に、横置きエンジンの上級シャシーを開発しました。ここ数年、世界の自動車メーカーで開発されているフロントエンジン横置きエンジンシャシーは、いわゆる北米向け日本勢のCセグベースのシャシーがスタンダードであり、経年が過ぎた北米向けのFF大型シャシー(マツダCD3など)を除けば、例外的にそれよりも高い性能を持つものは、SH-AWDを標準装備するホンダ・レジェンド用と、このボルボ&吉利汽車のシャシーだけになりました。


マツダの選択肢

  マツダとしてはこの状況の中で、現実的には3つの選択肢があって、1つは『スカイアクティブ』=Cセグシャシーでこれからも全モデルを作る。2つ目はボルボのように、スペース効率に優れるFFシャシーを高コスト化して、Cセグに集中する世界の流れと差別化する(旧アテンザCD3のようなシャシーを新たに作る)。3つ目はメルセデス、BMW、トヨタ、日産、キャデラックなどが守り続けるFRシャシーを開発&採用する。世界には他にもスバル&アウディのように縦置きAWD高性能シャシーで差別化するという方法もあります。


レクサスの現実

  報道や藤原常務の話を聞く限りではどうやら3つ目の「FR化」が最有力になりつつあるようです。簡単に言ってしまえば、センティア&ユーノスコスモの復活ですけども、これは社内の士気も上がるし、ファンも喜ぶ結論なのかもしれません。しかしメルセデス、BMW、トヨタ、日産などFR車をそれなりの規模で作ってきた主要4メーカーでも、FR車のシェアは大きく下がってきているのが現状です。キャデラックやジェネシス&キアも独自に傘下サプライヤーで縦置きミッション開発を進め、FRによる高級モデルの拡販に勤めていますが、頼みの北米市場でもレクサスなどはすでに販売の中心はFFモデルであり、中国市場にもFFのESを主力車種として勝負をするなど、FR車に社運をかけるのはリスクが高いどころか、不可能な状況にあります。


世界が停滞しているときこそ、マツダ

  現実的にはジャガーやアルファロメオのように、フラッグシップはFRで作り、販売の中心はFFが担うというビジネスモデルは、レクサス、インフィニティ、メルセデス、BMWも同じ。これらの既存勢力が、今後ボルボ&吉利汽車によって北米、中国、日本などの主要市場でシェアを奪われるということが起きるならば、マツダはボルボの尻馬に乗って、再び「金井の黄色いアテンザ」を復活させればいいでしょうし、ボルボが失敗すると思うならば、ジャガー、アルファロメオ追従路線を取ればいいと思う。しかしどちらにせよ、うまくいきそうな雰囲気はないかも・・・。しかし、世界が尻込みする状況になると、突如として目立ってきたのがマツダだ!!いまこそFR車を大成功させて、「レクサス、メルセデス、BMWはクルマ作りがわかっていない!!」くらいの大放言を藤原常務の口から聞きたい。







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2018年06月17日

前田育男著「デザインが日本を変える」 を読んでちょっと吐きそうになった・・・


間違いなく面白い!!

  最初に断言しておきますが、「デザインが日本を変える」(前田育男・著)は、マツダ好きなら泣いて喜ぶ内部情報満載の素晴らしい新書だと思います。冒頭の50ページあまりでグイグイと引っ張り込んで読ませる巧みな構成は、さすがは欧州すら魅了してしまった稀代の日本人デザイナーだなと思う。ローレンス=ヴァンデンアッカーは、あまりに日本をステレオタイプに捉えすぎていて、直属の上司でありながらもそのビジョンには全く共感できないし、理解すらできなかった!!みたいなこと書いてあります。他の内容は伏せますけども、とにかくエピソードがエグくてパンチ力がある。


巨大な虚構が見え隠れする

  すごく興味深いし、書いてあることのリアリティは強烈。だけども・・・やはりというか予想通りこの人の濃いキャラのせいか、とにかく「アクが強すぎる」。個々の論拠は非常に合理的・科学的・常識的な判断に基づく説明で成立しているのに、それらがまとまって作り上げる「結論」・「全体像」は、マツダへの『想い』が強い読者ほどざわざわと違和感に襲われるのかもしれない。もし目の前で前田さんにこの本の内容について熱弁されたら、かなり強烈なカウンターパンチのような反論の一つでも言ってみたくなる。ここに示されているサクセスストーリーは、「MAZDA」ではなくて「MAEDA」ブランドではないか!?


マツダ内部は敵だらけ!?

  なんでそんなに「違和感」があるのか!?この染み出してくる「キャラの濃さ」はマツダの社員らしいというべきなのだろうが、自分のやってきた仕事に対する「謙遜」の要素があまりない。もはや武勇伝のように語られているが、「デザイン部」の不満分子を殴り飛ばし、社内の他の部門の頭コチコチの給料ドロボーどもを企画会議で沈黙させ、いばらの道を走ってきた!!と言いたくて仕方がない様子。前田氏がデザイン本部長になって以降に出したクルマはもれなく支持された。マツダ全体の販売も好調だ!!誰か俺に文句があるのか!?・・・って感じの徹底したカタルシス論調。それでも「前田さんはもうちょっと謙虚になるべきだ!!」なんて言うつもりはない(言う資格もないけど)、いやこれに書いてある通りだったんだと思う。間違いなく今のマツダの成功は、前田さんの「我」の強さがあったからこそ実現したと思う。


デザインの時代

  今のマツダはデザイナーの実力がわかり過ぎて怖い・・・他の部門はエンジンの人見さんが注目されているくらい、この本にあるようにデザイン部が引っ張っている!!だからこそ「MAEDA」ブランドなのだけど、他のメーカーも似たようなものらしい。前田さんが大嫌いだったというローレンス=ヴァンデンアッカーもルノーを力強く牽引している。日産からGT-Rが発売された2007年頃は、デザインではなく、「MIZUNO」ブランドだったんだけど。それにしても「MAEDA」ブランドのデザイン力にはずっと驚かされっぱなしだ。「RX-VISION」や「VISION COUPE」は、市販を匂わすレベルの作り込みで、なおかつイタリアのスーパーカー・ブランドすら喰ってしまおうとしている。そこまでやりきったからこそ、欧州で大絶賛されて、栄誉ある賞をいくつももらったのだと思う。


マツダの単価はどんどん上がってる!!

  マツダの作品を通じて前田さんは、歴史に残る大きな仕事をしたのは間違いないと思う。人によってはこの本の内容が尊大すぎると感じるかもしれないが、実際には貢献度の大きさ考えればこれでも十分に「謙虚」な方だと思う。グローバルでマツダ車の販売を伸ばし、CX5のヒットにより単価も上がった!!マツダと競合する多くのプレミアムブランドはどんどん単価が下がっているけども、マツダの動きは全く逆だ!!これを可能にしたのは、誰の目にもデザイン部の奮闘にあることは明らかだ。メルセデスやBMWの単価は元々高いけどもどんどん下がっている。マツダの単価は上がっている。フェアに見ても、MAZDAいや『MAEDA』ブランドのデザインが、完全にメルセデスやBMWのデザインよりも高い付加価値を実現している証拠だと思う。


カーデザイナーはいなくなる!?

  メルセデスやBMWは中国市場に低価格のクルマを大量に売りさばくビジネスを選んだけども、『MAEDA』ブランドは、もはや車両価格を抑える方向には向かっていない。アウディもボルボも次々とウーバー、カーシェアリング、リース向けの販売に力を入れているらしい。もはや「個人向け」販売の時代は終わりを迎えつつあると考えているらしい。前田氏によると、この流れが自動車業界を支配した時に、カーデザイナーの仕事は終わる!!と書いている。この流れにどれだけ抵抗できるか!?他のメーカーはどーなるかわからないけども、『MAEDA』ブランドはこれからも「選んでもらえる」クルマを作り続けることで自動車産業全体を変えてみせる!!・・・この本で熱く主張している。


デザインとマツダは切り離せない

  『MAEDA』ブランドがコンセプトカーのデザインにただならぬ情熱を注ぎ込む理由であり、デザインがマツダにとっての「プライオリティ」であり続けてきたから、ファンに見捨てられることもなく、なんとか存続している根拠だと断言している。・・・ここまで読んで、従来のマツダファンはどう思うだろうか!?若造の分際で恐縮だけども、「マツダだけあればいい!!」とどっかで強く感じていた理由がわかって納得する気持ちと、デザインを剥ぎ取った後のマツダ車には何が残っているのか!?そこに不満を残したままでいいのか!?という疑問も同時に感じた。そして前田さんに言われるまでもなく、マツダの文化においてデザインは常に重要であり続けたから、2012年から変わったという認識も違う気もする。


センティア復活!?

  次期アテンザがFRになって縦置きのV6エンジンを搭載する・・・とか噂されている。デザインだけでなくて「中身」も変わります!!という力強い宣言なのだろうけども、その領域に立ったところで販売が苦戦しているトヨタ、メルセデス、BMWのFRサルーンと同等の設計になるだけだ。マツダが作ったクラウンみたいなクルマを今更に「選ぶ」だろうか!?せっかくにイタリアのスーパーカーブランドも脅かすようなデザインを作っているというのに、中身はバブルで止まっていていいのだろうか!?センティアに戻ることが「進化」なのか!? 内燃機関を積む大型サルーンはFRに帰結するしかないのかもしれないが・・・。


デザインと同等の緻密な設計を!!

  前田氏の本能の叫びを聞いているようで、ワクワク感が止まらない本だけども、その研ぎ澄まされた論理性ゆえに、「スカイアクティブ」が未完成な存在でしかない現状にちょっと白ける時がある・・・いや未完成ではなくて、それは緊急避難的な設計だったんじゃないかという疑惑もまだくすぶっている。Cセグメントのシャシーを引き伸ばしただけの設計が、フラッグシップで良かったのだろうか!?別にマツダだけの話ではなく、日本車・ドイツ車にとっては極めて当たり前のことだけども。自動車先進国と肩書きにあぐらをかいて、従来の上級モデルがどんどん売れなくなっている日本車・ドイツ車。価値ある設計ってのはイタリアやイギリスの高級スポーツカーの専売特許になりつつある!?


あのブランドに先を行かれている!?

  この中途半端な状況をすっかり変えることなしに、前田さんが語る理想もどこか空虚に響く。そしてこの糞詰まりの状況を打破すべく最も頑張っている日本メーカーは、もしかしたら新型になったLSやクラウンを作っているグループじゃないか!?そして彼らの作るプリウスもまた「選ばれる」進化をしている!?果たして「スカイアクティブ」各モデルは、プリウスが見せた2代目から3代目から4代目へとめざましく大きな進化幅を超えていけるのだろうか!?これは素人が単純に判断できることではないけども、前田さんの本を読みながらそんなことが頭をよぎってしまい、途中から内容が入ってこなくなりました・・・。





posted by cardrivegogo at 03:34| Comment(0) | マツダの戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする