2018年08月20日

マツダが高級車を作る意味

合理化=つまらねー

  AIの時代に対する警鐘で、仕事が奪われるとか騒いでいるけども、それは別にAIができるずっと前から絶えず起きてきたことじゃね!?って思う。冷蔵庫ができて氷屋さんは姿を消したし、テレビが普及して紙芝居屋や劇場は減った。それよりも思考とかマインドの部分でAI化による弊害が起きている(と思う)。合理的な判断を振りかざして経営してきた自動車メーカーってのは、結局は合理的な判断を是とするつまらねーユーザーのニーズに合ったものでしかない。中国の巨大資本が「中国車普及」の中国政府の方針によって、日本政府を牽制しつつ日本で大規模にカーシェアリングでも展開しようものなら、トヨタ、ホンダ、日産は揃って日本から逃げ出す運命なのかも。



何が世界を変えるのか!?

  AI的な思考、合理的な思考の名の下に、あらゆるライフスタイルが『定型化』され、もはや休日にどこの有名レジャー施設に行っても、ただただ殺伐としたものを感じるだけで、全然癒されなかったりする。ああいう施設は15〜30歳くらいまでの、「リア」とか「非リア」とかを意識している世代にとっては価値があるのだろうけども、35歳を超えたあたりから全く意味がないものになる!!とわかったら、合理化の名の下に「形骸化」してしまうのだと思う。結局は全ての年代が浸れる漫画・ゲーム・アニメの市場が拡大するのもわかる。スポーツとかアクティビティ、トライアスロンやサバゲーが人気なのもわかる。クルマも同じようにまだまだ潜在的なニーズを抱えているはずだが、いまいち波に乗り切れないのは、経済的な理由だけでなく、どうも『アーティフィシャル(人工的)』な創造性が大いに不足している気がする。



失敗の連続

  マツダファンによる贔屓目もあるかもしれないけども、バブル後のダメージから立ち直り、紆余曲折があった後に、再び高級車市場へと突き進みつつあるマツダの今後は楽しみだ。トヨタ(レクサス)、メルセデス、ロールスロイス、マセラティなど、長い年月を書けて高級車ユーザーを集めてきた定番ブランドがある。日本、ドイツ、イギリス、イタリアにそれぞれに大中小の産業資本家(金持ち)がいるわけで、その中で自然発生的に市場を確保した「ロイヤルブランド」なるものが出てくる。自分はセレブなのだからロールスやメルセデスSクラスを選ぶという行動は、もちろんブランドの努力も多分にあるのだけども、この高級車購入環境を、人工的な創造性の垂直的創発によって大きく変えることができるブランドは出てくるのだろか。21世紀とともにアウディが高級車ブランドとしてリデザインされたけども、中国市場の先行者利益を掠め取っただけで、20年程度でその勢いは下火になってしまった。



品質だけでは超えられない

  失礼だけども、もう笑うしかないくらいの失態・茶番の類はいくつも見てきた。あのGMやホンダが本気で取り組んでも、キャデラックやアキュラの世界的な認知度は低いままだ。この2つに比べればアウディの成功は破格だったと言わざるを得ない。ここ数年で上昇傾向にあるのはインフィニティとボルボ。どちらもフルスペック&高品質を掲げた「実力派」であり、とりあえずメルセデスやレクサスを部分最適化では完全に超えてしまっている部分も多い。背後にルノーや吉利汽車といった巨大資本を持ち、世界最先端のサプライヤーを束ねる恵まれた環境で、グローバルの頂点を虎視眈々と狙っている。それでもインフィニティがレクサスを、ボルボがメルセデスを超えていく姿は見えてこない。全てを変えるにはまだまだ迫力が不足している。



目先を変えなければ・・・

  ポルシェ、ジャガー、アルファロメオといった由緒正しいスポーツカーブランドも、高級車市場を狙っているけども、アイディアと技術に恵まれていない。パナメーラやカイエンは、落ち目のアウディを宗旨替えしただけの内容だし、ジャガーやアルファロメオはあまりに掲げた理想が低い・・・。高級車で世界の頂点ではなく、欧州で数字を持っているドイツメーカーからシェアを奪うという戦略ゆえに、あまりに創造性が欠如しすぎている。欧州メーカーってのは、しばしば主要市場で日本や韓国メーカーに押し退けられるのも納得の、全くのポンコツな仕事ぶりだと酷評したくなる。



納得のマツダ

・・・でまあ、マツダなんだよ。全てを超越することしか考えていない洗練さで、欧州の度肝を抜いた。これならばバブル以降にただの1メーカーも成功しなかった、成り上がり高級車メーカーになれるかもしれない。Artificialの力で、人々の認識とライフスタイルを文化&ヒエラルキーといった根っこでタブーな部分から変えてしまうかもしれない。自動車文化の「磁場」を逆転させることができるのはマツダだけじゃないか!?という気にさせてくれる。



何に人はカネを払うのか!?

  新しいマツダのフラッグシップならば、不可能と思われた下克上を果たすかもしれない。パナメーラ、7シリーズ、レジェンド、ジェネシスなど、いくつもの『未遂』作品が燻る階段を、マツダが一気に駆け上がる。人々が望んでいるのは、12気筒エンジンやスーパーカーみたいな電動デフAWDなどの「スペック」ではないのだと思う。ただただ地道に「世界最良のミッション」と「世界最良のエンジン」を地道に磨き続けたマツダだからこそ、高級車を作る意義があるんじゃないかと。ZFやアイシンAWのいわゆる「吊るし」のミッションを嫌ったマツダのこだわりが、今のマツダの快進撃を支えていると思う。マツダミッションに馴染んだ体には、ZFの8ATのニュルニュルしたフィールは相当に気持ちが悪い。よくこんなのに乗ってられるよな、バカじゃねーの!?



改良アテンザの健闘

  大流行のツインダーボエンジンにはパワーでは勝てないけども、レスポンスならばポルシェのスポーツカーにだって負けない。エンジンのマウントもレクサスを超えたレベルに到達した。スピリッチュアルなレベルのレスポンスと、上質を知るレベルのマウント。最近じゃさ・・・マジレスすると、3シリーズよりFFの2シリーズ、CクラスよりAクラス、A4よりA3の方がマナーが良いとか言われている。横置きの方が色々と有利だからさ。マツダはそれらの頂点に立っている。実際にマナーだけで比べるならば、クラウンよりアテンザなわけですよ。



再びAKIOに顔面パンチ

  しかし縦置きのクラウン相手ならば、アテンザがNVHなどで勝つのは当たり前のことだ。まあレクサスESにも勝つだろうけども。本当の意味でクラウンに勝つならば、同じ土俵に立つべきかもしれない。縦置きにもマツダが本腰を入れれば、世の中の高級車の作り方も新しい局面を迎えるのではないかと思う。今ではどこのブランドも「部品を貼り合わせて」FR車を作ってますけど、マツダならば、あのクルマのように走らせて瞬間から、ボデーサイズや重量、エンジンスペックに至るまで、トータルバランスに優れたクルマを仕上げるんじゃないだろうか。「クラウンなのにもっと攻めたくなるね」とCMで笑っているどっかの社長の顔面に、再び強烈なパンチをお見舞いするのが、意地っ張りなマツダらしさってものじゃないか!?





posted by cardrivegogo at 03:25| Comment(3) | マツダの戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年08月14日

マツダがN-VANを作ったならば・・・

ごめんN-VANの話ではない

  デザイン部門のトップがあまりにもストイックすぎるってのもあるかもしれない。マツダ、ジャガー、アストンマーティン、ボルボといった旧フォードグループに見られる特有の現象なのか、全てのラインナップのデザインに「スマートさ」を求める傾向にあるようだ。前回の投稿でボロクソに書かせていただいた渡辺陽一郎の「マツダ批判」は、前田育男氏による他のメーカーから見れば潔癖症が疑われるレベルの仕事ぶりを揶揄したかっただけなのかもしれない。


マツダデザインの妙味

  前田育男氏がその著書で、前任者批判とも取れる、「とにかく嫌い」ってことが伝わってくるニュアンスで書いていた、ローレンス=ヴェンデンアッカー。このオランダ人のフィルターを介して日本の伝統的情景をカリカチュアライズし、ただただおぞましい『狂気』が詰まった『歴史的デザイン』に仕上がったビアンテ。そこで見られるような「芸術的」なタッチあるいはある種のアヴァンギャルドさや、RX-8やベリーサに見られたクールジャパン的な「ゆるさ」があってこそ、日本メーカーという『庶民的な暖簾』にふさわしいってってことなんだろう。前田さんもそんな完全なる『外様な意見』に悩んできたと著書で書いている。まあとにかくジジイライターほどマツダのデコレーションをやたらとアジるレビューが好きだからな・・・。


秘術

  100年を超える自動車の歴史の中で、おそらく最も多くのデザイナーに影響を与えたであろう『ジャガーEタイプ』が出現してから、洋の東西を問わずカーデザインは、絶えず『狂気』と隣り合わせの仕事であったと思う。もちろんそのプロセスは簡単には伺い知ることはできないけども、想像を絶する激務であることはその『作品』から読み取れる。『魑魅魍魎の宿る秘術』に取り憑かれた天才達・・・ジョルジェット=ジウジアーロ(イタルデザイン)、イアン=カラム(アストンマーティン、ジャガー)、和田智(日産、アウディ)、奥山清行(ピニンファリーナ)、永島譲二(BMW)がいて、彼らの後ろに多くの人々が「鑑賞する喜び」「所有する喜び」を楽しんでいる。


歴史

  渡辺陽一郎に対して強烈な嫌悪を感じるのは、カーメディアの当事者として、自動車を楽しむファクターとしての「デザイン」の意味を十分に理解していないと見受けられるから、そして『世界の全て』のメーカーの中で最も多くの『狂気』を生み出してきたメーカーこそが・・・MAZDAだという事実を理解していないからだ。ジウジアーロとそのビジネスパートナーの宮川秀之が、この「魑魅魍魎」の価値に気がつきイタルデザインを創業を決意する前のベルトーネ時代の1958年にすでにMAZDAと接触を持っていて1963年にベルトーネデザインのルーチェが発売される。マツダは創業と同時の黎明期にすでに「世界最高のデザインブランド」であることを志向していた。渡辺陽一郎にしても前述のMAZDAデザインを批判したがるジジイも、そもそもMAZDAの仕事を「自分の言葉」で否定するに足る素養が身についていないままに、ノリで軽い発言をする。あくまでその「知性の欠如」に対してこのブログで抗議の意を示しているだけだ・・・ご了承を。


偏見を超えていく

  1980年代はポルシェやフェラーリにそっくりのスポーツカーを作っていたMAZDAが、1980年代の終わりごろから、完全に世界をリードする存在になった。俣野努、荒川健、ローレンス=ヴァンデンアッカー、前田育男・・・他にも優秀なデザイナーはたくさんいて、中にはヴァンデンアッカーとともにルノーに移籍して、いよいよファーストエディションが発売された新型アルピーヌA110のエクステリア全般を任せられた日本人デザイナーなんかもいる。あのゴジラ顔は間違いなく日本人の仕事だよな・・・あまり好きではないが。前田さんを差し置いて2016年に日本車として初のWCOTYデザイン賞に輝いたロードスターのデザイナー・中山雅は時の人になった。本来は2008年の「三代目デミオ」で前田さんが受賞するはずだった。あのデザインは欧州そのものを完全に刷新したから。日本車に対する偏見もあったのだろう。2008年、2013年(GJアテンザ)の実績があって「3度目の正直」の2016年だったと思う。そんな外部の評価はともかく、世界的に名前が知られていて、世界で認められた代表作デザインを複数持つ、天才デザイナー4人が支えてきたこの30年余りのMAZDAのカーデザインにおける実績は、文句なしで「世界最高」だと客観的に認識できるレベルにあると思う。


東洋のジャガー

  渡辺陽一郎だけが悪いわけではなく、MAZDAに対する認識不足でレビューを書くのに著しい問題が生じていることを疑われる自動車ライターは他にもたくさんいる。そもそも自動車好きを「自称」して、「日本車はカッコ悪いから買わない」と公言するオッサンにとっても、まさか少なくとも30年前から『MAZDAが世界最高のデザインメーカー』という認識はないのかもしれない。「東洋のジャガー」というMAZDAへの賛辞を正確に翻訳してこなかった日本のカーメディアの「恥部」。それを渡辺陽一郎の発言は「象徴」してしまっている。デザインへの傾倒が強すぎて「怪物化」すら進んでいるジャガーとマツダ。50年ずっと緩むことなく問い続けてきたのだから、そりゃスゲーですよ。どちらもバブル期にはポルシェ、フェラーリをデザインで「論破」していますから。


国沢も渡辺も引退しろ!!

  国沢光宏も渡辺陽一郎も、もはや身動き取れないくらいの「デザイン」のセルフイメージに囚われた怪物ブランドに対して、今更に「N-VAN」みたいなクルマを作れって言っているようだ。よくもそんな無粋なこと言えるよな・・・と憤りを覚える。少しくらいはマツダ歩み、マツダのポリシーを「汲んで」やれよって言いたい。前田育男さんがわざわざ新書を書いて主張したいことは、自分の仕事のアピールではなく、ただただちょっとくらいは「わきまえてくれ」ってことなんだと思う。別にMAZDAデザインはすごいから無理に理解しろっていうのではなくて、カーメディアとしてMAZDAを伝える立場ならば、MAZDAのこれまでの歩みが世界の他のメーカーとどれだけ著しく違うのか、少なくともそれくらいは「わきまえてくれ」、それを堂々と言えるだけのことをマツダはやってきましたよ!!ってことなんだろう。怒りは十分に伝わってくるし、カーメディアの取材に常に仏頂面で心をガードを全く外さないの前田さんの対応にも合点が行く。取材を受けながら内心は「ウゼーなコイツら」って思っているのだろう。


狂気

  世界には「狂気」に満ちたデザインであることを感じられるクルマだけが欲しい!!所有したい!!というユーザーもたくさんいる。デザイナーの苦闘の跡がなければクルマに価値はない・・・そんなユーザーがマツダファンになるのだと思う。そしてそれは決して少数派ではないと思う。ジャガーとマツダはどちらも決して経営基盤が強いメーカーではないが、どちらも世界から絶対に無くなってはいけない!!と思う人がたくさんいたから、21世紀になっても生き続けているのだろうし、この両者がトヨタやVWのような「玉石混交」なデザインのラインナップを展開したならば、WCOTYデザイン賞などでその他のメーカーの追従を全く許さない『狂気』(2013ジャガーFタイプ、2016ロードスター、2017Fペース)は生まれないと思う。


カッコいいではない・・・ヤバいだ

  マツダとジャガーは半世紀にわたってデザインにプライオリティを込めていた。2000年ごろから「スカした」感じにイメチェンしたアウディみたいなニワカブランドとは、はっきり言って「拗らせ方」が全然違う(アウディは和田がいないと何もできない!?)。アウディよりマツダやジャガーが優れているという話ではない。マツダ車やジャガー車の突っ張ったデザインを見ていると、ふと中島敦の「山月記」を思い出す。マツダもジャガーも働いている人の多くは大企業に勤める健全なサラリーマンだろうけども、クルマの設計にイニシアチブを持つ前田さんのような一部の人々は・・・「虎になった李徴」なんじゃないか。いや否定的な意味ではないです・・・そんな鬼気迫るものを感じるからこそ、自分はマツダに関するブログを書いているんだと思う。レクサス、メルセデス、BMW、アルファロメオなどではそんな気持ちはまったく起こらないから。


世界のカーデザインは支配されている

  2つのデザインモンスターを同じ経営グループに統合したのがフォードですけども、アストンマーティンはバブル期のトヨタデザインをパクって今のスタイルをとってるし、ボルボはフォード期を通過して全てが垢抜けた。2010年前後に解き放たれた旧フォード系ブランド(マツダ、ジャガー、アストンマーティン、ランドローバー)は、2011年以降の8回のWCOTYデザイン賞のうち6回を制していて、旧フォード系の話題の新型モデルが出てきたら他のブランドにはほぼ勝ち目はない状況!?


恥を知れ!!

  結局のところファンは、『健全経営のマツダ』ではなく『孤高の存在としてのマツダ』に期待しているし、「魁コンセプト」も「RX-VISION」も「ヴィジョンクーペ」も、期待通りの「病的」な美しさを感じた。まさしく「虎」のような存在感だ。「マツダのクルマはこうあるべきだ」・・・は守り続けるしかないと内部の人も思っているのだろう(半世紀にわたる方針を変えたらすぐに崩壊するかもよ)。欧州車ばかりに注目してきたジジイがマツダ車を見ても「欧州の真似をしている」としか感じられないのは仕方がないことかもしれない。しかしそれらの短絡的な言動に心を痛めている前田育男さんの叫びを聞いてあげる(仕事を理解できる)だけの知性が、今の日本にはもはやないのだとしたら、それはとても恥ずかしいことだと思う。そのことを渡辺陽一郎と同レベルの認識しかない連中には謹んで申し上げたい。




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2018年08月12日

「BMWになりたいマツダでちゅ・・・」の 渡辺陽一郎 を断罪する

まじふざけんな!!

  ベストカーの渡辺陽一郎が「マツダはBMWになりたいだけ」とか書いてる。もしマツダがBMWになってしまったら、とりあえずもう買わない。FRになってZFのミッションとか使い出すマツダなんて想像もつかない。そもそもポリシーが無さすぎるBMWと、ポリシーの塊でしかないマツダを同列に見ている渡辺陽一郎とかいう還暦ライターがムカつく・・・。ただ単にBMWもマツダもホンダを強く意識して設計しているのは間違いないけど。ホンダがフロントDWBをやればマツダも真似するし、ホンダがフロントをストラットに格下げすれば、マツダも真似するっていうタームは確かに存在したし、BMWはホンダの陰に怯えながら(ホンダと提携して生きながらえていた)ローバーを買収した。


MAZDAサバイバルの歴史

  60年代に四輪車ビジネスを創業したマツダを、10年単位で見てみると「ロータリーで世界を驚かせた60年代」「ホンダCVCCに唯一追いすがった70年代」「FRポルシェを退場させた80年代」「バブルに踊り波乱万丈な90年代」「再起とともに最前線に生還した00年代」「最後のエンジン屋宣言の10年代」・・・とまあどの10年も濃厚な味わいがある。各年代に共通するのは「生き残るために世界最高峰の技術を求めた」ことであり、世界中のMAZDAファンってのは、その濃密な歴史と、ひたむきな姿勢にただただ共感して応援しているわけだが、渡辺陽一郎は何を「意図」したのかわからないけど、不用意にMAZDAファンの感情を踏みにじりやがった・・・。ちょっと抜粋させてもらうと「商品の作り方が硬直化していて『マツダはこうあるべきだ』という思いが強すぎる印象がありますね。BMWになりたくて生姜ないんだけど、なかなかなれない。」と書いている。


カーメディアジジイどもの共通見解なんだろうけど・・・

  こればっかりは、MAZDA熱狂ファンと渡辺陽一郎との温度差・認識の差としか言いようがないのかもしれないけども、今回のベストカーでの放言は完全にボーダーを超えたと思う。自動車ライターだけでなく個人趣味のブロガーであってもやはり超えてはいけない一線ってのがある。意図的であれ、過失であれ、やらかせば「炎上」して然るべきなのがネット社会であるし、発表したレビューの見解には責任を持つべきである。半世紀にわたってサバイバルしてきたMAZDAを名指しで「BMWになりたいけどなれない・・・」と嘲笑ってしまったらもうアウトだろ。BMWもその昔メルセデスに吸収合併される一歩手前に、火事場の馬鹿力でノイエクラッセという奇跡を起こしたけども、マツダの半世紀を見ていると何度もそのデジャブのような景色はあった。そういう意味ではBMW的なのかもしれないけどさ、明らかに渡辺陽一郎は違うニュアンスで書いている・・・失礼だが、なんでこんな人が自動車ライターやってんだよ!?


発言が軽すぎるんだよ・・・還暦ってそんなもんか!?

  「マツダはこうあるべき」ってストイックな姿勢が、なぜBMW化に繋がるのか!?その思考がちょっとわからん。2000年代に入ってからのBMWは、サウスカロライナ設計・製造モデルや、マグナ外注モデルなど、ブランド分裂が激しくて完全に「商社化」しているけども、やはりローバー買収(ホンダ技術吸収)によって、ノイエクラッセ時代を彷彿させるミラクルなBMWの時代は完全に終了してしまったのだと思う。今のマツダも同じように堕落して「スカイアクティブ」のような商標主義に走っているという指摘ならば、『BMW化』と言われても腑に落ちるけども、世界最高の内燃機関と世界最高のミッションにこだわり続けている(と感じる)マツダのクルマ作りを、そう安易に否定したいとは思わない。渡辺陽一郎も否定的な意味でのBMW追従というわけではなく、肯定的な意味、「憧れ」って意味でのBMW追従を示唆しているはずだ。マツダを「出来損ないのジャガー、アルファロメオ、キャデラック」みたいなブランドだと言いたいらしい。


感情論で済む話ではない・・・

  「BMWとマツダのどちらが無かったらより悲しいか!?」・・・渡辺陽一郎はBMWだと答えるのだろう。技術的な要素を軽視すれば、心情的にBMWの欠落の方が悲しいと感じるのかもしれない。しかし直近の20年のBMWが何か決定的な存在だったことがあっただろうか!?伝説のE39を超えるクルマを1台でも発売しただろうか!? もっとも20年前は栄光の中にいたBMWと、同じころどん底を経験していたマツダのそれぞれのその後の20年間を比較するのはナンセンスだとは思う。BMWをめぐる経営環境は目まぐるしく変わり、鬼才クリス=バングルを理解できない保守的なファンが離れたり、全面的なターボ化によって失われたドライバビリティなど、難しい時間だったのは確かだ。クリス=バングルのデザイン革命は、その影響下にあったローレンス=ヴァンデンアッカーによって同様の手順が踏まれ、アテンザはカペラの、アクセラはファミリアの呪縛を解き放ったりしたわけだけども、渡辺陽一郎が言及しているのは、前田育男時代「KO-DO」のマツダについてだと思われる。


MAZDAの評価は内外で大きく違うからややこしい

  マツダにとっての「E39」はやはり「NAロードスター」になるのかな。しかしこれはピュアスポーツカーだ。20年前のマツダのエースといえば「初代デミオ」だけども、その後の20年もアテンザ(全世代)、アクセラ(全世代)、プレマシー、デミオ(3、4代目)、CX-5(全世代)、ロードスターRFなど、グローバルで相当な競争力を持ったモデルを次々と発表してきた。日本のカーメディアの評価はそこまで高くないようだけども、欧州(COTYなど)でも中国(COTY)でも北米(10ベストカー)でも十分に評価を勝ち取ってきたし、豪州、カナダ、ロシアなど、東西南北問わずに高いポテンシャルを示した。2000年までのグローバル「常勝」といえばホンダだったけども、2000年以降はマツダが世界最高の「常勝」メーカーと言って差し支えないと思う。トップギアが「世界で唯一の駄作を作らないメーカー」と評する根拠はただのリップサービスではなくて、冷静な分析によるものだ。


マツダとBMWの比較はナンセンスだ

  伝統の英国メディアが世界最強と評したマツダを、渡辺陽一郎は「BMWになりたいマツダでちゅ!!」と書いたわけだ。その見識を疑うよ・・・ホントに。以前このブログで「マツダ VS BMWはマツダの全勝だ!!」みたいなことを書いたことがあるけども、それはマツダがBMWの5、6、7シリーズに匹敵するモデルを、ミレーニア廃止以降は置いていないからだ。マツダはアテンザの車格を上げて5シリーズと対峙させようと画策していて、プレミアムラインとなる「MAZDA6シグネーチャー」は2.5Lターボを配して価格は約35,000ドルで、もはや3シリーズを全く相手にしていない価格設定になった(3erを見下し始めた!?)。今後の予定としては6気筒エンジンを配していよいよ50000ドル前後の5シリーズの価格帯に突入するのだろう。しかしそれはまだまだ先のこと。マツダがラインナップを集中させているMINIから4シリーズまでの車格においては、BMWをほぼ寄せ付けない作り込みはできているけども、やはり5シリーズを上回らないと対BMW完全勝利とはいえない・・・。


ジジイフィルターがBMWをメチャクチャにした!!

  「BMWはすっかり世俗化した・・・」と嘆く声をよく聞くけども、今も昔も3シリーズは安っぽかったし、5シリーズには相応のインテンシティは感じられた。本質的には何も変わっていない。4シリーズ以下のモデルは、失礼だけどもマツダやホンダには歯が立たないし、5シリーズ以上のモデルではメルセデスの壁を全く超えられない。新しい8シリーズのベースモデル(直6ターボ!?)は、北米で10万ドルの価格がつけられるのか見ものだ。グローバルでの販売台数は増えていると強がる声もあるだろうけども、伸びているのは中国専売の「1シリーズセダン」だけだ。苦し紛れに日本市場にこのFFのCセグ車を持ち込むような愚挙がないといいな。ホンダの開発者に「昔のシビックの乗り味にそっくりだね」って言われるのがオチだ(2シリーズATが実際に言われていた)。重ね重ね失礼だが、今のBMWは完全に「負け犬」だ。渡辺陽一郎がどのように認識していようが「負け犬」だ。韓国で起こっている問題や、別件のリコール隠し疑惑や、ディーゼルゲート疑惑があろうがなかろうが「負け犬」だ。


ジジイにはBMWやマツダの現在地はわからないんじゃねーの!?

  マツダだって倒産の危機に追い込まれながらも、CX-5を世界的なSUVへと短期間で成長させてブレークスルーを起こした。BMWにももしかしたら同じことが起こせるかもしれない。ノイエクラッセが21世紀に再び再現されるのか!? 渡辺陽一郎はマツダを「硬直化しすぎている!!」と言ったが、それはこの20年のBMWへ送られるべき言葉だと思うし、そんなこと言われるまでもなく、BMWはすでに復活への歩みを始めている。5年後にはどんなBMWが存在しているのかだろうか!?世界的エンジニアリング・サプライヤーとして急成長を遂げている、マグナ=シュタイア(カナダ、オーストリア)と合体を果たすかもしれない。すでにゲトラグを傘下に持つこのメガサプライヤーは、日本のいくつもの有力サプライヤーに触手を伸ばしているらしい。ZFのトルコンが主体だったミッションにもマグナ=ゲトラグが食い込みつつある。ここ数年ですっかり悪名高き存在になったドイツの自動車産業集合体から抜け出して、BMWが独自のサプライヤー体系を築き上げることで大きく体制が改まり、製品が変わることを切に願う。FR化が規定路線というマツダの前途に大きく立ちはだかる壁になれば、マツダのクルマ作りも再び神がかったものになるんじゃないかと・・・。



マツダが全勝だ・・・





ラベル:渡辺陽一郎
posted by cardrivegogo at 21:30| Comment(3) | クソな話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月30日

マツダ車の 本音 と 建前 その4


厳しさを増すMAZDAのビジネス環境

  350~400万円越えの『乗り出し』価格(MAZDAとしては単価上げ)を狙ったCX-8やアテンザは、それでもなお「ベストバリューモデル」として日本市場で好評のようだ。いよいよマツダも「高付加価値」のクルマを求めるユーザーをがむしゃらに追い回すタームに突入したようだ。ほとんど全てのモデルが500万円以上で展開されるレクサスとの差もかなり縮まってきた印象だ。・・・でこれは一体誰得なの!?いや、MAZDAの戦略を否定するつもりはないです。これからも広島と防府でクルマを作り続けるには、相手がレクサスだろうと、メルセデスだろうと、怯むことなく相手を押し退けて「奪って」いくしかない。もしかしたら、豊田&田原での生産と、広島&防府での生産のどちらか一方の陣営しか国内生産では生き残れないかもしれない。だってあの大統領が・・・。


LEXUSを潰すつもりで・・・

  SUBARUはすでにアメリカ向けのクルマをアメリカ一極集中で売っているだけで、輸出の割合も下がり気味なので、「日本製の日本車」を世界に堂々と売り込むブランドは、LEXUSとMAZDAだけと言ってもいいかもしれない。北米から締め出される恐れがあるレクサスが矛先を変えて欧州市場に力を入れるとすれば、同じ「日本車」としてマツダがそのシェアを失う可能性が高い。それに対抗する意味があるのかもしれないけども、英国でも40000ポンド近くにまで達した「MAZDA6」の2.5Lターボが出るらしい(550万円!!)。もはやBMW330iやアウディA4-2.0TFSIクワトロと同等の価格。


AUTO EXPRESS に MAZDA記事が 連日出てます

  英国メディアではMAZDAへの関心が高いらしく、まだ欧州に導入されていないCX-8の試乗レビューが出ている。日本市場での価格だったり、ディーゼルエンジンのみの設定だったりの情報がイギリス人にも需要があるのかな。プジョー5008、BMW2シリーズグランツアラーの他にも、フォードS-MAX、フォードトルネオカスタム、オペルザフィーラ、プジョーパートナーティピー・・・まだまだ実用性がデザインより優先されている欧州の3列シート車の状況を見る限りではCX-8の欧州進出には大いに勝算がありそうだけども、商用車に近いモデルならコスパが大事なので、関税なんてEUにボッタくられている場合ではなく、欧州に生産拠点を展開しないと難しいかもしれない。EUとの間にFTAは実現しつつあるようだが・・・。


CX-8はいよいよ欧州進出!?

  日本市場でレヴォーグ以上のサプライズを起こしつつあるCX-8は、確かに魅力的に見える。乗り出しが300万円以上のレヴォーグが二年目になっても月に3000台も売れたことはすごいですけども、CX-8も発売から半年が経過してまだまだバックオーダーが積み上がっている様子。さすがにプレマシーユーザーも、アベノミクスの恩恵を受けて観念して買っているようだ。そういえばプレマシーにディーゼルを積んでくれー!!って声が結構あったけども、プレマシーに2.2Lディーゼル積めば乗り出し300万円くらいだろうし、さらにシャシーもB系からCD3系(旧G系の親戚)にレベルアップしているのだから350万円乗り出しはほぼ適正価格。しかも2列目、3列目のシートも抜かりなく仕上げてきたのがヒットの要因だと思われる。


アウディを潰さなければ成功はない

  ガソリンターボで40000ポンドのアテンザの後を追って、40000ポンドのCX-8も欧州に上陸するならば、まあ面白いでしょうけども、日本と違ってピープルムーバーにお金をかける文化ではないようだ。BMW216dグランツアラーで32,000ユーロ程度、CX-8と車格が被るアウディQ5の2.0TDIが45,700ユーロ、アウディQ7の3.0TDIが63,300ユーロ。とりあえずこの辺をぶっ飛ばしていくだけの商品力があるのか!?ディーゼルが完全に主力なのでマツダの活躍が期待されるジャンルなんだけども、やはり欧州ブランドには上級モデル用の6気筒ディーゼルが用意されている。マツダが直6ディーゼルを企画する意図もわからないでもない。FRベースのシャシーに直6があれば、クワトロポルテやアウディQ7、ポルシェカイエンまでを射程に入れることができる。


ビッグクーペ開発競争に参入!?

  ニューモデルマガジンXが今月号で、MAZDAの「直6クーペ」開発を巻頭&表紙で報道している。予想発売時期は2020年代半ばだってさ。7年後の自分はMAZDAのクーペが欲しいだろうか!?レクサスLCが登場し、BMWがいよいよ8シリーズを復活させ、クーペやM8まで着々と準備が進んでいるようだけども、MAZDAは7年後か・・・アテンザの上?にFRセダンが置かれ、それのクーペ版なのでそれくらいの時間が必要なのかもしれない。せっかくだったらBMWにブツけて欲しかったな。BMWとMAZDAが同時にビッグクーペを発売して、どっちもコケるって可能性もあるけどさ・・・。MAZDAとしてはレクサスLCや8シリーズクーペの動向を見つつ開発を慎重に進められる有利さはあるだろうけども。


MAZDAだから期待したい

  レクサスもBMWもビッグクーペを設定する狙いは、ブランドをより魅力的に見せる「看板役」。つまり本来売るべきフルサイズSUVや、フラッグシップサルーンとそれらの下位に分布するブランドのラインナップのクルマを効率的に売るための舞台装置に過ぎない。しかし存在するだけでは意味がなく、マシンとしての価値が非常に高くファンも多く世界から注目される存在でなければならない。7年も経てばレクサスLCと8シリーズクーペが、風化/形骸化していく厳しい現実を突きつけられるだろう。CVT&HVだったり、既存モデルと変わらないユニット&外部ミッションを流用したところでファンはもう増えないって・・・。


全てのラインナップが世界ナンバーワンへ・・・

  それでもMAZDAはビビることなくフラッグシップクーペ発売に漕ぎ着けることができるだろうか!?MAZDAならば専用特別ユニットとミッションを用意してくれると信じたい。半世紀にわたるスポーツカーとしての意地を見せてくれるだろう。1シリーズセダン&MINIがグローバル販売の中心になりつつあるBMWと、C-HRをベースとしたコンパクトSUVを拡販の切り札とするレクサスに、これ以上何を期待するだろうか!? 世界最良のミドルSUV『CX-5』に世界最良のCセグ『アクセラ』の2台が主軸のMAZDAだけども、さらにD/Eセグメントの覇者を目指す『アテンザ』、D/EセグSUVで革命を起こしつつある『CX-8』を加えて、世界の中型メーカーの頂点に一番近いところにいるMAZDAが、メルセデス、レクサス、BMW、アウディ、ボルボをことごとくなぎ倒して、自らの市場を守るためにも、ため息のでるようなクーペを『なる早』で期待したいものだ。



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↓これがアテンザの車内!?ってくらいに変わった・・・





posted by cardrivegogo at 06:13| Comment(0) | マツダの戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月23日

マツダ車の 本音 と 建前 その3

アテンザのシート

  バカのオウム返しで恐縮だけども、現状のマツダ車は「ハード面」での完成度は低い。例えばマツダアテンザとレクサスISを比べてアテンザが絶対的に劣っている点は、シートの取り付け剛性だったり、吸音材に頼り過ぎて異質な音響になりつつあるキャビンの違和感だったり、まあ5分も乗れば色々と気がつくことは多い。シートの溶接をじっくり検分したわけじゃないけども、とりあえず腰掛けた瞬間に、シートとフロアがまるで一体形成されているかのようなレクサスと、キャビンの中にシートをくっつけました感が拭えないアテンザ。・・・とは言ってもレクサスがやたらと剛性感があるだけで、VW、BMW、メルセデスも「後付椅子な感じ」なんですけども。


クラウンとアテンザはエンジンを替えた方がいい

  そもそもレクサスのメインストリームを担うFR用シャシーと、マツダの中型車種汎用のスカイアクティブシャシーのマッチアップは、ややピントがずれていて、車重1800kgが当たり前のレクサスシャシーに対して、1500kg前後に収めるマツダでは、理想とすべきクルマは変わる。クラウンの直4ガソリンターボ(比較的に高回転)とアテンザの直4ディーゼルターボ(ハイトルク)を交換したらいいんじゃない!?って気がしないでもない。最近の欧州プレミアムブランドでは、アメリカや中国などで拡販するために、ガソリンターボとディーゼルターボの出力特性を寄せて、トルク容量などで制限が出るミッションをできる限り統一しようとしている。マツダの2.5Lガソリンターボも5000rpmに出力ピークがあり、欧州ブランドの戦略を愚直に踏襲している(これは見直しを・・・)。


トヨタに負けるエンジンでいいのか!?

  一方トヨタ/レクサスではFRの乗用車へのディーゼルユニット積載は行っていないので、ガソリンターボはトルクよりも出力側に振っていて5800rpmにピークが置かれている。単純に考えて4500~5000rpmの範囲にピークが集中する欧州ブランド&マツダに比べて、エンジンベースではトヨタの方がスポーティな仕様になっている。もちろんHONDAシビックtypeRのように「全車MT」と割り切ってしまえば、直4ガソリンターボで6500rpmというチューニングも可能なんだろうけど(欧州ホンダはディーゼルも多い)。


エンジン屋グループから孤立するマツダ

  スバルやポルシェのような水平対向ターボなら構造上回転数も上げやすい。しかしスバルのFBエンジンはプラットフォーム&エンジン形式を定型化しつつも、(今では常識的なことだけども)トルク&エコ化を求めてロングストローク化してしまった。これは「SUBARUの軛」として、これから10年くらいこのブランドを呪い続けることになりそうだ。そしてフェラーリはV8、V12のショートストロークかつ、高回転が商品力(エンジン以外はおまけ)と考えるエンツォ=フェラーリの理想にも叶っていて7000rpmを実現。そのフェラーリから読んできた技術者が作ったというアルファロメオの2.9L・V6の6500rpm。これらと互角以上に渡り合っている日産(VR30DETTが6400rpm、VR38DETTが6800rpm)とホンダ(K20C・6500rpm)のガソリンターボはレベルが高い。日産はVR30DETTを日本でも売ればいいのに・・・。


ディーゼルでトップになったが・・・

  マツダにとっては悩ましいところですねー。日産やホンダに追従したいのはヤマヤマなんだけども、フォード時代にディーゼルに熱心に取り組んで、3000rpmでトルクが急激に萎むBMWや1800rpmでギブアップのメルセデスのユニットの間隙を縫って、5000rpmまで使える稀有なディーゼルターボを作り上げてしまった。沢村慎太朗著「午前零時の自動車討論7」にも書かれているけども、BMWもメルセデスも4000rpmより上は全く使う気にならない(壊れちゃうよー)のに対して、マツダディーゼルは5000rpmまで伸びる。この事実は大谷達也さんもカーグラフィックで2013年にすでに書いている。・・・そして清水和夫は320dを「5400rpmまで気持ちよく回した!!」という都市伝説を持つ(錯覚か大ボラでないならば、彼は魔法の腕を持っているってことか!?)。


泥沼から抜けられるのか!?

  ディーゼルエンジンであっさりとメルセデス、BMWを蹴散らしてしまった・・・。この成功が経営危機のマツダを支えたという意見もあるだろうけども、北米から展開が始まり日本にもCX-8などで導入が予定されているマツダの5000rpm「しか」回らないガソリンターボもまた、どっかのメーカーのように「MAZDAディーゼルの軛」を背負って次の10年を進んでいくしかないのだろうか!?目の前でBMWという名の「泥船」が日本市場でズブズブと沈んでいっているけども、そりゃ5000rpmしか回らない(M3でも5500rpm)なんてユニットが主力では、欧州、アメリカ、日本といった成熟市場では沈むしかない・・・。


飛車角落ち

  以前にこのブログで「マツダとBMWのエンジンは終わっている!!」といった批判を書いたことがある。あれから早くも数年が経過したけども、マツダもBMWもあまり状況は変わっていない。とにかくエンジンがいいから欲しい!!と思わせてくれるモデルは特にない。「マツダもBMWも砂型鋳造を使った高品質エンジンだぞ!!」という反論もありそうだけども、結局のところは世間のイメージとは裏腹に、マツダもBMWも「ボルボより低級なシャシー」と「トヨタより低級なエンジン」を使い続けての「ハンデ戦」を行い続けている。そもそもアテンザやBMW3シリーズが、レクサスISと並び立つなんてことは、スペック上は不可能なことだ。


予測通りにはいかない・・・

  「レクサスIS開発のスタート地点は3シリーズを捉えることではなかったか!?」と反論が来そうだ。レクサスの開発者は北米で年間10万台を超えるシェアを持つ3シリーズの進化を予測し、今後の数世代で3シリーズと互角以上に戦える設計をして待ち構えたけども、3シリーズの頭打ちをすでに予想していたBMWは、セダンよりもSUVやEVモデルの開発に邁進したため、レクサスISとBMW3シリーズの間は、大きな「スペックの谷」で隔てられている。レクサスだけでなく、メルセデス、ジャガー、アルファロメオが3シリーズ包囲網を構える中で、肩透かしを喰らわせたBMWの機転は素晴らしいのかもしれない。


次の覇『車』は!?

  BMWが全く注力しなかったF30は、アメリカでも日本でも先代のE90型からいくらかシェアを落とした。しかしハイスペックモデルで待ち構えたレクサス(IS)、ジャガー(XE)、アルファロメオ(ジュリア)は大きなインパクトを残すこともなく見事に共倒れし、結果的に、アメリカでも日本でも、CクラスとCLAを両方用意した用意周到なメルセデスがシェアを伸ばした。日本のユーザーにとってはスペックよりデザインってことが残念ながら肯定されてしまった・・・。


関連記事


320dを5400rpmまで回して壊さなかった(という)伝説の男登場・・・


4年ぶりに有名なドイツの自動車カタログの日本語版登場。
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2018年07月21日

マツダ車の 本音 と 建前  その2

マツダ=『仕上げ』

前回は、エンジンもボデーのバリエーションもないマツダが、既存のプレミアムブランドに対して訴求力で互角もしくは上回ることができたのは、「仕上げ」の力がずば抜けていて、その実力はトヨタの社長が完全に撃ち抜かれてしまうくらいだから・・・といった前振りをしました。しかし「カーメディア」において、そんな語られ方をすることは少なくて「わかってないライターが多すぎる」という気がしないでもない。ハンドリング、アクセル、ブレーキのフィールはうまくまとめられているし、ミッションやサスペンションで、メルセデス、BMW、アウディ、トヨタに違いを見せつけているけど、カーメディアの多くは、『マツダ→よくできている』『レクサス・BMW・メルセデス・アウディ→いまいち』と言葉を濁して直接比較を避ける。


世界三大ブランド

なんでマツダは「仕上げ」が上手くできるのか!?それはポルシェやフェラーリが上手いのと同じかもしれない。例えばポルシェは「911カレラ」「911カレラS」と2グレードを作り分けるけども、997の前期/後期、991の前期/後期で小刻みに仕様を変えてくる。サイズやホイールベースがスポーツGTとして最適な中央値に近いというのもあるけども、操縦性において各種パラメータを大胆に弄って、「最新の911」を提供する姿勢が貫かれている。つまりスポーツカーを作るメーカーにとっては商品開発とは、すなわち「操縦性」の解釈を広げることであり、「走り」だけが商品価値だと信じて疑わないからだ。そこにしっかりと情熱が注ぎ込まれているから「ポルシェ」であり、「フェラーリ」であり、「マツダ」という名前が世界で通用するのだと思う。


「走り」の商品化

これは単なる観念論ではないっす。例えばメルセデスやBMWにありがちな「いまいち焦点の定まらない」新型モデルに対するいろいろなレビューを読んでいると、まあ見事なまでにバラバラな見解が出てくる。ある人はスポーティだと主張し、ある人はコンフォートだと表現する。1つのモデルに対してよくもまあこれだけ真逆な意見が出てくるものだと感心する。それに対してマツダは・・・、ある種の偏見もあるのかもしれないけど、ほぼ全員が「スポーティ」だと、妥協はあるにせよ『合意』するくらいに、ある程度はピーキーなハンドリングを当たり前のように製品化する。つまりポルシェやフェラーリに決して負けないくらいに、目一杯パラメータを動かすことができるわけだ。それができるのが半世紀に渡って専用設計スポーツカーを作ってきたメーカーなんだと思う。


『トヨタ化』というトレンド

スカイアクティブ以降のマツダは旧世代を否定するかのように『コンフォート』に振っている。人によっては「トヨタに近づいている」と表現するのかもしれない。マツダは「トヨタに近づく」という変化が可能だけども、失礼ながらスバル、三菱、ホンダ、日産ではトヨタに近づくことさえできない。なぜならブラインドテストしても、トヨタ車とまるで区別ができない範囲の乗り味でしかないのだから、「近づく」ことはできない、もともと「近いところ」にいるってだけだ。これらのメーカーもパラメータを変化させることを・・・やればできるのだろうけども、そこにハッキリと「商品価値」を考慮してはいないのだと思う。


マツダはどれだけ乗り味を変えられるのか!?

誤解を恐れずに言ってしまえば、パラメータが動かせるメーカーは「仕上げ」の能力が高い。「THS」が抱えていた回生ブレーキの瑕疵を、放置してきたトヨタと、全く我慢ができなかったマツダ。この2メーカーの差がそのまま「オーリス」と「アクセラ」の差であり、「ヴィッツ」と「デミオ」の差であり、「ウィッシュ」と「プレマシー」の差であり、「マークX」と「アテンザ(先代)」の差だ。マツダに入庫したプリウスのユニットが激変したのだから、いまいちなトヨタ/レクサス車は、マツダのチューニングを施してみたらいいんじゃね!?


GRブランドが生まれた意味

トヨタも自前で「GR」というチューニング・ブランドを作ってきた。日産の「NISMO」のコンプリートカーがマニアに熱く支持されているように、スポーツカー/レーシングカーを仕立てる「パラメータ屋」に、仕上げを委託するのは、洗練された市販マシンを作り上げるためには有効だと思う。ポルシェやマツダにはその機能がすでに備わっている。さらにエクストリームなポルシェを求めるマニア向けに「ルーフ」「ラウヴェルト」などのチューナーが用意されているけども。K沢M洋とかいう著名なライターがベストカー誌上で「マツダはスポーツ活動に予算を計上しないからダメ」とか言っていたが、まずはクルマの「仕上がり」から判断すべきじゃねーの!?って思う。


北米での大勝利

現在のマツダは「ボデータイプ」と「エンジン」のバリエーションが致命的に少ない。マツダ車の購入に前向きで、好意的なファンもしくはファン予備軍な人々にとって、そのラインナップの拡大を期待せずにはいられない。「6気筒」「ロータリー」「FRサルーン」「2ドア」「3ドア」などなど。しかしマツダの本質が、世界最高の「パラメータ屋」だとしたら、ボデータイプもエンジンも最良でコアな選択を外していなければ、常に世界最高の位置を狙うことはできる。例えばまだ6年あまりの歴史しかないCX-5はすでに『世界最高のSUV』となった。アメリカが輸入する『最大』の単一モデルであり、ホンダ、トヨタ、スバルのSUVを寄せ付けないくらいにグローバルで広範囲に、GDP上位国の市場を席巻している。果たしてCX-5の魅力とは何か!?北米には最近になってやっとディーゼルが導入されたばかり。つまりどこのメーカーにもあるサイズの5ドアSUVのボデーに、前近代的な自然吸気エンジンだけで世界の頂点に立ったわけだ・・・。これを「仕上げ」の力以外になんと言えばいいのか?


中の下

K沢M洋が動画レビューで言っているように、CX-5の車重において2.5LのガソリンNAエンジンではパンチ力不足は否めない。それでもプレミアムブランド仕様の「Lパケ」に時代遅れの180psのNAエンジンで30000ドル。245psの2Lターボエンジンで武装する「BMW・X2-28i」36000ドルの相手を見事に圧倒して何もさせていない。アメリカ人にはちゃんと判断できるのだと思うマツダのATと、某ドイツ系サプライヤーのATの洗練度の差が、サスペンションを作り上げる技術の差が、そしてハンドリングを『仕上げる』メーカーの実力差が。K沢さんがいうには、CX-5の足回りは、ドイツ車でいうところの『中の下』なんだってさ。SUV同士で比べたらCX-5に『サス性能』で勝てるドイツSUVなんて見当たらないし、失礼ながらティグアンもX3もGLCもQ3も・・・かなり不満の残る「仕上がり」だったが。


ハードが弱い

ドイツSUVに「仕上げ」を求めるならば、マカンか、アルピナXD3などのチューナー車を選ぶべきなんだろなー。それをリーズナブルな価格で実現しているマツダはやっぱり全力で応援したい。しかしもうすでに2世代目に突入し、年産40万台を超えているCX-5ですが、初代との差は各部の性能をスープアップしている程度。クルマの立ち位置を大きく変えるような「大転換」はまだ何も施されていない。あまりに早い成長だったために開発が追いついていないだけかもしれないが、マツダがボーっとしている隙にも、人気のドイツブランドのSUVを押しのけて大きくシェアを広げている新興ブランドも出てきた。かつてない販売台数に達しているボルボは、マツダがまだ踏み切れていない、「ハード面」での進化を実現している。


合併シャシーは厳しい

旧フォード陣営で旧マツダシャシーを使って最近までクルマ作りをしていたボルボは、上位&下位の2種のシャシーをいっぺんに変えてきた。厄介なのはアクセラベースのマツダ本体が使うシャシーは、ボルボの下位相当であり、ボルボが日本でシェアを拡大しているのは、上位シャシーを使うXC60の成功によるもの。中国メーカー吉利汽車と組んで開発されたシャシーは、以前にも書いたけども、3世代のアテンザが同時に生産されていたくらいにGG/GHが大好きな中国市場の好みに合ったフロントDWB装備だ。いくらマツダが「仕上げ」がうまいからと言っても、ハード面での大きな差を埋めることは難しい。初代アテンザは、初代アクセラとは全く違う乗り味を持っていたけども、現行アテンザと現行アクセラは同じ「ハード」を使っているだけあって、かなり近いところにある。違いは「吸音材」の量くらいじゃないだろうか!?


次の展開は!?

栃木系日産、SH-AWDのホンダ、クラ&LSのトヨタといった、ハードのレベルが高い日本車には、現状のマツダでは分が悪いかもしれない。「仕上げ」の力を存分にふるったアテンザ、CX-5では、居住性に加えてスムーズな操縦性でアピールできるけども、絶対的な走行性能&限界性能には差がある。日本車のこれらのモデルや、ハード面で頑張っているジャガー、アルファロメオ・ジュリアなどを、マツダがチューニンング&ファイナライズしたら、メチャクチャいいクルマになると思う。ならば・・・マツダにもハード面でステージを上げたシャシーをそろそろ期待したいし、鋭意製作中とのこと。多くの人はバブル末期の苦境を思い出すのだろうか・・・もし可能ならば、いまいち狙い通り拡販ができていないアルファロメオ・ジュリアのシャシーをマツダに丸投げしてみたらどーだろうか!?この2つのブランドはかなり「同位相」であり、「マツダロメオ」としてビジネスライクに同化しつつも、最高のGTカーと作りそうな気がする。ハードの「アルファロメオ」と仕上げの「マツダ」・・・省資源時代のこれからはコラボの時代だ!! ト○タとB○Wがコラボしても無粋なクルマには変わらないだろうけどさ・・・。


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posted by cardrivegogo at 17:37| Comment(0) | マツダとカーメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月20日

マツダ車の 本音 と 建前

開発者の心境

  マツダの開発者のインタビュー記事などを目にする機会が多くなった。各種ウェブメディアに露出することも増え、マツダ専門誌「MAZDA FAN BOOK」では毎号複数の開発者のインタビューが読めるし、MAZDAを「欧州メーカーを真似る・低コストメーカー」といった方向へ必死で印象操作したがるベストカーやニューモデルマガジンXの連中は、自分たちのプロパガンダに都合が良いところだけを切り取って「ターボがコストがかかるから使わない」などと書き立てたりすることに余念がない。それらの媒体からマツダ開発者の「本音と建前」が以前よりハッキリと見えてくるような気がする。


わかってないヤツのレビュー

  MAZDAファンの多くがカーメディアに対して不満に思っていること・・・それは、書いてる連中が昨今のマツダ車が貫いている美点など全く理解しないままに執筆していると見受けられることだ。これは大いに不満。まずは自動車評論家たるもの、各メーカーがどのレベルで仕事ができているのか判断する力が必要だと思う。自慢じゃないが、私はBMWやメルセデス、レクサスのポテンシャルを十分にわかった上で批判記事を書く。だから『320i=トルコンが不良で論外』と書いても特に「反論」されることはない。そりゃ「バカ!!」とか「死ね!!」とか誹謗中傷コメントは山ほど来ますけども、「反論」はないですねー。中身のない誹謗中傷しかできない連中は、2015年のVW&BMWの排ガスの一件で、ウェブから姿を消しました。まるでS水k夫などが「手のひら返し」をしたように・・・。


例えば島下さんとか・・・

  島下泰久が引き継いだ途端に「間違いだらけのクルマ選び」が絶望的に売れなくなったらしいが、失礼だがアイツのMAZDAレビューに関しては金を払うレベルにはない。そもそもクルマを見ていない。もちろんたっぷりと試乗はしているだろうけども、MAZDAほど開発者の意図を考えるのが楽しいブランドはないのに、それを期待する読者を置き去りにして、クルマのこと何もわかっていないオッサン・オバさん目線で良し悪しを語っている。「安全技術も高い、運転も楽しい、デザインも素敵だ」笑っちゃうくらいに呑気なもんだ・・・。


MAZDA車のベストレビューは!?

  ここ数年でおそらくMAZDAファンを最高に狂喜乱舞させたレビューは、2013年に大谷達也さんが「アテンザXDは320dにエンジンレベルでは完勝!!」と力強く宣言したカーグラフィックのレビュー・・・ではなくて、やはり沢村慎太朗さんの「午前零時の自動車評論7」に収録されている「アテンザディーゼル試乗記」だ。GG/GHの時代から欧州ではディーゼルエンジンを導入していたアテンザが、その時点で既にメルセデスやBMWをディーゼルの性能で大きく上回るスポーティさを獲得していたことを説明し、それに続くスカイアクティブDが欧州メーカーにとっては悪夢としか言いようがない大きなブレークスルーを果たしていて、ディーゼルだけでなくMTの操作系など、MAZDAのドライブ環境が既に欧州プレミアム各ブランドと比較しても完全に傑出したレベルにあることを説いていた。


スーパーカーに乗る人ならわかるのか!?

  さらにアルファロメオとMAZDAの走りの共通性にも軽く触れていて、ああこの人はフェラーリなどのスーパーカーを専門とするライターなのに、よくマツダのFF車にまで精通していると感心した。おそらくアルファロメオに関するレビューの多い人なので、GG/GHアテンザが156/159に大きく影響されていることを知っていたんだと思われる。完全に手前味噌な考えですけども、スカイアクティブ以前のMAZDAの走りの良さがわかる自動車評論家ってのはスーパーカーを語る人だけなんだろうな・・・。


例外もいる・・・

  名著「福野礼一郎のクルマ論評2014」でも、アテンザ、アクセラがレビューされていて、MAZDA2車に40ページも割かれている!!この本は『全人類ほぼ敗北』の文句で有名で、その後に多くの人から福野氏へ「ゴルフ7のどこがすごいの!?」って質問が殺到したらしい。前回の投稿で「ヴォルフスブルク&広島」系なる主張をしたのですが、その理論の最大の「参考文献」がこの本と言ってもいい。とにかく豊富な知識でMAZDAを検分しています。決して沢村さんみたいに「アルファに似てる」みたいなことは言わないけども、MAZDAが欧州市場で認知される「実力派」であり、その市場のライバル車と比べてどれくらいの位置にあるのか冷静に伝えている。先ほど「MAZDAがわかってないライターはダメ」と書きましたけども、福野さんのようにフラットに検分できる人なら問題はないですね・・・。


マツダの実力とは!?

  さて最近のMAZDA車を「本音」で語るとしたら、一体何が最大の魅力なのか!?おそらくMAZDAファンの多くが感じていることとしては、他のメーカーのクルマよりも「仕上げ」で頑張っているってことだと思う。スカイアクティブ以降のMAZDAは、「日本のPSA」ってくらいにエンジンに困っている。ファンがいくら望んでいるからと言っても、経営の都合上、簡単にハイスペックなユニットを作ることができない。シャシーもボデータイプも増やすことができない。HONDAみたいにハイブリッドとターボをそれぞれ複数開発できる体力があれば・・・、メルセデスやBMWみたいに細かくボデータイプを分けた車種設定ができるならば・・・。


ボデーとエンジンは増えないけどさ・・・

  MAZDAも本気で『攻め』に出るならば、ハイスペックエンジンも2ドア車もすぐに作れるだろうし作るべきだ!!という意見もあるだろう。それをやらないでご立派なプレミアム化を宣言する開発者たちに、厳しいツッコミをしたくなる人もいるだろう。しかしエンジンもボデーもないけども、MAZDAには他社を完全にはねのけるくらいに素晴らしい「仕上げ」がある。エンジンもボデーも増やせていないけども、一台一台に魂を入れるように「走り」のバランスが見事に調整されている。少ないボデータイプゆえにデザインの隙を作らない緻密さが発揮できている。MAZDAファンがトヨタ、ホンダ、BMW、メルセデスを検分すると、失礼だが笑っちゃうくらいに「隙だらけ」だと感じる。


トヨタを出し抜いた事件

  はっきり言ってトヨタやホンダのCVTや、BMWやメルセデスのトルコンAT、DCTは、完全に躾が甘い。MAZDAがもしこれらのミッションを使うならば、もっとずっと上手く仕上げると思う。実際にアイシンAWから部品を購入しているMAZDAのトルコンATは見事に仕上がっている。ミッションに限った話ではない、トヨタの社長が「MAZDAさんを尊敬する!!」とやたらと持ち上げるようになったきっかけの事件ってのがある。なぜ豊田章男社長はあれほどトヨタのそれまでのクルマ作りを批判するのだろうか!?その理由は2つあって、レクサスGSが北米で発売された時に、米国ジャーナリストから面と向かって「つまらないデザインだ!!」と言われたこと、もう一つは主力ユニットのTHSをMAZDAに供与した時に、MAZDAのエンジニアがあまりの乗り味の悪さに回生ブレーキに手を入れて徹底的に改良したアクセラにマツダのテストコースで社長自ら試乗して衝撃を受けたことにあるらしい。


「仕上げ」のマツダ

  その後プリウスは2013年の発売を1年あまり延期し、マツダと同じフィールの回生ブレーキを手にいれた・・・。つまりマツダの「仕上げ」にはあの酷評されていたプリウスのTHSの評価さえも変えてしまう力すらあったのだ。カーメディアがカローラスポーツやクラウンハイブリッドを絶賛しているけども、・・・あれってマツダの「仕上げ」の力があってこその産物だと思うんですよ。しかしそれに気がついている評論家がどれだけいるのだろうか!?カローラの乗り味を引き合いに出してCX-3をディスっていた「K口Mなぶ」とかいうライターもいたけど、正気か!?って思ったよ。 ・・・本題に入れなかったので次回から書き始めます。


続編はこちら


↓K口Mなぶ の愚行レビューはこちら!!




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2018年07月18日

フォルクスワーゲン と マツダ の価値




MAZDAの歩み、VWの歩み

ここ数年のマツダのクルマ作りの変化のせいか、あまりフォルクスワーゲンとの比較レビューを見なくなった気がする。とりあえず・・・日独でディーゼルといったらマツダとVW。良質な直4ユニットはマツダとVW。良質なハンドリングもマツダとVW。ミッションの洗練もマツダとVW。運転環境・着座姿勢もマツダとVW。・・・結局のところさ、マツダとVWがいなかったら、今頃は800万円以上の高級車と、軽自動車&ミニバン以外はことごとく消えていたかもしれない。クラウンやアルファードと、Nボックス、シエンタ、アクアがあればいい。FRの高級車は縦置きのトルコンAT、それ以外はCVTだけあれば十分。


MAZDA&VWが無い世界は・・・

マツダとVWがあれこれと奮闘したことで、自動車業界の未来は少しずつ予定とは違ったものになっているようだ。FF車で愚直に静粛性を高めたり、ロックアップ式トルコンATやDCTが高級車のFR用ATよりも軽快で高品質に感じられるなど、高級車と廉価車に二分されるはずだった市場のど真ん中に、とっても魅力的な「中間層」的なモデルを生んでいる。「中間層」出身のアテンザやパサートが、メルセデスやBMWのモデルよりもよっぽど優秀なディーゼルを使って、独自の市場をしっかりと維持している。これって結構スゴイことだと思います。


日産やホンダは「中型」に興味なし!?

もしかしたらマツダの経営幹部はボチボチ大きな思い違いをしていて、マツダのラインナップを高級車と廉価車に分けて、レクサスとトヨタ、アキュラとホンダみたいな作り分けを考えているのかもしれない。日産もホンダもどうやら自慢のスポーツモデルをどれだけ高価にしてやろうか!?あるいはフラッグシップセダンをレクサス基準で徐々に値上げしていくことばかりを考えているのだと思う。そしてインフラ用に廉価モデル&軽自動車を『安定供給』することでも十分に利益を確保する戦略をとっている。フィットやノートはクラス最高を目指すけども、まともに「中間層」のモデルの開発なんてやる気はないみたいだ、とりあえずアメリカではそんなに需要がないし。わざわざ日本市場や欧州市場のためにマツダやVWとガチンコのクルマに開発費をかけるなんて愚かだと思っているのかもしれない。


影響力・・・デカ過ぎ

プジョーやシトロエンは、フォルクスワーゲンの影響を大きく受けている。寸法から真似していて、基準車よりもいいクルマなんて見たことなけどな。ボデーはVWから、ミッションはマツダを手本に、マツダが部品を買っているアイシンAWから横置きトルコンATを採用してから日本市場でも好調らしい。高級モデルがすでに末期で『死に体』になっているBMWも、中国、日本、欧州でFFシャシーモデルのゴリ押しを開始。いよいよ北米市場でもSUV(X1/X2)ではFFベース車の販売が始まっている。1.5L直3ターボはVWと同じでDCT(ゲトラグ製だけど)、2.0L直4ターボではマツダを手本?にアイシンAW製トルコンATを採用、BMWがVWやマツダをパクるわけないとは思うし、全くの偶然だとは思うけども実に興味深い。メルセデスのFFモデルもVW型のDCTで、新型ではさらなる1.4Lターボへダウンサイジングしている。英国カーメディアがあと数年のうちにCセグはプレミアムブランドに支配される!!って書いてたけど、VWとマツダが負ける気はしないけどな・・・。


ヴォルフスブルク×広島

前にも書いたことがあったけども、この一連の流れは『ヴォルフスブルク&広島』系とでも呼ぶべきで、見事に中型車の技術的な集積・進化が、マツダとVWを軸に展開されている。ガソリンエンジンに関しては「ダウンサイジング」と「ライトサイジング」で両メーカーの開発者の意見が食い違いを見せたりしたが、VWが排気量アップに踏み切り、マツダが次期型エンジンにトリプルチャージャーを用意するなど、より良いユニットを作り上げるためにお互いにライバルの研究をじっくり検分しているのだと思う。モータファンイラストレーティッド『WORLD ENGINE』にもVWとマツダの切磋琢磨によってミドルサイズの直4ユニットが面白くなってきている様子が書かれている。


良いクルマ!!というプロパガンダを流せ

気がつけばPSAやボルボだけでなく、メルセデスもBMWも『ヴォルフスブルク&広島』系の尻馬に乗ってビジネスを大きくしようとしている。パサートVSアテンザ、ゴルフVWアクセラ、ポロVSデミオ・・・絶対無敵の欧州王者が東洋の小さなメーカーに苦戦。マツダファンが喜ぶカタルシスですけども、ホンダはどーなんだ!?実際にホンダ車は主要市場で軒並みマツダ、VWを圧倒している。・・・がしかし、ホンダの真似をしようするメーカーは出てこない。ホンダ車ってのは「ギミック仕様」なんですね。「飛び道具主義」と言っていい。プリウスとアクアに燃費で負けないように・・・っていう意味わかんないこだわりに世界のメーカーはドン引き。


ポルシェを巻き込む!?

エンジンもミッションもサスペンションも具合がいい。これが「ヴェルフスブルク&広島」系のポリシーだ。あくまで実用性重視で、セアトやシュコダでもそのまま使える質実剛健さを優先するVWと、「人馬一体」でフィーリングを重視するマツダでは最終的な商品段階で隔たりがあったりもするのだけども、例えばVWのフラッグシップエンジンとなる2Lターボは、今ではポルシェ車にも搭載されている(縦置き化されてるけど)。ポルシェが鋭意開発中だと言われるDセグクラスのスポーツセダンに、VWの直4ユニットが搭載されて500~600万円台スタートで日本市場でも売られるならば、マツダも対峙するFRスポーツセダンを作らないと・・・。







posted by cardrivegogo at 04:30| Comment(0) | マツダへの雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月17日

拝啓!!MAZDA御中・・・陣中お見舞い申し上げます。


MAZDAの中古車は・・・

  レクサスが7、8年前に作ったスーパーカー『LFA』。今月号のカーセンサーエッジで3台出ていて最も安い物でも中古車価格は5480万円。『応相談』ではなく価格が提示されているフェラーリのすべての掲載中古車よりも高価です。バブル期のMAZDAはこんなクルマを作ろうと燃えていたはず。ここは一つ景気付けに500台限定でRX-VISIONにロータリーユニットを載せて復活させてみてはどーだろう。日本だけでなく、フランスやイギリスの都市部のMAZDAディーラーも、数千万円の高級車を売ってもいい違和感ないようなクールなデザインの建物に建て替えが進んでいるらしい。


MAZDAが作るスーパーカー!?

  建物は立派だけど売っているクルマはロードスター、CX-3、MAZDA2(デミオ)、MAZDA3(アクセラ)が中心じゃ、ちょっと格好つかない。RX-VISIONの市販スペックってどんなものになるのだろう。サイズは目測で4750×1980×1180くらいだった気がする。ボンネットは怖いくらいに長くて広かったよな。3ローター&電動ターボの組み合わせで700psくらい!? ミッションは10速DCTでしょうか。FRで車重は1400kgくらい。ウァオ!!もうフェラーリ488と同じくらいのスペックじゃないか!?価格は1980万円くらいでしょうか。いやいや強気に3500万円でいい!!どうせ中古価格で5000万円になるんだからさ!!


十分に実現可能

  ついでにGT版の「ヴィジョン・クーペ」も。同じユニットで、サイズは4990×1980×1390くらいだっけか!?こちらはロータリーじゃなくていいのかも。直6ディーゼルで400psくらい出すBMWアルピナみたいなモデルか、あるいは縦置きガソリンユニット(直4?)に3チャージャーを組み合わせて450psくらいのユニットになるのだろうか!?マツダUSAはデイトナ参戦などで450ps級のユニットを使い、しかもディーゼルとガソリンを時期を分けてそれぞれに研究してきたから、耐久性の目処もほぼついていると思われる。


MAZDAには世界一が似合う

  英国メディアの言葉を借りるまでもなく、MAZDA車はどれもいいクルマばかり。どのモデルのどのグレードを選んだとしても「ハズレ」なんてことはまずない。それでもマツダファンってのはとてもとても業が深いもので、あれこれと違う景色を見たくなる。マツダには、ポルシェ、アストンマーティンと並ぶ3大GTカーブランドになってくれ!!っていう途方も無い願望を真顔で投げかけてくる。他の日本メーカーやドイツ車メーカーには全く想像もつかないだろうけども、マツダならばポルシェと並び立つ価値があるってマジで思っているのがマツダファンだ。「タコメーター詐欺」で有名な某ドイツメーカーのファン連中には、しばしばこのブログ主は「狂人」って思われてるそうだけど、『燃費詐欺』『排ガス詐欺』『タコメーター詐欺』『リコール隠し』のオールコンプリートをやってくれたスーパーメーカーのクルマに乗ってる連中の方が信じられないって・・・二度と買わねー!!って三行半を突き付けろよ。


50年間スポーツカーを作り続けたオンリーワン

  沢村慎太朗という有名なライターが、以前に「ロードスターと911以外はスポーツカーとしては邪道!!」と断言したときは、最初は素直に嬉しかったけども、後から考えたら「そんなの当たり前だろ!!」って気になってきた。だってマツダとポルシェだけが60年代からずっと専用設計スポーツカーを作り続けている総合自動車ブランドなのだから。世界にたくさんメーカーあるけどさ、トヨタも日産もホンダもメルセデスもBMWも該当しない。もちろん事情があってのことだけどさ、ポルシェはその半世紀のほとんどをスポーツカー専門メーカーとして歩んでいたし、マツダには簡単に諦めきれない「ロータリーエンジン」と「ロードスター」の成功があったからの結果論に過ぎないわけだけど。


エンジンを磨きはじめたMAZDA

  もしマツダが日本向けのアテンザの2.5Lターボを搭載するとしたならば、北米版の5000rpmチューンでは絶対に納得しない。ホンダやポルシェに匹敵する6000rpm以上にピークを持ってこなければ認めない!!ホンダやポルシェが10年後にはシェアの半分以上をEV/PHV化する方針らしいけども、マツダは85%が非EV、非HVであるいわゆるガソリン、ディーゼルになるんだってさ。最後まで内燃機関で勝負するってのは、エネルギー効率を高めてトータルでの環境負荷をEV以下に抑えるってことなんだけども、それとはちょっと無関係かもしれないけど、それならば他のメーカーよりも優れたエンジンを作って欲しいと思う。


世界最高の内燃機関はノルマだ

  他のメーカーはEV技術に注力する中で、マツダは内燃期間に注力するのだから、アルファロメオ、ポルシェ、ホンダ、日産の高回転ターボを超えるユニットぐらい朝飯前だろうよ。フェラーリもぶったまげる7500rpm級のターボユニット作ってよ。ロータリーを市販させた苦労からしてみたらどうってことないでしょ。トヨタが2兆円稼いでこの世の春を謳歌しているけども、あと5年もすれば、プリウスみたいなクルマは、韓国メーカー製だろうが、中国メーカー製だろうが、どーでもよくなってくるじゃないの!?韓国も中国も自前でEVは作れるけども、エンジンは相変わらず三菱設計のユニットをほぼ全メーカーで使ってる。これからの時代はありふれたハイブリッド技術よりも、研ぎ澄まされた内燃機関にこそ意味があると思うよ。


今後自動車ブランドは次々に形骸化する・・・

  日独伊の選ばれしメーカーだけが作っている高回転ターボ製造メーカーの仲間入りを果たして欲しいものだ。MAZDAも3チャージャーなんて手の込んだユニットを作るってことは、幹部もすっかりそのつもりになっていて、高回転でレスポンスも鋭い世界最良のユニットを鋭意製作中なはず。そしてそれらの高性能ユニットをお披露目するための『打ち上げ花火』として、デザインだけでも全世界の注目を浴びるに十分なキラー・モデルが用意されているんだろう、冒頭の「RX-VISION」「ヴィジョンクーペ」のデザインは・・・完全にフェラーリ488やレクサスLFAなどをすっぽり視野に入れているとしか思えない。時期を考えてもレクサスLFAを見てマツダの開発者は素直に羨ましいと感じたんじゃないかな。


10年後の業界勢力図は・・・

  10年後のカーセンサーエッジには・・・『911』『DB11』『LC-F』『NSX』『GT-R』『8C』と並んでマツダのスーパーGTモデルが定番車になっているのだろうか!?ポルシェ、アストンマーティン、レクサス、アキュラ、インフィニティ、アルファロメオ、フェラーリそしてMAZDA以外の自動車ブランドは、中国やアメリカの新興メーカーに飲み込まれてすでに廃業している!?・・・だからなんだって気もするけど。まあマツダのスーパーカーを買えるようにお仕事を頑張りたいですね・・・。






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2018年07月16日

2.5L自然吸気のデミオが発売される!?

今度はデミオのマイナーチェンジ

今月(7月)にデミオの大規模な「商品改良」が予定されているらしい。同じシャシーを使うCX-3のディーゼルが1.8Lになり、国内向けにも2.0LのMTモデルが追加されるなど、騒がずにはいられないビッグマイナーチェンジを経たばかりなので、まさか内外装の小規模な仕様変更だけで終わるとは思えない。CX-3だけでなく、ロードスターRFも海外向けMAZDA6でもカーメディアの話題をさらっていて新型モデルがないのに近年稀にみる盛り上がりを見せているマツダ。


190psのデミオ・・・ありでしょ

一躍有名になったあのエンジン開発者Hさんが、何かのインタビューで「日本の税制に合わせて排気量は小さくしてあるけども、本来ならばデミオにも2.5Lガソリンエンジンを積むのが理想」みたいなことを言っていた。1.5L以下から2.5L以下へ、自動車税が年間1万円上がるだけなんだから、もうやっちゃえよ!!って気がしないでもない。マツダがプレミアムブランドとして、一皮むけるためにも『MINIクーパーS』(2Lターボ192ps)に対抗するデミオのグレードがあってもいいし、CX-3にも同様に2.5Lモデルを追加してもいいんじゃないの!?


2.5Lガソリンはマツダの宝だ

開発者の口から出るってことは、マツダの戦略において「2.5Lのデミオ」が議論されているのだと思う。できれば早く決めてくれー!!ってCX-3のマイナーチェンジで2L&MTにグラグラきている人は思っているはず。燃費!?車重1540kgのアテンザセダン25S・Lパケが14.2km/Lだから、同じユニットでデミオの車重1100kgくらい!?ならば17km〜18km/Lくらいは出せるんじゃないの!?プジョー208GTiは1.6Lターボ208psで15.6km/L、ポロGTI(旧型)も1.8Lターボ192psで17.2km/Lだから、デミオに2.5L自然吸気ユニットを搭載してもなんら問題はなさそうどころか、早くやれよ!!ってくらいにマツダにとってはイメージアップのカードだ。


アテンザにも2.5Lターボ!?

アテンザとデミオが同じエンジンってのはちょっと衝撃的だけども、VWもアルテオンと新型ポロGTIがちょっと仕様が違うだけの2.0Lターボを使っている。アテンザにも2.5Lターボを用意すれば問題ないんじゃないの!?噂によれば9月頃にCX-8に2.5Lターボモデルが追加されるらしいので、同じタイミングでアテンザにも追加される可能性が!?もし本当に2.5Lターボが発売されたら、GJアテンザが好きでたまらない人は、前期(サイドブレーキ時代)、中期(マツコネ開始)、後期(シートコンディショナー)から、さらにターボに乗り換えて1世代で4台乗り継ぐのか!?まあ下取りも高くなっているし悪いことではないだろうけども、1万キロからいい感じになるマツダの乗り味を考えるとちょっと微妙なタイミングかも。


エンジンが変わるのはほぼ規定路線

さて今月予定のデミオの「商品改良」では、ガソリンを1.5Lに変えてアクセラと集約し、次世代エンジンの量販へとエンジン工場の容量を割り当てて行くことになりそうだ。ディーゼルエンジンは不透明だけども、デミオだけ1.8Lでアクセラは1.5Lのままだったらちょっと変だよなー。アクセラはフルモデルチェンジまで1年を切っているので、そこまでは1.5Lディーゼルが続くと思われる。発売から4年で幕引きはちょっと悔しい1.5Lディーゼルですけども、すでに1.8Lを投入してしまった以上は幕引きは決定的なわけで、2兆円メーカーのマツダならばさっさと決断できると思う。


CX-3のダンパー変更

6月15日発売のモーターファンイラストレーティッドでは、マツダの大特集が組まれていた。デミオに先立って「商品改良」したCX-3は、エンジンの他に、「板厚」「シート素材」「ショックアブソーバー(ダンパー)」の変更が挙げられている。前期モデルはデミオと同じダンパーだったが、これを大径のものに変えたらしい。Bセグなのにディーゼル搭載のみのため250万円の輸入車並みの価格設定で苦戦した前期CX-3ですが、なんか残念ですね・・・。もしかして英国で絶賛されていた欧州モデルには最初から51mmのダンパーが付いていたのだろうか!?


MINIの成長を止める!?

静音設計などCX-3があらゆる面で「クラス世界最高」を意識して設計されているのは間違いないし、Bセグとはいえ『MINI』『アウディA1/Q2』『スマート』などプレミアムブランドのユーザーを相手にしたモデルが増えている中で常にリードしていくことがマツダの生命線なんだと思う。価格もプレミアムBセグと同等の強気な価格設定。2018年5月の販売台数はCX-3が2060台、MINIが全モデル合計で2141台とかなり拮抗している。ここに新たにハイスペックに進化したデミオの上級モデルが発売されたらどーなるのか!?VWアップGTやルノートゥインゴGT、スイフトスポーツなどは相手にしない。英国メディア「AUTO EXPRESS」の比較コーナーでは、GLAやQ3など格上のCセグSUVを相手にCX-3がトップの評価を得ていた(日本車がなかなか苦戦することで有名なコーナーだけど)。


精鋭で全てのセグメントをカバー

アテンザやCX-8にブランドの魂を吹き込むことも大事だし、次世代アクセラで世界を圧倒することも大事だけども、デミオとCX-3がどれだけ日本や欧州で「八面六臂」の活躍ができるか、A〜Cセグまでをこの2台で支配できるのだろうか。アクセラはすでにC/Dセグのど真ん中に位置していているけども、次期モデルではシビック、3シリーズ、CLAと堂々と戦えるモデルになるはずだし、そして次期アテンザがD、D/E、Eセグを舞台に大活躍することがマツダの20年前からの悲願であるから。とにかくデミオのマイナーチェンジが楽しみで仕方ない・・・。



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posted by cardrivegogo at 02:36| Comment(8) | デミオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする