2018年06月01日

マツダがやりたいであろうこと・・・。



700ps市場

  ジャガーの活動がやたらとアグレッシブで目立ちます。ドイツブランドを挑発するような700psのトラック用GTサルーンがターゲットにしているのは、北米と中国!? XJR220の頃もそうでしたが、ジャガーってのは結構ガチで速いクルマを作る文化があるみたいです。日産が次期GT-Rの開発を放棄したらしいというニュース。BMWもMの開発にイマイチ本気になれない中で、ジャガーXE・SVプロジェクト8のライバルはどこにいるのか!?2000万円を超える価格帯を考えてもどうやら「XJR220」の復活を意図しているようですが・・・。

ジャガーとクラウン

北米市場では700psをひねり出すコルベットやマスタング・シェルビーGT500などのスーパースポーツ文化がある。大排気量ユニットを惜しげも無く使う文化なので、なかなかドイツ車や日本車が接近できる代物ではない。5L・V8スーパーチャージャーを提げたジャガーXEのスペシャルバージョンは、欧州のトレンド(Dセグは3L6気筒ツインターボ)を完全に無視して北米市場の懐に飛び込んで行った。噂によると、日本を代表するクラウンあるいはレクサスのセダンモデルが3.5LのV6ツインターボ600psでやはり北米スーパースポーツの市場に参入することになるらしい。マツダは!?


欧州の名門を飲み込む

さてジャガーですが、専用設計のスーパースポーツに加えて、スーパースポーツGTツアラーと、さらにスーパースポーツSUVも追加しそうな雰囲気があり、とりあえずトレンドを一巡させているポルシェ、メルセデス、アストンマーティンといった欧州の「意識高い系」を、ジャガーが問答無用でみんなまとめて飲み込みそうな勢いだ。なぜ専用設計スポーツカーのシャシーを持っているのに、わざわざ汎用セダンXEをベースにスーパースポーツを開発するのか!?まあ当たり前だけどもアメリカ市場向け戦略を進めると同時に、『XE』をクラス最良のセダンとしてグローバルで売り込む広告塔にするってことだろう。


スカイラインGT-R 

  GTサルーンをベースに、強烈なスポーツモデルを仕立てる手法といえば、1989年のスカイラインGT-Rが思い出されるわけですが、32から34まで3世代に渡ってファンを熱狂させ続けた結果、必ずしも今日的にベースモデルの当時のスカイラインへの注目が高いわけでもなく、ただただ「スカG」という存在だけが、勝手に一人歩きしています。あまりに人気で34GT-Rは、正規の海外輸出が行われるまでになったわけですが、ベースモデルの欧州侵攻はなかったですね・・・。スカGを崇拝するBMWが作り続けるM3/M5が、ベースモデルとなる3er/5erの販売を伸ばしているのかは、少なくともここ数年の動向ではやや不透明ですけども、新たにジャガーが古典的なGTカー作りを通じてブランドイメージの拡大に取り組んだ結果どうなるのか結末がちょっと気になります。


スーパースポーツ市場への道

  なぜFタイプではなくてあえてXEなのか? 90年代的な4ドアGTカー信仰は崩壊しつつあり、どのブランドも2ドア2シーターの本格的ボディ&設計を持つスポーツカーに価値を置いているのに、わざわざ逆張りをしているように見える。その判断のウラには、5年あまりFタイプを売ってきて、行き詰まりを感じている部分もあるでしょうし、結局のところは欧州や日本などの成熟市場で超一流のスーパースポーツとして、フェラーリやポルシェと肩を並べる評価を受けるのは難しいし、たとえ良いクルマができたとしても、その販売が軌道に乗るまでに注力するのはジャガー&ランドローバーの経営体力ではちょっとしんどいという理由もありそう。


マツダの参考になる!?

  「RX-ヴィジョン」なのか?「ヴィジョンクーペ」なのか?次のフラッグシップスポーツモデルの方向性が曖昧なマツダ。2ドアでフェラーリやマクラーレンに伍するスーパースポーツをつくる覚悟はあるのだろうか!?あるいはアストンマーティンのような600ps級のスーパースポーツクーペを仕立てるのだろうか!? 「デザイン」「技術」は申し分ないけども、せっかく作ったスーパースポーツをグローバルで販売するだけの販売網を構築するのは大変だ。バブル期にアンフィニやユーノスを立ち上げ時のような苦労が予想される。いきなりネット販売というわけにもいかないだろうし・・・。


マツダのディーラーはもっとオシャレになる!?

  クルマは作れるけど、売り方がよくわからない・・・。日産がGT-Rを作った時に水野和敏さんが販売ディーラーの改革を訴えたけど、なかなかうまくいかなかった。だからGT-Rは最終的にスーパースポーツの頂点に立つことができなかった・・・みたいなことが水野さんの自著に見られるけども、作って売って責任をとるメーカーにとっては、当たり前だけど「売れない言い訳ができてよかったね」では済まない。アンフィニやユーノスの苦しみを味わったマツダにとっては水野さんの主張はよくわかるんじゃないだろうか。・・・しかし保守的な態度では何も変わらないし、時間が経って後手を踏めばチャンスは限りなくゼロになる。


リスクヘッジ

  「RX-ヴィジョン」を見せておいて、後から「ヴィジョンクーペ」を出してくることから推測するに、販売を含めた戦略上の大きな変更があったように思います。もっともスポーツカーと4ドアクーペとしてそれぞれ別のモデルとして製品化に動いている可能性も否定できませんが・・・。ジャガー&ランドローバーよりは「何か」をする体力はありそうだし、マツダのことを高く評価しているらしい、マルキオンニCEOやモリゾー社長が手を差し伸べてくれるかもしれない。レクサスで売りましょう!!マセラティで売りましょう!!って話が舞い込む!?


マツダの決断は!?

  マツダの幹部はできる限りリスクが軽減されるような「好機」をギリギリまで待っていたようですが、いよいよマツダ単独で勝負に出なければいけない!!と決断する時期に差し掛かっているようです。アテンザやアクセラの販売をリードしてくれるような「アイコン」的存在のスポーツモデルをどうやって作るのか!?マツダだから専用設計にこだわるべき!?それともジャガーのようなアメリカ改造車文化に身を投げ出してみるべきなのか!?




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2018年05月07日

ボルボがマツダを超える日



ボルボ復活は嬉しい

  昨年の後半ごろから『新たなVWの出現か!?』と地味に話題になっているボルボ。マツダシャシーを使っていた時分には全く人気がなかったブランドですけども、吉利汽車との共通プラットフォームで、独自の技術をベースにするようになってから日本での販売が再び伸び始め、どうやら完全復活の様相を呈しています。マツダとしてはちょっと複雑な気分!? やっぱり本物の輸入車好きってのは、日本メーカーとは一味違うシャシーを欲しがるものなんだなー。別にメルセデスのFFモデルやMINIが悪いっていうわけじゃないですけどね。日本メーカーの息がかかっているルノーやジープよりも、独自シャシーのプジョーが選ばれていることもちょっと意外ですけど、日本市場のコアユーザーにとってのこだわりなんでしょうね。


ゴリ推しについて

日本の芸能界もそうですけども、自動車販売においても『ゴリ推し』ってのが確実にある。特に全体の10%しかない輸入車市場では、情報に敏感なユーザーが多いですからツイッターなどのSNSで情報を流して囲い込みつつも、高齢層は既存のカーメディアと『提携』してタイアップ広告を連発する。VWが日本中のカーメディアに『ゴルフは世界のベンチマーク』『クラウンに匹敵する静粛性』と一時期集中的に言わせたり書かせたりしてた。TVKの番組でも藤島知子が必死にセリフを言っているのを観てピンときた、クルマ雑誌に書いてある言葉と一言半句変わらない表現はさすがに奇妙すぎるだろ。1回言ったり、書いたりすればいくらいくらという契約なんだと思われる。


VWがやりすぎた件について

VWはさらに調子に乗って他のメーカーの悪口にまで報酬を払おうとしたらしい。それを職業を完全に履き違えた伏木悦郎という能無しがSNSでそのことに触れたために大問題に発展。まずメーカーから仕事をもらう元締めをやってそうな親分・国沢光宏が即座に猛抗議。これに対してちっぽけな義侠心を発揮した伏木が逆に国沢を挑発。まもなくマフィアが伏木のガラを押さえて山中に埋めて一件落着。世間一般には全く知られることなく経過したのだが、またまた空気が読めない小沢コージが中途半端に有名な大手の一般メディアでコトの全貌を暴露。黙っておけばいいのに!!伏木以上にコイツの方が悪い!!



そしてクルマがさらに売れなくなった・・・

もう登場人物がバカばっかりですよ。ヒョーロンカ連中も全員アホだし、彼らのステレオタイプのレビューを真に受けた一般ユーザーもクズばかり。この一件と、VWの偽装問題が発覚するまでは、VW関連の記事をブログにアップすると、チンピラを気取ったクズ連中が連日のように脅迫コメントを繰り返してましたけども、小沢さんが全てをゲロったせいで、今ではVWをいくらディスっても何も言われなくなっちまったよ。クズにとってはVWが偽装してようがしてまいが、ほとんど関係ない(だってNOxって何?ってレベルだろ)と思うんだけど、VWをディスるネタで読者を増やしていた弱小ブロガーが影響を受けるのは、ちょっと納得いかない。VWゴルフとかメルセデスAクラスとか買って粋がっていたオッサンたちが、形勢が不利だと悟ってクルマブログ界隈から撤退したようだ。もうドイツ車は売れなくなるよ。


ボルボ&吉利汽車の日本市場を活性化は歓迎

・・・って懐かしい回顧も冷めやらぬうちに、今度は吉利汽車&ボルボが日本のカーメディアにカネを落としているらしい。元締めの国沢親分が突如としてボルボ大絶賛を始めた。確実にステマ作戦が起動してますね・・・。自動車メディアにおけるステマの見分け方は、国沢親分&女性ライターが騒ぎ始めたらかなり怪しい。逆に森慶太が騒いでいるモデルはステマの心配はまずない。アンダーグラウンドな空気をプンプン出している森に下手な依頼を出すとすぐに漏れるから、エージェントから全く信頼されてない。


カーメディアにも自浄作用がある!?

最近では露出が多い河口、島下、西川、渡辺(敏)、清水(草)などは、ステマの雰囲気を意図的に消してレビューしてますね。業界全体がきな臭いってのは元からバレているけども、これ以上の信頼失墜はヤバい、雑誌はオワコンだけどネット媒体ならまだまだ可能性はたくさんあるから、みんなでカーメディアを面白くしていこうぜ!!みたいな空気は感じます。お名前を出して大変失礼ですが、清水和夫のような『真っ黒な人』がカーメディアとして価値を失ってしかるべきだと思います。『コンテンツ能力』が無い。


河口の動画は見るし、島下の本は一応買うし、西川のスーパーカー・ムックも買うし、渡辺(敏)の連載をまとめた本はもちろん買うし、清水(草)も買わないけど、自らを茶番キャラに仕立ててまでのコンテンツ作りに貪欲な姿勢は評価できる。けど清水(和)は・・・キツイ。話が長いじーさんなんていくらでもいるし。素のキャラに金払う人はいない。本人も周囲もよくわかっているから単行本なんか絶対に企画しない。


カーメディアってのは結局・・・

彼らがそれぞれに色々なモデルをレビューしますけども、長期的に見てるとわかると思うけど、いいクルマ作っているメーカーほど損をするシステムは相変わらずだ。品質で単純に比較すればトップに来るであろう、『ホンダ』『日産』『マツダ』はレビューされることで大抵は大損してます。もはやメーカー側もありがた迷惑。カーメディアのほぼ全員でディスっていたプロパイロットが今ではナンバー1ミニバンですから。


レビュー読んで欲しくなったらゴミブランドの証拠

逆に最大限持ち上げられるブランドは『VW』であり、『ボルボ』『BMW』『メルセデス』『トヨタ』『スズキ』『MINI』『ルノー』といったところ。カーメディアが恣意的に接しているわけでもない。結局のところ誰かに読ませるレビューを書くという行為には、変な正義感が付随するです。無意識のうちに、カーメディアは『ファン』がいないブランドを必死で持ち上げようとするし、一定数の『ファン』を持つブランド(ホンダ、日産、マツダ)に対しては辛口になっちゃうんですよ。調子に乗っているファンに冷や水を浴びせたいってのもあるだろうし。


ガラスの情報社会・・・バカはネット切断がベター!?

日本らしいといえばそれまでなんだけど、やはりどのレビューも書き手が感じている『世間体』が見えて終わりってケースがほとんど。つまり『忖度』なんだよ。公務員の『忖度』が問題とか言われてるけど、忖度しかできないクズだから公務員やってます!!っていう事情は誰だってわかるだろ(採用方法を変えればいい!?その前にAI化が完了するから問題ない)。・・・同じようなことを福野礼一郎さんが最近のレビューで書いてたよ。『俺たちはクズなんだ!!』『本当のコトなんて書けないし、書く奴はバカだ!!』(伏木と小沢はバカだ)って。



食べログ見て店を選ぶヤツのことを情報弱者と言うんだ・・・

誤解を恐れずに言ってしまえば、『VW』も『ボルボ』もファンなんてほとんどいない。だって現状にラインナップに文化とか技術とか見るべきものは何もないですから。サプライヤー頼みのあり合わせ『ファストフード』店が必死で『食べログ』のスコアを上げようとしているみたいなもの。それに対してホンダ、日産、マツダは伝統の老舗料亭ですから、そんなクソみたいなことはする必要がない。この両者は何が違うのか!?愚論。カーメディアなんて関係なくクルマ好きが集まってくるスポーツカーを売ってるかどーかだよ。GT-R、スカイライン、フーガ、Z、さらにNISMOの各モデル。なんだかんだ言ってもファンが集まるクルマが揃っている日産。NSX、シビックtypeR、S660だけでなく、オデッセイ、ヴェゼル、N-BOXでコアに支持されているホンダ。・・・それに対してマツダはどーですか?ロードスター頼み!?CX8がなかなか熱いらしいけど。


今のマツダには何かが足りない・・・

さて結論ですが、吉利汽車が想像を超えた投資(日本COTY受賞にいくら使ったの!?)を日本市場に行うならば、ボルボが売れることもあるでしょうけども、スポーツカーか個性的なモデルを作ってサポーターを増やさない限りは、マツダは負けることはないだろう。しかしマツダもこのまま中身のないクルマ作りを続けていたら足元を救われる可能性もあると思うよ。 余談だけど、日本COTYがノーベル文学賞みたいなことになる可能性もある!?




↓クリス=ハリスの知性とユーモアにハマって毎月買ってます。
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2017年12月24日

次期ボルボS60は、マツダの理想を積んでいる!?

マツダ車の評価はダダ下がり・・・

  去年までは「マツダからたくさんお金貰っているのでは!?」と思われるくらいに、マツダ車を大絶賛していた島下泰久さんの「間違いだらけのクルマ選び」が発売された。いきなり強烈な手のひら返しというわけではないけども、うーんやはりアテンザや他のマツダ車への風当たりはかなり強くなってきた。掲載されているだけマシ!?いやいやマツダ車無しとかありえないでしょ。登場する全てのモデルは項目ごとに10段階で数値化されわかりやすく評価されていますが、アテンザと気になるライバルのカムリHVとを比較すると、見事なまでに徹底的にやられている。デザインも負けかい・・・。唯一カムリに勝っている項目がなんと「エコ性能」・・・え!?相手は市街地を20km/Lで走ってしまうバケモノなのだけど。

  ちょっと調子に乗って他のことも書くと、アルファロメオ・ジュリアのデザインは「2」で、カムリのデザインは「8」。これはブランドに対する期待値から算出されているのかな。どちらも同じくらいにやらかしたフェイスしてる気がするけども・・・。そしてなぜか日本COTYを獲得したXC60が収録されていないです。まさかこのクルマが獲るとは想像すらしていなかったようですね。ボルボもいよいよフォード(マツダシャシーをボルボが加工)のプラットフォームから、完全オリジナルシャシーへと脱皮しようとしているところですが、マツダのように安易なプラットフォーム統合はせずに、フォードの時代からから使っていた、『フォードC1』と『フォードEUCD』の2段階をそのまま新世代シャシーへと維持するようです。

簡単にまとめると、『フォードC1』を使い続けるV40のグループ(Cセグ)。『ボルボ新プラットフォーム(SPAというらしい)』はXC90、S90、V90、XC60と置き換わってきました。このあとブランドの入門車であるV40のグループ以外は全てSPAになるらしいです。

『スカイアクティブ』でCX5は羽ばたき、アテンザは散った・・・。

  アテンザがGG(初代)からGH(二代目)へと変わる際に、フォードCD3(=マツダGG)を使う欧州向けのモンデオは、ボルボS60(60以上の全モデル)と統合を果たし、フォードC1(=マツダBK)を改良したフォードEUCDへと乗り換えます。この後のモンデオとボルボは欧州で大きく失速します。旧型アクセラのシャシーでS80を作っていた・・・これじゃダメなのも仕方ない。

  初代アテンザで大成功したマツダは2代目もクオリティ(コスト)を落とさずにGHシャシーを作りますが、まさかの急速な円高で赤字に転落。2013年まで予定していたGHアテンザの生産を半年早く終了して、スカイアクティブシャシーのGJアテンザを投入します。このGJアテンザは、なんと1ドル=70円でも耐えるコスト計算らしいので、ここ数年は差益だけでも相当にウハウハなはず。ただしGJもモンデオ&ボルボと同じように欧州・中国で完全にコケましたが・・・。

  それにしてもGJアテンザは、ユーザーを転がすだけの設計によくも400万円( XDのLパケ)なんて価格つけたな〜・・・。沢村慎太朗とかいうニワカが『GJのXDは佳作』とか偉そうに言ってましたっけ・・・。ウソです沢村さんはニワカなどではない。『GHは和製アルファ』というファンの心を撃ち抜く感心の名言があった(その他大勢のボンクラ評論家とは違う)。日本車を外国人目線で吟味できる人だ。

次のアテンザに向けてちょっと気負い過ぎ!?

  マツダも仕方ない事情があったにせよ、GJの失速には相当にプライドを傷つけられているようで、捲土重来を期して、東京MS2017に合わせて4ドアクーペのコンセプトモデルを出してきました。『もうアテンザが生き残れる市場はおそらく『コレ』しかないんです!!』 企画・開発の苦悩ぶりが伺える力作でした。マツダが本気を出せばかなりヤバいぞ!!ということは全世界に伝わった!? 結果的にはレクサスLSもBMW8シリーズも完全に喰ってしまったアテンザコンセプト・・・!?さらに期待してしまうと、このFRシャシーはいったいどんな『計算』で市販化に漕ぎ着けるのだろうか!? 考えられう方策は3つ。@NSXのように受注個別生産 A気合で(FFモデルと)混流生産 Bレクサスかアルファロメオとのコラボ・・・。

  怨霊のような執念を感じたボデーパネルのギャップの精度を見る限り、Bを期待しているのではないか!?レクサスでもアルファロメオでもいいドイツブランドに勝ちたいならマツダと組みなさい!!というアピールを感じました。案外高級モデルの開発を模索しているPSA(プジョー・シトロエン)からのオファー待ち!?それともジャガーか!?

『待ち』のマツダと、『突き進む』ボルボ

  「ビジョンクーペ・コンセプト」が市販されるには、何らかの外部的なリアクションが欲しいところかもしれません。しかしマツダのシャシーを改良して使っていたボルボは、『FFのまま、直4オンリー』で強行突破を図って高級車開発を行っています。冒頭にも書きましたが、日本COTYを獲ったXC60も、かつてのGG/GHシャシーを思い起こさせるフロント=DWB、リア=マルチリンクを採用した新世代シャシー(SPA)を使っています。そしてこのシャシーがそのまま次期S60/V60(アテンザのライバル車)にも使われるらしいとのこと。XC60はXC90の装備をそのまま引き継ぎましたけども、同じようにS60もS90の縮小版になるはず。・・・ということはサス&ユニットは共通。エアサスにマッサージ機能も付いてくる!?

  次期アテンザ(いつになるんだ!?)もこれくらいの装備がデフォになる!? FR化して、BMW・M5が採用したFRとAWDを切り替える機能なんかも付くのかなー!? 余談ですが、600ps級と伝えられるG30系M5のFR切り替え機能は、海外版だと「切り替えるとあらゆるトラクションコントロールはカットされますよ!!」と脅してくるらしい。もう600psになると後戻りはできない。AI(=電子制御)がないと素人では走行不能になるようだ。それだけのリスクを背負ってでも0-100km/hのタイムは3.4秒で、このタイムはもはや説得力はゼロらしい。M5より速い4ドアモデルはすでに複数市販されているらしい(世界は狂っている・・・)。




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2017年10月19日

アテンザベースのスーパーカーが登場!?

  ボルボのEV専門ブランドとして立ち上がった「ポールスター」が早くもプロトモデルを発表したらしいです。EV専門ブランドと報道されていましたが、どうやらPHVのようです。全く新しい設計なのかと思いましたが、なんと基本設計はS60のものらしいです。そーいえば4年前(2013年)の東京モーターショーにスバルのクーペのコンセプトモデルが出てましたが、いよいよ市販されるみたいですね。4年前にすでに原型ができていたのだから、やはり旧型シャシーを使い続けるS60がベースになるようです。



  S60のシャシーといえば、元々はマツダのカペラ/アテンザに使われていたものの改良版です。ボルボと欧州フォードがかなり手を加えているようですが、いよいよGG/GHアテンザ世代待望のクーペ(2ドアモデル)が登場することになりそうです。気になる価格はまだ全然発表もされていませんが、ハイブリッドによる最大出力が608psらしいので、軽くレクサスLCを超える金額になっちゃうのかなー。

  レーシングチームの名前を冠するポールスターですから、10年落ちのV35GT-Rくらいは軽く上回るパフォーマンスモデルにはなるのか!?GG/GHアテンザベースのクルマがGT-Rに挑むという構図がマツダ好きにとっては感慨深い。こうなるとマツダにも同様のハイスペックモデルを期待したいところですけども、どうでしょうか!? 自動車メーカーが、新たにスペシャルティカーを作るには何かしらの「トリガー」が必要だとは思いますねー。RX7がポルシェ924への対抗意識で、シルビアがホンダ・プレリュードを叩き潰すために生まれたように。

  マツダがハイスペックなクーペを作る理由があるとしたら、ユーノスコスモのリベンジでしょうか。3ローターエンジンで、トヨタや日産に肩を並べる国産最高級レベルの2ドアクーペ。同時期に登場した初代NSXが国産フェラーリならば、ユーノスコスモは国産アストンマーティンくらいの風格はあったわけで・・・。二代目NSXが今もなおフェラーリをキャッチアップしているのだから、二代目ユーノスコスモを作るならば、アストンマーティンDB11みたいなクルマになるのかな。

  ユーノスコスモを作った後に、マツダはV12搭載のラグジュアリーセダン「アマティ」を計画していたそうですが、もしそれが実現していたならば、ユーノスコスモの後継モデルにはV12エンジンが搭載されていたでしょうし、フォード傘下でアストンマーティンと同じグループだったのだから、ちょっと飛躍しすぎかもしれないですが、もしかしたらマツダ設計のアストンマーティンが生まれていたかもしれません。

  素人の意見で恐縮ですけども、これからの自動車メーカーの戦略は、高級セダン、高級SUV、セカンドカー、スポーツカーの4車種を揃えるべきかと。今や日本よりも国民一人あたりの所得が多い国は40くらいありますから、確実に日本より世界は潤っているわけです、日本人の中の平凡な財力しか持たない自分でもやっぱりクルマは「可能な限り」機能的かつ官能的であるべきだと思いますからねー。勝手なことを言うと、新車を買うならば!?もう選ぶ基準がこの4車種に絞られてしまうんじゃないかと思うんですよ。「高級車なんていらねぇ!!」ってのは日本社会が「ドイツ車=高級車」とマジで考えていた遠い昔の時代の話なのかも。確かに当時の北米の衝突安全基準でカスみたいなスコアしか出せないセダンに800万円も払えるか!!は正論ですけど(今のドイツ車は!?)

  それが2010年代に入ってポルシェ、ボルボ、ジャガーランドローバー、トヨタ、マツダなど、クルマの作り方を大きく変えてくるメーカーが目立つようになり、クルマにお金をかけることに一定の意味が生まれてきたと感じています。プリウス買うなら最上級グレードが納得の装備がついてきてとても割安ですし、アテンザだってなんだかんだ言ってもLパケが最もコスパがいいはず。コスパ時代の高級車は非常によくできているなーと感心させられることが多い(ドイツ車は別だけど)。新発売のボルボXC60も600万円〜ですけども、もう世界中で勝つ気マンマンですね。スペックを見ても、もうドイツ車も日本車も怖くない!!とでも言い出しそうな自信満々のフル装備。当然のごとく4輪DWBにエアサスまで組むようです。まあ高級SUVといったらエアサスに大きな価値があるんだろうけど。

  ボルボは、セダン(S90)、SUV(XC90/60)、セカンドカー(V40)に加えてスポーツカー(ポールスター1)が揃う見込みです。マツダもセダン(アテンザ)、SUV(CX8)、セカンドカー(CX3)、スポーツカー(ロードスターRF)というラインナップですが、セダンとスポーツカーがインパクトはやや弱いかも。ポルシェは、セダン(パナメーラ)、SUV(カイエン)、セカンドカー(718ケイマン)、スポーツカー(911)。ジャガーはセダン(XJ)、SUV(Fペース)、セカンドカー(XE)、スポーツカー(Fタイプ)。・・・この調子でレクサス、マセラティ、アルファロメオ、アストンマーティン、テスラ、ジェネシスもこの流れに追従するでしょう。

  日本、ドイツ、アメリカの大手・老舗メーカーだけが可能だったラインナップが、マツダなどの中堅から、小規模プレミアムへと広がっていき、OECD諸国で顧客の囲い込み合戦を繰り広げることになりそう。日本でも表参道の薄ら寒い通り沿いにずらりとディーラーが並んで、この4車種の販売合戦が繰り広げられたら面白いかも。電動化されたセカンドカー(リーフ?)のオーナーになれば、他の3タイプがカーシェアリングできる!!みたいなBMWi3の販売戦略が定番化するか!?

  勝手に想像で書いてますけども、この流れはかなり実現性が高いと思います。マツダもわざわざCX8を日本むけに仕立てました。トヨタに付け入る隙があると思ってるんですね。あるいはすでに4車種を揃えているメルセデス、BMW、アウディにも十分互すことができると思っているのかもしれません。

  次なるセカンドカー候補としてSPCCIのアクセラの開発に力を入れてくると思いますが、発売予定の2019年には新しいロータリースポーツが生まれるという噂も。さらに前年の2018年には4代目アテンザが登場します。2.5Lターボのチューンナップ版をハイブリッド化したユニットが搭載されるのか!?ディーゼル、ロータリー、ターボハイブリッド、SPCCIと4車種全てが違うエンジンってのもマツダらしくていいんじゃないですかー。ボルボに負けないスゲー!!クルマを期待したいです。



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2017年03月14日

マツダ と ジャガー イケメンはやっぱり売れる!?

  いよいよアメリカ市場で単月ではありますが、BMWを上回り長らく定位置だった12位からポジションを1つ上げたマツダです。2017年1月の実績は前年比10%増の21,698台だそうで、月に5000台を売り上げるグループの中で2ケタの伸びを見せたのは、マツダ、VW/アウディ、ジャガー/ランドローバーの3つだけ!!VW/アウディは「大事故からの回復」による部分が大きいので、マツダとJ&Lが今のアメリカのトレンドと言えそうです。つまり「かっこいい」は正義(2016のWCOTYデザイン賞はこの2陣営がファイナリスト3台を独占)。

  もしマツダがJ&Lを買収して傘下に収めたならば、10位のメルセデスを軽く追い越して、9位のVW/アウディに肉薄するところまでいきます。「東洋のジャガー」が本家を買収して、ロードスターの設計を使ってジャガー車を作り、名車「Eタイプ」をリバイバルしたらどうですかね?(実はジャガーはEタイプ復活プロジェクトをもう発動してますけど)。ロードスターとEタイプって見た目がなんとなく似てます。細部はハッキリと違うけども、雰囲気がよく似てる。しかしサイズはEタイプの方が400mmくらい長い。




  ジャガーEタイプの初代モデルは、車重1150kgで4.2L直列6気筒NA(269ps/5400rpm)。こんな車が東京オリンピックの年に発売されていたんですねー(RX7FD3Sの最終形に近いスペック!!)。2年後の1966年にBMW2002が2L直4ターボ(170ps/5800rpm)で登場します。さらに翌年の1967年に相次いで発売されたのが、トヨタ・2000GTの2L直6NA(150ps/6600rpm)とマツダ・コスモスポーツのロータリ491cc×2NA(110ps/7000rpm)。1969年のポルシェ911Sのスペックが2.2L水平対向6気筒NA(180ps/6500rpm)。まだまだ日独の自動車産業が英国・米国(1960年のコルベットC1が4.6L・V8NA・248ps/4000rpm)に圧倒されていた時分です。

  トヨタとBMWが手を組んでスポーツカーを作っていますが、マツダとジャガーも手を組んで対抗モデルを作ったらどうですかね。そして経営基盤を作り上げるためにもドル箱化しているSUVも一緒になって作ればいい。ランドローバーにとっては「ムカついて仕方ない」存在のポルシェ・カイエンを葬るためにも、飛び道具を持った相棒が欲しいはず。大型SUVの量販モデルを捌くには、やはり優秀なディーゼルエンジンがあったほうがいいでしょう。

  マツダとトヨタが協業を発表して間も無く、どっかのグループが米国でディーゼル疑獄事件を起こしてした影響からか、レクサスGSなんかに搭載される可能性のあったマツダ・ディーゼルが宙に浮いてしまいました。世界的にEセグセダンの販売が縮小していて、メルセデスEクラスなどは売り上げが最盛期の半分になっているそうですが、レクサスもGSを廃止する!?なんて噂まで出てきました。レクサスRX/NXには採用されるかもしれませんが、プレミアム市場の動きはかなり流動的です。発展著しいタイでは2016年にメルセデスとBMWが2万台も売れたそうですが、これは日本市場の約1/3に当たる数字で、GNI(国民総所得)で日本の1/10に満たないですし、しかも日本市場並みに日本メーカー占有率が高い東南アジアということを考えると驚異的な数字です。右ハンドル市場なのに!!

  レクサスは何をしているのか?マレーシアや中国に生産工場を持つメルセデス(同じく中国生産のBMW)に対して、日本とアメリカでしか生産していないレクサス・・・。輸送コストと関税戦略で完全に遅れをとっています。そもそも低価格プレミアム市場に対応できるボトムモデルがレクサスには無い!!インフィニティやアキュラは米国市場ですら存在感無いですから、「ブランド戦略」もへったくれもない・・・本国・日本で発売できないブランドが新興国で通用するわけがない!!何を誇るというのか!?

  やっぱり100年以上の歴史を誇り変わらぬブランド名で今も商売を続ける、メルセデスとBMWのブランド力はユーザーの気持ちに上手く火をつけるんでしょうね・・・。ドイツ以外のメーカーで対抗するならば、ジャガーとマツダじゃないですか? スバルはまだ歴史が浅いし、ホンダ、日産、トヨタはプレミアムブランドを作ってしまった時点で「ケチ」がついています(VWみたいなものですね)。

  マツダが専用設計スポーツカーを作り続けて今年で50周年。これは世界的に見てもとんでもないくらいの快挙です。総合自動車ブランドでこれを上回るスポーツカー制作の歴史を誇るのはジャガーとポルシェだけです。共に1948年に「XK120」と「356」というスポーツカーを発売し、2017年まで70年近い歴史を刻んでいます。VWやフォードの手厚い庇護があったとはいえ、この3ブランドだけが半世紀をサバイバルしてきました。

  トヨタやホンダもここ数年で、ブランド力の強化を目指して、再び専用設計スポーツカーを復活させてきました。メルセデスやBMWもいよいよブランド初となる専用設計スポーツカーが投入される見込みです。日本のカーメディアでは、これらの「にわか」ブランドの新しいスポーツカーが持て囃されることになるでしょうけど、「作り続けてきた」という圧倒的な価値を持つ3ブランドこそがもっともっと称賛されるべきだと思うのですよ。VWをケツ持ちにするポルシェは安泰ですが、基盤を持たないジャガーとマツダ・・・お互いに相通じるところもあるんじゃないでしょうか。

  SUVやスポーツカーの他には・・・やっぱりセダンですかね。ジャガーXEの先代格になるジャガーXタイプは、マツダが開発したカペラ用のシャシーを作って作られました。初代、2代目アテンザとは共通設計です。フロントサスは、高級ブランドのジャガーがストラットなのに、大衆ブランドのマツダがダブルウィッシュボーンを採用しているのが面白いです。同じシャシーを使っているのにXEは「ジャガーの面汚し」と批判され、アテンザは欧州で大成功しました。もうこのブログで何度も書いてますが、欧州を席巻していたE46系3erとアルファ156を撃ち落とす「東洋のジャガー」現れる!!というわけです。

  マツダとジャガーがこれからさらにブランドを長く維持するためにも、さらなる「神格化」を目指す必要があるんじゃないでしょうか? ジャガーはFタイプでポルシェ911に挑んでいますが、ポルシェの懐の深さの前に思うように成果が出ていません。新技術が大好きなポルシェですから、とにかく「手数」が多いです。918という完全に割り切った超速「電車」モデルを作ったかと思えば、911Rのような「逸品」が出てくる・・・。

  技術的なブレイクスルーという部分でジャガーは圧倒的に不利だと思います。「アルミ」「スーパーチャージャー」というトレードマークこそ確立しましたが、もっともっと欲しいはず!!相手はVWにアウディ、ランボルギーニ、プガティ、ベントレーまで幅広い協力体制が敷かれています。対抗するにはマツダとフィアット・クライスラー・グループを味方につける必要がありそう!!(味方が多いからいいクルマができるわけではないですけど)

  PSAがオペルを買収して、再び業界再編の動きが加速しそうですが、やや宙ぶらりんになっているマツダ、スズキ、ボルボなどがどこと提携するのか(一応全部トヨタ陣営?)。自らのブランドのカラーを濃くするか薄くするかは、どの相手を選ぶか?で決まるでしょうから、トヨタとくっつきすぎてやや意味不明なスバルみたいにならないよう・・・とは言っても現状のスバルは儲かってるみたいですね。


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2014年12月30日

ジャガーXE登場 GJアテンザに納得できないマツダ好き注目の1台

  ジャガーの新型Dセグセダン「XE」のファーストエディションの本体価格が約560万円と発表されました。フォード・マスタングもそうですが、日本市場でマイナーなブランドは「お試し」から入るのがお約束になってきました。この後でぐっと価格が下がる・・・例えばギブリ(970万円→830万円)、Fタイプ(970万円→820万円)・・・わけですから、そろそろその販売方法も通用しなくなりそうです。この「XE」の価格にしても、1クラス上の「XF」の最廉価グレードが570万円なので、そこから比較すれば通常モデルは499万円くらい?あるいはもっと安く449万円くらいになるのかもしれません。

  特にマツダファンではない一般のクルマ好きにとっての最大の注目は、日本導入がすでに発表されている2Lディーゼルターボを搭載したグレードの価格でしょうか。320dが500万円〜、アテンザXDのLパケが360万円〜に設定されている現在では絶妙な均衡が保たれていますがここにどう割って入ってくるのか注目です。余談ですが、アテンザのMCでいよいとディーゼルターボ&AWDで400万円というグレードが新設されるようです。CX5では既発のユニットですが、車重を抑え重心も低いアテンザの設計ならば、今までにないタイプの洗練された乗り味の「GTセダン」になりそうです。アルピナD3のディーゼル並みに高回転までよく回るマツダのディーゼルのポテンシャルを大きく広げるMCになるかもしれません。

  今度のBMWのFFの導入を「ルビコン川を渡った」と表現した評論家がいましたが、これまで日本のユーザーを洗練されたシャープな乗り味で魅了してきたBMWにとってその期待とは大きく違う320dの日本導入もかなりの大胆な戦略変更だったと思います。しかしフタを開けてみると発売当初は消費税5%で400万円台という破格の価格設定だったこともあり、異例の大ヒットにつながりました。そしてそれを横目で見ていたジャガーが閉塞的な日本市場を切り開くにはディーゼルしかない!という判断をしたのも至極当然で、どうやら価格も320dの500万円〜といったあたりを踏襲したものになりそうです。

  マツダの今回のMCは自動車メディアにもすでに騒がれていて、AWD設定よりもむしろ内装面での変化が注目されています。マツダの戦略は今回もかなり意欲的で、想像する限りでは日本で2015年に本格的に開幕しそうな「Dセグ・ディーゼル戦争」を深く見据えたものになっているようです。仮想ライバルをBMW・メルセデス・ジャガーに設定していることから、方向性はある程度は決まっていてコンソールのダイヤルセレクターと電気式サイドブレーキを誂えた「無難な」高級車装備になりました。そしてガソリンモデルにはドイツ車ではおなじみのS/Iモードセレクターが追加されるようです。

 先見の明があったBMWの320d導入に追従するという意味では、マツダと同じ立場になるジャガーやメルセデスも競争を勝ち抜くための戦略をあれこれと考えているはずで、XEもCクラスも作り込みの深さに両ブランドがこのクラスに懸ける想いが伝わってきます。非常にハイレベルな競争の中で、今後はどのブランドのヴィジョンが最もユーザーの懐の深いところまで届くのか?という興味深い勝負になりそうです。

  マツダファンにしてみれば、もっともお手頃な価格の上にディーゼルエンジンの素性が最も良いアテンザXDで間違いない!という確信があるわけで、CクラスやXEのディーゼルはまず眼中に無いですし、これらがアテンザXD並みの価格設定をしてくることもまず考えにくいです。それよりもこのジャガーXEがマツダファンを熱くさせるのが、200ps/240psを出す2Lのガソリンターボエンジンです。これは思わずテンションが上がってしまいますが・・・そうです!ボア×ストロークが87.5×83.1のあのエンジンです! すでに上級モデルのXJやXFのベースグレードには搭載されているのですが、このエンジン自体はこれらの重量級の高級セダン向けに作られたものではないので、ややバランスを欠いている印象があります。

  私が思うにこのマツダ設計によるこの2Lエンジンは直4としては世界最良だと思いますし、これを載せた中型セダンが再び日本で新車として発売されるとは思ってもみませんでした。2012年に販売が終了したGHアテンザが甦るかのように、XEは同じスペックの足回りを使っていて、ボディサイズもわずかにワイド&ショートになったくらいでほとんど同じです。車重はFRなので若干増えてはいますが1500kg台の前半に収まっているようです。またジャガーは「インジウム」という次世代の2Lエンジンを開発していて、ディーゼル版はすでに完成しているようです。やがてガソリン版もこの「インジウム」に代わり83.0×92.4のロングストロークになるようなので、マツダエンジン搭載車を買うならば2016年モデルが登場するまでのあと1年間くらいしか猶予がなさそうです・・・。

  ちなみにジャガーのオールアルミ設計の「インジウム」エンジンは、驚異的な軽量設計のようで、ジャガーのHPによるとガソリン版よりもディーゼル版の方が車体重量が軽くなるという驚きの数値が示されています。2L直4ガソリンターボ(200ps/240ps)、2L直4ディーゼルターボ(180ps)、3L・V6ガソリンスーパーチャージャー(340ps)の4グレードの導入がすでに決まっているようで、どのグレードも非常に魅力的に見えます。さていよいよ日本でBMWの「N20」とマツダの「LF-VE」をターボ付きという同じ条件で乗り比べることができます。世界最高の直列4気筒は一体どちらなのかがハッキリすることになりそうです。マツダの方が良かったら素直に喜びたいですし、BMWの方が良かったらジャガーのせいにしたいな・・・と思います。(523iとXF2.0で比べるのは何か違うかな・・・)


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posted by cardrivegogo at 06:37| Comment(4) | ボルボ/ジャガー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年09月04日

ジャガーとアルファロメオ

  消費税増税後ということもあって、日本車はなかなか新車が出にくい状況にあるようですが、グローバルでは「新しいクルマを作らないことには生き残れない・・・」という悲壮感が各メーカーから感じられます。メルセデスやBMWのラインナップの急拡大やモデルサイクルの短縮化の流れが止まらないので、月一回発売の自動車雑誌を読んでいるだけでは、ちょっと付いていけなくなるほどです。BMW2シリーズクーペやメルセデスGLAはまだほとんど日本には納車されていないのか見かけたことはありませんが、もうすでにブランドの話題は次のモデルへと移ってしまっています。スバルにおけるレヴォーグも同状況と言えますが・・・。

  やはり街中を走っている姿を見るとクルマの印象が掴みやすくなり「欲しいな」という動機につながるので、まずは街で見かけるようになってからが勝負だろと思ったりするのですが、この「使い捨て高級車」の流れはいつまで続くのでしょうか。話は変わりますが、アクセラのスポーツHBを夜間に後ろから眺めると、なんだかエスティマみたいに見えることがあったりして、先代アクセラとは予想外なところで大きくイメージが変わっているのに気づきます。まあそんなことを購入前に気がつく人は多くないかもしれませんが・・・。またスバルのインプレッサXVは雑誌で見る限りそれほど写真映えはしないのですが、街中で走る姿はとても洗練されたスマートさを醸しています。街での見た目がインプレッサ好調の大きな原動力になっているようです。

  最近ではホンダ・ヴェゼルが凄いことになっています。ここ数年ホンダのデザイン力を疑問視する向きがクルマ好きの間ではあったようですが、そんな声を一掃するような快作でした。何と言っても街中での立ち振る舞いが素晴らしいです。スーパーの駐車場でもかなり立派な存在感を誇っていて、近くで見てもとてもフィットの派生SUVとは思えないです。マツダCX5やBMW・X1なんかが近所ではなかなか人気で多く見られますが、どちらもヴェゼルの隣りに停まれば完全に見栄え負けしてしまうほどです。これだけのデザインならば売れるのも頷けますね! マツダとしてはまさか他の日本メーカーに「デザイン」で負けるなんて考えてもなかったかもしれません。まあ復讐のCX3が楽しみではありますが・・・。

  ヴェゼルといえども乗り出し価格は軽く200万円台後半から300万円オーバーになりますから、少なくともCX5から見てヴェゼルが「安い」ということは無いわけです。フィットベースのクルマで、燃費もベースのフィットよりもかなり悪くなっていて、価格はアクセラベースのCX5とほぼ同等にもかかわらず売れてしまうというのはちょっとした「事件」です。実際にあれだけ話題になったCX5の最盛期の2倍のペースでヴェゼルが売れているのは、まぎれもなく「デザイン」でホンダがマツダを打ち破ったということだと思います。余談ですがCX5をレクサス化したようなデザインのレクサスNXよりもヴェゼルの方が断然に格好よくないですか?

  しかし、最近は日本での売上が冴えないアテンザみていると、デザインだけではやはり限界があるのかなとも思います。いくら伸びやかなデザインでエレガントであっても、中身はアクセラと共通のシャシーなんだよなと考えると、あまり積極的に買いたい気分も萎えてしまいます。その一方で発売日が前倒しされることになったジャガーの新型Dセグセダン「XE」が気になって仕方ありません。ジャガーのDセグと言えば初代アテンザと共通シャシーを使っていたFFの「Xタイプ」があって日本でも相当に売れたことがありましたが、それ以来のDセグとなる今回の「XE」は新型シャシーを使ったFRです。しかもクラス最高性能を狙う!というジャガーの声明を裏付けるように、レクサスISやスカイラインにも匹敵する贅沢な設計になっています。

  初代アテンザ設計時のマツダは、最高の乗り味を演出できる「足回り」を使ってブランド・アイデンティティを構築しようとしました。当時およそ400万円で発売されていた同じシャシーを使う「Xタイプ」や「ボルボS60」がストラットを採用しているのに対し、200万円のアテンザにはダブル・ウィッシュボーン(DWB)が使われました。その後はご存知のようにドイツなどでアテンザは大絶賛され、ビルシュタイン、コニ、クアンタムといったワールドワイドな顔ぶれのショックアブソーバー・メーカーがそれぞれにアテンザ専用のダンパーを特別に発売するほどで、日本車としては異例の大ヒットとなりました。一方で「Xタイプ」や「ボルボS60」「フォードモンデオ」といった同じ設計を持つクルマは大きなインパクトを残すことはできませんでした。

  確かに当時とはあらゆる意味で状況は変わってきてはいますが、ジャガーが衰退して、マツダが甦えるという対称的な奇跡を描いた2000年代が過ぎ去り、今度はジャガーXEがDWBを装備し、アテンザは現行モデルからアクセラと共通設計に変更になりストラットに変わっていて、全く逆の立場になりました。必ずしも歴史は繰り返すとは言い切れませんが、ジャガーは2000年代のマツダの成功を同じフォードグループとして目撃してきたわけで、2000年代初頭の逼迫しつつも野心的であり続けたマツダの改革をお手本に、セダンからスポーツカーに至るまで高性能なラインナップに拘ったクルマ作りをしています。新型ジャガーのどれもこれもが、マツダの上級ラインナップにピッタリな素晴らしいクルマばかりなんですよね・・・、とても羨ましくてとても眩しい存在です。

  アメリカ市場からの撤退を余儀なくされたアルファロメオも、世界最大市場への再上陸を果たすために、従来のラインナップを大幅に刷新するプランを実行しつつあるようです。アメリカ市場で再び販路を切り開き、ブランドの存在を認識させるために打ち込む「楔」として作られたのが、驚愕のライトウエイトスポーツカー「4C」です。かつてアメリカ市場にこのジャンルを武器に切り込みをかけたブランドといえば・・・そうマツダです。ロードスターとRX7はアメリカでも欧州でも愛される伝説のモデルになっています。

  アルファロメオの親会社フィアットとマツダの間には業務提携が結ばれていて、アルファロメオは「4C」に加えて、新型ロードスターと共通設計のシャシーに北米でウケるであろうハイパフォーマンスの独自のエンジンを積んだ「スパイダー」を投入するプランがあるようです。さらに北米の中型車市場で人気が高まっているFRサルーンのトレンドに合わせて、新型FRシャシーを使うジュリアというDセグセダンと、クライスラー傘下のブランドでも多用されるようになっているジュリエッタベースのFFモデルを揃えて、北米におけるクオリティカーブランドとして「新生アルファロメオ」になります。

  ジャガーとアルファロメオが目論見通りに成功するかどうかは全くわかりませんが、どちらもかつてのマツダの成功にヒントを得て戦略を練っているように考えるのが自然です。かつて幾度となく、自らの掲げる理想を貫き通して、それが正しいと世界を納得させてきたマツダの栄光・・・「RX7」「ロードスター」「アテンザ」。これらに注ぎ込まれた情熱を考えると今のマツダはだいぶ体温が低くなってしまっている気がしないでもないです。「足回り」を極めたセダンとして登場したアテンザの経緯を考えると、現行モデルは「もはやアテンザでは無い!」と愚痴を言いたくもなるんですよね・・・。

  

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posted by cardrivegogo at 06:24| Comment(8) | ボルボ/ジャガー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする