2017年06月02日

マツダが『最も重要なブランド』になる日が近い!?

  また『ナカニシ』さんがテキトーなことを言ってますねー。「マツダのロータリーは現実的に、EVの補助エンジンか、水素ロータリーくらいしか実用化は難しい」。その技術はもう何年前の東京MSに出てきたものでしたっけ?アイディアから実用化まで10年・・・みたいな悠長な仕事はやってないと思いますけどね。そんなに自動車メーカーってマヌケじゃないって。この証券マン出身のオッサンが自動車産業のアナリストとして偉そうにしているのに、イライラしているのは私だけではないはず(日本メーカーの関係者とかカンカンだろうな・・・)。

  典型的な日本のダサいオッサンが言ってそうな、『ドイツの技術には勝てない』みたいな趣旨のことを『吹聴』するために怪しげな法人を作っていらっしゃるようですけど、どーもこの人の文章にはクルマ(特に日本車)への愛着というものを感じられないです。『俺たち証券マンは一流で、自動車メーカー勤務は二流』・・・日本車を見下す奴らの根底にあるのがコレ。ナカニシさんも、徹底的に日本メーカーを見下したレビューを書かれる人なので、感情的に判断してはいけないと思いつつもこの人の本を読むたびに、日本メーカーの開発者がかわいそうだなー・・・と。

  おそらくマツダはEV補助エンジン、水素ロータリーなどの『使い道』はすぐに思いつくけども、ファンが求めているものにそれが適していないこともわかっているので、技術自体は放置したままだったと思います。過去何度かあった経営危機でも、かなり的確にニーズを突いたクルマ作りができたマツダだから、自動車好きが『よだれを垂らして喜ぶ』クルマ作りとはどういうものかは、十分にわかっているはずです。

  ロータリーを復活させるならば、もう答えは一つ・・・『マイルドHV』しかないと思います。先日マツダでは、自社開発によるマイルド・ハイブリッド技術が完成していることが報道されました。ただし「ロータリー&マイルド・ハイブリッド」の組み合わせとは言及されていません。・・・マイルドハイブリッドはデミオからアテンザまで幅広く設定される見込みとのことなので、販売不振気味なレシプロのガソリンエンジンモデルに搭載されて、小型モーターで起動時のトルク不足を補い、加速をブーストする『電動ターボ』として機能することになりそうです。

  しかーし!!マイルドハイブリッドはもうロータリー復活のための『自社開発』と見て良さそうです。アクセラであれだけ見向きもされなかったハイブリッド、しかもこれを北米に投入する訳でもない!!日本向けに作った結果の大惨敗で、ついでにガソリンも売れないですから、デミオ、アクセラ、アテンザは全てディーゼルだけでもいいくらいです。これに新型CX5に類する内装を装備しておけば、あっという間にマツダの中古車価格は、メルセデスやBMWを軽く抜き去りますよ。今でもカーセンサーを眺めていると同年式、同走行くらいのアクセラ(2L)と1シリーズ(1.6Lターボ)が同じくらいの価格で出回っていますから・・・(見かけたのはどちらも190万円)。

  ちょっと前に別のブログで『エンジンのまとめ』を書いたのですけども、日本市場で売られている『内燃機関』は、@低回転ガソリンターボ、A高回転、B大排気量、Cアトキンソンサイクル&ミラーサイクル、Dディーゼルの5つに分類されるというものです。現状のマツダは、A(ロードスター)とD。年内にも@(2.5Lターボ)を日本でも展開するでしょう。残りのガソリンエンジンはあまり特徴がなく、Cでは?という意見も頂戴しましたが、CVTを使っていない時点でCとは言い難いと思うのです。

  レシプロガソリンにマイルドハイブリッドを追加してCVT化するならば、Cのトヨタ、ホンダ追従路線を鮮明にするだけに終わります。しかしマツダはそれを潔しとはしないでしょうし、CVTに対しても否定的です(コストの問題なのか?)。マツダのマイルドハイブリッド開発は、Cを狙ったものなのか?それとも新しくE『ロータリー&マイルドH』を創造するという狙いなのか?

  もう結論ありきで申し訳ないのですけども、@〜Dまでそれぞれのジャンルの基準において優秀なエンジンをつくり、それに見合った車種に搭載すれば単純に『販売台数』という数字が稼げるわけです。実際にマツダもDで頑張ったから、グローバルでは緩やかながら右肩上がりを5年積み重ねてきました。そしてさらなる推進力を求めて、ディーゼルと並んでテクノロジーの根幹になる新型ユニットをD以外のどこに見出せばいいのか!?・・・もはや@〜Cはどれも『レッドオーシャン』。だったら、『ブルーオーシャン』を目指すしかないんじゃないですか!?ってことです。

  ロータリー&マイルドHは、A『高回転』に近い存在ではあるのですが、レシプロの高回転エンジン&マイルドHよりも、ユニットの重量が抑えられるはずです。ユニットの軽量化とNVHの良さこそがEのもっとも重要なセールスポイントですが、NVHの良さという意味ではB『大排気量』にも比肩します。まあかなり楽観的な見通しではありますが、世界のあらゆるメーカー(EV専売を除く)が@〜Dの中にひしめいていて、ジャガー(XE)やアルファロメオ(ジュリア)は、愚直に@『低回転ガソリンターボ』とD『ディーゼル』でBMWに挑みます(1000万円するAも用意されてますが・・・)。

  そんな中でマツダだけが『カード』を持っている!?トヨタやホンダが持つ『FCV』は相当なインフラが必要ですけども、マツダのEはそれが全く不要で即時にどの市場にも投入できるわけです。もうこれは『勝った』みたいなものじゃないですか!?・・・あくまでロータリー&マイルドHが完成しているならば!?ですけど。

『世界の主力エンジンは5種類に絞られた!?』


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↓『日本メーカーをナメきっている』中西さんの本・・・震災で日本型生産は崩壊だってさ(笑)


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2017年02月21日

2017年のマツダを占う いよいよ「買い」のタームでは!?

  国内市場での苦戦が伝えられるマツダですが、新型モデルの注目度は相変わらずに非常に高いものがあります。「カッコいい」「しっかりしてる」「欠点が少ない」「気分良く乗れる」「運転に飽きない」などなど、マツダがブランドの重心を置く「中型車」を主に使うユーザーにとっても好まれる要素に関する「作り込み」という基準で評価するならば、「スカイアクティブ以前」⇒「スカイアクティブ第一世代」⇒「スカイアクティブ第二世代」へと時系列に沿って着実に進化していると思います。

  「スカイアクティブ以前」の世代には、スポーティに目立つハンドリングや操縦性の高さなど「飛び道具」があったりしたので、度々スカイアクティブ世代に対して「残念な気持ち」を吐露して来ました。しかしトヨタが86を発売してから、マツダのようなピーキーなハンドリングを愉しめるクルマはどんどん増えていますし、そんなクルマをマツダ車と同じくらいの価格帯で無理なく買う事だってできます。・・・時代は着実に変わって来ているんですねー。

  マツダの存在意義は薄くなった!?という意見も以前世代のオーナーからはしばしば聞かれましたし、私自身もそう感じていました。それでも「今」まさに死地で戦っているマツダを見て、そんな非情な考えを抱いたことをちょっと恥じている次第です。売り上げを伸ばしているトヨタやホンダのようにファミリーカー市場でコンサバな戦略を仕掛けるメーカーは、市場のニーズに冷徹なまでに合理的なクルマを作りますが、そこからは「日本が世界に誇る!!」といった類いのモデルはなかなか期待できません(C-HRはなんか胡散臭い)。北米では地の利(生産工場)を生かしてトヨタもホンダもドイツ車と真っ向勝負をしていますが、国内市場でメルセデスやBMWと争うのは「無駄骨」だと判断しているようです。

  そんな中でマツダが「日本車代表」みたいなクルマをせっせと仕立てて、(日本で)ドイツ車からシェアを奪う!!という快挙もボチボチあるようですが、せいぜい1000~2000台/月売れれば大ヒット!!というのが輸入車の相場ですから、アテンザ1000台/月、アクセラ4000台/月、デミオ8000台/月といった国産メーカーベースの目標値を達成するには、やはりトヨタやホンダからシェアを奪わなければなりません。以前のマツダならばトヨタ、ホンダの競合車の限界価格から割り出した低価格による戦略で生き残ってきましたが・・・それを止める!!と宣言したわけですから、イバラの道は続きます。

  「ロータリー50周年」の2017年は、とりあえずロードスターRFと新型CX5がマツダの切り札になるようです。真逆の性格を持つ2台ですけどそれぞれに購入者の気持ちをくすぐる気の利いた「マツダ・スペシャル」として完成度は高いと思います。とりあえずファミリータイプのクルマを選ぶならCX5をとりあえず候補に入れる人は多いでしょうし、じわじわと来ているスポーツカー・ブームにガマンが出来なくなった人が新車で購入するなら「RF」はなかなかポイント高いのではないでしょうか?

  フラッグシップとしてはちょっとずつ「減点要素」がある・・・とか言われちゃっている、なかなか煮え切らない現行アテンザも決して悪くないのですけども、新型CX5やRFの方が他社ユーザーへの「惹き」は強いような気がします。フラッグシップがやや霞むくらいにゴキゲンな2台ですが、普段は1人で乗る人にとっては、どっちを選んでもOKだとしたら、どちらにしようか!?困るってケースもあるかも。もういっそのこと2台まとめて買ってもいいんじゃないですか? おおよそ600万円程度で済むと思います(駐車スペース2台分ですけど!!)。メルセデスCクラスと軽自動車みたいな組み合わせよりは、価格も抑えられて愉しいカーライフが送れてよっぽどイケているんじゃないかとは思いますが・・・。

  マツダ車の魅力といえば「ロングツアラー」性能の高さ。50年間に渡って専用シャシーのスポーツカーを作り続けるなどポルシェと同等の歴史を誇りますし、トヨタや日産とともにもともとはフルサイズセダンを作っていたメーカーという実績もあって、先代以前からシートなどエキップメントの評価も高いです。これに関しては、おそらくセンティアやコスモの時代からのマツダの役員や退役した元重役が、シートに関してとてもウルサいんだと思います。この辺が群馬県のブランドとはもっとも大きく違うところじゃないかと思います。座った瞬間の「インプレッション」で勝負するなら、田原、上三川、狭山のジャパン高級ブランドとも同等ですね(個人的主観で恐縮です)。

  「ロングツアラー」の定義は難しいですけども、100km(2〜3時間)程度の距離を「自宅のソファー的な快適性」で過ごせるクルマでしょうか。シートの快適性はもちろん、インパネは高級オーディオみたいなインターフェースでまとめられていて、ウインドーに写る外界とは隔絶された静粛性(自宅に居る安心感)があって・・・といった条件を挙げていくと、マツダのラインナップでは1.5L(ガソリン)のアクセラと1.3Lのデミオは高速巡航では耳鳴りがしちゃうので、残念ながら失格です。ラインナップ全車が「ロングツアラー」適正良好!!となればマツダもいよいよ一皮むけるのになー・・。

  ダウンサイジングターボに対して否定的な姿勢で有名な、マツダのエンジンにおける狙いは、高速道路での100km/h巡航で1800rpm程度に抑えこむという高速ツアラーの「初歩」を実現することなはずです。日本車よりも直結(DCT)&ハイギアードが進化している欧州車ですが、ダウンサイジングターボの弊害として、車格に比してハイパワーの1.6Lターボを積んだ208GTiでさえも、100km/h巡航では2000rpmを大きく越えてしまいます。もしかしたら、スポーティなギア設定が裏目に出ている可能性もありますけどね。

  しかしデミオクラスの軽量級ボデーに1.6Lターボでもこのザマですから、それより大柄なボデーを持つ群馬系1.6Lターボ車や、メルセデスのA〜Cクラスの1.6Lターボ(A180/B180/C180)といったモデルでも、「高速道路が得意」なイメージを裏切って「ロングツアラー」性能は低いです。VWゴルフに2Lターボの「GTI」が設定される意義も、1985年以来ずっとアウトバーン対策なんですけども、ゴルフ7GTIは軽量化の悪影響からか、先代よりもハネやすくなっていて、段差などがほとんど無い新東名でも、なにやら床下から軋み音が(リアゲートからも!?)あって、あまり高速道路でオススメできるクルマじゃないですね〜・・・。CD値もあまり良くないですから。2Lターボを積んだCクラスやCLAといったメルセデス勢の方が優勢かも(ただし価格が・・・)。

  残念ながらブランドの全てのモデルではないですけども、マツダの大部分のクルマは、ふと気が向いた時に関越自動車道を終点まで走破して、新潟の旨い魚でも食べに行ってしまうような人に合っているのかなー。日本市場でクルマ売っているメーカーではおそらくナンバー1ですね。マツダを検討している人に最も伝えたいブランドの美点です。「ハンドリングのマツダ」はロードスターへ集約され、「高速ツアラーのマツダ」として魅力をどこまで高められるのか?月並みですけども2ドア車なんかもあっていいんじゃないかなー。


↓最近の欧州至上主義のライターはガソリンの良さがわからないみたいです。


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2016年10月21日

マツダはやはり「マルチチャンネル」で輝くのでは?

  「大人のオトコ」が趣味で買うモノ・・・スーツ、靴、ベルト、ネクタイ、カバン、時計、ウイスキーそれからクルマ。とにかくなんでも「セカンド・ブランド」の時代を迎えています。某英国高級ブランドとの契約が終了した日本のアパレルメーカーが、大幅赤字で人員整理をしたというニュースもありました。改めて世の中は「品質」よりも「記号的価値」に訴えてモノを売っているんだなーと、まざまざと見せつけられました。

  あれこれと持ち物全てを「ブランド品」にするとやはり消耗します。直輸入の「ブランド品」は高価過ぎて売れないけど、ブランドと提携したメーカーがライセンス生産して、手頃な価格に落とし込んだ「セカンド・ブランド」の商品はよく売れます。直輸入の愛好家からしてみたら、日本のライセンス品なんて魅力ないのかもしれないですが、縫製技術やデザイン力において自動車産業のように優位な地位にある日本のアパレルが手掛けていますから、しばしば直輸入品よりも品質が良かったりします。イギリスの中心部にあるポー◯・ス◯ス・ロンドンのブティックには日本のライセンスメーカーの気鋭な商品が並んでいます。

  2012年以降、新たな戦略によってブランドの再構築を狙うマツダ。新たにシェアを獲得するべく北米へ進出し、出足はとても好調に見えたのですが、2015年、2016年はやや決め手不足で「息切れ」感があります。「マツダのソウルレッド」としてトレードマーク化するかと思いきや、他ブランドが次々と高級モデルのイメージカラーに「レッド」を使い始めて、いまではどこも「レッド」を敬遠するタームになってます。マツダも「マシーングレー」でなんだかGTカーっぽいイメージ戦略を仕掛けてます。ここまでの4年間で何か特別な地位が掴めたのか?確かに業績は改善し、多くの市場で成長が見られますが、「円高に負けないラインナップ作り」を達成した以外の成果は、あまりハッキリと見えてきません。

  「今の日本車ではマツダが一番素晴らしい!」みたいな甘〜い評価はしばしば見られますけど、北米ではトヨタ、ホンダ、日産、スバルの遥か遠い背中を追いかける「5番目の日本メーカー」という地位は変わらずで、直近の4年間の成長は、とりあえず北米シェアには全く反映されていません。ラグナセカのネーミングライツを取得するなど、北米での知名度アップにも精力的に取り組んでいますが、日本よりも25倍も広いアメリカでは販売網を構築するのもなかなか大変だと思います。

  マツダもそんなことは百も承知なようで、早くもトヨタとの提携をまとめ新稼働したメキシコ工場の生産分を、当面はトヨタ向けOEMで賄う方針のようです。具体的には2017年モデルにおいてもデミオの北米投入は無いようで、北米向けにノッチバック(セダン化)になったデミオは全量をトヨタブランドから「ヤリスiA」として販売するようです。ところでこのヤリスiAですがリアデザインが、GHアテンザセダンに似ていてとってもエレガントで個性的です。GJアテンザセダンのマークXだかヒュンダイ・ソナタだか分らないようなリアには少々閉口気味だったので、再びマツダデザインが前世代へのリスペクトを取り戻してくれているのは嬉しい限りです。内装はマツダ車そのものでマツコネもそのままです。これ日本に持ってきたら売れるんじゃないのー。

  フィアット/アバルトに供給している124スパイダーもそうですけども、「他のブランドに売ってもらう」ということは、自前のブランドを育てること以上にスゴい事なんじゃないかなーと思います。思い起こせばマツダの隠れた名車プレマシーも日産ブランドから「ハイウェイスター」というサブネーム付きで売られてました。三菱RVRがシトロエンから販売されるなど、欧州で評価の高かったマツダと三菱は、経営上の都合という枠を越えて「指名OEM」が舞い込む特別なステータスを持つメーカーでした。マツダの設計をパクったVWと、三菱の設計をパクったFFのメルセデスの成長を考えると合点がいきます。

  三菱はとうとう日産・ルノー・メルセデス連合の内部に取り込まれてしまいましたが、マツダはいっそのこと全ラインナップをOEMとして供出してはどーでしょうか?アテンザはとりあえずDセグが手薄なPSAかスズキ。CX5とCX3はフィアットかVWあるいはジャガー。アクセラはアルファロメオかボルボそしてやっぱりジャガーさらにレクサス。とにかくマツダの幹部が自画自賛するくらいのクオリティにあるならば、もっともっと世界の人に乗ってもらうことでおのずと道が開けるはず。マツダも「苦手」な販売から開放されて伸び伸びとマテリアルを生産に注ぎこむことができますし、今よりももっと多くの車種を展開できるでしょう。フォードが営業をやってくれていた時代のマツダのクルマ作りは神憑っていたっけなー。
 
  1990年頃に北米で主流となっていたのが、マルチブランド戦略による総合メーカー内部でのキャラ分けでした。いち早くそれを日本市場に取り入れようと、ひたすらに先走ったのが東洋自動車工業(MAZDA)でした。マツダの黒歴史として、今でもしばしば心無い&教養無いカスな評論家によってイジラれますが、そこで語られるようなロータリースポーツの成功によって、フェラーリやポルシェに肉薄(今じゃ誰も信じない?)したことからくる「自信過剰」「自惚れ」などによる盲目的な判断ではなかったと思います。バブル崩壊という誤算もありますが、やはりマツダという「いいクルマ作りたい集団」をさらに奮起させるには、マルチブランドによるキャラ(チャンネル)分けはとても合理的な判断だったように思います。

  いまさらにMAZDA5チャンネルを振り返ることはしませんが、ロードスターやコスモを擁した「ユーノス」はシトロエンの「DS」などよりも圧倒的なヨーロピアンイメージを爆発させたような「奥行き」を持っていたと思いますし、ポルシェやフェラーリに対抗すべく作った「アンフィニ」もRX7FD3Sという稀代の名車に恵まれ、デザイン的には「フェラーリを越えた!?」とすら言われました(今では信じ難いことですが)。どこのメーカーもやっていないことを日本で最初にやれば、いろいろ想定外なことも起こるでしょうし、日本に定着するまで辛抱する時間が続くのはマツダも十分に想定していたと思います。しかしバブル崩壊という未曾有の大クラッシュが直撃し、すっかり笑い草に終わってしまったことは残念無念です。

  さて今こそMAZDAが再びマルチ・ブランド戦略を採るにはいい頃合いじゃないかと思います。ディーラーを分けるなんて周りくどいことはせずに、「ユーノス」「アンフィニ」「オートザム」それからかつてフォード車向けに設定されていた「オートラマ」もマツダの北米戦略を日本で体感させるブランド名として復活させたらどうでしょうか。軽自動車はもう作ってないので「オートザム」はスズキOEM車しかないですけど、シンプルに「トーヨー」でもいいかも。マツダが使い分ける3タイプのシャシーごとにブランドが違うってのが分かりやすくていいと思います。アテンザ、アクセラ、CX5の「マツダ」。デミオ、CX3の「トーヨー」。ロードスターの「ユーノス」。RX9の「アンフィニ」。あとは「トーヨー」にヤリスiAことデミオセダンと、新開発のデミオワゴンも追加して、「ユーノス」によりベーシックなFRのハードトップクーペを追加すれば・・・。

  できればエンジンも分立させて、「マツダ」は1.5、2.0、2.5Lのガソリンとターボとディーゼル。「トーヨー」は1.3LのガソリンとスズキOEMの軽自動車。「ユーノス」はガソリン自然吸気のハイチューン(7000rpm以上)。「アンフィニ」はロータリー。

  レクサスのような「プレミアム」を設定するのではなくて、「スポーツライン」と「セカンドライン」によるブランド分けにこだわるのがミソです。お手本はアバルトとダットサンでしょうか。「マツダ」本体がプレミアム志向ならば、ある程度は収益率をコントロールしたブランド設定が必要になってくるのでは。マツダはメルセデスやBMWのようにラインナップ全体の「プレミアム」化を進めたいようですが、北米トヨタにOEMしているクルマ(デミオセダン)をそのままラインナップして「プレミアム」はちょっと虫がいい話です(アウディ・・・)。

  初代ロードスターの大ヒットによって知られ、ブランドの実働期間は短かったものの、欧州メディアでもしばしば表記されることも少なくない「ユーノス」。もし今新たなモデルとともに復活を果たしたなら、TVRタスカンやアルピーヌの復活のように、世界中のクルマ好きに熱狂とともに迎えられるはずです(すでにNDロードスターが熱狂されてますけど)。「マツダ」と意図的に切り離すことで、いろいろなブランドともコラボしやすくなるし、新型モデルの設計においても、別ブランドならばマツダの系列サプライヤーを気にせずに部品を調達できる(そんな甘くはない?)。たとえばフォードからMZRエンジンの供給を受けることも可能でしょう。

  「今のマツダにそんな余力はないよ・・・」まあこれが現実ですよね。けれどもマツダのポテンシャルを十分に引き出すにはやはりマルチ・チャンネルがやりたい!!!だったら売るのが上手いグループと片っ端から手を組むのがいいんじゃないですか!!!いまだに世界で引っ張りだこな「MZRエンジン」を作ったマツダ。ケータハムにはMZRエンジンだけでなく、マツダ製6MTも供給されています(最近供給体制にトラブルがあっとというニュースもあったけど)。英国に行けばロータリーをぜひ供給してくれ!という復活を期す往年のスポーツブランドもあるでしょう。

  余力が無いのはよくわかってます。けれどもマツダの技術に期待しているクルマ好きが世界にはたくさんいると思うのです。ト◯タやV◯に茶番的なWRCやWECを見せられて消沈している人も多いでしょう。行き過ぎた「商業主義」がクルマ文化を破壊した・・・。何がプリ◯スだ何がゴ◯フだ。クソ喰らえ!!!そういう人々がいたからこそ、ロータス、ケータハム、アバルト、ジャガー、アストンマーティンが綱渡りの経営状況でも生き残り、新たにアルピーヌ、TVRが復活するのだと思います。マツダがト◯タやV◯的なクルマ作りで大きな成果を上げたことなんてあったかな?「余力が無い」からっていつまで苦手なことをやり続けるのだろう。このままではずっと低空飛行じゃないか・・・。少なくとも私にとっては「ト◯タやV◯じゃない」クルマを作るからマツダって素晴らしい!!!って思ってた。だからゴ◯フをベンチマークした現行アクセラにはガッカリしましたよー。

  ホンダの新型NSX見て思いましたよ。日本メーカーの最大の武器は「想像力」だって。小手先の「生産技術」や「品質安定」は日本メーカーを研究することで世界中のメーカーが手にすることができますけど、ホンダがNSXを作ったような「想像力」は簡単には真似できないです。同じ様にトヨタが1989年に発売したセルシオ、日産のGT-R、三菱のランエボそして、マツダのロードスター。1989年にBMWも同じようなクルマを作ってますけど(Z1)、プラスチックボデーにもかかわらず1250kgという当時としてはマツダカペラなどと同等の重量です。あの名門メーカーを「なーんにもわかってない!」って次元に置き去りにしたユーノス・ロードスター。もう30年も前の話ですけど、ホンダを見る限りは「想像力」スゲーなって思う。マツダだって負けてないと思うんですよ!!!けど力を発揮する舞台が・・・。





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2016年05月30日

フィアットか?ボルボか?・・・マツダにも共に歩むパートナーが必要だと。

  「フィアットにも排ガス疑惑」ですか・・・。あれ〜・・・せっかくのマツダにとっての素晴らしい「エンジェル」だったのですけどね。NDロードスターのWCOTY受賞はフィアットの気まぐれな貢献による棚ぼた的なバックアップがあったからこそ実現したわけですから、マツダにとってもこれは対岸の火事じゃないはずです。・・・さて今後フィアットがマツダのDEを買う可能性は?

  フィアットがドイツ当局にディーゼルで違法ソフトウェアが見つかったと告発されたのは、欧州市場でのことですけども、マツダもディーゼルの排ガスには相当に苦労しているようで、北米のディーゼル規制の厳しさに完全にお手上げで、ディーゼルの展開をついに諦めちゃいました。おそらく完全に計画済みだったであろうCX9にディーゼルが載る日は果たしてやってくるのでしょうか?

 とりあえずは「ガソリン4気筒+ターボ」で350psくらいまで問題なく補える時代になっているようですから、CX9のような2000kg超の重量級であってもまあ大丈夫・・・そりゃトルクに優れるディーゼルが良かったのは言うまでもないですけども。ただしさらに押し寄せる問題として、現行の直噴ターボでは相当数がクリアできないのではないか?といわれる2017年のNOx規制によって、直噴ターボもディーゼルのように今後は規制にがんじがらめにされて次第に姿を消すでしょうから、・・・その時はその時ですね。

  北米に覇を唱えるという意味ではマツダにとっても偉大なる先達・日産が新たに北米へ送り出す「次世代6気筒(V6)」が完全にターボ化専用として導入されるようです。これに対してトヨタもGR系エンジン3.5Lを現状の自然吸気のまま今後も使い続けるのでしょうか?幸いなことにトヨタも日産も北米向けにV8を持っていますから、V6をハイブリッド化あるいはターボ化しても魅力は落ちないです。

  さーて、そんな日本の2大メーカーといよいよ「アッパークラス」で対峙するマツダの採るべき道は・・・。とはいっても相手はV8まで持っていますからまともに戦っても勝ち目はなさそうです。さらに横置きのFF車でレクサスやインフィニティに挑むのは無謀じゃないか!?・・・などとジジイのライターは決めて掛かりますが、実際にレクサスが相手の尺度でもアテンザの静音性はかなりのレベルまで達しています。19インチとか大径ホイール履いているのに、それによるネガも実際に乗ってみるとそれほどないです(17インチと大差なし)。

 そもそも静かなクルマを作るのは日本メーカーの得意技なので、レクサスやインフィニティを相手にするために、マツダが抱えている「難点」はそこじゃなくて、現実問題はマツダが得意としてきたはずのバネじゃないかという気がします。ちょっと前まではバネを制すれば横置きFFでもFRの高級車に勝てる!!!という真理をマツダが見事に示してくれると思ってましたが、今まさに「違うメーカー」によってちょっとしたブレークスルーが起こっています。「直4横置きのFFベースAWD」のDセグセダン/ワゴンで本体価格800万円以上という強気な設定をしているのが・・・ボルボです。

  そうです!!!旧型マツダアクセラのシャシーを使ったり(V40)、初代アテンザから派生したシャシーを欧州フォードと共同で開発している(S60/V60)、かつてのマツダの盟友です。ベースモデルも相当ですが、特に評判が良いのは直4になって商品力が疑問?と思っていた「ポールスター」モデルです。いっそのこと昔のよしみでマツダ車も「ポールスター」にチューンしてもらったらどうでしょうか?

  トヨタはBMWと、日産はメルセデスと、それぞれ協業関係にあるわけですから、マツダにも助け合う相棒が必要じゃないか!?そしてその有力候補が「ボルボ」か、それ以外だとPSAグループ(プジョー・シトロエン)でしょうか? プジョーが日本でも販売を開始した「308GTiプジョー・スポール」はRCZに変わる新しいプジョーのアイコンとなるようですが、直4横置きFFの1.6Lターボで、外観はベース車とほぼ同じにもかかわらず385万円とは大きく出てきました。

  内容としては以前マツダが作っていたMSアクセラ(260万円)です。簡単に言ってしまうと、高出力ターボのFFで、サーキット走行を想定してのLSDが導入されたモデルです。なにやらFF車用のLSDの開発が日進月歩のようで、いまではFFが、MRのポルシェボクスターよりも速いタイムをニュル北コースでマークする時代に突入しています。ルノー、ホンダ、VW、プジョーがガチンコになることで盛り上がるCセグFFスポーツのトレンドに、マツダもボルボかフィアットと組んで乗っかるのも良さそうです。思い起こせば初代アテンザの世界的な大ヒットは、アルファ156、プジョー407、アコード、アルテッツァ、そして帝王E46BMW3erの「Dセグスポーツ・ブーム」の中で大健闘したことが勝因でしたから・・・。

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2016年04月26日

CX4登場!!!マツダの本領発揮

  CX-4のデザインが公開されました。やっぱりマツダ!!!デザインにおいてはこちらの予想をいくらか上回る貫禄の「余裕」すら感じます。SUVのクーペではランドローバーの「レンジローバー・イヴォーグ」という突然変異的に現れた傑作デザインがありますが、それを追従したはずのBMW・X4やいよいよ日本でも発売されるメルセデスGLEクーペなど、パッとしない駄作が続いていて、非常に攻略が難しいジャンルだとは思ってましたが・・・見事です。X4はSUVブームの北米でも全然売れてないみたいです。

  苦戦しているメルセデスとBMWですが、元々は平べったくてどっしりとしたセダンを作るメーカーですから、そこから派生したテーマを使ってSUVを作るという発想自体に無理がある気がします。どうやっても縦方向に拡大しますから、メルセデスとBMWのSUVはどれもメタボに見えます。Sクーペや6シリーズだってかなりキツいのに・・・。

  それに対してマツダは、思いっきり縦方向を意識させる骨太な骨格のCX5を、見事に「魂動」デザインにまとめました!!!そこから今度のCX4はルーフラインを低くして、ボデー下部のデザインも計算した上で、デザイン全体が「横方向」に流れるスタイリングを完成させました。ポルシェ(マカン)、ランボルギーニ(ウルス)、マセラティ(レヴァンテ)、ベントレー(ベンタイガ)、ジャガー(Fペース)などと比べるのは無意味かもしれませんが、どの高級SUVよりも見事に「横」に流れるデザインになっているといっていいかも!?

  X4とマカンが600万円〜(直4ターボなので安め)、GLEクーペとFペースが900万円〜(V6ディーゼル)、ウルス、レヴァンテ、ベンタイガは1000万円を軽く越えます。そんなクルマを相手にしても300万円のCX4がデザインで一歩も引かずに対抗する!!!これこそがマツダの本来の姿じゃないですか!!!はるかに高額なフェラーリやポルシェのスポーツカーに対して300万円台の「RX7・FD3S」がデザインでガチンコ勝負を仕掛けました!!!その戦いに見事に勝利を収めたFDの傑作デザインはそのままアメリカを代表するスポーツカーのシボレー・コルベット(C5)に真似されました!!!

  先ほども言いましたが、欧州の高級ブランドなんてどこも平べったくてデカいセダンばかりを作ってきたわけです。それが今更にSUVのデザインなんて・・・荷が重いのでは!?。それに対してマツダは、ずっと5ナンバーサイズのクルマをどれだけスポーティに見せるか!!!というテーマに向き合ってきたわけです(FD以外にも歴史的名デザインはたくさんあります!)。この知見が今になってSUVを平べったくデザインする技になっているのだとしたら、このCX4はマツダデザインの歴史的集大成とも言えるモデルじゃないですか?

  さてCX4を見て改めてマツダのやりたいことがよくわかった気がします。SUVのラインナップを充実させて、一気にニーズを拡大させよう!!!なんてごくごく当たり前で単純な話では決してないです。マツダよりも遥かに高い価格帯の有名モデルに対抗することが、マツダの宿命なのか・・・まあそういうブランドのロマンもいいですね。なんとも日本で生まれたブランドらしい「誇り」を感じます。しかしマツダはもっともっと大切なことをこのクルマに込めたのでは?と思うのです。

  圧倒的なデザイン力があるならば、欧州の高級ブランドに対抗するだけの価格でド派でに売ればいいわけですが、そもそも日本には名門貴族も富裕層もそれほど多くはないですから、日本メーカーからロールスやベントレーのようなブランドが生まれてくることは今後もないと思いますし、マツダがそれらになることも不可能だと思います。そもそも誰もそんなマツダは望んでいない・・・。やはり日本メーカーならば、まずは日本のユーザーが喜ぶクルマを作ることが第一の使命であり、それがしっかりと達成できたブランドだけがグローバル市場からも「日本式」として尊敬されます。

  かつて日本のユーザーを熱狂させてきたモデル、たとえばスカイラインGT-Rだったり、セルシオだったり、RX7、シルビア、ロードスター、NSX、S2000といったスポーツカーに、ランエボ、インプSTI、インテグラR、シビックR、アコードRなどなど。「日本式」とは・・・まずは独自のやり方で日本のユーザーを熱狂させることです。まずは日本の賢いユーザーから「これは本物だ!」と篤く支持されることです。

  CX4も一歩間違えれば単なる珍車で終わってしまう可能性もあります。それでも「日本式」としての成功を掴むために、マツダはこのモデルにブランドのすべてを注入する勢いで、「SUVのクーペ」を徹底的に平べったく横方向にデザインする意志を示しました!!!そして「かっこいいだろ!!!」と。・・・「マツダはかっこいいクルマに乗り続けたい人々を決して見捨てません!」という不屈の想いがそこから伝わってくるようです。

  欲しいクルマは? クルマ好きなら即座に「35GT−R」「R8」「ヴァンテージ」といった3大スポーツカーが頭に浮かぶはず・・・。しかし1000万〜3000万円なんて金額はそう簡単には出せません。そこで私たちは大衆乗用車の中でスポーティだかラクシュリーだかよくわからないけど、程良いクルマを見つけて「妥協」していきます。マツダにもそういう選択の候補になるモデルが増えてきたかもしれません。

  しかしマツダの炎は消えてないですね。周囲はともかく、それでも自分だけは尖っていたい!という人が辿り着くブランド・・・それはやっぱりマツダなんだと思います。経営にいくらか余裕が出てきたのか、それを再認識させてくれる非常に「プレーン」なデザインのモデルが次々とでてきました!!!このCX4もそうですが、ロードスターRFなんかも完全に個性派を狙い撃ちしてます。この流れならばロータリー50周年となる2017年にはいよいよ「あれ」が復活するのかな?


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2016年02月11日

ボルボS90に続け! ここは超アテンザ級の「ビッグサルーン」だと思う。

  SUVラインナップの拡充によって、新しい時代のプレミアムブランドを目指そう! まあお金持っているユーザーが囲い込めなければプレミアムブランドは成立しないので、マツダのようなブランドにとっては非常に現実的な考えだと思います。北米・欧州・中国どこを向いてもプレミアム路線のSUVが人気・・・と報じられていますけど、まさか「個性派」のマツダがその先陣を切るとは! さらにマツダのSUVがライバルブランドにまで大きく影響を与えている!トレンドメーカー!?というやや不思議な状況に戸惑いを感じます。

  パジェロやランクルがオフロードの主役としてブームを作っていたころには、一切興味を示さなかった硬派なマツダなのに、いつから「チャラ」くなったのか・・・。なんてアジるのは野暮ですね。フォードに再建されなかったら「おしまい」だったわけですから、当時は硬派もチャラいも無く、とにかく成功するクルマを作れ!ってことで挙国一致体制が取られていたようです。スカイアクティブ以前からあるCX7、CX9はフォードの北米用の基本コンポーネンツを使っているので、マツダ車とはいい難いところがあるのですが、マツダが独自に初めて作ったSUVであるCX5がいきなりの大ヒットですから、マツダ全社的にSUVへと傾きつつあるのも仕方のないことこもしれないです。

  今ではマツダの代名詞と言えば「CX5」そして「CX3」。「アテンザやアクセラの時代は終わったの?」・・・カーメディアによって喝采されるようになってから、どうもクルマの人気が沈静化しているような気がするんです。アテンザもアクセラもとりあえず「クラス最高水準」ということである程度の評価の一致を見たのに!!!どうもマツダが頂点に立ってしまうとどうも違和感が・・・メルセデスやBMWといったドイツブランドがマツダのお手本として君臨していて、そこに挑む!という構図の中で輝く「特殊なブランド」がマツダなのかもしれません。そもそも「欧州を目指せ」というスタンスから始まってますから・・・。

  余計なお世話かもしれないですが、マツダがここまで注目を集めたのも、「欧州を目指せ」というこれまで掲げてきた旗印に多くの日本のファンが共鳴したからこその原動力だったのではないかと思うのです。実際に私の周りにもマツダが大活躍で嬉しい反面、SUVばかりが目立っていて悲しい・・・という声も良く聞きます。もしマツダがさらなる発展を熱望するならば、やはりドイツ車の牙城となっている「プレミアム・ビッグサルーン」の市場に、勇躍して乗り込む必要があるのでは?という気がします。レクサス、インフィニティ、アキュラといった日本系列のプレミアムブランドが常に第一に考えているジャンルは「プレミアム・ビッグサルーン」です。いまもこのジャンルに属する日本車(レジェンド、マジェスタ、シーマなど)が畏敬の念を持ってクルマ好きに崇拝されるのは、これらのクルマに「完成度」「オーラ」「志」が備わっているからだと思います。アテンザがこのグループに入れているか?というと現状では「NO」です。

  かつてのマツダの盟友にして、現在も共にドイツ勢をライバル視して主要市場で生き残りをかけている「戦友」でもあるボルボが、先日のデトロイトMSにて、待望のビッグサルーンを発表しました!!!ボルボに出来るのだからマツダに出来ないわけがない・・・。マツダにもこういうモデルがあってもいい。「ルーチェ」という名前が古臭いならば・・・新しい名乗りをすればいいじゃん。ディーゼルさえあれば欧州と日本では問題なく搭載できますし、ロータリーエンジンを発電モジュールにしたPHEVを組み上げることだってそれなりに実用化の目処が立っているのでは? もちろん300ps近くをひねり出すことも可能な、2.5Lガソリンターボも用意されています。

  去年発表されたトヨタとの協業により、マツダのディーゼルがトヨタの大型モデル用に供給される道筋はついたようで、敢えてマツダが既存のCX9以外に大型車両を開発する考えはないのかもしれません。しかしグローバルでは、ボルボS90に加え、ジェネシスが新たに独立ブランドとなりレクサスLSのようなフラッグシップサルーンを仕立ててきました。ルノーからも新たにタリスマンが登場し、おそらくDSからもシトロエンC6と同水準設計のフラッグシップサルーンが登場するでしょう。マツダと同じくFFレイアウトを使う大衆的なブランドでも、予想に反して次々とビッグサルーンを仕立てる状況を考えると、マツダの内部でも「作らないとマズいかな!?」という雰囲気が出てきてもおかしくないですね。

  そして何よりマツダは新たに「AWD」で世界最高の技術へと躍り出る!というなかなか気鋭な野望を持っていることをすでに公表しています。これって・・・よくわからないですけど、ビッグサルーンを安定して駆動させるための「付加価値」機能として売り出さないとあまり意味ないのかな?という気がします。アテンザに新開発の2.5Lターボ&AWDを組み合わせて、特別な内外装パーツを標準装備で盛り込んだスペシャルパッケージ売りで商品価値を上げたところで400~500万円の価格帯ではやや苦しい気がします。できればもうワンランク上のボディサイズに「世界最高峰」を掲げるAWD積んで、ドイツ勢を上からぶっ潰す勢いの2.5Lターボのゆとりのトルクで・・・あとは前田チーフが「魂動」デザインの集大成といえるエクステリアを用意してくれれば、600万円のマツダが大人気!というバブル以来のマツダの宿願が叶う日も来るのでは!?


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↓カーグラフィック編集長がマツダ特集ムックを発売しました!


  

  
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2016年01月14日

マツダのAWDシステム強化に期待。

  マツダにはちょっと失礼かもしれないですけど、最近では新車を買う際にはよっぽどトンガったクルマを選ぶ予定がなければ、とりあえずマツダにしておこうかなとか漠然と思ったりします。だいぶマツダのモデルも知名度が上がってきて、マツダは広告費を積み上げてプレミアム化を宣言しているようですが、予想に反して世間では「堅実」なイメージが強くなりつつあるような気がします。ちょっと前までマツダ車こそがトンガった存在だった(マツダ乗りは変人)のですけども、いまではトヨタや日産、輸入車からも違和感なく乗り換えができる「まとも」なブランドになりました。いつしか「当たり前のことが当たり前にできるメーカー」になったわけですが、あくまでイメージは「堅実」です。

  例えば、カローラフィールダーのような「実用性」に秀でたいぶし銀の魅力を誇るクルマが、根強い人気を誇っています。なんだか昨今のマツダ車を眺めていて、マツダはブランド全体が結果的にカローラフィールダーみたいな存在になってきているのでは?という想いが沸々と湧いてくるのです。現実にはフィールダーのようなワゴンボディはアテンザにしか設定がないのですけどね。もし「ルノー・メガーヌ」や「プジョー308」のようにアクセラにもワゴンボディが追加されたならば、アテンザワゴンではちょっと大き過ぎると感じて他社へ流れる客を、あるいはレヴォーグのCVTがちょっと嫌だなと思っている客を捕まえられそうなんです。しかしマツダのコンセプトの中ではアクセラは「イタリア車的」なようで、このクルマは決して「VWゴルフ」ではなく紛れもなく「アルファロメオ・ジュリエッタ」を目指している!というブランドの意志が保たれているようです。せっかくマツダがアルファロメオ的な演出すら取り入れているにもかかわらず、それでも「カローラフィールダー」のような堅実性ばかりが滲み出てきてしまうのは不思議です。

  マツダを讃えるカーメディアは、しばしば何を基準に言っているのかわかりませんが、「マツダのクルマ作りの総合力は非常に高い」みたいな表現をします。確かに目に見える部分でボデー造形にも優れていますし、塗装技術も量産車の中では世界の頂点と言えるレベルです。その他にもブレーキの性能が良かったり、自社製マニュアルミッションの操作感が良かったり、枚挙にいとまがないわけですが、・・・RX7-FD3Sのような同時代のフェラーリやポルシェをも一蹴してしまうほどの個性こそが、数ある日本メーカーの中でのマツダ車らしさだ!という頭で考えてしまうと、ドイツ車的な堅実性を積み重ねただけのマツダ車は「カローラフィールダー」のような佳作に見えてしまうようです。

  アクセラやデミオにしても、先代までのエキセントリックで引っ掛かりのあるデザインに比べて、良くも悪くも「大人しく」なったと思います。一見しただけでは正面から区別が付かないくらいに似ている両車を見る度に、ファミリア時代に見られた、普遍的なデザインを「是」とする「マツダの小型車群」のデザイン魂が再び宿っているような気がするのです。トヨタのウィッシュ、オーリス、カローラフィールダーが同じようなマスクをしてますが、同じようにデミオとアクセラもそしてアテンザも含めてひとまとまりの「実用車」群に見えてしまうのです・・・。

  価格設定はトヨタよりもかなり強気で、高いグレード(Lパケ)もガンガン売れるようになったマツダ。もちろんメーカーが一丸となって取り組んだ成果は至るところに出ていますし、トヨタ、スバルを販売価格で上回り、メルセデス、BMWに競合する価格になってもマツダが売り上げを伸ばしているという状況は、もはや一過性のブームではなくブランドの格が上がったと解釈してもいいと思います。それと同時にマツダに行くよりルノーに行く方が安くクルマを買えるという逆転現象すら起こっています・・・。マツダの一時代を築いたヴァン=デン=アッカー氏が提案する新しいルノーは、個性的なデザインと魅力的な価格設定で日本市場で2014年には4000台を2015年には5000台をそれぞれ突破しました(輸入車トップのメルセデスが1ヶ月で売る台数ですけど・・・)。

  マツダがこれまで追いかけてきたVW・BMW・アルファロメオがいつしか不調に追いやられて、改革を余儀なくされる中で、デザイナーを引き抜くなどマツダを手本にして成長を遂げているルノーに追いかけられる立場になりました。これはちょっと危険な兆候だと思います。追いかける相手を見失った時のマツダはしばしば迷走しがちなのは時代が証明しています。フェラーリやポルシェを追いかけてFD3Sを作ったり、ホンダやBMWを追いかけてアテンザを作った時期をそれぞれにマツダの「躍進期」とするならば、さらなる躍進のためにも新たに「倒し甲斐のある」ターゲットを見定める必要があるわけですが、いまマツダの眼前にあるブランドは・・・どうやらスバルになったみたいです。複数のカーメディアを通して、マツダはスバルのようなAWDの権威的なブランドを目指すことが発表されました。

  パワーユニットの開発が一段落したマツダにとっての次なる技術的なブレークスルーは、ラインナップの総合的なAWD化による「他社との差別化」にあるようです。マツダは決してカローラフィールダーでも無ければ、ルノーのお手本でも無い・・・、あくまで尊敬される「実用車ブランドの雄」を目指す・・・そのためにも「ガソリンエンジン並みに静かなディーゼル」の次は、「2WDよりも燃費の良いAWD」の開発が急務なんだそうです。AWD化によって燃費が向上する!そんなことが実現可能であるならば、とっくにスバル、三菱、アウディ、日産のどれかが作っているのでは?という気がするんですけどね。それでももしマツダが自信をもって「完成」を宣言するなら喜んで試しにいきますし、それに満足できれば喜んで買わせて頂きます!・・・しばらくマツダ車の購入はないかなと思ってましたが、なんだかウキウキするこの頃ですね。

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2015年10月02日

マツダ・新型ハードトップ・スポーツカーはやっぱりあったぁぁぁぁ!!!!

  今年の東京モーターショーでマツダが新型スポーツカーのコンセプトモデルを展示することが発表されました!!! いや〜待った甲斐がありました!いよいよマツダがスポーツカー・ブランドとして再始動するみたいです。MDロードスターがやたらとダウンサイジングに拘ったのは、言うまでもなく上級クラスのスポーツカーをすでに企画していたからだったみたいです。まだ市販化が決定しているわけではないようですが、トヨタかフィアットがもっと開発にお金を出してくれて、OEMで売ってくれるというなら、とんとん拍子で発売が決まりそうですが・・・。

  ロードスターの設計をつかったFRのラグジュアリーなスポーツカーを予定しているという報道は以前にもありました。その時にはフェアレディZよりも一回り高い価格帯(500~600万円?)になるとマツダの幹部が言っていたそうですが、それが今回発表されるコンセプトとして完成したのだと思われます。その話を鵜呑みにすると、ケイマンのベースグレードと同等の価格帯で、ジャガーFタイプのような古典的なデザインのFR2シーター・・・。そしてマツダのスポーツカーと言えばもちろんアレ!が載るのかな?って話なんですけどね。

  新型スポーツカー!果たしてそこにロータリーは必須なのか?と言われれば、個人的な意見としては「いらない!」です(あってもいいけど)。重厚感があってしっとりとした乗り心地を目指した、ジャガーやアストンマーティンのような2シーターを期待するならば、ロータリーよりもむしろハイオク仕様のスカイアクティブG2.5Lターボを最大トルク45kg・m、最高出力350psくらい(アウディの2.5L直5ターボを参照)にチューンしたほうが合っている気がします。この新型ターボエンジンを使って、日本で根強い人気を誇る「TT」「ケイマン」「フェアレディZ」の三つ巴の争いをまとめて追い越してしまうような設計が一つの狙い所ではないでしょうか?おそらくこれで400万円台までディスカウントすればかなり容易に販売の軌道に乗ると思います。

  ただしマツダが公開しているシルエット写真をみる限りでは、ロングノーズ&ショートデッキなスタイルなので、目指している方向はどうやらこの「ちんちくりん」な3台ではなく、ジャガーFタイプクーペやメルセデスAMG・GTのようなアメリカ市場を強く意識した本格2シーター・グランドツアラーのようです。このクラスの代表格と言えば、「Fタイプ」「GT」そしてアメリカン・イディオットと言ってもいい「シボレー・コルベット」「ダッジ/SRT・バイパー」が500~600ps超の異次元のハイパワーでしのぎを削っています。ここに300ps台のマツダの直4ターボでは・・・とても比較対象にはしてもらえない気がします。そしてマツダがこれまで作ってきたスポーツカーともだいぶ毛色が違いますので、メルセデスやジャガーと違ってアメリカではまだまだ馴染みが薄いというマツダのブランドイメージを考えても、ほぼ相手にされないでしょう・・・。

  マツダが70年代の終わりからロータリー・スポーツで追いかけてきた、フェラーリやポルシェのような王道ピュアスポーツを再び目指す!のもとてもロマンがあります。たぶん多くのマツダファンはそれを望んでますよ! RX-7の最終型は間違いなくフェラーリのデザインを越えた「伝説のクルマ」でしたが、フォード傘下で作ったRX-8がやはりターニングポイントだったと思います。確かに予想以上に売れましたが、このクルマを世に出した瞬間からマツダはフェラーリ、ポルシェとは全く比較されないブランドになってしまいました。RX-8発売から早くも12年が経過しましたが、その12年の間にフェラーリは大きな変革を迎えました。NSXを作ったホンダに「フェラーリは化石!」とまで扱き下ろされた地点から、スーパースポーツとして日本車ではなかなか越えられない壁の向こうへと進化してしまいました。「ドライサンプ」も「V8」も「ツインクラッチ」も「HVターボ」も持たないマツダにはとりあえず手出しができない領域です。

  マツダとは違って日産やホンダは今もフェラーリやポルシェを超越するスーパースポーツの開発を継続しています。そのクルマ作りは言うまでもなく高く評価されていて、かつて日本車が獲得したことがないほどのブランド価値を積み上げてきています。今や絶大なる人気を誇る「GT-R」と「NSX」はポルシェやフェラーリの歴代モデルに匹敵するくらいのコアな中古車人気を誇るようになりました。もちろん日産もホンダも世界屈指のメガ・メーカーであって、マツダとは規模も全く違うので仕方がないことですが、それでもかつてのマツダが懸命に目指していた日本メーカーの常識を越えた高いブランド価値をこの両メーカーが獲得しつつあることに、マツダの首脳陣も忸怩たる思いがあったのではないでしょうか。

  バブルの頃と違って、現代では必ずしもポルシェ911やフェラーリ488といったブランドの花形モデルが、常にカーメディアの話題の中心にあるというわけではなく、ポルシェだったら「マカン」や「ボクスター」が、フェラーリだったら「カルフォルニアT」といった傍流モデルの方がむしろ注目を浴びています。古ぼけた996型911よりも、最新の981型「ボクスター」が街中では非常に洗練されたイメージを放っていますし、ブランドの最廉価モデルにもかかわらず「マカン」や「カルフォルニアT」から感じる手抜きを全く感じない熱意のこもったデザインには・・・さすがポルシェ!さすがフェラーリ!とため息が出ます。

  ブランドの最廉価モデルでも決して手を抜かずに全力で仕上げる!これこそがポルシェやフェラーリが他のブランドと境界を構えるポリシーだと思うのですが、・・・これ!そのままマツダにも当てはまりませんか?ボトムラインを形成する「デミオ」や「CX3」のデザインからは全く妥協は感じられないです。レクサスやメルセデス、BMW、アウディといった世界戦略に前のめり気味なプレミアムブランドのラインナップを眺めると・・・しばしばアレ?というちょっと残念なデザインに巡り会いますけどね。マツダはそんなブレブレのくだらないブランドなどは参考にせずに、今後は真っ直ぐにポルシェとだけ向き合えばいいのでは?とすら思います。1000万円以上するスポーツカーを作る必要はありませんが、ケイマン、ボクスター、マカンを個々に撃破できるようなモデルを「スペシャルティ・マツダ」ラインとして揃えていってほしいと思います。

  フランクフルトモーターショーで公開された「越」(こえる)は、マツダ版のマカンだ!と思ったのは私だけではないはず・・・。そして東京MSで発表される新型スポーツに「クーペ」と「カブリオレ」が設定されるならば、今度はマツダ版ケイマン/ボクスターとして親しまれる存在になれるでしょうか? ポルシェに絶対に勝つんだ!という気概さえしっかりと伝われば、世界中のクルマ好きが挙ってマツダのスポーツカーを買ってくれると思いますよ!マツダのこれまでのスポーツカーにハズレが少ないのは、マツダの必死さがクルマからゾクゾクと感じられるからだと思います。各世代のロードスターを見ても絶対に失敗できない!という極限の美しさを備えていますし、そもそもスポーツカーに限らずマツダ車ってどのモデルも「社運をかけての1台!」といった過剰気味の期待を背負ったクルマばかりなんですよね!!!・・・そんな想いが溢れ出てくる設計・デザインがファンにとってはたまらないわけですが。 
  

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posted by cardrivegogo at 02:48| Comment(0) | マツダの戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マツダ「越」 高級SUVに必須なのは超絶ブランド力!?

  フランクフルトモーターショーでの登場が以前から予告されていたマツダ「越」が公開されました!早くも多くのメディアから「CX-4」だとか「CX-6」だとか・・・某ドイツメーカーのラインナップに重なるようなネーミングが予想されています。「マツダのラインナップ展開は単純明快!ドイツのプレミアムブランドへの憧れだけで突っ走っています!」と完全にカーメディアに信じ込ませることで、近年やたらと高い評価を獲得することに成功してきましたが、その反面で非ドイツ的な歩みをマツダが始めようものなら、一気にとてつもない逆風が吹くような怪しげな気配も感じます。

  ニューモデルマガジンXの覆面の執筆陣は口々に「マツダは調子にのっている!お灸を据えてやる!」と連呼して怪気炎を上げています。他の雑誌のディーゼル車の比較企画では、幾多の欧州車はベタ褒めでの一方でマツダ車にだけ重箱の隅をつつくようなダメ出し(とりあえずマツダディーゼルが完全に他を圧倒しているのはさておき)を繰り広げています。まず静粛性に関して、マツダとメルセデス以外は高級車と呼べるシロモノではないのですけどね。ディーゼル分野で頭2つ分くらい抜け出したマツダに対して、出る杭は打たれるじゃないですけど、「マツダはドイツメーカーを追従してさえいればいい!そのポジションから一歩もはみ出すな!」というのがカーメディアの本音なんでしょうね。ドイツメーカーを抜かしてしまうといろいろ私たちの仕事がやりにくくなるからやめて!!!みたいな切実な叫びにも聞こえますけど・・・。

  それにしてもカーメディアを通してマツダ車を見ると、なんだか凄く気持ちが悪いことが多くなりました・・・。まあマツダに限った話ではないですけども、特にマツダに対する評価を読んでいると、コイツら(ライター)は普段からクルマを使って休日を過ごしたりしてないのでは?と穿った見方をしてしまいます。マツダ車の良さは高い技術力だ!とかなんとか偉そうに言ってますけど、何に期待してオーナーはマツダを買うか?という根本のところが解っていないのでは?と思ってしまいます。エンジンの環境性能云々ではなく、マツダの魅力は新製品群においてもまだまだ、ハンドリングやペダルのレスポンスからヒシヒシと伝わってくるアナログ感が魅力です。単純に乗り心地だけで判断したら同クラスのトヨタ車に負けていると感じてしまうやや「荒い」足回りのフィール(固いというより荒いと言うべきだと思ってます!)も含めて、そのトータルがマツダ車がドイツでも人気になる幸福なエンターテイメント・ドライブを備えたブランドだからではないですかね? 

  それでもマツダはそれなりの価格の中型車を展開している「日本ブランド」ですから、BMWミニやメルセデスのFF系に比べれば乗り心地は圧倒的にいいです。とりあえずデミオはミニに全く負ける気はないようですし、アクセラはAクラスに「世界を制したCセグ設計!」として格の違い(FFキャリアの違い)を見せつけています(外見はほぼアクセラで中身はAクラスという謎のクルマが年内に発売されるとか・・・)。BMWやメルセデスのクルマ作りが世界に通用するのは一部のボディタイプに限られていて、やはり文化が違うSUVにしたってコンパクトカーと同様で、「ドイツ人にはセダンとGTカーしか作れない」というのは偏見かもしれないですが、どれもこれもアメリカで売れる水準になっていないです。どのモデルもこの手のクルマにはあってはならないことですが「弱い」です。押し出しが強いとかではなく、クルマ全体として存在理由がよく解らないという「弱さ」が気になって気になって仕方ないです。メルセデスの車名変更(M→GLE)などみても自信が全く感じられませんし、新型になろうとも一見して売れる予感が全くしません。

  BMWに関してもSUVがイケてない!のは同じです。ランドローバーを一旦傘下に収めた上で、堂々とコピーして作られたBMW・X5はランドローバーに通じるSUV独特の美しさを放っていますが、その後に作られたX3、X1そしてX4が全くと言っていいほど「意味がわからない」です。このブランドにしては十分に価格も抑えられてはいますが、1〜4シリーズが使う低スペックなシャシーを使い回しているというだけで購入意欲は全く起こらないです。そしてそれ以上に気になるのですが、デザインがいい加減過ぎるのではないか?と見かける度に思います。予想通りに日本でもアメリカでもそれほど売れてはいないようですけど・・・。

  日本では数年前からSUVをミニバンの替りにファミリーカーにしよう!という動きが活発になっていて、日本メーカーのSUVが1モデルで月5000台売れても全く驚かないくらいです。エクストレイル、ハリアー、ヴェゼル、CX5、CX3、ハスラーなどなど、どのメーカーもハズレを出すことなくこれだけ売れているのですから、デザインにさらにコストをかけているプレミアムブランドで、小型SUVも充実しているBMWやミニはさぞかしウハウハだろうと思いきや、メルセデスの独走に追いすがることすらできていません。

  BMW・X3と同等の価格帯になるレクサスNXは好調な受注を記録しましたし、ポルシェのマカンはX3よりもさらに高価格ですが、とても年内に消化出来ないほどの大量のバックオーダーが舞い込んだようです。SUVを好む人々は、ブランドヒエラルキーを嫌っているという人も多いようです。フラッグシップ車なんてデカいし高い・・・考えるだけでバカバカしい!なんて考えてますから、ヒエラルキーを外れる手頃な価格のSUVがその需要を拾っているようです。カローラで十分なんだけど、クラウンが買えないと思われるのは癪だからハリアー買いました!みたいな・・・・。

  その一方で人気のある高級SUVには着実にステータスが加わって新たなジャンルが形成されており、ほかでもない「高級SUV」そのものに憧れるセレブ嗜好のユーザーも増えているようです。そんな中でレクサスNXやポルシェ・マカンが好調で、前からあるBMW・X3が伸び悩んでいるというのは、そもそも「ブランド価値」という初歩的な判断において、BMWがレクサスやポルシェにすでに負けていることを意味するのではないか?と思います(クルマそのものの評価が低いという可能性も大いにあるわけですが・・・)。レクサスはいよいよ日本にもアメリカで販売している最上級SUV「LX」を導入しました。ベース車は「キング・オブ・SUV」の異名を持つトヨタのランクルシリーズです。

  レクサスが日本で展開されるようになってから10年が経ちましたが、レクサス車を「中身はトヨタ・・・」と批判する人はだいぶ少なくなりました。そもそもプレミアムブランドの存在意義は、クルマそのものに大きなアドバンテージがあるわけでなく、主に販売される店舗のサービスにあります。金持ちはドンキホーテなどのディスカウントショップを嫌ってデパートへ出掛けますが、それと同じように一般ピーポーが溢れる大衆ブランドディーラーにはやってきません。彼ら相手の商売をするなら店構えや接客を改める必要があります。この10年でレクサスが掲げる意味がかなり浸透してきたと言えます。

  しかしレクサスのようなプレミアムブランドの本来のビジネスモデルは、年収30万ドル(4000万円)以上稼ぐビジネスマンがゴロゴロ居るアメリカでは成立しますが、日本のように年収1000万円程度の中流がセレブ気分に浸っているような国では、その効果は極めて限定的なものでしかないです。その証拠になんで金持ちしか来ないはずのプレミアムブランドのディーラーで、やたらと「認定中古車」の販売が盛んなのでしょうか? 新車販売に関してもレクサスはまだしも、メルセデス・BMW・アウディでは最廉価車の本体価格はもはや200万円台の突入しています。スバルやマツダにクルマを見に行く層をなんとか呼び寄せようと必死です。マツダやスバルと競合する価格の輸入車プレミアムカーって一体中身はどんな粗末な造りなの?と怪訝に感じます。日本市場でまだまだ繰り広げられている偽セレブの「プレミアムごっこ」はそろそろいい加減に恥ずかしいので止めてほしいものです。

  メルセデス、BMW、アウディのSUVがそれほど売れないのは、やはりブランド力の薄っぺらさがクルマに出ているからでは? 決してプレミアムブランドというわけではないですが、ジープの販売はアメリカでは絶好調で、その勢いは日本市場に投入される車種が増えていることとも無縁ではないようです。マカンが発売されてポルシェの日本販売台数は昨年比200%以上の伸びを見せていますが、ジープもそれを追って健闘しています。メルセデス・VW・BMW・アウディ・ミニ・ボルボの「6強」にジワジワと迫る7位ポルシェ(去年は15位)と8位ジープ(去年からすでに好調で8位)・・・。SUVが売れるポルシェとジープに対し、さっぱり売れないのがフォード、ルノー、プジョーといった面々です。SUVなんて新しいもの好き(ミーハー)が買うクルマですから、ブランドイメージはとってもとっても大事です。

  マツダ「越」の量販モデルがどんなスペックで、どれくらいの価格帯で販売されるかわかりませんが、マツダは「全てを超越したクロスオーバーを目指す」と力強い声明を発表していますので、CX5のような300万円で買えるお手軽ファミリーカー向けSUVとは真逆の方向へ進んでいってくれそうです。CX5はSUVに関しては後発と思われていたマツダが「ビギナーズラック」の好影響からか、見事に金鉱脈を掘り当てて多くのユーザーを獲得しました! しかしCX5はこれまでのマツダ車がひたすらに拘ってきた、車体のバランスや安全にドライブするための運動性能の良さ(制動・ハンドリング)などがかなり犠牲になっているクルマだと思います。デザインこそ文句無しのマツダですが、中身は経済性の高いディーゼルが多く売れたという意味でもマツダの中のトヨタ寄りのクルマだと感じました。

  スポーツカー・ブランド「マツダ」の面子よりもユーティリティを優先させたことで、トヨタ・日産・ホンダといった巨大メーカーを相手に、価格も含めて素晴らしい競争力を発揮しました。しかしそれを「是」としない、マツダらしさもどこかに残っていたようで、スポーツカー・ブランド「ポルシェ」に負けないような、まさにスポーツカー!と表現されるSUVを作り上げたいという情熱がマツダの公式発表には溢れています!(そう感じます)。「絶対的な運動性能」「走る歓び」そして「これまでのSUVの常識を越える!」これらのマツダが発信する形容に当てはまるクルマは、「カイエン」であり「マカン」です。厳密に言うと「カイエン」の高い重心を下げて運動性能の限界を上げたクルマこそが「マカン」で、フロントに収まるエンジンの重量を考えても「走りの質」は「マカン」でさらに上がりました・・・とりあえずそこいらの日本車SUVとは、「走り」へのこだわりが違うのは解りました。

  実際に「マカン」の走りはCX5やCX3で追従できる生易しいものではなく、マツダのSUV造りの常識を根本的に変えないと足元にも及ばないでしょう。そんな現状をマツダ陣営もしっかりと認識した上で、アメリカの高級SUV市場に挑戦できるようなクルマを作ってやろう!という・・・なんともマツダらしい決意の元にプロジェクトが進行しているようです。とりあえず350psくらいまでは出せる「スカイアクティブGターボ」エンジンはすでに完成しているようで、スペック面で「マカン」とガチンコのクルマを作ることも可能です。

  カーメディアは「マツダにそんな役割は求めていない!」みたいなことを言うでしょうが、彼らが支持するBMW/アウディ/メルセデスに多い「簡便な造り」のSUVはアメリカ市場で思うように販売が伸びずに苦戦しています。マツダがこれらの真似をして「CX4」なんてモデルを作ってしまったら・・・。そういう意味でも「越」コンセプトに付随しているマツダの強烈な宣言は、おそらくマカンへの宣戦布告!を意味していて、CX5、GJアテンザ、BMアクセラ、DJデミオ、CX3、NDロードスターと「小粒過ぎる」クルマがひたすらに続いていて、マツダの火は消えたのか!?と悲痛な思いを抱いていましたが、東京MSで公開される新型スポーツカー・コンセプトとともに、再びマツダの「やる気」が感じられるクルマが・・・まさかのSUVで発売されそうです。

  
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2014年08月15日

マツダ・コスモが復活すれば「AMG」や「アルピナ」にも対抗できる!

  まだジャガーから正式な発表はないのですが、おそらく出るであろうモデルが新型Dセグセダン「XE」にV8スーパーチャージャーのエンジンを搭載した「XER」です。日本のスポーツセダン好きが今一番気になって仕方がないモデルじゃないでしょうか。「C63AMG」や「アルピナD3」よりもレベルの高いアーキテクチャーを採用しつつも、価格はこれらライバルをきっちり下回るのがジャガーの戦略となっているようで、おそらく「業界最安値」が出されると思われます。レクサスRC-Fの価格設定にトヨタも相当に神経を使っているかもしれませんが、ジャガーの出方次第ではプリウス発売時なみの「ダンピング」に打ってでることも考えられます。

  50万円だか100万円だかでBMW・M3よりも安い価格が提示されて、BMWよりも手の込んだ設計がされていたとしても、もともと「セレブ」向けに設定されていることもあって、イマイチ前のめりになれない部分も感じます。もちろん欲しい?欲しくない?で訊かれれば「欲しい!」の部類に入るクルマではあります。しかし「素晴らしい!」と感嘆するというよりも「もっと頑張って!」と生意気なことを言いたくなるというのが偽らざる気持ちです。なんかどこのブランドでもいいけどこのクラスにデカい「風穴」開けてくれないかな・・・もしかしたらジャガーがやってくれる!?なんて淡い期待をしています。

  日産はV37スカイラインにGT-Rのエンジンを載せた「オールージュ」という究極のスポーツセダンを繰り出してくるそうですが、価格も完全にC63AMGやM3/M4を下に見ている1300万円ほどになるそうです。なんだかな・・・。余計このクラスの人気が下がりそうなことを平気でやってくる日産に悪気はないと思いますが・・・。アルファロメオも新型セダン「ジュリア」にGTAというスポーツグレードを設定してV6の3Lツインターボで500ps出すみたいです。いくらフェラーリ擁するフィアットが母体とはいえ、V6ツインターボなんて専門外でしょうし500psなんてすぐに焼け切れそうな気が・・・。グループ内のクライスラーが作るV8のNAは沢村慎太朗さんも絶賛の名機なのでアメリカに再上陸するならこれでいいのでは・・・。

  まあアルファロメオもいろいろと必死なんでしょうね。日産は余裕というべきか、まあより上層の客にインフィニティを売り込もうという単純な狙いしか感じられません。やっぱりある程度の実績を評価するならばジャガーXE-Rが本命になりそうです。キャデラックATS-Vというのも登場するみたいですが、ベース車の評判が最低ランクなのはちょっと痛いですね。VWグループからはポルシェ・パジュンSとアウディRS5(新型)が2017年くらいには出てきそうです。ポルシェはGT3の失態(火災頻発でモデル廃止)から新型エンジンとして「フラット8」の開発を進めているみたいで、これがNAで470psくらい出して戦闘力十分!そしてこのエンジンを縦置きに改良してFRのパジュンでも使ったりするとなかなか面白そうです・・・。やっぱりポルシェは夢があります。アウディRS5はディーゼルHV?みたいなところ(アルピナ枠)を狙うのかな。

  さてDセグ高性能車の市場は、俄に「戦国時代」の様相を呈しています。中国市場も今後さらにこのクラスを中心に伸びるという見通しもあるようで、とりあえずライバルの上に、そして頂点に立つ為のかなり本気の開発が各メーカーともに進んでいるようです。このクラスで各メーカーが本気を出して作り出したら勝つのはやはり日産かポルシェになりそうな気がします。しかしちょっとブッ跳んだ話になりますが、もしマツダが「ユーノスコスモ」を復活させてこの「戦乱」に乗り込んできたら!?これはワクワクしませんか?

  2017年に噂されているRX7の復活で、スーパースポーツに殴り込みを果たすようです。かつてスカイラインGT-R、ホンダNSXと並んで、サーキットでフェラーリ360モデナやポルシェ911GT3を猟ることが出来たという希有の国産名車FD3Sの後継に相応しい走行性能とデザインを兼ね備えたモデルを期待したいです。しかし時代は変わりV8のフェラーリもNAで570ps 出すようになりましたし、対する日本車のエースGT-Rも550psを誇るようになりました。これまでのマツダが経験したことがないほどの高出力の時代であり、RX7が再び頂点が狙えるクルマとしてカムバックするにはかなりのハードルがあるように思います。

  しかしそれでもマツダならやってくれるのでは!?という期待も十分にあります(そもそもRX7復活の話は本当なの?)。マツダならフェラーリやポルシェに肩を並べることも不可能ではないでしょう。・・・ということは、マツダが復活するRX7に注ぎ込む技術を、Dセグクーペのボディに詰め込んで「ユーノスコスモ」として発売したならば、フェラーリやポルシェを相手にするよりも数段楽勝で、AMGやレクサス、BMW・Mを抜き去ることができるでしょうし、その結果マツダがブランドとして得られる栄誉はその労力に十分以上に見合うものになりそうです。ぜひ真剣に検討してもらいたいと思います。


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posted by cardrivegogo at 05:36| Comment(0) | マツダの戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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