2018年03月06日

『5シリーズの広さなのに3シリーズの価格』という評価の価値




新型のマツダ製造車が登場予定
  マツダが今年は新型モデルを発売しないらしいので、あと1年どーやって過ごして行けばいいのか〜と思っていましたが、今度のジュネーブモーターショーで、マツダがOEM生産している『アバルト124スパイダー』にハードトップモデルが出るとのこと。フィアットの1.4Lターボ・170ps/5500rpmが使われていますが、これも1750TBと呼ばれるアルファ4Cの1.75Lターボ・240ps/6000rpm搭載の特別モデルが出るのでは?と期待しています。アルピーヌA110に対抗する!?

マツダシャシーにショートストロークエンジンが復活!?
  元々はアルファロメオに供給する契約だったと言われている『124スパイダー』ですが、発売時に1750TB搭載のラリー仕様コンセプトモデルも発表されていました。おそらくマツダの開発陣もNDロードスターのシャシーにアルファの1750TBが載る企画には相当に乗り気だったのでは!?完全に推測の域を出ないですけども、マツダが1.5Lのロードスター用ユニット131ps/7000rpmを除いて、自然吸気でも5500rpmに抑えたトルク重視の実用エンジンばかりを揃えたのは、ガソリンとディーゼルの併売による乗り味やミッションなどを共用する目的があったはず。その一方で走りのユニットに関してはアルファロメオの1750TBの搭載に期待していたんじゃないかと・・・。

マツダスポーツカーにとって絶望的な状況
  NDロードスターは海外では色々なコンプリートモデルが作られていて、中にはV8搭載なんてのもあるらしい(まっすぐ走れるのか!?)。「面白いクルマに仕上げる」という仕事は、海外のチューナーに任せておけばいいのかもしれない。残念なことに現在のマツダには決定打と言えるようなユニットがない。2.2スカイDは確かにインパクトあるんですけども、トルクに特徴があるエンジンは、ボデーががっちりしたいかにも『ドイツ車』みたいなモデルにしかハマらない。ディーゼルはマツダが半世紀の歴史を紡いだピュアスポーツカーとの相性が絶望的に悪い・・・。
  
SUV屋 と ハッチバック屋
  現在のマツダは誰がみても「SUV屋」になってしまった。その傍らで「ハッチバック屋」の商売も続行しているけど、ここ数年このジャンルでは欧州の大手メーカーが相次いでしくじっている。あれだけの意欲作のメガーヌGTが売れないのはキツいなー。英国トップギアの見立てによると、スポーティな『Cセグ』は間も無くメルセデス、BMW、アウディに蹂躙されるようになるとのこと。そしてより短距離で使うBセグは、電動化の波に飲み込まれるのが不回避らしい。Bセグのコスパはすでに6000ユーロ程度のAセグ(軽自動車格)の前に無力化しているらしい。マツダも「プレミアム」と「EV」は公式に掲げているから、今後予想される市場変化は十分に察知しているようだ。魁コンセプトはマツダが手がける次世代の「プレミアム&EV屋」の主力商品だと思われる!?そして結局のところ現在のマツダで採算が取れているのは『SUV』と『ハッチバック』の2部門だけ・・・。

GGアテンザの流儀
  15年前にマツダのピンチを救ったのはアテンザ。このクルマを生み出して波に乗った当時は、「ハッチバック屋」でも「セダン屋」でもなく「殺し屋」だった。マツダ倒産を覚悟した決死の切り込みでE46も156も406も・・・全部抹殺しようとしたらしい。GGアテンザの主査を務めた金井さん(現・マツダ会長)は、もう自由にクルマを作れるのはこれが最後だからマツダらしいクルマを作ろう!!みたいなことを言ったらしい。(マツダ株で損した人には悪いが)やっぱりマツダは「殺し屋」が似合う。バブルの頃は日産やポルシェを仕留めようとしてたな・・・。

『GGアテンザ』というジャンル
  GGアテンザは「ハッチバック」でも「セダン」でもなかった。ボデータイプとしては、セダン、ハッチバック、ワゴンの3種を販売していたのは間違いないけど、「ハッチバック」として小さくまとまることもなかったし、「セダン」としてメルセデスを意識することもなかった。どう表現していいかわからないけど、VWゴルフとメルセデスEクラスを足して2で割ったような「ブルーバード/コロナ」とでも言うべきジャンル。

ドイツ と 日本 の親和性
  このジャンルはもしかしたら日本車が源流なんじゃないか!?それくらいに日本のカーライフにハマる。いやオリジナルはBMWのノイエクラッセ(1961年)だろう!?いやいや初代スカイライン(1957年)だろう!? このジャンルはやっぱり特別だ。何が最初か?なんてもうどーでもよくて、50年だか60年だかの歴史の中で登場した幾多の傑作モデルが多くのクルマ好きの支持を得てきたことが大きい(大きかったと思う)。日本とドイツの自動車産業が共鳴して作られた「クルマ好き主導のジャンル」。これがいつしか日独メーカーからあからさまに否定されるようになった!?今のマツダには該当するモデルが無い。日産にも無い。まるで現経営陣が意図的に避けているかのように・・・。

意味がない・・・
  「5シリーズの広さを3シリーズの価格で」これは欧州(イギリス)における現行MAZDA6(GJアテンザ)のセールスポイントとしてカーメディアで謳われていたものです。5シリーズ並みの快適性を3シリーズ並みの価格で実現することは、スペースや静粛性のデータを考えて無理なく設計したとしても日本メーカーにとってはどうってことはないはず。欧州では「すごーい」かもしれないけど、日本には既にクラウンがあるわけで。もしマツダが「サルーン」を作るなら前にも書いたけどルーチェレガートのような国産最高峰を目指してもいいけどね。

闘いの中で評価を上げるのがマツダ流
  けどアテンザにとっての幸せなゴールはそこではないと思う。GGアテンザが正義だとするならば、やはりこれからのアテンザが温めるべき客層は、「ブルーバード/コロナ」組の中で目一杯に尖っていたカペラの系譜を引き継ぐことだと思う。欧州市場が不満を言っているように現行アテンザにはハッチバックが無い。そして世界が求めているのは「5シリーズの広さを3シリーズの価格で」ではなく、「3シリーズを超えた走りを3シリーズの価格で」なんだと思う。確かにうるせー客を相手にしなきゃいけないし、開発競争は大変なのに実入りは少ない。(経営上の)大怪我をする可能性も出てくるだろうけど、大手が手出しをしないジャンルだからこそチャンスが転がっている。4シリーズGC、XE、ジュリアをまとめて蹴散らす新型アテンザを期待したい。





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2018年02月11日

欧州でもアテンザワゴンがフェイスリフトだってさ!!




アテンザの新展開
  欧州向けワゴンとして大幅リニューアルで公開されたGJアテンザが公開されるようです。どうやら噂通り4世代目のアテンザは本当にボツになってしまったみたいです。初代(GG)/二代目(GH)においても改良プラットフォームの引き継ぎによるFMCが行われましたが、フラッグシップだったEセグのミレーニアがある中で開発されたGGと、ミレーニアに代わってフラッグシップになるために大型化して開発されたGHでは、設計上のだいぶ大きな変更点がありましたが、三代目(GJ)から次へのアテンザの開発環境は、ほぼ変化なしなので、担当者も何を目指してFMCするのか困るところだと思います。

アテンザは噂通りにアレになるのか!?
  ほぼ噂の域を出ないですが、5&6世代目はFR化され、よりプレミアム志向を強めたラグジュアリーセダンに生まれ変わるとか言われてますが、そのFR化を数年前倒しにする代わりに4代目の開発を白紙撤回したのかもしれません。アクセラ&CX5と同じシャシーを使うようになった3代目アテンザですが、アテンザのG系とアクセラのB系を統合した形の『スカイアクティブシャシー』は、新規設定されたCX5が想像を超える爆発的な売上を見せたおかげで、それなりに予定よりも早く焼却の目処がついたのかもしれません。そしてアクセラとCX5で80万台/年を賄える状況ならば、(共通skyシャシーから)再びアテンザを切り離しても大丈夫という判断でしょうか。

スカイアクティブシャシーとはなんだったのか!?
  マツダのシャシーも全ラインナップ統合ありきのひと昔前の路線から変わってきているようです。北米向けの『スカイアクティブ』じゃないシャシーで作られたCX8が登場して、日本向けSUVの3車種は全て、異なるシャシーというトヨタ、スバルとは違う方針で突き進んでいるマツダ。クラスの違うSUVを別々のシャシーで作るのは、ジャガー・ランドローバーやBMWが実践していますが、車両価格が災いしてかあまり拡販には至っていないようです。BMWはMINIベースのX1/X2、3erベースのX3/X4、北米シャシーベースのX5/X6の3段階に対抗するかのように、デミオベースのCX3、アクセラベースのCX5、北米シャシーベースのCX8。

800万円のマツダ車・・・
  これにさらにFR化されたアテンザをベースに『CX11』とかいうラージサイズのSUVが出てくる!?今時は新型シャシーを作ったらとりあえずSUVを投入して、一気に拡販して数字を出すのがスズキ/フィアットといった小型車メーカーからポルシェ/マセラティといったラグジュアリーブランドまでの常識になりつつあります。マツダにはそういう「無個性」なビジネスはふさわしくないと思うのですが、CX5がこれだけヒットしてしまったら、経営陣の頭の中はやはりSUVありきになってしまうでしょうね。

GJアテンザは黒歴史
  ちょっと厳しいことを書きます。北米版の改良アテンザセダンと、欧州版の改良アテンザワゴンが、そのまま3月くらいに日本でもマイナーチェンジをして発表されるようですが、このクルマは一体マツダとしては何%の出来栄えなのか!?発売前から恐縮ですけども、既存のGJユーザーが乗り換える、あるいは個人タクシーで採用される以外に売れる見込みはあるのだろうか!? MAZDAには申し訳ないですけども、2012年の発売からずっとGJアテンザは「黒歴史」になるだろうと、このブログで主張し続けてきました。理由は本当に色々あります。

マツダの経営は誤算続きなのか!?
  フォードから離れ、赤字転落、倒産がかなりリアルな状況で、世界の有名ブランドを相手に性能で対抗できるモデルを作るという理想を掲げるのはとても大変だったと思います。状況としてはGGアテンザを作った時のMAZDAに似ていたように思いますが、あの時はフォードが後ろ盾になっていましたが、2012年当時は完全に背水の陣でした。マツダディーラーの雰囲気も暗かった。MAZDAがこのまま潰れてしまうのか!?って思って記念にGHアテンザを新車で買いましたよ。GGもGHもアテンザとは何か!?ミドルサイズカーとは何か!?を真剣に考えた結果、アイディアがたくさん詰まったパーフェクトなクルマでした。世界で売れて当然。リーマンショックさえ来なければ・・・。

その先が『1mm』もなかった
  GJアテンザを見ての感想は、「目先をとったな」でしたね。高コストがアダとなった直後ですから、まあこれが現実的な解決策だったのかもしれないですけど、完全にカペラ時代への逆行を感じました。タクシーにはちょうどいいんじゃないの!?(17年前のカペラにイギリスメディアが投げかけた辛辣な一言)。 MAZDAが何も考えていない!!とは言いませんけども、あまりにもこのクルマ(GJアテンザ)への投資に関しては後ろ向き過ぎた気がします。2012年に発売されてから、その先が全く用意されていないとは思わなかったです。さて2.5Lターボの日本発売はやはり「無し」なのか!?

GJを経てもまだマツダはまだスタート地点だった・・・。
  マツダが中長期的に、次世代の内燃機関を世界に誇示して、日本でクルマを作ることの意義を追求する計画は変わらないでしょう。その中でMAZDAが示しているのは、日本車の価値を引き上げる洗練されたAWD機構のシェア拡大であり、今よりもラグジュアリーなブランドイメージを確立するためには、さらなるトルク&出力の積み増しは不可欠ですが、マツダの横置き設計では42kg・m/280psくらいが限界。これをさらに高めるには、縦置きユニットを使うシャシーを開発しないと、運用は不可能・・・。そういう結論にMAZDA首脳部はとっくに達しているはず。

とにかく次のアテンザでは何かが起こるはず。
  つまりMAZDAがデザインにお金をかけたり、エンジンにお金をかけたり、国内生産ラインを整備したりする、現状の活動の先には、ボルボのようにギリギリまで横置きで粘るという選択肢もありますけども、マツダがトリプルチャージャーのスーパースポーツ級ユニット用とみられる特許を複数取得し、FF設計を引き継ぐことが既定路線だった4代目アテンザのFMCが噂通りにキャンセルされたならば、いよいよFRでAWDありきの上級モデルシャシーを投入することが決まったと断言してもいいのかもしれません。


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2017年11月25日

アテンザのターボもいいけど、北米で売るためには・・・

マツダが目指す険しい市場

ターボになったアテンザ。さらなるアメリカンスタイルを貫くつもりなんでしょうけども、その先に見据えているモデルはどこのブランドのクルマなんでしょうか!?まさか日系大手3社のアメリカでよく売れているセダン(アコード、カムリ、アルティマ)を目指しているのか!?ごくごく最近の北米でのセダンセールスには少し変化が起こっています。ホンダはアコードからシビックへユーザーが移動。日産もアルティマから、小さいセントラと大きいマキシマへとユーザーが分裂しています。

マツダも2.0LガソリンのMAZDA3と2.5LガソリンのMAZDA6の二系統が存在しますが、4.8m級のセダンでは3.5L程度のV6エンジンが当たり前のアメリカ市場ですから、ラインナップ的にちょっと迫力負けしています。実際にホンダ、トヨタ、日産のセダン需要は昨年比で伸びているのに、マツダ、スバルはガタガタ。スバルは北米ではマツダの2倍のシェアがありますが、3.6L水平対向6気筒のユニットがあることが大きいですね。GHアテンザにはあった3.7LのV6車が、現行のGJアテンザでは直4に一本化されたことで、『魂動』になってから大幅なシェア拡大が期待されたアメリカ市場ですが、予定通りにディーゼルが投入できないなど不幸もあったとはいえ、現状のアテンザ、アクセラの販売は縮小しつつあります。

アテンザに3.7LのV6ってのも、クルマのバランスを考えるとゲロゲロな感じではあります(乗ったことないけどさ)。要は400psくらい出せるユニットを用意すればいいわけですから、EVになるまでの間に、2.5Lターボでアメリカのトレンドに合わせようという考えなのだと思われます。



マツダの旗を欧州へ掲げよう!!

アメリカ市場に引っ張られ続けるMAZDA6は、GGアテンザに感激した日本のファンの『アテンザ像』とはどんどん離れて行くことは避けられないでしょう。2002年のデビュー以来GGアテンザは、次々と世界各地のCOTYを獲得し、日本のグローバル車にとっては最高の栄誉と言える『欧州COTY』においても、中型車以上で3台目のファイナル進出を果たしました(88年プレリュード、91年プリメーラ、03年アテンザ、04年アベンシスの4台のみ)。間違いなく世界的な名車であるプレリュード、プリメーラ(P10)と肩を並べました。

マツダが『魂動』になった2012年以降で、マツダ車のファイナリストは14年のアクセラ、16年のロードスターの2台がありますが、日本車は全体的に低調で、他には12年ヤリス、13年86、17年C-HR、マイクラのみ。もちろんDセグ以上のモデルはありません。さすがは欧州の目というべきか、ことごとく革新的でインパクトがあった『ユーロ・スペシャル』なモデルばかりが選ばれています。

なにやら復活が噂されるプレリュードですが、北米ではアコードクーペという「プレリュード的な」なクルマが存在します。プリメーラも日産のラインナップでは200ps級の1.4Lターボを積んだセントラとして、アメリカ、中国、タイなどで販売されています。なぜかどちらも欧州では売っていないですが・・・。GGアテンザは今も中国では人気で生産が継続しているらしいですが、このマツダの実力を世界に示したらいいのでは!?

もう一度マツダにはDセグで勝負してもらいたい。プレマシーの生産終了で欠番になった『MAZDA5」もしくは『MAZDA4』としてアルファロメオジュリアやジャガーXEみたいなサイズ(4645mm✖️1868mmくらい)のスポーツセダンこそが、日本でも欧州でも北米でも望まれていると思うのですが・・・。



ホンダに出し抜かれている場合ではない。

シビックは日本市場発売から2ヶ月で受注が2万台を超え、予想以上に高い割合で『MT』が売れているんだとか。あれ!?アクセラではそんなこと起こらなかったのに。300万円のディーゼルLパケはアクセラにとってはちょっと高過ぎたのかもしれないですけど、シビックの『MT』が選べるハッチバックもベース価格で280万円ですから、シビックのネームバリューの前にアクセラは完敗と言っていい結果です。北米で販売している2.5LスカイGに『MT』を組み合わせたモデルを日本でラインナップするなら260万円くらい(CX5の価格から計算)に収まったはず。

アクセラに2.5LスカイGはオーバースペック気味という判断はもちろんあるでしょうけども、シビックに搭載されている1.5Lターボは、ホンダの2.4L直4自然吸気を代替するためのユニットとされていて、オデッセイのK24Wに勝るスペックを持っています。K24Wがベンチマークしているユニットは、BWMの直4ターボでおなじみのN20、B48ですから、ドイツメーカーの180ps級直4ターボを想定しています。マツダの現行ユニットでここに対峙するのは2.5LスカイGなわけですから、シビックの結果を見る限りでは、このユニットに需要があったと言えそうです。

もしかしたら急ピッチで用意されているかもしれないですが、アクセラとCX3に2.5LスカイGの『MT』はどうでしょうか!?ロードスターをベースにした本格クーペモデルを作り、縦置き化してよりスムーズな吸排気を実現した新型車があってもいいはず。来年の欧州COTYにはtypeRで欧州を騒然とさせているシビックは、ファイナリストどころか、エコカー以外で初の大賞受賞もありえるかもしれません。

日本ではカーメディアの情報操作もあって、マツダ、スバルは好調で、ホンダは低調だと伝えられていますが、2012年から現在までの実績を考えると、世界最高峰のセダンと、ハイテク・スーパーカー、ミッドシップのライトウエイト、そして話題騒然のtypeRに至るまで、あらゆる面で世界の注目を勝ち取ってきたのはどのメーカーなのか・・・自明ですよね。投機目的の限定モデル・スポーツカーを700万円で売っていい気になっているメーカーとは違うわけです。欧州メディアはS208なんてまるで興味なしですよ。マツダも「口だけ」にならないように、世界で間違いなく勝てるクルマを作るべきじゃないですかい。





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2017年11月21日

アテンザにいよいよターボモデルが登場した!!

まずは北米から発売

年明けにもサプライズのフルモデルチェンジがあるのか!?と思ってましたが、ちょっと様子が変わってきました。なんの前触れもなかったですが、GJアテンザの北米モデルにビッグマイナーチェンジが施されたようです。インパネにはひと昔前の高級乗用車に使われるようなウッドパネルが配置され、写真で見たところCX8Lパケに使われている素材をアテンザにも拡大するみたいです。国内専売のCX8Lパケだけに使うには、凝ったインテリアだとは思っていましたが、なるほどGJアテンザでも使うのか。

そしてビッグマイナーのもう一つの目玉が「アテンザ2.5スカイアクティブGターボ」の追加らしい。これ日本にも入ってくるのか!? マツダのガソリンターボは、北米向けCX9用に導入されていて、2.5Lの250psくらいです。アウディ、BMW、メルセデスがおよそ2トンもある重量級SUVにも2Lターボをあてがっていますが、さすがに1.5トンクラスの乗用車用とは違い、低速トルク重視のチューンがされています。マツダはさらなる1000rpm以下のターボ過給が滞りがちな領域でもスムーズに走れるように、排気量に余裕を持たせています。しかしスペック表では5000rpmで頭打ち・・・そこはドイツ車と差別化して欲しかった。typeRのような回るターボにしてくれー。

しかしMAZDAですからねー。やるんじゃないですか!?いや・・・絶対にやるはず。馬鹿なことを。初代に設定があった2.3Lターボを使った「マツダスピード・アテンザ」に肩を並べるスペックはすでにあるわけですが、北米せいぜい月に2000台しか売れない(そんなに売れてんのか!!)CX9の為だけに、ターボエンジンを作ったりしないはず。その程度の需要ならば外部から調達した方が合理的でしょうし。メキシコ工場でピックアップトラックを作るのかなー!?フォード傘下ならいざ知らず、今のMAZDAはそんな柄じゃないです。狙いは間違いなく中国とアメリカで400ps級の高性能セダン&SUVを売ることじゃないですか!?

マツダのアテンザ進化計画は!?

しかしハードルも高いです。50kg・m級のトルクを支えられるミッションはマツダではまだ実用化されていないです。北米マツダが参戦しているレース用マシンで使っているミッションは、MZR2.0ターボを英国のAERがチューンした600ps級ユニットのトルクを捌く容量がありますけど、このミッドシップ用が市販車向けになるとは考えにくいです。NDロードスターのようにアイシンAWから供給してもらうのが現実的ですが、横置き用だと8ATが50kg・mに足りないくらい、6ATが45kg・m程度です。アイシンAWを使うボルボ、PSA、BMW(FFモデル)の限界はこの辺ですけど、メルセデスAMGとアウディRSには60kg・mを可能にしたDCTがあります。

日本メーカーとして純粋にクルマ作りをする上では絶対に必要ないですし、横置きFF車に使うにはあまりにも無謀。AMGもRSもAWDにLSD、横滑り防止でガチガチに囲い込んでいて、要するに「無駄に無駄を重ねた」だけのヘブンリー&バブリーなクルマなんですけども、アメリカ、中国の二大市場で知られた存在になるためには必要な装備と考えられています。テスラが爆発的に存在感を増しているのも、「ゼロエミッション」のインパクトだけでなく「ヘブンリー&バブリー」でオーソドックスに人々の欲望に訴えたからなのは誰の目にも明らか。リーフやiミーブとは受け止められ方が違うし。

手前勝手な予想で恐縮ですけども、東京MSに出品された「ビジョン・クーぺ」が次期アテンザの原型だとするなら、マツダもいよいよ「テスラありきの世界市場」を見据えて次世代商品群を開発しているのは間違いないでしょう。EVとしてテスラと張り合うのではなく、テスラのもう一つの本質である「人が憧れるカーライフの実現」。たった1台のクルマを手にした瞬間に世界の景色がガラリと変わる。そんな乗用車/サルーンをEVとは別のアプローチで模索しているはずです。

マツダとレクサスの対比

メルセデスがいて、テスラがいて、もう一つの選択肢に入り込むのはポルシェなのかインフィニティなのか、それともマツダが滑り込むのか。この5ブランドに共通するのはブランドが積み上げてきたヒストリー/伝統を全て破壊してでも、「今求められている理想」を手繰り寄せることへの「徹底」「集中」だけが高級車の売れ行きを決めるファクターになっているという現実を受け止めていること。新型レク⭕️スL⭕️を見て、「つまらねー」とどれくらいの人が感じたかわかりませんけども、あの仕事ぶりではレク⭕️スの命運はいよいよ尽きたかも。

マツダの魂動デザインも結局のところは日本でも、アメリカでも、欧州でも勝てなかった。メルセデスCクラスに3つ全ての市場で負けた。相手がメルセデスだろうがポルシェだろうがマセラティだろうが負けたらもう終わり。そんな出来損ないはさっさとスクラップにして、もっといい仕事をするしかない。東京MSを見る限りでは「負けた」と認識したマツダと、全く思っていない(であろう)レク⭕️スの対比は滑稽に感じました。

インフィニティとアキュラの技術は北米で爆発している!!

レク⭕️スは置いといて、北米版MAZDA6は22000ドル〜という価格帯にもかかわらず、35000ドル〜の価格になっているインフィニティQ50(スカイライン)、アキュラTLX(アコードベース)に販売台数で負けてます。MAZDA3とほぼ変わらない装備しか持たないMAZDA6に対して、北米専用の3.0LのV6ターボを用意するQ50や、世界初?のトルコンDCTを採用し、ベース車のアコード(CVT)と差別化を狙ったアキュラTLXに負けたということは、マツダが「完全に技術で負けた」ことを意味します。

今回のビッグマイナーチェンジは「応急処置」といったところでしょうか。V6ターボなのに6400rpmにピークがあるという日産のVR30DETT。そしてV6自然吸気&Vテックのホンダユニットに対抗するには、ドイツメーカーの猿真似みたいな低速トルクの貧相なターボでは話にならない。Cクラスのベースモデルは250psを発揮するC300(40000ドル)なので、マツダのターボがやっとCクラスのボトムグレードに肩を並べるくらいでしか無いです。ガソリンターボをチューンアップしつつ、Cクラスを完全に凌駕できるような「ビジョンクーぺ」のデザインをそのまま量販モデルに取り入れられれば、メルセデス、インフィニティ、アキュラを相手に戦えるようになるわけですが・・・果たしてマツダにそこまでの覚悟があるのだろうか!?


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2017年10月03日

GJアテンザの「粗」ってなんだよ!!??

  2012年の発売当初から、現行のGJアテンザについては辛口の評価をしてきましたが、それはマツダの実力を世界に示したGG/GHアテンザの後継モデルとしてやや「期待はずれ」だったからなんですけども、GG/GHの世界的な偉業を「無視」してきた日本のカーメディアに、改めてGJアテンザの「粗」とか、ややオブラートに包んで言われると、何を言ってるんだコイツら!!っていう気分になります。

  「粗」と発言したのは、ニューモデルマガジンXに連載を持つ高平さん。カーメディアで名の知れたライターの中では珍しい「ホンダ派」です。ホンダが大好きな高平さんと、フェラーリとGTRが大好きな西川さんと、マツダが大嫌いな斎藤さん。この3人のコーナーだと知っていながら、無防備に読んでいるマツダファンが悪いのでしょうけど、カムリHVに対する対談レビューなのに、まさかのGJアテンザへ飛び火かよー。

  カムリといえば、世界で一番売れているミドルセダン。もうそれだけでスゴイじゃん。日本のカーメディアなんて「世界で最も支持されているCセグハッチバック」っていう根拠不明の触れ込みで、わけわかんないクルマを絶賛したりしますけども、カムリは堂々のナンバー1ミドルセダンなのに・・・なぜかボロクソに言われています。

  少々手前勝手なことを申しますと、私はカムリHVは「なし」だと思っています。GJアテンザよりも上手く作りこんだとトヨタが自惚れているサイドのライン。確かに綺麗ではあります。GJアテンザも新型カムリHVも、乗り込むときのサイドからの威容は、メルセデス史上最高デザインと言われるW220(2代前のSクラス)に匹敵します。300万円台の国産車がこれだけのスタイルを獲得できた!!というのは素直に商品力の向上と捉えていいのかも。しかしカムリは「なし」です。マツダ以外のメーカー(ドイツブランドとか)のセダンを買うくらいならカムリHVでいいと思いますけど、アテンザとはやはり「スタンスが違う」んですよ・・・だからマツダファンだけが、カムリは「なし」だと言っていい!!

  サイドデザインの話が面白いのでもう少し続けます。国産車なのに左ハンドルだったら!? ちょっと変かも知れないですが、アテンザとカムリに関しては、左ハンドル車が日本でも用意されたら、さらにW220のレベルに近づけるんじゃないの!?という気がします。左向きのサイドラインのコクピットに乗り込むべく、左手でドアハンドルに手をかける構図の方が、その反対よりもあらゆる点で「高級」に見える。日本は左側通行だから路上に乗り込む姿を歩道から眺めると、左ハンドル車の方がエレガントなんですよね。もしマツダやトヨタに「この車の生命線はサイドラインだ!!」くらいの『狂気』があるならば、国内市場であろうとも左ハンドル(輸出用)を売っていいんじゃないの!?

  W220を買うならば、今がお買い得50~80万円くらいで2003~2005年式の後期モデルが買えますけど、ちょっと気合をいれてS500なんて買ったら。5LのV8が2トンオーバーの巨艦を引きずる光景を想像するだけで冷や汗が・・・500km/2万円という新幹線の普通席料金と同等の燃費を払わされます。これがアテンザXDやカムリHVならば、500km/5千円以下で走れます。なんかあまりにも隔絶過ぎていて、比べるのもアホくさくなりますけども、10年ちょっとで実現したセダンの大いなる進歩は、十分に満足できるんじゃないでしょうか。



  トヨタとマツダがどこの市場をみてFFの4900mmクラスのFFを作るのか!?それをなぜか『Sクラス互換』ではなく『スポーティ』で売ろうとするのか!?高平、西川、斎藤の3者がカムリHVに手厳しいのも、このクルマに内在する「歪み」に釈然としない部分が見えているからでしょう。レクサスIS350Mスポのハンドリングが「ダルい」と感じてしまったマツダファンにとっては、トヨタのセダンに余計な「期待」なんてできないです。

  おそらくカムリHVよりも剛性が高いシャシーを使うレクサスISが狙ったパフォーマンスを引き出すために、フロントにダブルウィッシュボーンを配していても、トヨタの基準のためか、(メルセデスを意識する)レクサスの高級イメージを守るためか、ゾクゾクするようなハンドリングにはなってないです。決してトヨタ86の基準でエキサイティングなハンドリングを求めているわけではないです。86はハンドリング「だけ」で成功してしまったなかなか稀有な存在ですけども、これは1200kg台にまとめた車重と、ハンドリングにダルさが出ないギリギリのところを狙ったホイールベース(デミオと同じ!!)ゆえに完成した世界感です。

  トヨタとマツダ。国内メーカーでは、クルマファンの人気を二分する存在らしい(ベストカー10/26より)。この2メーカーならば不可能はないんじゃないか!?86のハンドリングを持つセダンが作れるんじゃないか!?・・・夢見すぎだな。カムリやアテンザが1250kgになるか!?ホイールベース2570mmになるか!?はっきり言ってアルテッツァやGGアテンザのイメージを両車に重ねるのは無理だ!!それなのにカムリのCMではアルテッツァやアリストが復活したかのような煽り。まあそれに対して3人のおっさんが皮肉をかましたわけですね・・・俺たちの青春を商業主義で汚すな!!ってことか!?

  散々にカムリHVをディスった後で、「それでもこのクラスはカムリHVくらいしかないよね!?」「たしかに・・・アテンザはもう古い!!粗も多いですし・・・」「350万円あればCLA買える!!だからCLAが売れてる!!」みたいな結びになってました。マツダのフラッグシップよりも、メルセデスやトヨタの『食パンモデル』の方がいい!!って結論みたいです。アテンザもこのグループに括られてしまうと辛いな・・・、単なる食パンだったらマツダを選ぶ理由はない!?

  GJアテンザ。それから同じ設計を使う4代目になるGK?アテンザ。この2世代で達成すべき課題は、やはり「脱・食パン」ですねー。マツダはすでにその道筋をつけていて、やはりAWDの「トルクベクタリング」による、擬似LSD化でしょうか。マツダはLSDの総本山であるGKNと提携していて、ロードスターには「トルク感応式」の『スーパーLSD』なるものがGKNから供給されています。物理的にゴツい金属ギアを使った機械式ディファレンシャル(LSD)だけでなく、センサーとブレーキ制御によって同じような効果を出す「擬似LSD」は997型ポルシェ911の前期モデルにも使われていて、それが一部で酷評されたようで後期型では撤去されましたが、マツダのトルクベクタリングはどうやらその技術の「お古」みたいです。

  ポルシェは「リアルLSD」に回帰しましたが、三菱が、三菱電機のアシストで電制の「擬似LSD」を『AYC』へと進化させたように、マツダにも日本メーカーらしく「電制」を極めて欲しいですね!!RNM・メルセデス陣営とトヨタ陣営の対立構図が鮮明で、日立も三菱電機もマツダが参画しているトヨタ陣営と対峙するライバル陣営に与しているので、道のりはやや険しいですが、マツダと同じ住友グループには、車載バッテリー生産で世界一のパナソニックがありますし、姫路で車載バッテリー専用の新工場が開設されるという景気のいい報道もありました。トヨタ、マツダ、パナソニック合同によるEV開発のためらしい・・・。



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2017年04月28日

アテンザはやっぱり「BAD✖︎ノンコア」なのか!?

  北米市場の3月統計によると、マツダの販売台数は前年同月比5%増で順調です。10000台以上の販売を記録している14グループの中ではジャガーランドローバーの18%増、スバルの11%増についで3番目の伸び率です。3グループに共通しているのは、「デザイン力」「エンジンへのこだわり」など色々納得できる点もありますが、やはり「SUV戦略」がキーになってるみたいです。3グループとも「まだ増やすか!?」というくらいにモーターショーの度にSUVネタですね。

  マツダもモデル単位で台数が伸びているのはロードスターのみで、増加分は大型SUVのCX9が追加されて確保している状況です。SUVの種類を増やしていけば成長が続く・・・なんだかとっても単純な戦略で上手く行くんですね。FCVとか実用化させて日本では盛り上がっているホンダ、トヨタが拡販に虎視眈々どころか、新大統領に戦々恐々で身動き取れない・・・らしいです。メキシコ工場に力を入れていて、名指しで批判されたフォードのガタ落ちは気がかりです。

  さらに衝撃的だったのが、ホンダ・アコードが北米車種別トップ10から陥落したことです。別にアコードの販売が半減したわけではなくて、ローグ、CR-V、RAV4といったSUVや、カローラ、シビックのCセグに、Dセグセダンが押し出されて、カムリやアルティマではなく、アコードが弾き出された格好です。2000年代に入ってホンダの圧倒的なエンジン性能を武器に北米セダンの頂点に立った北米版アコードに憧れて、北米への参戦を意図してサイズ拡大に踏み切ったアテンザのマツダ陣営からしてみたら、予想外の展開となっています。

  北米と中国で「新しいアコード」になるべく開発された現行アテンザですが、発売直前の2012年9月には中国各地で反日デモが起こり、アコードが壊されている映像がたくさん流れました。トヨタとホンダの中国販売は一気に下火になり、VWとアウディが中国を代表するモデルとなりました。日本ではほとんど売れないパサートですが、中国ではあちこちで見かけます。

  そんな逆境からのスタートだったにもかかわらず、WCOTYでの活躍もあってかアテンザのグローバル販売目標の月10000台はなんとかクリアしましたが、アコード陥落に見るように北米市場におけるDセグセダンの需要が下がっていて、将来性は決していいものでは無いです。

  マツダのラインナップを分析すると、将来性がある「GOOD」に分類されるのはSUV。これに対して、デミオ、アクセラ、アテンザ、ロードスターはいずれも「BAD」。さらに年産40万台の「コア」に達しているモデルはCX5とアクセラだけ、他は全て「ノンコア」。主力モデルに関しては、アテンザは「BAD×ノンコア」、アクセラは「BAD×コア」、CX5は「GOOD×コア」。もしマツダの経営状況が火の車ならば、CX5以外は全て他に売却すべき案件になりそうです。

  せっかくアクセラと設計上の統合まで果たしておきながら、「BAD×ノンコア」に転落してしまったアテンザ3/4代目はこのまま「不良債権」と化してしまうのか? 何が悪かったのか? アクセラとアテンザの設計が安易に共通化されたことに憤りを感じるマツダファンもいることでしょう。カペラとファミリアは1960年代から長く別路線の発展を遂げてきました。RX7やユーノスコスモのような華やかさこそ無いですけども、(ロータリー搭載があったにせよ)マツダの基幹モデルは「高性能かつ価格競争力もある!!」ということを世界に示してきました。

  その半世紀の実績があったからこそマツダは、フォード陣営を離れた現在も、北米販売上位14グループの一角「ロータリーのマツダ」として、「世界のトヨタ」「技術の日産」「CVCCのホンダ」「帝国陸軍のスバル」「帝国海軍の三菱」と肩を並べる地位にあります。その歴史を考えると、アテンザにせよアクセラにせよ、マツダの「存在感」を上げるためにあらん限りのアイディアを張り巡らして、世界の頂点にたつモデルにならない限りは「BAD」でしか無いです。

  現行アクセラに関してはトヨタからハイブリッド技術の供与を決定した段階で、すでに「負け」だったんでしょうね・・・。意地でもプリウス、ゴルフ、シビック、インプレッサ、フォーカスを全部ハッキリと追い越すくらいのクルマに仕上げる必要があったけど、デザインに逃げた・・・。現行アテンザに至っては目指すターゲットがゴリゴリのカンパニーカー(商用車)でしかないVWパサートをベンチマークしている段階でもうダメだった!?国内市場では石原慎太郎元都知事が在任中に「アンチ・ディーゼル・キャンペーン」を行いましたが、その逆境を膨大な広告費を使ってでも払いのけたものの、これを「因果」というべきか石原氏の政治的思想によって実現した尖閣諸島国有化が2012年9月に反日運動を巻き起こし、マツダの目算が狂ったわけです。

  マツダにとっては外部的要因とはいえ「破れかぶれな」状況を、うまく立ち回っているとは思いますけども、トヨタや日産が破綻してもマツダは生き残る!!みたいなミラクルな状況を作り出すためには、マツダが持つ強みを上手く発揮できるフィールドを探すことだと思います。ディーゼルが合う市場を探せ!!というわけではないです。マツダの強みとは「インテンシティ」。トヨタやホンダの得意な「ダイバーシティ」性はないですけども、ターゲットを見つけて「ドッグファイト」の末に相手をマウントする「腕っぷしの強さ」こそがマツダ!!

  過去には・・・スカイラインGT-Rとの「速さ」、ポルシェやフェラーリとの「ピュアスポーツ」、(フォードとともに)VWゴルフと「欧州盟主」、メルセデス、BMWとの「ディーゼル」、他にもルマン制覇など、数々の「高い山」を乗り越えてきたのがマツダだったはず。「BAD」なアテンザはもう諦めるのか? それとも次世代アテンザはさらなる「強敵」を目指してさすらうのか? 例えば北米市場で昨年比66%増を記録して「今が旬」のインフィニティとかどうですか?躍進を支えるのは、圧倒的なパフォーマンスを誇る新型エンジン「VR30DETT」が搭載されたQ60(新型スカイラインクーペ)ですが、これに対抗して、強烈なロータリーEVユニットを積んで「電車化」した「アテンザクーペ」・・・これこそがマツダの生命線じゃないかと思いますけど。



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2017年03月07日

某雑誌でマツダ車が「ステマ」絶賛されている件。

  「MOTOR FAN」によるマツダ車のゴリ押しが少々目に余るような気がしますね。復活第5号ではBMW5erのFMCに合わせて、Eセグ徹底比較という企画があり、5er、Eクラス、A6、XF、CTS、GS、クラウン、フーガ、レジェンドといった王道が勢ぞろいする中にアテンザが抜擢されました。「マツダのフラッグシップだから」というならば、「スバルのフラッグシップ」は呼ばれないのかな〜?500~700万円代の高級セダンが並ぶ中で、300~400万円のアテンザ何ですけども、そういったハンデキャップを感じさせないような「特別な」扱いを受けていたので、これを読んだ人はアテンザが欲しくなりますよ!!(他はややボンクラですし)

  5erもEクラスも「2ndクラス」ということで、メーカーの意向なのかすっかり高級感は抑えめですし、A6は顔だけでなくボンネットの丸みなども含めてA3と区別できないレベル。ジャガーXFにはこのブランドの「伝統」が全く感じられないし、CTSは新型プリウスの見本みたいなポリゴンスタイル。クラウンはどんなボデーカラーでも褪せて見える「もっさりデザイン」。まともなのはフーガ、レジェンド、アテンザ。・・・新型5erはなんかフェイスリフト前のGJアテンザに似てる。サイドウインドーがデカいのでちょっと古いセダンっぽさもあります。

  アテンザのレビュー担当は、マツダやBMWがご贔屓の大谷達也さん。というより海外試乗の5erだけ清水のオッサンが担当で、残りは全て大谷さん。BMWだけは清水さんが担当ですから・・・マツダへの圧倒的な好意をどうやっても隠しきれない。「アテンザXDはBMW320dに勝利!!」という歴史的な宣言をカーグラフィック誌上で行ったのが大谷さんでした。ちなみに清水のオッサンはマツダよりもピークが低く抑えられているBMWの2Lディーゼル(B47)を5400rpmまで綺麗に回る!!(マツダよりも)断然にいいエンジンだ!!と某動画でほざいた人です。・・・因縁の2人が1つのコーナーを作りあげるなんて!!

  さて清水さんの5er評ですが・・・失礼を承知で言うと、これじゃ「何もわからない」よ!!軽量化しましたー、お家芸の直6ツインスクロールターボ!!(BMWの本懐はM3/M4用のツインターボじゃ!?)、8速トルコンATの制御がうますぎ(多段式ATなら大抵は良いけど)、そして極め付けは日本に導入されることはおそらくないであろう530dのスペック表示。ディーゼル搭載でAWDで1695kgは確かに軽いです。これだけ軽ければ523iでももっと楽に動くのかな!?

  この人は読者のことを考えない専門用語を平気でレビューに放り込んでくることが多いですね。ネット使えばいくらでも調べられるのだから、別にそれほど読む側も苦労しないですけども、誰もが注目する!?BMWの花形モデルのレビューの締めに「勝負はHMIではなかろうか!?」なんて書きますかね〜・・・。ヒューマン・マシン・インターフェース。どうやらこのオッサンはECUとかデジタル処理される技術だけを指して使っているみたいですねー。色々なクルマに乗ってみてHMIが優れていると感じるのは・・・マツダなんですけどね。けどこのオッサンはマツダの良さはちっともわからないようですけど・・・。(揚げ足取ってしまった・・・)

  さて大谷さんのアテンザ・レビューですが、これもちょっと問題かも。アテンザの魅力を力強く伝えることには成功しているんですけど、なんだか少々強引な展開ではあります。誌面が足りないというのもあるでしょうけど。ざっくばらんに「名だたるEセグマシンに混ざっても動的質感で全く劣ってないよ!!」ととても威勢がいいのですが、いつもの大谷さんのレビューならここからコクピットでのフィールが伝わってくるような臨場感溢れる文体なのに、その得意技が発揮されません。ペダルの開度がどれくらいで・・・とか、ステアリングを切った時にヨー方向の無駄な動きが抑え込まれた〜・・・みたいなのが無かった。GJアテンザはエクステリアのタフさに似て、アシは確実に横方向にタフで剛性を感じる味付けです。それをハンドリングをやや重くしてより実感させる巧みな・・・・こういうのが本来の意味での「HMI」だと思うんですけど。

  とにかく読者には、アテンザのやや「誇張」されたスポーツ性能が伝わると思うのですが、こうなるとやはりパワートレーンのバリエーションがもっと欲しいですな。「アテンザいいかも!!」という輸入車愛好家がいたとしても、マツダ自慢の2.5L自然吸気エンジンのフィールの良さという論点は、もう輸入車の文脈ではとっくに「絶滅」してますからね・・・。GJアテンザセダンのボデーが暗示する「アメリカン・マッスル」でエクステリアとスペックを「まとめる」ならば、北米スポーツターボの最先端を行くような「2.5Lターボ・400ps」くらいのグロいチューンがあってもいいかも。「アテンザ・スポーツ」「アテンザ・スポーツS」みたいなドイツ的な流儀でもいいけどさ。

  この前発売されたばかりの「MOTOR FAN」第6号はスイフトのFMCに合わせて「コンパクト特集」でした。いや単なるコンパクトカーの羅列ではなくて、しっかり「予選」が行われていて、選抜された精鋭によるコンペです。スイフト、イグニス、デミオ・・・あとは全て輸入車。そして主役は完全にデミオ。「ニッポンのプレミアム・コンパクト」!!なんて太文字の見出しで書かれてます。マツダが自称したところで自作自演の後味の悪さしか残りませんが、輸入車を偏愛する雑誌が文句なしに絶賛するわけですから、「日本車でこれだけの扱いされるってことは、輸入車勢と比べても圧勝のレベルなんじゃ!?」なんて勝手に想像してくれるでしょう。

  MOTOR FANもデミオに色々配慮をしているようで、イメージカラーを赤にしてきたスイフトがデミオを並ぶシーンだけ青のスイフトが登場。スイフトはデミオに似せてきた印象があったのですが、並ぶと全然似てないことが判明。グリルに赤の一本線を入れる意匠だけはモロ被り。スイフトはどうもシートのデザインの具合がよくないですね。デミオのLパケもなんだか「付け刃」なインパネが中途半端で、遊び心のインパネを導入しているルーテシア、MINI、フィアット500の方が「勢い」を感じるかも。デミオはちょっとメルセデスのAクラスあたりを意識し過ぎたのかも。

  スイフトもコストカットが大好きなスズキとは思えないほどうまく「ごまかし」たインテリアになってますね、これはインドっぽくない!!マルチでもこの素材を使うのかな!? 露骨に古さと安っぽさを感じさせるのはプジョー208とポロですね(インド水準)。あとトゥインゴもやっぱり価格なりの設計です(インド水準)。インドに参戦していない、デミオ、ルーテシア、MINIが質感ではリード!?なんともシンプルなメーカー事情で、序列化されています。

  Eセグラグジュアリーに混ぜてもらえるようになったアテンザ。A/BセグをMINIと共にリードするデミオ。どちらも日米欧クオリティを求めるユーザーにとってはかなり信頼できるモデルではないかと思います(デミオはトヨタブランドで北米でも展開)。マツダもその辺をもっと上手に宣伝できたなら、北米に参戦すらできないアウディA3(1.4)とか、メルセデスAクラスとか、BMW2erアクティブツアラーといった「偽プレミアム」との徹底的な違いを示せるとは思うのですけどねー。


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Motor Fan Vol.6 (モーターファン)

自動車誌MOOK MotorFan Vol.5
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2016年11月22日

アテンザ漂流。ブランドの「象徴」は売れればいいってもんじゃない。

 
3代目アテンザに託された「MAZDAの野望」

 2012年に華々しく登場し一躍脚光を浴びた3代目GJアテンザ。デビュー当初から日本車らしからぬ存在感を発揮し、Eセグの代用が務まるくらいに立派な車格は観るものに新しいイメージを振りまきました。初代アテンザを越える大ヒットも予想されましたが、SUVが拡大するなかでセダン需要は世界中で伸び悩み、特に日本や欧州ではかなり悲惨な状況に追い込まれたこともあり、期待のGJアテンザも苦戦の局面を打開するまでには至っていません。早いものでいよいよ発売から4年が経過し、同じ年に発売したCX5は早くも2代目がお披露目になるなど、いよいよモデルサイクルの終焉に向かってカウントダウンの時期になりました。

  洗練されたデザインは、2011年の東京モーターショーでのコンセプトモデル「TAKERI」から評判が高く、マツダのやる気満々な姿勢から推測するに、発売後もいろいろと飽きさせない展開があるのかなーっと期待していましたが、今のところはスポーティなターボモデルが出ることもなければ、2ドアクーペが導入されることもありませんでした。セダンが目指した北米市場の判断は時に非常に利己的で、海外生産車には差別的というくらいに難しい面もあります。この4年間にGJアテンザが残した実績といえば、欧州でも評価の高いマツダのディーゼルを日本市場である程度は売ることに成功したかなー・・・といくらい(結局北米ではディーゼル投入がまだ実現せず)。「ディーゼルを売るためのクルマ」それ以上でもそれ以下でもない・・・というのが当初からのマツダの目論見だったのかもしれません。GJアテンザの隠された使命はマツダの優れたディーゼル技術を売り込むこと!!もちろんユーザーにではなくトヨタへ・・・。

技術とデザインで生き残るMAZDA

  「スカイアクティブ」以前からも欧州で高い技術力を見せていたマツダのディーゼル。日本人はメルセデスやらBMWやらのドイツ車を過剰に評価しますが、欧州市場で発売されてきた歴代のディーゼルエンジンを比べても、マツダの技術は非常に高く、メルセデスやBMWのディーゼルはそれに比べればはるかに回らないし熱効率も悪く総合的に低スペックなものでしかありませんでした。世界のカーメディアは以前からマツダのディーゼルを高く評価していたのに対し、日本のカーメディアも渋々とマツダの優位を認めつつあります(清水和夫のようなとんでもないジジイもいるけど・笑)。しかしトヨタは欧州向けのオーリスやアベンシスに搭載するディーゼルに関しては、一旦はマツダを採用を決定しつつも(破棄したらしい)、供給元をBMWに切り替えています。

  トヨタがBMWのディーゼルを選んだ理由は不明ですが、様々な分析によるとコスト面でのメリットが指摘されています。メルセデスやプジョー、シトロエンが使う経年ディーゼルのような『尿素SCR処理』が、あっさりと省略されているBWMの直4ディーゼルターボは、その簡易的な設計から北米で大問題に発展した旧型のVWディーゼルと同じく排ガス規制に違反しているのではないか?という疑惑がかけられていました。ちょっと前に国産メーカーを対象に行われたディーゼルの排ガス抜き打ちチェックでは、マツダのみが規制の範囲内に収まっていましたが、日本でディーゼルを展開する輸入車にも行ったらどういう結果が出たでしょうか?尿素処理を行うメルセデスやプジョー、シトロエンは大丈夫なようですが、BMW、ボルボ、ジャガーはちょっと怪しいです。

  一度はトヨタにフラれた格好になったマツダのディーゼルですが、トヨタの研究所が独自に将来性などを審査した結果でしょうが、再びトヨタとの包括的な技術提携に合意して、その際に大々的にマツダ・ディーゼルの供給が盛り込まれたようです。ランクルやレクサスGSに遅くとも次のFMCまでにはマツダのディーゼルが載ることになりそうです。

MAZDAはサプライヤーではないメーカーだ

  アテンザが組み立てられるマツダの防府工場は、世界中のマツダファンが巡礼に訪れる日がやってくる時に備えて近代的な装いになっているそうです。世界中のポルシェのファンがヴァイザッハにやってくるように、マツダの防府工場が世界的に有名な観光スポットになる日は来るのか?・・・いや皮肉ではなくて、マツダはアテンザをもっともっと「人を惹き付ける」クルマに育てないとイカンと思うんです。ウイスキーの聖地スコットランドのアイラ島に村上春樹氏のようなマニアがやってくるように、上三川(栃木)、田原、太田と並んで防府も、もっともっと『世界中のギーク』を集められる可能性があると思うのです。

  GT-R、レクサスLS、WRX-STI。どれもメイドインジャパンにこだわって作られてきました。アテンザはすでに中国や米国で生産実績がありますけども、そんなことはあまり気にしなくてもいいと思います。それよりも、もっとアテンザに「日本メーカーだから生まれた」という必然性を、付加していくことが大事ではないかと思うのです。山岳&雪国が育んだAWDターボ(GT-R/WRX)、静粛をこのむ国民性(LS)といった『テーマ』が、どうもこの3代目には稀薄かも。あまりにもグローバルに走りすぎた!?

  初代アテンザは日本人の視点からはそれほど目立ったものでは無かったですけども、世界からみれば「これこそが繊細でプレジャーな日本車の理想型だ!」という讃辞が寄せられました。日本という地域の風味を良い意味で持っていたクルマだったと思います。もちろん「GT-R」も「スカイライン」も「LS」も「WRX-STI」も良いオーラを持っています。それはちょうど日本人が「フォード・マスタング」や「ダッジ・チャレンジャー」にアメリカのライフスタイルを強く感じ取るのに近いんじゃないかと思います。

世界でクルマを売ることの意義が変化する21世紀

  世界の主要メーカーは、ジャンルごとにサイズ・スペック・価格をある程度は横並びで設定しています。1万キロの彼方であるアメリカ東海岸や、西ヨーロッパのユーザーがわざわざ「防府」で製造されるクルマを選ぶ理由なんてあるのか? そう考えると、とてつもないハードルがそびえるかもしれませんが、これこそがマツダが自ら望んだ「ビジネスの形態」であり「事業ドメイン」であって、当然にその覚悟を持って経営陣は突き進んでいるはずです。例えば遥か1万キロ彼方のロンドンで予想以上の人気となり、あのトップギア(雑誌版)でもとにかく絶賛されているNDロードスターとCX3。これはマツダの近作では実に「日本らしい」要素の詰まった、成功して然るべき「選ばれる」2台なのだと思います。

  初代のGGアテンザはある種の理想を貫いたことが世界中で支持されました。もちろんフォードという勝ち馬に乗っていた部分もあります。フォードによる「非ドイツ連合」の一員として「ポジション」が与えられ、フォード直系のプレミアムブランド「リンカーン」「マーキュリー(2011年廃止)」、さらに外様の「ジャガー」「ランドローバー」「アストンマーティン」「ボルボ」そして「マツダ」の7ブランドが本体の「フォード」&「欧州フォード」の魅力を高める「衛星ブランド」としてクラスター的に輝いていました。注目度も高くマツダの技術力が世界に発信しやすい時でもありました。フォードグループがVWやBMWを徹底的に追い込む欧州戦略モデルの中核にあったのが「マツダGGプラットフォーム」を転用した「フォードCDプラットフォーム」であり、「MZRエンジン」でした。

フォードの時代とは全く別の世界

  日産、スバル、レクサスとは違って海外ブランドの屋台骨を堂々と担ったマツダですから、「グローバル」を感じさせるモデルであってしかるべきなんですけども、フォードと袂を分って「新しいマツダの設計で勝負する」と宣言したのちに、2010年の後期プレマシーと後期GHアテンザから始まる「改革」を経て、2012年から「スカイアクティブ」としてラインナップを刷新してきました。最初から全てがうまくいくとは思いませんけども、CX5、CX3、NDロードスターに関しては「マツダの味」がいい感じで発揮できた『佳作』だったと思います。難しいのはフォード時代から賞賛されてきたアテンザ、アクセラ、デミオの主軸を担ってきた3車です。

  いずれも世界にその名が轟いている『名シリーズ』で、世界から大絶賛されてきたアテンザ(MAZDA6)、ゴルフ を叩き落とすことに成功したフォーカスの兄弟シリーズであるアクセラ(MAZDA3)、そしてWCOTY堂々受賞のデミオ(MAZDA2)。いずれも新たに「小さく」再出発をするマツダがそのまま抱えるには「怪物」過ぎる存在なのかもしれません。ちょっとわかりづらいかもしれませんが、スバルがトヨタから「86」の看板を預けられて、その後にスバル単独で『86/BRZシリーズ』を存続させるみたいなものだと思います。トヨタがいたからこそ「FA20」という専用エンジンが作れて、スバルシャシーに大胆に手を加えて専用設計のFRシャシーまで用意できたけど、これをスバル単独でやるのはやっぱりしんどいと思います。経営面を考慮してインプレッサ用の「FB20」にエンジンを統一しただけで評判は一気にガタ落ち?

アテンザだからこそ個性的に作るべき!?

  アクセラなら欧州はもとより、東南アジアでも北米やオセアニアでも売れますから「年間40万台」という採算ラインはなんとか越えるでしょう。40万台ってとんでもない数ですが、この台数があってこそ開発費を存分に償却できて、次の世代に多くの資本を開発に投下できます。同じメーカーが作るなら、一般的にはよりたくさん売れた方が良いものが作れるはずです。

  しかしアテンザに関しては40万台の見通しは全く立ちません(20万台も無理)。同じ欧州型FFサルーンは欧州では売れなくなってきていて、北米でもVWパサートやプジョー508(すでに撤退)は大苦戦で、アテンザの兄弟車だったフォード・フュージョンもアコード、カムリ、ティアナの後塵を拝しています。もしかしたらアコードやカムリよりも上手くFFサルーンを作れば米国で勝負になる!!とマツダは意気込んだのかもしれません。しかしトップ2の後ろ髪どころか、レガシィB4にもなかなか勝てない・・・(最近ではアテンザが上回る月もあるようですが)。アコード、カムリが各30,000台なのに対して、アテンザは4,000~5,000台程度で、グローバルでも10万台を越えるかどうか・・・。

  販売台数こそ上回っているものの時価総額でスバルの3分の1程度になっているマツダ。スモール&コンパクト(アクセラ、デミオ)と、SUV(CX3〜9)という『コアコンピタンス』に開発資源を集中させる一方で、アテンザ、ロードスター、RX9(発売未定)の各事業があり、それに加えて2019年のEV発売まで公表しました。当たり前の話ですが、世界の人々が「敢えて」マツダを買う理由の『源流』には、やはりロードスター、RX7、GGアテンザといった過去の威光が少なからずあって、マツダもスペシャルなクルマが期待されていることが十分にわかっているはずです。

MAZDAが『変態』だから好きなんだ・・・

  世界中で広く認知されるクルマ。例えばサバンナRX7、NAロードスター、GGアテンザ。それはデザインはもとより、他のライバルより優れた「アイディア」を持っています。マツダは比較的その手のクルマを生みやすい伝統があります。それはマツダの開発者が『優秀』というよりは『異質』な存在だったからじゃないかと思うのです。他のメーカーがやらないことを敢えてやる=変態。それに対して近作のマツダの停滞は「デザイン」の力を過信したのでは?という気もします。デザインばかりに頼り過ぎると、当然ですがユーザーの心掴むポイントは「浅く」そして「トレンド」に左右されます。マツダに対する評価も時間の経過とともに大きく「縦ブレ」してきているように感じます。長く愛されるというよりは消費される!?

  「威光」を持つ3台は素晴らしいデザインに加えて、「選ばれる」特殊性・機能性も十分に備わっていました。それに比べると、現在のGJアテンザには同時代の他を圧倒するような『スペクタクル』がやや乏しく思えるのです。「GJアテンザはカッコいいな〜・・・でもサルーンとしての『質』ならアコードHVが上かな?コストパフォーマンスならマークUかな?」・・・GJというクルマの総合的な印象を考えると、アコードやマークUといった「オッサンセダン」との競合は避けられないですし、その域からハミ出す要素をほとんど持っていません。市場環境を見る限りでは、今後どんなモデルチェンジを経ても、アテンザ・シリーズの販売が劇的に伸びることは無いと思います。そしてマツダのビジネスにおいてもアテンザは「コア」な存在ではないのだから、もっともっと思い切って「目立つ存在」に仕立て上げればいいと思います。「普通」に作ろう(アコードをコピーしよう!)と思えば思うほど迷路に迷いこむ結果になると思うんですよ・・・。



(2017/12/10一部改訂)

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2016年09月07日

アテンザのビッグマイナーですねー。マツダに言いたい事考えてきました!!!

  アクセラに続いてアテンザもビッグMCが行われました。現行世代から行われているプラットフォームの共通化によって、新しいメカニカルなデバイスが開発されれば、アクセラ、アテンザ、CX5にほぼ同時進行で投入する!という至極当然なアップデートが行われています。なんだかBMWのような方針がそのまま採られていますね・・・マツダはドイツメーカーの真似が相変わらず好きなようです。GJアテンザに関して言えば、2013年のフルモデルチェンジ時のモデルと比べて、グレードも増えて、ボデーカラーも増えて、サイドブレーキは無くなって、リアシートにはヒーターが付けられ(オプション)、インパネもシートの素材も変化しました。そーいえばデビュー当時はまだマツコネがなかったけな・・・。

  世間では「テスラ・モデルS」の進化のペースがやたらに速いと評判ですけども、GJアテンザの進化も想像を越えてかなりのものじゃないですか!?いよいよ赤のテーマカラーすらも脱ぎ捨てて、「マシーングレーメタリック」というカラーを全面に打ち出して、オーソドックス(保守的)なセダンユーザーにダイレクトに訴求し始めました。スカイラインやEクラスはちょっと高いな〜・・・アテンザならば。そういう需要は従来からあったでしょうけど、新色はまさに日産やメルセデスの象徴と言える「グレー」&「シルバー」に殴り込みをかけてます。見た目は・・・なんだか日産が作りそうなコンセプトカーっぽくなりましたねー。

  GJアテンザが狙う!?日産とメルセデスはお互いに協業関係にあって、インフィニティ車に関しては今後はメルセデスとコンポーネンツを共有する方針になっているようですが、それぞれに走行性能だけではなく内装のクオリティアップに関しても国内販売モデルの中でも特に目覚ましい両ブランドといえます。新型Eクラスは下のグレード(Cクラス)でやや感じる、ちょっと萎えるタイトさをほぼ払拭していて魅力的で、いよいよ「プレミアムブランド」のレベルを越えた「メルセデス・ゾーン」ともいうべき独自の世界観が完成しつつあります(Eクラスの内装はスッゴイね)。

  このメルセデスのクオリティに追従している(できている)と思われるのが、プレミアムブランドとしての実績(販売台数)はまだまだのボルボやジャガーといった辺りでしょうか。日本ではプレミアムイメージが発揮できていない日産(フーガ、スカイライン)も最近では限定車を次々と発売して、徐々に仕様変更に務めています。メルセデス、ボルボ、ジャガー、日産の内装は「トータル・コーディネート」の意識が非常に高いと思います。もちろん他のプレミアムブランド(レクサス、BMW、アウディ、キャデラック)も相応の筆致で仕立てられてはいますが、より目新しくてエモーショナル!!といったマツダが好きそうな価値観を持っているのは前者(メルセデス、ボルボ、ジャガー、日産)の方ですね。機能性を重視するならばレクサス、アウディも良いとは思いますが、この2ブランドはどうも古臭い感覚(高齢者の保守的感覚?)に無理やり寄せました!という雰囲気が漂っています。

  マツダも自慢の「Lパケ」で新しいプレミアム感覚を呼び起こそうという企画があって、それを後押しする首脳陣の意図も感じるのですが、どうもコンテンポラリーでオーソドックスな「伸びしろ」でしかゴーサインが出ていないようですね。かつてのマツダを見る限りでは、他を圧倒するような奇抜なスタイリングを最も得意とするメーカーだと思うんですが、今のマツダは世界の「王道」をどうやら意識しちゃっているようですね。余計なことをしなくても「マツダの信念」がそのまま世界のお手本になる!くらいに思っているかもしれません(幹部の発言などを考えると・・・)。残念ながらそれをただただ反映したのが上級モデルの販売不振じゃないでしょうか。作っている側は「満足」かもしれないですけど、選ぶ側(買う側)からしてみたら「つまらん」のですよ。ステアリングの形からメーター類からもっともっとオリジナリティ出してよー!!!そういう期待が無理無く出来るメーカーがマツダじゃないのー!?

  メルセデスがちょっと前に一斉にコラムシフトを採用した時は、軽自動車のような操作感にあれれ?と思いましたが、その後のSクラスCクラスEクラスの順に行われたFMCで内装が一新されてみると・・・どうやらコラムシフトは大正解だったようですね!?いやいやこれには恐れ入りました。現行のメルセデスではセンターコンソールは快適なシートを演出する立派なインテリアです(ここに目がいく!!)。自動運転も始まろうか?という時代ですから、運転に必要なインターフェースはペダル&前面パネルだけに集約するのもとても妥当な判断なのかもしれません。メルセデスはペダルとコラム回りだけに集約していて、徹底的にシンプルで整理された空間美を演出してます。ここまで洗練されたインテリアはまさに「商品力」を上げる最強の武器になります。あれだけキレイにまとまったインパネの上に社外のオンダッシュのスマホ置きとか、充電ジャックをずらずら付ける人はちょっと感覚を疑います。

  アテンザやアクセラには日本仕様にもMT車がありますし、CX5も輸出用ではMT車が存在しますから、センターコンソールにはレバーを配置するという役割が外せませんので、メルセデスのような大胆に差別化された内装はなかなか目指せないとは思います。ただ・・・そこに現状のマツダが抱える「大きな壁」があるような気がしてならないです。端的に言ってしまうとGJアテンザはセンターコンソールの設計1つとってもズボラだなー。その1点だけでそこまで評価落ちるか?と言われそうですが、それを埋め合わせるだけの「飛び道具」がとりあえず無い!!そのことの方がもっと問題なのかもしれません。

  「ユーノス・コスモ」を思い出せ!!!じゃないですけど、マツダのプロモーションとは裏腹にGJアテンザは最上級モデルらしさが真っ当には意識できて無いと思います。もっとこの内装は「マツダだけです!」を打ちだせるものにしないと、マツダを選ぶ必然性が見えてこないです。まだまだそんな状況なのにエクステリアデザインとボデーカラーだけで、スカイライン&Eクラスに挑む!!ってのはなんだかなー。その辺がどうも一般ユーザーの間でも完全にバレバレになってきていよいよ販売台数が伸び悩んでいる一因になってます。近所にギブリを納車されたオッサンがいますが、やっぱりGJアテンザではまだまだその層に訴求できていないようですね。

  現状ではやはりFFセダンらしく、もっと「中の中」のユーザー向けに使い勝手の良いクルマを目指して1.5Lディーゼルターボを積んだグレードなんかを追加したほうが、販売台数は案外伸びるんじゃないかと思います。遥か高いところにいるライバルを見据えるのではなくて、メルセデスや日産がなかなか出来ないところを目指した方がよっぽど「簡単」だとは思いますね。

  せっかく実用性に秀でたディーゼルエンジンで頭一つ抜け出した地位にあるわけですから、もう少し泥臭いアテンザのグレードがあってもいいのかもしれません。アテンザワゴンをクロスオーバー化して、リアにオープンデッキなんか付けてみたら?他のメーカーが手掛けてもダサいのが出来るだけでしょうけど、マツダならばもしかしたら新しいジャンルが出来るくらいに優れたデザイン力を発揮できるんじゃないかと。オープンデッキに自転車が4台くらい積載できるラックをオプションで用意するなど、アウトドアシーンとの連動がテーマにはなってくるでしょうが、積載車両を走らせる力強いディーゼル・・・そんなシナジーをマツダも当然に考えてはいるでしょうけどね。今後のGJアテンザの進化に期待しましょう。




  

  

  

  
posted by cardrivegogo at 12:58| Comment(4) | GJアテンザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年06月30日

アテンザクーペの噂が・・・。肝心なのはドアの枚数ではない!!

  またまた噂話に過ぎないのですが、アテンザにクーペが追加されるという話があるようです。ふーん・・・。現行アテンザは端正なデザインで伸びやかなスタイリングなので、わざわざ「2ドア」は不要かもしれないですけども、ホイールベースをいくらか縮めたモデルとして出て来るならば、ドライビングマシンとして再び陽の目を見るかもいいかもしれません。現行のセダンは日産フーガやBMW5erにも迫る車格であり、このクラスの中で操縦性の高さを競うというのもアリだとは思いますけども・・・。

  全長4880mmのアテンザに対して、Dセグスペシャルティの代表的なモデル(4erとかRCとか)は、4600〜4700mmくらいに収まっています。初代、先代のアテンザはこのクラスの中心だったこともあって、欧州でよく売れましたけれども、現行アテンザは中国や北米をメインターゲットにすることで大幅にホイールベースが伸びました。ちなみに初代〜現行までいずれも大人気の中国市場ではいまだに3世代すべてが生産されているようで、3世代でサイズをいくらか変えてあるのが好都合みたいです。世界が注目する成長市場のなりゆきが、マツダの経営判断ばかりか歴代アテンザのサイズにまで大きく影響を与えてしまっているようです。

  マツダは今後アテンザをさらに大きくして5m超を目指していてFRシャシーの導入を検討しているようです(そんなに中国で売れたいか?)。昔は小型車専門だったホンダが「レジェンド」を作るならば、ロードペーサーやルーチェを売ってきたマツダだって!という意地もあるでしょうし、世界最高のディーゼル技術だってあるわけですからLセグ車の販売も決して無茶ではないわけです。別の見方をすれば貴重な経営資源(ディーゼル)を生かし切るには大型モデル市場に撃って出るしかない。虎の子のDEが(提携している)レクサスやトヨタの大型モデルの販売促進に使われて、いくらかの対価を得るだけで終わってしまうわけにはいかないです。

  マツダが最近発表した今後の方針によると、大きく成長が見込める新機軸として、「SUV×DE×AWD」を主体にしたブランディングへと方針転換し、グローバルベースで約半分をSUVに切り替えていくとのことです(現状は3分の1)。「SUVとスポーツカーさえあれば、カーライフは十分」SUVはより大きくラグジュアリーで快適に、スポーツカーはよりシンプルでピュアに作る・・・。ランドローバーとケータハムがあればそれが最高のカーライフだ!!!そういう時代なのかもしれないですね。

  「初代と先代のアテンザ・・・この2モデルだけが私にとってのMAZDAだ!!」どーでもいいことですが、これがこのブログが当初から掲げていたコンセプトです。RX7やRX8・・・どちらも歴史的名車として敬意は持ってますけど、実際のところはあんまり興味ないです。MAZDAが世界に与えたインパクトで恐らく最も強烈だったのが、RX7でもロードスターでもなく、初代アテンザだったと思います。デミオもWCOTY獲ったりしてますが、コンパクトカーやスポーツカーで日本車が台頭するのは、もちろん素晴らしいわけですが、これはもう当たり前のこととも言えます。

  中型車で欧州を制する!!これこそが世界を見据える日本車にとっては最高の栄誉だと思うのです。初代プリメーラと初代アテンザ・・・欧州ブランドと同じコスト感覚で、完全アウェーの相手のフィールドで見事に完全勝利を収める。この2台こそが本物の「伝説」です。現行のアテンザワゴンやレヴォーグはとてもよくまとまっているクルマだと思いますが、欧州を制覇するだけのパンチ力はなかったです。

  日産もMAZDAもどんなクルマを作っていいのやら、煮詰まっている状態であるならば、BMWが「2002」や「E46M3」の再来!と大声で騒いでいる「2シリーズクーペ/M2」のように、かつての親しまれた名車のリバイバルを仕掛けてみてはどうでしょうか? そういえば、初代アテンザは当時大人気だったE46を越えるモデルを目指して開発されました。現在の金井誠太会長が当時はこのクルマの開発主査を務めたそうです。「BMWくらい簡単にコピーできる」ってな感じでコストの制約が厳しい中でいくつかの条件を押し通して、MAZDAの殻を破ったような見事なGTセダンが出来上がりました。実績としては初代と先代に渡って8年間で200万台売りました!現行アテンザは年間10万台がやっとですから・・・日本では現行の方が売れてるみたいですけど。

  乗ってみていい雰囲気のクルマなんていくらでもあります。新型プリウスだってそりゃ十分に「持って」います。現行アテンザはその中で十分に居場所を確保して活躍できていますけれども、やはりデザインや車格それからDEを頼みとして従来のライバルモデルとの差別化がいくらか成功したという印象です。これまでのアテンザが見せつけてきた圧倒的に楽しいハンドリングマシン!!!といった側面は影を潜めていて、今ではMAZDAで試乗して脳天直撃されました!なんて人は少ないんじゃなかろうか?という気が・・・。

  初代アテンザが発売された2002年の時点では、プリウス以前にトヨタの主力を担っていたモデル、例えばアルテッツァ、カローラランクスなどグローバルでも評判モデルも多かったですけども、それでも初代アテンザに乗った人には「これがMAZDAか!!」と強い衝撃を与えるに十分でした。「MZRエンジン」「ダブルウィッシュボーン」「過激なハンドリング」・・・世界を熱狂させたMAZDAの傑作車。そのせっかくのDNAを絶やすことなく、リバイバルして欲しい限りです。

  現行アテンザのハンドリングが悪いとはいいませんけども、「サスペンションのMAZDA」「ハンドリングのMAZDA」でやっていた頃の開き直りにも近い「革新性」こそが、21世紀最強の日本車「アテンザ」のプロットだったと思います。「デザインの良いクルマ」も「ディーゼルのクルマ」も日本市場でどんどん増えてきました。けれども「開き直った」クルマってのはどうでしょうか?

  もしMAZDAがなり振り構わずに「最強のGTセダン(クーペ)」を作る!!と発表して、「MZR」に”イートン”のスーパーチャージャーを装備して、”GKN”のLSDを組んで、”ゲトラグ”のDCTを特別仕様で導入して、フロントサスをダブルウィッシュボーンに代えて、ホイールベースをアテンザワゴンと同じかそれ以下に詰めて、CD値を低減させるために、サイドミラーを廃止してモニター化して、セクシーなリアデザインを備えて・・・なんかよくわかんないけど「ぶっとんでいる」とユーザーに感じさせる!!これこそがMAZDAでは?。期待してますよー。

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posted by cardrivegogo at 04:21| Comment(0) | GJアテンザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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