2013年08月18日

観光道路から姿を消した新型アテンザ。都市近郊をノロノロ走るクルマに堕ちたようだ・・・

  夏休みはどこも混雑していますね・・・。わかっていながらも、冬期閉鎖のドライブウェイなどに、カッコいいドライバーズカーを見に出掛けていってしまします。それでもアストンマーティンやマセラティを駆って都心から離れた山間の峡道までやってくる人などおらず、そういうクルマを見たいなら湾岸線か赤坂・六本木あたりがベストのようです。

  群馬〜長野県境の碓氷峠は観光資源の活性化が凄まじく、親子連れのミニバンが大挙して押し寄せ観光バスも走るので、休日は渋滞がたびたび発生し、ほとんど楽しめない峠になってしまいました(何を楽しむ気だ?)。軽井沢まで登ってしまえば輸入車がたくさん見られるハイソサイエティな避暑地なのですが、やはり混雑が酷く最新のスーパースポーツを所有するセレブの姿はまったくといっていいほど見られません。

  今回は新型アテンザが発売されて初めての夏ということで、各地で3代目アテンザが目撃できるだろうと予想していました。しかし東京近郊でこそ見かけるものの、埼玉から群馬へ入るとほとんど見かけることはありませんでした。これはあくまで憶測ですが、3代目になりアテンザもいよいよクルマのキャラクターだけでなく、購入層も大きく変わってしまったように思います。

  従来のアテンザはクラス最軽量の1400kg台の車重ながら車体剛性も高く、スポーツカーのような峠走行ができるセダンとしてその地位を築いてきました。海外市場での売れ行きも上々で、大ヒットした初代からもなお長足の進歩を遂げています。新型では、ただの日本発信の峠向けセダンに留まらず、プレミアムセダンの市場を狙う装備とデザインが大々的に注入されクラスレスな世代を象徴するクルマになりつつあります。

  トヨタや日産と違ってマツダの「改良重視」のクルマ作りは、ドイツメーカーを彷彿させる手法であり、来年には新型アテンザもMCを迎えて弱点(足回りか?)を徹底的に直してくることでしょう。ただ進化にも方向性というものがありまして、新型アテンザが向いている方向は斜陽のドイツセダンが向かう「破滅への道」のような気がするのが気になります。

  その兆候として、新型アテンザは最近のドイツセダンのように日本のワインディングロードから姿を消しつつあるように感じます。ワインディングを走りたい人はセダンではなくスポーツカーを選択し、それをそのまま街乗りでも使う人がトヨタ86発売以降さらに増えてきたように感じます。いくら新型アテンザでもワインディングの走行性能はスポーツカーには及びません。一方で最新のスポーツカーに比べてセダン(新型アテンザ)のコクピットが快適かというとそうでもなく、ルーフを低めに作ったセダンが大流行している現状では、後席の居住性を考えなければセダンもスポーツカーもほぼ同等です。

  さらに現代人の肥満の増加もセダン不人気に拍車をかけていると思います。スポーツカーもセダンもそのシートは肥満体型の人にとっては苦痛と言えるスペースです。実際に街でじっくり観察していると、肥満体型の人はミニバンやSUVのコマンドポジション(運転席が高くて広い)のクルマを選んでいるのがよくわかります。アメリカで今SUVが大人気なのも突出した成人肥満率の高さにその理由があるように思います。

  結論としてはアテンザの開発理念は多少の方向転換を行っていますが、それ以上に外部環境の変化によってクルマのポジションが大きく変わってしまっています。例えばトヨタ86の大ヒットにより従来のアテンザが担ってきたワインディング4シーターのポジションは完全に奪われたようです。代わりに新型アテンザはドイツ車を初めとした輸入車セダンからシェアを奪いつつあります。しかしそれもまたドイツメーカーがこのクラスのセダンの開発を停滞させているという現状があり、顧客満足度が極めて低い車種が多いことが原因なわけです。

  念押ししますが、マツダとしてはアテンザのコンセプト変更をそれほど強くは意図していなかったと思います。それが「86→アテンザ→ドイツセダン」の玉突き乗り換えに見事ハマった形になり台数は相当に出ていますが、予期せぬユーザー層の入れ替えが起こっているようです。これが一巡してまた外部環境が変わったとき新型アテンザがどう評価されるかがとても興味深いです。それにしても「86→ドイツセダン」の乗り換えはイメージ的になかなか起きにくいと思うので、結果論ではありますがトヨタとマツダによる見事な連携プレーですね。もちろんその裏で「Aクラス・ゴルフ→プリウス」で相当やられているのですが・・・。

  ↓多くの酷道を2代目アテンザで走破しました。なんら問題は無かったですね・・・。


 
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2013年06月18日

アテンザは世界のクルマを変えていく (歴代アテンザのサクセスストーリーとドイツ車 その2)

  歴代のマツダ車のファンには少々失礼なモノ言いになるが、バブル期の高級志向の強いマツダ車は、欧州からみれば、今の中国メーカーが作る「高級車」を日本人が見る感覚に近かったのではないかと思う。これはマツダに限らず、トヨタも日産も当時は同じように思われていた。そんなマツダ車もアテンザやアクセラの世界的ヒットを契機に、スポーツカー以外のクルマでも欧州のあらゆる地域の人々に親しまれる存在になった。

  欧州では、スポーツカーやSUVなどある程度、日本メーカーが技術的に先行するジャンルのクルマは比較的容易に受け入れられているようだが、セダンやハッチバックといったモデルになるととてつもなく参入のハードルが高くなる。世界のどの地域よりも圧倒的に高くそびえるこの「壁」を、史上初めて乗り越えたクルマがマツダ「アテンザ」だ。アテンザよりも高性能な日本車は過去にいくつもあった。しかし欧州車をバカにしたかのような「過剰スペック」の日本車に対して欧州の人々が「感情的」になっていた部分もあったせいか、大きなインパクトを与えることができなかった。

  もちろん実用走行域が大きく違うなど、日本と欧州の格差がクルマ作りにも現れていて、日本メーカーにとってはもっとも売りにくい市場が「欧州」であっただろう。トヨタとホンダはバブル後も好業績を残したが、それは売りにくい欧州にとっとと見切りを付けて、北米に軸足を移したからだ。マツダはそれでもヨーロッパの壁を叩き続けた。それでもレイシスト的な欧州のスタンスは揺るぎなく、マツダ車が本格的に欧州に受け入れられるようになったのは、マツダがフォード傘下になって「血が入れ替わった」後のことだった。

  アストンマーティンやジャガーなど欧州の盟主と言えるブランドを傘下に収めていたフォードグループの一員として、マツダ車の素晴らしさは欧州の隅々にまで浸透した。スポーツカーメーカーとしての評価は得ていたが、マツダにとって2000年代の絶頂期のフォードという最高の「勝ち馬」に乗ったことは大きかった。アクセラに採用されたフォードC1プラットフォームは、フォーカスとして、VWゴルフ(4代目)やオペルアストラを完膚なきまでに叩きのめした「傑作シャシー」だった。フォーカスに続いて投入されたアクセラも難なく欧州で大ヒットを迎えることができた。

  日本においては、マツダの技術力の高さだけが、一人歩きしていて「営業力はないけど技術屋のマツダ」「ロータリーのマツダ」「デザインのマツダ」などの文脈で語られてしまうが、欧州での成功の本質はそれとは全く別のところにあるように思う。欧州の伝統の懐に入りこめた最大のポイントは、フォードのような「質実剛健」なクルマ作りの哲学をマツダが体現できたことだと思う。今の中国車や韓国車が日本人の心に全く響かないように、バブル期の日本車は欧州人にはまったく届かなかったのではないかと想像できる。

  しかしマツダもバブル期のような「やんちゃ」な時代を経たからこそ、今しっかりと地に足の付いた「アテンザ」や「アクセラ」というクルマが作れているのだろうし、マツダというブランドが着実に成長しているのを感じる。バブル期のマツダから、「BE DRIVER」と自信満々に主張するブランドへの「進化」は、マツダが経験してきたスポーツカーから乗用車までの意欲的な取り組みがあってこそだと思う。それにしても「BE DRIVER」とはシンプルな表現だな・・・(これこそがマツダがたどり着いた自動車ブランドの「境地」なのだろう)。


↓ロータリーに注ぎ込んだ情熱は、ラインアップが無くなってもブランドの重みに大きく貢献している。




  
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2013年06月13日

歴代アテンザのサクセスストーリーとドイツ車 その1

  初代アテンザ発売の当初から、マツダは「BMW3シリーズをライバルとして想定した」と公言してきた。多くのモータージャーナリストはこれを「BMW3シリーズをコピーした」と曲解して報じたりしてきた。従来からもBMW3シリーズを想定した日本車は存在したが(日産プリメーラなど)、実際に欧州でその足跡を残すことができなかった。欧州市場は北米市場とは違い、高性能車に関しては輸入車の参入障壁が高いと言われていて、安易に3シリーズをコピーしたところで、簡単に欧州で売れるわけではなく、バブル醒めやらぬ日本市場でも「亜流のコピー車」として蔑まれるなど、散々な目に遭う可能性が高かった。

  そもそもバブル期に「大量発生」して飽和状態のまま今に至っているモータージャーナリストのみなさんは、いまも「バブルの価値観」(輸入車の絶対的優位)をそのままに保持した上で、執筆・レビュー活動を盛んに行っているので、日本車による「欧州車のコピー」に対しては激しい「アレルギー」があるような気がする。アテンザに関しても、当初から「日本メーカーが作った雰囲気だけのクルマ」みたいな評価を下すジャーナリスト・素人が続出した。そんな人々を徐々に黙らせていったのが、アテンザとアクセラによるマツダ車の欧州における異例の大成功だった。

  アテンザ・アクセラ開発当時のマツダは倒産寸前で、フォードの支援を受け、アテンザもアクセラも「フォードの中核モデル」として開発されたいきさつがあった。外資系メーカーの一員として日本メーカーが作るクルマである、初代アテンザはおそらくそれなりの期待はされただろうが、そのデザインは先代のカペラに良く似ていて、その変化のなさにマツダファンも当初は失望し、日本市場では簡単には火がつかなかったようだ。さらにそれ以上に日本のユーザーの中でマツダ車への拒絶反応が強かったのが、足回りの硬さからくる乗り心地の悪さだ。初代(GG系)のMC前・MC後と2代目(GH系)のMC前の3世代に渡って、ユーザーからはやたらと評判が悪い。

  アテンザがBMW3シリーズをライバルとして開発された、最大のポイントが足回りをBMWのように固めたことだと言われている。これは日本市場においては、絶対的な王者のトヨタ車と比べるまでもなく、異質な感触でしかなく国内ユーザーが乗り比べられたら、一部の物好き以外はほとんどトヨタ車(クラウン・マークXなど)を選ぶほどのレベルだ。それでもトヨタの「脚」自体も高速旋回時には絶対的な安定性に欠け、ドイツ車に対してのドライバビリティの劣勢が際立っていた。そして驚く事に、アテンザの発売後のクラウン・マークXのFMCモデルでは、突如として足回りを欧州車やマツダ車のような硬めの足回りへと変更したのだ。アテンザはユーザー試乗レベルでは、日本の高性能車の水準を下回る乗り心地でしかなかったから、一概に「過小評価」というわけではなかった。しかし日本のミドルクラスとしては異例の欧州での好調な販売とまさかのトヨタ・日産・ホンダによるアテンザ追従の動きにより、モータージャーナリストも無視できない存在になっていった。

  アテンザの乗り心地が悪いのには理由がある。FF車でFR車に匹敵する「ハンドリング」を実現することで、FF本来の直進安定性をも享受した、抜群の操舵性能を得ているが、このためにはFF車にとって最大のネックになるフロント荷重を極力減らす努力が必要だった。フラッグシップにも関わらず軽量な直4エンジンを使い、車重を抑えた。初代(GG系)発売時は、当時の3シリーズE46の最廉価グレード(直4モデル)を下回る車重を実現した。しかし軽量なボディに硬いサスを使えば、ショックアブソーバーが吸収しきれない路面の凹凸に対してのバウンドも大きくなる。よって当然ながら乗り心地に大きな影響がでる。

  しかしながらアテンザが実現した「軽量化」はいままでにないスポーティな旋回性能を発揮した。日本のモータージャーナリストは盛んに伝えることはしなかったが、軽量な日本車と重量があるドイツ車で同等の足回りを使っていた場合、当然ながら旋回時の制動力に大きな実力差が存在した。日本ではBMW車は絶対的な存在だったが、ドイツのテストではその実力がより厳密に暴かれた。特に小型車ではその実力は歴然たる差があった。その結果、マツダや三菱のFF車は圧倒的な性能の良さが認められ、JDパワーの調査によると、ドイツ国内での「顧客満足度」では1位MB2位トヨタ3位マツダ4位三菱5位BMW・・・12位アウディという結果に反映されている。FR車主体のドイツのプレミアムブランドのクルマでは、安定走行性能を確保するために「横滑り防止装置」の普及が急速に進んだ。

(次回に続く)


↓この本の発売の頃まではBMWは最強の「登り竜」でしたが・・・


 
  

  
  

  
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2013年03月11日

アテンザは「スポーツセダン」なのか?

  「スポーツセダン」というジャンルがあるとしたらそれはどんなものなのだろうか?アテンザは初代から「スポーツセダン」と言われているが、何をもってそういうなるのか考えると「???」となります。BMWのM3やポルシェパナメーラが代表的なスポーツセダンだそうですが、どんなクルマだって一定の車幅を備えて大きなエンジン付ければ、直線で速くなるのは当たり前で、それだけで「スポーツセダン」だというならアテンザとは違うクルマだなと思ったりもします。

  国産のスポーツカーではRX-7が至高だと考える人にとっては、アテンザもRX-8もとてもスポーツとは呼べない「スポーティ」セダンでしかないようで、どちらもRX-7のDNAは受け継いでいないと切って捨てる存在らしい(RX-8も4ドアセダンに分類される)。RX-7はマツダがロータリーエンジン(RE)の特性を十二分に発揮するための旋回性能に特化した「ピュアスポーツカー」と言われる(もちろん2ドアなのでセダンではない)。しかしこのクルマの性能を100%発揮できる場所はサーキットだけだったりするわけで、あくまで普段のクルマとしてはFDの洗練されたスタイルとREの独特のサウンドを楽しむクルマに過ぎない(それに白バイがいつも2台くらい後ろから密か狙ってくる)。300馬力近いクルマを曲げるためとはいえ、車内は恐ろしく狭いのでとてもロングドライブには耐えられない(燃費も悪いし)。こんなクルマに比肩するものばかり作っていたら、それこそクルマメーカーとしては失格以外の何者でもない。RX-7が教えてくれることは「最高のクルマは同時に最低のクルマ」ということだ。

  それに対し、居住性に配慮したセダンボディを使いつつも、スポーツカーのドライビングフィールを得られるクルマ(RX-8、アテンザ)は、居住空間もドライブも楽しめる満足感の高いクルマだ。デザインもFD(RX-7最終型)に劣ることもない。サーキットを全開で走ったら200馬力を軽々超えてくるRX-7には手も足も出ないが、そんな要素が果たして公道をただ走るだけのクルマに必要なのかは甚だ疑問だ。RX-8にしろアテンザにしろハンドリングは抜群で、トヨタのミニバンのようにアンダー傾向になったりしないし、多少オーバースピードでも誰でもきれいに曲がれる。ほとんどのドライバーにとってクルマの全体のパッケージで考えたなら、RX-7よりRX-8やアテンザの方が好ましいはずだ。なんでこんなに幸福感の高いクルマをRX-7を引き合いに出してまで貶めなきゃいけないのか理解に苦しむ。「RX-8はいいクルマですか?」「ただの鈍足オヤジカーです。」といった問答を見かけるたびにちょっと悲しい気持ちになります。

  アテンザくらいホイールベースのあるクルマを安易にターボ化すると、ハンドリングの良さが失われてしまうようだ。とくにハイパワーターボの場合はFFではトルクステア(回転数を上げてハンドルを切ると簡単にスピンする)がでて危険なので、4WD化してトラクションを安定させることが多い。しかし4WD化によりハンドリングはさらに悪くなり曲がりにくくなる(さらに燃費も悪化する)。よってマツダはアテンザのハイパワー設定にやや否定的に見えるが、それこそがこのメーカーの素晴らしいところだと思う。実際にはマツダのクルマはスペックだけを見ると非力に感じるかもしれないが、1km近い直線区間でも無い限りハイパワーのドイツ車にカモられることはまずないです。逆にカーブが多い区間では、BMW3よりうまく立ち回れる(初代2代目アテならサスが有利)ので、後ろに付かれても振り切ることは簡単にできます。こういう走り方を体感するとエンジンはともかく足回りはとてもスポーティだなと感じますね・・・。

  日独の各社こぞって「スポーツセダン」をアピールしますが、それはつまりスポーツ感が1つでもあるセダンですよといったところでしょうか。「4WDターボ」なら三菱かスバル、「高剛性」なら日産、「ハンドリング」ならマツダ、「エンジンサウンド」ならBMWがオススメだと思います。ストラットになったアテンザはなんとも残念ですが、個人的にお得感の高い「スポーツセダン」を選ぶなら、アテンザという選択はかなりいいと思います(次点がスカイラインかな・・・)。


↓「スポーツセダン」というネーミングどーにかしてくれないか?というのが個人的な意見です。アテンザは確かに「スポーツセダン」としてデビューしましたが、FMCやMCの度に安定性・静粛性・乗り心地が改善しています。どんどん「スポーツじゃないセダン」になってきてますね・・・。


  
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2013年02月23日

アテンザの魅力

  このブログで思いつくままにアテンザを語っているのですが、まだまだアテンザの魅力が十分に伝わっていないようです(ご質問頂きました)。アテンザの説明が難しいのは、デザインの良さを的確に伝えるのが難しいからだと思います。デザインが「官能的」だとか言ったところで、それは主観に過ぎないということになってしまいますよね。他のクルマと比べてアテンザが絶対的に優れているポイントはかなりたくさんあります。

  一番のポイントは「ハンドリング」と「高速安定性」を高いレベルで両立させていることです。最大手のT社のクルマと比べると、T車で60km/hで走るときの感覚でアテンザでは100km/h近く出ています(この違いははっきり分かると思います)。高速道路での安定感はアウディとナンバー1を競うくらいのレベルにあります。FFのT車から乗り換えると、ハンドリングが良すぎて全くといっていいほどアンダー傾向がないので、慣れるまではちょっと勢いあるままに右折に突入すると、対向車線に入ってしまいそうになります。

  マツダがNAの直4ガソリンエンジンにこだわってつくるところもポイント高いですね。V6より軽量で立ち上がりがスムーズですし、ノンターボなのでしっかり見当と付けて踏んでいけるので、実際に信号がほとんど無いような田舎道でも「最強のクルマ」です。アテンザ以上の速度域で驀進できるクルマは、VWのポロGTIやBMW135みたいな小型の高性能タイプだけだと思います(この手のクルマには煽られることがたまにありますね)。

  T車のアイシン4ATと比べて、マツダ自社製の5ATは圧倒的に性能がいいです(と感じます)。中部地方のアップダウンではMTモードの3速で気持ちよく走れます。最大トルクは2Lで20kg程度なのですが、トラクションの良さもあって山登りがとても得意です(回転数は3500rpmくらいまでいってしまいますが・・・)。Dセグセダンでも標高のある観光名所にも楽々行けます。この前は箱根を楽々登ってくれて想像以上の性能を発揮してくれました。

  300万円程度でフラッグシップサルーンに乗れるのはとてもいいことですよ。フラッグシップモデルとなればどんなメーカーでもかなり力が入っていて、あからさまに不満に感じることは徹底的に潰してあるので、結果的に満足感に浸ることができます(レガシィでもいいですが・・・)。T社の同価格のクルマと比較するのは、まったくナンセンスですね。トーションビームでのコストダウンのクルマ作りが世界的には終焉を迎えているのですが、T社とN社は新興国向けに使い続けています。アテンザと同価格でそんなクルマを売ってしまうT社の販売力には脱帽です。トーションビームのミニバンが高速でよく転倒事故起こしているので、走っているのを見たら逃げるようにしてます(間違っても並走なんかしちゃだめですね)。
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2013年02月16日

アテンザはやっぱり「世界最良」でOK。

  以前から度々、新型アテンザについてネガティブなことを書いていましたけど、それはあくまでアテンザ(先代)と比べての話(しかも私の主観が基準)であって、現行モデルのセダンでは確実に「世界最良」に選ばれるだけの性能を持っていると思います。さすがに世界中で作られるすべてのセダンを試乗するのは無理がありますが、世界最大の北米市場(ミドルクラスセダン)で圧倒的シェアを握っている日系3社(トヨタ・日産・ホンダ)と比べて、新型アテンザは全く遜色ないです。さらに元々はBMW3のディーゼルを完全に狙い撃ちしたモデルであり、実際に技術力のゴリ押しでBMW3を完全に超えてしまっているので日本市場ではもはや敵無しの状態です。

  この新型アテンザはディーゼルが好評になっていますが、この設定はアテンザの性格を根本的に変えてしまっているので「ディーゼルアテンザ」という別モデルとして扱ったほうがいいかもしれません。ガソリンとディーゼルを一緒にしてしまうと、もはや「アテンザは○○○なクルマ」と簡単には言えないくらいの違和感だったり矛盾が入ってきてしまうと思います。ディーラーの担当者は、私が峠で乗ることを知っているので、「私は最高速派なのでディーゼルが気に入ってます。ただぶん回すならフロント軽い2Lガソリンかな〜、エンジン違うとぜんぜん別のクルマなんですよね・・・。○○さんは山が多いでしょうから絶対に2Lガソリンだと思いますよ!」とか言ってました(この担当者はディーラー前の狭い道路で平気で100km/h出したり、サーキットで直ドリをするのが趣味らしい、見た目から元「走り屋」で面白い人です)。

  こんなバリエーションのあるクルマなんで、ディーゼルと2Lガソリンの2台持ちなんかを夢見てしまう熱狂ファンも生まれそうな勢いですね。クーペと5ドアハッチが後から出てくれば2台あってもいいかも(セダン<グレー>でクーペ<白>かな)。もっともジェントルなのは2.5LのLパッケージなんでしょうが、遠出をするなら燃費的に不利だし、2.5L直4ってエンジンのセオリー(1気筒あたり400~600cc)から外れていてちょっとバランス悪い気もします。

  2Lとディーゼルのどっちを買うとすれば、やっぱりディーゼルですね。先代までの2Lアテンザが担っていた役割は、今後のマツダの新型スポーツに引き継がれるのかなと思います。RX-8をベースに高効率のNAエンジンを積んで4輪ダブルウィッシュボーンでハンドリングと加速のしなやかさ(ターボでドンとは違う良さ)を楽しめるクルマを再来年には出してくれると信じています。できればスペシャリティボディではなく初代アテンザのようなスポーツセダンのスタイルがいいかも(まるでアルテッツァだな・・・)。海外では新型FRスポーツとして売れて、国内ではジャストサイズセダンとして売れるようなクルマがそろそろあってもいいような気がします。
 
ラベル:マツダ RX-8 BMW3
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2013年02月11日

アテンザは世界最良のセダンか?

  新型アテンザに国内だけで約10000台(先月末9700台)のオーダーが入っているそうだ。長く国産の優良な新型セダンがなかったせいもあってかとても良く売れている。なんと言っても、王者クラウンと同じタイミングでのFMCでありながら(トヨタの密着マーク)、その影響をほとんど感じさせずに快調な売り上げは素晴らしい(心配してました)。今後、北米・欧州・ロシアでどのくらい売れるのか?もとても気になりますね。ただ改めて今回のパッケージングを見ると世界中のどのメーカーのセダンにも負ける要素はないように思います。

  「間違いだらけのクルマ選び2013」では、新型アテンザ→「サイズが大きすぎる」に対し、レクサスGS(アテンザと同じサイズ)→「国内市場に合ったベストサイズ」といったわけわからないことも書かれてました。車幅1840mmはたしかにホンダアコードの販売不振につながりましたが、現在では車幅1895mmの日産GT-Rが街中を普通に走っていたりするので、実際に気にする人は少ないのではないかと思います。レクサスLS・GSが走れるところなら全く問題ないです。

  新型アテンザの気になる点は車幅ではなく、(先代と比べて)サスを変更したことと、リアデザインの完成度の低さがもっと深刻だと思います。例えば「乗り心地の悪さ」は初代アテンザから言われていることですが、タイヤ変更であるとかショックアブソーバー変更である程度改善することができます。しかし今回のようにサスの形状を変えられてしまうと、大掛かりな換装が必要になるのでかなり困ります。新型アテンザではフロントサスの変更の影響を隠すために、わざとロールさせて転回性能を補うという仕組みが採られているそうですが、確かにはっきりと試乗動画を見ると2代目(先代)と3代目(新型)ではコーナーでの挙動が違って見えます。

  先代アテンザでは「FFでもFR並みのハンドリングを実現」という触れ込みが大々的に使われましたが、今回はそのアテンザの代名詞のはずの「ハンドリング」よりも「ディーゼル」による加速をプッシュしてますね。ディーゼルによるフロントの重量増ゆえの「ロール」を利用せざるを得ないのかもしれません。ガソリン2Lについてはフロントが軽くて良いと言われていますが、それは新型のディーゼルと比べての話であって、先代の2Lモデルと比べてどうなのか?この辺のコメントを的確にしてくれるジャーナリストがいないのが、マイナーメーカー・マツダのやや残念なところです(試乗に行ってもディーゼルしかなかったりします)。

  リアデザインについてはほんとに残念だと思います。確かにライバルのドイツ車のリアデザインも片っ端から酷いものばかりなのですが、ここが先代アテンザ並みに決まっていたなら・・・と思います。想像してみてください、新型アテンザのリアデザインが日産GT-Rかシボレーコルベットのようなモダンな造形美に溢れていたら、このクルマは歴史的名車になること間違いなしだと思うのですが。
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2013年01月24日

安全装備について

  二代目アテンザと三代目アテンザの大きな違いの一つに「サイドカーテンエアバッグ」と「横滑り防止装置」の標準装備化がある。三代目になってドイツメーカー基準ともいえる安全装備の標準化を行ってきた。安全装備のオプション設定が多く見られた従来の日本車は「安全に対する認識が甘い」などと批判されてきた。もちろん安全装備はどれも重要なもので批判されるのも十分に理解できる。受動衝突を考えるとサイドカーテンエアバッグはあった方がいい。
  ただドイツ車基準の安全装備がそのままスタンダード化された感もある。三代目アテンザはドイツ車ユーザーをターゲットにしていることから横滑り防止装置の標準化は不可欠だったのだが、それが全体のコストに大きく影響してしまっているようだ。横滑り防止装置を付けるためにフロントサスをストラットにダウンさせた。いくら安全装置が大事だからといっても、サスのようなクルマの本質を決める部品とトレードオフというのはどうか?余計曲りにくくなってスピンが起こりやすくなる気がする。アイサイトブレーキを付けたからといって、前方視界が悪くなったら意味がないと思う(実際のスバルはそんなことありません)。
  そもそも横滑り防止装置は何らかの理由でトラクションを失うとうまくハンドル操作が出来なくなるクルマのためのものだ。高級車で重量があり、高出力なのでFR駆動になっているクルマに必要なものだ。さらに言うと直進重視で日本車ほどには曲がれないドイツ車に不可欠なものだ。もしかしたら日本車では日産やトヨタのFR高級モデルじゃなければ不要?かもしれない。もしくは強烈なエンジンブレーキが発生するというHV車には必要かもしれない。新型アテンザのようにディーゼルエンジンを搭載して強烈なトルクが発生する場合も必要なのだろう。
  新型アテンザはトルクの出し方などでドイツ車にかなり接近したのでドイツ車並みの安全装備となっているが、そもそも4輪ダブルウィッシュボーンを履いてコーナー安定性も非常に高いFFのアコードや前モデルのアテンザに横滑り防止はオーバースペックだと感じる。たとえ横滑り防止装置が付いていようが、明らかに重量があってFRのドイツ車のほうが悪条件でのスピン確率は高く危険なのだ。それなのに「日本車は遅れている」とかコメントするジャーナリストが後を絶たないのは困ったことだ。
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2013年01月14日

アテンザはベンチマーク?

  トヨタの新型クラウンはハンドリングがかなり良くなったと評判のようです。ネットでは酷評が目立ちますが、世間の評価はそんなことはなく上々です。先日も栃木県に出かけて有名ラーメン店に並んでいたときのことですが、後に並んでいた3人家族(60歳くらいの夫婦と30歳くらいの息子)の会話が「クラウンロイヤルを買うぞ」という話題でした。実は列に並ぶ前に連れを降ろしたあと一人で駐車場にアテンザを停めて降りようとしたら、すぐ脇のヴェルファイアから降りようとする先ほどのお父さんが自分のアテンザをじ〜っと見つめていました。先に並んでいる連れの所へいってしばらく並んでいると、さっきのお父さんが真後ろの家族に合流し、クラウンの話になり「ちょっとディーラー行って見てきた。ロイヤルの下のグレードしか置いてなかった。」みたいなことを言ってましたね。帰りにラーメン屋の裏側にネッツがあって、栃木ではネッツでもクラウンが買えるみたいです。そのお父さんのアテンザを見つめるまなざしがとても熱かったですね。「若いのにセダンなんて良い趣味してるじゃねえか!』って感じかな・・・。
  新型クラウンは賛否両論ありますが、私は今のところ肯定派です。1番の理由はクラウンのデザインは今なお日本市場をメインターゲットにしていることです。歴代カムリやアコードのデザインはアメリカ向けでキャデラックやクライスラーに通じるようなグリルです(新型カムリHVの前面デザイン変更は◎)。山手線にアメリカの長距離列車が走るような違和感を感じます。新型クラウンは京浜急行の快速特急のような?ほどよい高級感と大衆車との差別化のデザインは絶妙だと思うのです。ドイツプレミアム御三家の日本市場へのデザイン面における親和性の高さ(JRの新型特急列車のような?)も率直に素晴らしいです・・・。クラウンの従来のデザインはどこか国鉄時代から使っている特急列車の雰囲気でしたが、「堅実でモダンな」デザイン変更がされたと思います。
  日産のフーガやスカイラインもアメリカ志向の「ギラギラ感」が目立ちます。スバルの現行レガシィB4も日産に準じた高級モデルへ変貌し、国内のスバルファンの失望を買いました・・・。国内の名だたるセダンみんなアメリカへ行ってしまい日本からいつ消えてもおかしくない状況です。国内のセダンファンからクラウンへ寄せられる期待はとんでもなく大きいはずです。トヨタを揶揄するつもりはありませんが、トヨタはライバル車がある時が一番力を発揮するのでちょっと力が出にくい展開でしょうか?アテンザ好きとしては日本向けデザインの仲間としてクラウンはぜひ売れてほしいと思います。冒頭のハンドリングの向上を聞くとMAZDAファンは乗ってみたくなりますよね。
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