2014年06月03日

MSアクセラではなく、セダンのMSアテンザで勝負してほしい!

  セダンが大好きな日産は新型スカイラインのボディにGT-Rの3.8Lツインターボを載せた「オールージュ」という「スーパー」スポーツセダンを開発したようで、限定かカタログかわかりませんが市販化へ向けてかなり現実的な完成度を誇っているらしいです。日産の視線の先にあるのはBMW M5やレクサスGS-Fといった同クラスのモデルもあるでしょうが、首都高やR246などで週末ごとに見られる風景の中で、突出した存在感を誇っているメルセデスE63AMG-4MATICがメインターゲットのようです。

  GT-Rではどうしても追いつけないE63AMG-4MATICの魅力とは、やはり「メルセデスを下品に乗りこなす」という非日常な世界観ですね。車重2トンの大型セダンが0-100km/hで4秒を切ってしまうという、ナンバープレートが付いてるクルマの限界に近い性能を発揮しつつ、後席にゲストを招ける「高級車」としての性能も付いてくるのだから、考えようによってはGT-Rや911カレラ4Sよりも断然にお買い得?と言えるかもしれません。

  一方で開発が進むGS-FやBMW M5は、ハンドリングに優れるRWDにこだわっているようで、これはブランドの選択にもよるのですが、やや気になるのが、最近では「スモールカー」でもAWDターボで「加速」を強調したモデルが流行していて、0-100km/hが4秒台を出すモデルがいくつもあることです。ゴルフRとアウディTT-RSのVWグループとA45AMGもメルセデスが「ポスト・ランエボ」を巡って激しく争っていますが、レクサスやBMWにとっては、1500万円クラスのV8を搭載した官能のスポーツセダンが、半額以下でしかない直4ターボのスポーツカーに加速で負けてしまうのは、なかなか目障りなことかもしれません。

  スポーティ・モデルも昔のような派手なスポイラーを付けてアピールする時代から、クルマが持つ「格式」や「真面目さ」の土台の上に高性能なスペックが載るという「ギャップ」が大きなポイントになりつつあるようです。そこで「鼓動」という真面目なデザインテーマを獲得したマツダにとっても、このコンセプトがスポーツモデルの展開にとって有益であることを認識しているようで、そろそろ市場を「あっ」と言わせるハイパワーモデルを登場させるのではないかという期待もあります。

  マツダの従来のスタイルだと、アクセラのスポーツハッチバックをベースにする欧州向けの「ホットハッチ」がすぐに連想されますが、どうもこのスタイルは「時代遅れ」なのでは?という気がしないでもないです。日本はスポーツ・チューンのトレンド発信地でもあり、その日本で高まりを見せているのは「ホットハッチ」ではなく、ややコンサバ化した「VIPスタイル」です。大きな車体に個性豊かな大排気量エンジンを搭載していて、広い車内で「人とコミュニケーションを図れる」「誰かを乗せてみたくなる」・・・そんなクルマ文化へと移行しているように思います。

  そのシーンの最先端にいるのが、やはりメルセデスで、系列のチューナーを多く抱え、欧州・北米・東アジアといった主要地域で大きな存在感を放っています。日本でもシーンの高まりでドイツやアメリカのチューナーからパーツがたくさん輸入・販売されています。メルセデスの専門雑誌に所狭しと展開される、「ブラバス」、「ボクスター」、「インデン・デザイン」といったチューナーはそれぞれに独立した世界観をはっきりと持っていて、同じW212(Eクラス)の製品を見比べても、全く別のクルマに見えてしまうほどに洗練されています。

  今後はマツダもこのメルセデスのような路線を上手く歩まない限り、北米での飛躍はなかなか実現しないでしょう。アメリカで好まれる車格から考えてもアテンザを中心に据えた「アフター・シーン」をあと数年の内に構築できるかが、ブランドのさらなる向上のためのポイントじゃないかなと思います。そのためにもデザインのみならず、クルマの基本性能(加速)をメルセデスに肩を並べるくらいに高める必要もあるでしょう。一つの方法として、新規に開発中のロータリーエンジンをアテンザのボデイに載せて、350psで0-100km/hで5秒を切るくらいのタイムが達成されれば、マツダブームにいよいよ火が付く予感があります。技術的にもエンジンさえ完成してしまえばそれほど無理なく発売することができるでしょう。


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2014年04月23日

アテンザ が北米シェアをなかなか伸ばせない理由は?

  最近ではドライブでクラシック音楽を聴いてみたりします。高速道路ではちょっと癇に障る感じがして、十分に楽しめないのが残念です、まあ4気筒ではほぼ無理なレベルではありますけど。新型スカイラインはエンジンとモーターの音がこもりがちなので、それを打ち消すための逆位相の音波を発する装置が付いたみたいです。さすが「車重」にこだわらないクルマはいいものを作りますね。そうなんですよ!ガッチリ作っているクルマは外部の音ではなくてエンジン音がやはりネックになるんですよ・・・。

  さてアテンザの次期モデルというのは気が早いかもしれませんが、もうあそこまでデカくしたのだから、次にやる事は日産やレクサスと静音設計で勝負することだと思います。メルセデスとBMWによって、ベントレーとトヨタの間を埋めるべく展開された「プレミアムカー」というジャンルでは、ほんの僅かな時間でレクサスとアウディがシェアを獲得しました。どちらもシェア拡大の最大のポイントは「静音性」だったと言われています。

  そして現在、アメリカではアテンザが参入するDセグセダン市場で異変が起きていて、従来の「マジョリティ」であったカムリとアコードがシェアを落とし、変わって日産アルティマとフォードフュージョンが台頭しました。フュージョンに関してはFMCによってエンジンのバリエーションが大幅に増えターボとHVがそれぞれ複数選べるという前代未聞の分厚いバリエーションが好調の要因でしょうが、日産アルティマ(ティアナ)はなぜ?

  アルティマも日本のティアナよりだいぶ前にFMCがあったのですが、アメリカのモーター誌を見ているとこれがやたらと評判がいいです。その一番の理由は「静音性」みたいです。「モダンリビング」といいつつ中国市販モデルをベースにしていることから、「ちょっとどうなの?」と疑問視する声もあった日本のティアナですが、やはり「モダンリビング」と謳うだけのことはありますね。直4搭載車の中では別格に静音がよくできています。

  日本では輸入車オーナーがまともに日本車を顧みることなく、「日本車はとことんプラスチックな作りで、安物感しかない!」みたいなプロパガンダを盲目的に唱え続ける(大合唱)しているのが、一般レベルまで浸透してしまっています。しかしドイツプレミアム3ブランドの中で最近特に「洗練度」を上げている名門メルセデスを本気にさせたのは、間違いなくレクサスとインフィニティ(日産)の2ブランドのクオリティの高さです。

  例えば、BMWの基幹車種3/5/7シリーズはそれぞれ同クラスのレクサスIS/GS/LSと比べると、まず内装レベルは全く勝てません。BMWは「3」はともかく「5」や「7」はほぼクラス最低の水準なので圧倒的な差がついています。あくまで私見ですけど「5・クライスラー300 < A6・CTS・E < XF・フーガ・GS」くらいの格差を感じます。クライスラー300の2倍近くの価格の5シリーズ(F10)の内装は残念ながらかなり「がっかり」します。

  そして今やクルマの基本的な性能に関しても、「この3台同士の比較において」はBMWではなくレクサスの方に軍配が上がります。もちろん好みの問題なのでBMWにもそれなりの良さは感じますし、噂によるとBMWはアナウンス無しの改良が行われていて、3シリーズ(F30)などは相当に作り直してきているという話も聞きますが・・・。

  さてアメリカに上陸した「日本製アテンザ」はどうやら「国外製造ブランド」という排他的な扱いを受けているようで、思うようにシェアが伸びてはいません。やはり外国メーカーがアメリカで成功するためには「現地生産」を進めていく必要がありそうです。「アウディ」以外の主要ブランドはアメリカでの生産を行っていて、実際に北米では「アウディ」の伸び悩みが顕著ですから、マツダも同じような洗礼を受ける可能性が高いです。国外製造専門で最近再びシェアを上げているマセラティはクライスラーと同じグループのブランドなので受け入れられているようです。

  マツダもさっさとフォードかGMの遊休工場を買い取って、高付加価値のスポーツモデルでも生産すればいいと思います。せっかくの「グローバル戦略車」構想で他もメーカーよりも先んじた評価を獲得したわけですから、世界最大の市場で思わぬ苦戦を強いられるのはもったいないなと感じてしまいます。
  


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2014年04月02日

アテンザは生き残れるのか心配だ〜!

  増税前の3月31日。とりあえず仕事サボってオイル&タイヤ交換でディーラーへ行ってきました。挨拶代わりに「アテンザのMCは今年ありますかね?」「いや〜どうですかね・・・これは本当に分からないです!」。最近やっとこさGJアテンザの良さもいろいろと分かってきて、いよいよ買う気が少しずつ出て来たのですけど、やはりそれなりに「重みのある』MCが行われるのが、個人的には妥協できない条件です。

  それに加えてアテンザやアクセラの最近の値引き情報を聞き出そうと思ったのですが、どうもマツダの方針は本気で変わったらしく、以前のような下取り無しでも50万引きといったことはやらなくなってしまったらしいです(本当はどうか分かりませんが)。「適正な価格を設定して値引き無しで売る」ことがブランド構築には不可欠とマツダのトップは考えているようで、今後はマツダは値引きを控えると発表していますが、値引きして客が納得した価格こそが「適正価格」という意見もあると思いますが・・・。

  もしレクサスのような「値引き無し」がブランド構築にとって必要不可欠だというならば、他の点もレクサスに倣って全車種ともに年次更新をして改良を加える必要があるのでは? アテンザは発売1年で小MCがアナウンスされましたので、「レクサス化」は少しは進んでいると言えますが、まだ何がどう変わったのか全く分からないレベル。この手の改良(アナウンス無しの更新)はもはやBMWやVWでは常識になっていて、試乗車とは全く違う乗り味のクルマが納車される時も当たり前なのだとか。マツダもどうやらこまめに部品価格の見直しを行っているらしく、細かい仕様については「社外秘」となっていて販売店も何がなにやらさっぱり分からないようだ。

  BMWもVWも基本的に「改良」だから大きな問題にはなっていないけど、メーカーが部品を随時選択して採用しているから、かつての製造精度の問題に起因する以上の「個体差」が出ているとか。某雑誌のオッサンライターから「新型アクセラは前後でダンパーのメーカーが異なる」みたいな指摘を受けていましたが、どこまでがメーカーの「意図」であり、どこからが「妥協」なのかがちょっと分かりにくい・・・。

  VWもマツダも同じですが、車体骨格など他社に対して優位な点はどんどんとカーメディアに情報を公開していますが、同時に絶対に明かさない「秘密」の部分もとても多いみたいで、技術系雑誌を読んでもたいしたことは書いてない。だから肝心のところで「???」となってしまって、購入すべきかどうかとりあえず「様子見」をしてしまいますね。もちろん素人ですから細かいことなど分からないのですが、新型アテンザもやはりもっと解り易く「よいクルマ」だと伝えるための包括的な情報公開があってもいいとは思いますが・・・。

  1月は活気に溢れていたディーラーも、だいぶ落ち着いた様子で営業マンもやや暇らしく、あれこれマツダの話をしていました。店舗もなぜか中型車が店内から片付けられ、デミオが一台置いてあるだけ。どうやら展示車までお得意様に売ってしまったようだ。さて余計な心配かもしれないけど、2014年は2年前の「アテンザの衝撃」を受けての本気のライバル車が続々と登場します。これまでは欧州車に満足しない層をかなり取込んできたので、価格面での優位がありましたが、今年の敵はいよいよ同じ価格帯の日本車!

  すでに日産「ティアナ」は”赤い”ボディで登場しました。とくにインパクトのある外装をしているわけではありませんが、内装面での充実ぶりと、AWDが選択できるなどアテンザには無いポイントをしっかり押さえてあり、クルマの実力としてはコストパフォーマンスを含めかなり高い水準にあると思います。

  6月説と11月説がありますが、確実に今年中にいよいよ新型レガシィが発売されます。毎年のように東京も大雪に見舞われるようになってきて、「セダンといえばAWD!」という声に押されてスカイラインもHV&AWDという離れ業を繰り出してきました。AWDモデルでもっともお買い得になるであろうレガシィ。価格とパッケージに加えてデザインも内装もシンプルながら洗練され、日本車Dセグの大将格にまで登り詰める可能性も高そうです。

  そして一番恐ろしいのが9月にある「カムリHV」のMC。最近のトヨタの流れではG’sという70万円程度のエアロパッケージ・オプションが用意されることも多くなってしますが、カムリの場合はベース車そのものを競争力あるデザインにする選択か。どちらにしてもアテンザにとっては驚異!マツダ自慢の直噴ガソリンもディーゼルターボも環境へのクリーンなイメージが後退していて、一方で全車HVのカムリは理想のパワートレインとしてトヨタの他車種でも支持をうけています。アテンザにとってはぜひMCを敢行して何らかの活路を求めたいところです。



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2014年03月14日

アメリカメディアに見るアテンザの現実・・・そして。

  ドイツを皮切りに欧州での活躍が目立つマツダですが、世界一の自動車市場アメリカにも今後は積極的に切り込む計画を公表しています。北米市場で新たなマツダイメージを牽引する役割を与えられたのは、フラッグシップのアテンザ。狙う中型セダン市場はFF4気筒モデルの活躍も顕著になっていて、アテンザのかつての兄弟車フォード・フュージョンが日本車3台(カムリ・アコード・ティアナ)を完全に射程圏内に捉えていて「4強」時代になっています。

  マツダとしてはこの4台が相手ならば十分に勝負になると見込んでいるのかもしれませんが、アメリカ市場はとにかく巨大すぎ!グローバル月産がせいぜい10万台のマツダにとっては、たとえこれを全てアメリカで売ったとしてもTOP3にも入れない水準。月産7万台程度のスバルではもっとお話にならないレベルなんですが、米依存度50%のスバルは目下のところ最大の成長株です。

  欧州とは勝手が違うようで、北米ではスバルにダブルスコアで負けています。アメリカ誌の両ブランドの取り扱いもその実績が大きく反映されていて、スバルが先日発表したWRXは2001年からアメリカで発売されたトラディショナルなスポーツカーとして大特集が各紙で組まれていますが、マツダに関してはほぼ無視・・・。マツダとしては「CARandDRIVER」や「MOTOR TREND」といった大手雑誌に積極的な売り込みをして露出を続けなければいけない肝心な時だと思うのですが。

  それでもアテンザの長期テストを行っている雑誌もありました。その雑誌では「アウディ・オールロード」「テスラ・モデルS」などの話題のツアラーを積極的に取り上げているようで、それらのクルマとの評価でアテンザの印象も何となくわかるのですが・・・これが喜んでよいものやらで判断が迷う感じです。ハンドルがゆるゆるでバスみたいなセダンが当たり前のアメリカに行けば、アテンザの個性は黙っていても光るのは想像できます。

〜〜〜〜引用はじめ〜〜〜〜
アテンザ(マツダ6)
  「偉大なるハンドリングツアラー!だけどサーキット周回には使えない。とりあえずタイヤを見直せ!(あとパワーも!)」

  ティアナ(アルティマ)
  「高回転時はちょっとだけうるさいけど、機敏!そして内装も実に良かった!」
〜〜〜〜引用おわり〜〜〜〜

  やはりアメリカでは日本車の評価は基本的に高いようです。アテンザみたいなクルマは完全に「異端」なんですかね。また日本でもダンパーやタイヤの選択を疑問視する声が上がっていましたが、やはり船のようにゆったりしなやかに(つまりサスは柔らかい)走るクルマが多いアメリカでは、アテンザの乗り味はあまりにも「無作法」なのかもしれません。

  完成度はともかくすでにアテンザのキャラは立っているのに、マツダはさらに「スポーツ」をイメージした戦略でシェア拡大を狙う様子。だけれども「パワー不足!」と出鼻をくじかれるのはやや屈辱的です。単発的にスポーツカーが発売される日本とは違って、アメリカのスポーツカーにはまるで規格があるかのように、同じサイズのボディと同じくらいの出力で数パターンの型にハマらないとスポーツカーとして一流とは見做されない空気をやや感じます。

  スポーツカーとして直4ターボが認められるのはCセグまでで、「フォーカスST」や「WRX」がこれに該当。そしてアテンザクラスのD/Eセグボディになると、取り合えず「V8」は必須というかなり厳しい「入会基準」が暗黙の了解のようです。「C63AMG」「RS5」「マスタング」「カマロ」など2ドア車がデフォというマツダにとってはなかなか近づけない厳しい領域。

  ここに参入するには、少なくとも400ps&6MTが必要で、マツダならば噂の超高性能ディーゼルターボか!それとも新たに復活の「3ローター」(全くの未確認!)か! 当然にAWD化が図られて、高速設計のスカイアクティブシャシーに、デザインのマツダが誇る2ドアクーペのボディを載せる! アコードにもクーペがありますが、アメリカで「スポーティ」を名乗るDセグは2ドア必須というのは間違いないようです・・・ということはいよいよ出ますね!







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2014年03月03日

MSアテンザはディーゼルで450ps級になる?

  アメリカで海外の自動車メーカーが成功するのは、想像以上に難しいようです。アメリカは自動車大国だからいくらでも自動車の需要がありそうですが、すでにスズキやPSAなどグローバルでトップ10に入るメーカーですら退場を決断しています。

  アメリカ連邦政府は自動車メーカーに対して容赦がないです。議会は突如として厳格な規制を盛り込んだ法律をつくり、無理難題を次々に押し付けてきます。経団連の言いなりでしかない日本政府とは大違いで、メーカーの都合などお構いなしです。その上、消費者からの締め付けもきつく、生産中止が発表されたホンダのインサイトは燃費表示に偽りがあるとした民事訴訟が行われ、ホンダに厳しい判決が出た事もありました。

  近年では一定規模の事業者にはEVモデルの発売を義務づけられているので、マツダも量産するつもりがあまりないロータリー搭載のデミオEVを作りました。他の大規模メーカーも一同にコンパクトカーによるEVをラインナップする義務があるので、次々とEVの市販が行われていて、各社趣向を凝らした魅力あるEVを発売しています。

  他にも排ガス規制、衝突安全基準も年々厳しくなっていて、マツダの新しいシャシー&ボディはとりあえず20年後でもアメリカの法律をくぐり抜けられるレベルで設計されているのだとか。日産、ホンダ、スバルも同様の新シャシーを次々に作っています。EVの普及や安全性、環境性能について自動車メーカーを正しい道へ導いているアメリカの自動車行政はすばらしい事です。

  アメリカの基準に適応して初めてスタートラインで、アメリカのユーザーに向けてブランディングはここからさらに苦労があります。1つの方法は生産拠点を米国に移すなどして地域経済に溶け込む努力ですね。アメリカの利益になる会社になることが手っ取り早いです。日本メーカーは昔からこの戦略が主流で、最近ではメキシコ生産に固執していたVWがとうとうアメリカ・テネシー州に生産ラインを開設しました。

  マツダはフォードとの提携の歴史からアテンザのOEM生産を続けていて、現地経済とのつながりも確保していますが、さらなる米国市場へのブランド浸透を目指して、アメリカで盛んなモータースポーツを通じて魅力あるスポーツカーを作りシェア拡大を目論んでいます。その戦略の中心に据えられているのがロータリーではなくて、アテンザディーゼルをベースとしたスポーツカーで、デイトナ24時間耐久などにアテンザ発売直後から挑んでいます。

  モータースポーツ誌によると、2013年1月のチャレンジは短い準備期間が祟り不完全燃焼。そして2014年1月は早くも前年の380ps級から、450ps級へのパワーアップが急がれ、開発を担当するマツダUSAには市販化に向けたタイトなスケジュールでのエンジン開発が課せられているようです。レース仕様の2.2L直4ディーゼルターボ(450ps)をそのまま市販モデルに使うとは思えないが、すでにBMWアルピナが発売しているD3のような高性能ディーゼルGTを目指した「マツダスピードアテンザ」が登場する日もそう遠くはなさそうです。
  




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ラベル:MSアテンザ
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2014年02月17日

ショー・カー的な展開を見せる「アテンザ」その行く末は?

  「走って画になるクルマ」から「停まって画になるクルマ」への転換。GH系アテンザからGJ系アテンザへのFMCは、このヴィジュアル上の変化こそが最大のポイントなのだと、割と最近になってやっと気がつきました。車幅と全長がある程度の数字で大きくなり、単純に言うとレクサスISがレクサスGSになったくらいの変化です。しかし街行くレクサスにそれほど極端なサイズ差を感じるか?と言われると微妙だったりします。レクサスの2台にはどうやらアテンザのデザイナーが意図したポイントは織り込まれていないようです。

  GJ系発売当初、どうもこのクルマが気に入りませんでした。GH系のセールスポイントと言うべき特徴がことごとく失われ、衝動的に買う人も多かったようですが、とても熱狂するデザインのクルマにはとても思えなかったからです。しかし1年あまりが経過し、グローバル市場の動向もだいぶ様変わりしてきた現在に至って、やっとマツダがGJ系アテンザで意図したことが少しずつわかってきました。

  自動車雑誌のマツダ車評をみると、デザインから技術に至るまで「独自性」が行き渡っているといった言われ方をされています。しかし真の意味で独自性を発揮しているメーカーは、マツダではなくスズキじゃないかと思います。マツダのデザインに優越性を感じるのは、マツダ車にオリジナリティがあるのではなく、マツダ車が多くの人々が共有する「クルマ観」を上手く実現しているからです。これを「独自性」と呼ぶのは自由ですが、マツダのアドバンテージは第一義的には「分かりやすさ」です。

  マツダの自動車開発、とくにアテンザ・アクセラ・CX-5の主力3車に関しては、マツダの開発者がグローバルでの自動車シーンに敏感にアンテナを伸ばして、そのコンセプトを作り上げているのがわかります。初代・先代のアテンザは欧州や日本で一世を風靡したアルファ156を尖兵とするFFセダン革命の主役を張るべく開発されました。初代のデザインはカペラを発展させたものでしたが、先代では2000年代前半にデザイン面で注目を集めたプジョー407からアイディアをもらった(パクった)ようです。

  さらにこの延長線上に3代目(現行)が登場するのだろうと思っていましたが、アルファロメオやホンダと争った高性能セダン路線を、ライバルの脱落を見るやマツダもあっさり放棄して、その後登場したのがGJ系アテンザでした。アルファ156の後継159は高コスト体質が嫌われ短命に終わり、アコードも欧州路線での高コスト化を見直しました。プレミアムセダン以外はことごとく失墜する市場でマツダも苦境に立たされたようです。新型アテンザ=収益確保が大前提だったのも当然で私の中に「色眼鏡」もありました・・・。

  今改めてGJ系アテンザを見直すと、このFMCでマツダは従来のイメージ、つまり欧州車の底流に流れるデザインから、コンセプトを大きく切り替えてきたのがわかります。アルファロメオのようなワインディングを疾駆する中型GT車から、大きくジャンプしアメリカナイズされた大都市の中心部に、堂々と停められている、アメリカンなフルサイズセダンの筋肉質なイメージへと降り立ちました。

  何の為に?それは今後の世界中のD、Eセグのセダンは北米市場で人気を得るかどうかが最大の焦点だからです。北米市場でのセダンは、日本のように中高年の地味なクルマではなく、若者のカスタムベース車として好まれる素材としての価値が重要になります。メルセデス、BMW、アウディのカスタムを専門に扱う雑誌が日本にも幾つかありますが、現在のところアテンザがそれらの仲間になっているという形跡はありません。

  GJ系アテンザに込められたマツダデザイナーの秘めたる想いは、日本のVIPカーに近い、こういったシーンの定番車としてアテンザを送り込むことなんだと思います。GJアテンザを至近距離で見ると、強く受ける印象は「骨太」です。サイドには力強い骨格のようなラインが入り、ボンネットもアメリカ車を彷彿とさせるロングノーズスタイルと言ってもいいくらいです。広いボンネットはアクセラも同じですが、「痛車」のベース車としての使い勝手を少なからず意識しているはずです。

  走らなければその価値がわからないと言われたマツダ車が、停まっているだけで十分に価値を発揮する時代がやってきたということでしょうか。北米の最大のカスタム車イベントであるSEMAショーにも積極的な展開を図ったマツダ。次の一手はやはり「RX-7の復活」になりそうだなと考えるのが自然のようです。


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↓マツダがこの雑誌の対象に今後なるの?にわかには信じがたいが

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2013年11月12日

アメリカのカスタム・アテンザの塗装が酷い

  アテンザもめでたくサンルーフが付けられるようになりまして、プライベートカーとしての活躍の幅が広がってきました。もしかしたら発売前に予約注文した人の中には1年で乗り換えもあるかもしれません。街中でも現行アテンザに派手なホイールを履かせたカスタムが見られるようになりました。先日もゴールドのホイールを履いたクルマを見かけました。

  マツダの予想を上回るペースで売れているアテンザは発売から1年近く立ちますが、いまだに目標(1000台/月)の2倍以上を維持しています。当然ながら今後は街中でも良く目に付くようになりましたので、マツダとしては販売を長く維持するために、パーツメーカーと協調して素早く外装パーツのラインナップを揃え、それを普及させ街中にいろいろなアテンザを走らせる必要があります。

  初代・二代目にも少数ながらカスタムされたクルマが見られましたが、現行モデルは従来とは客層がだいぶ変わったようで、カスタムの趣味にも大きく影響しているようです。BMWなどの欧州セダンにありがちな、ちょっとオシャレなホイールを配すような汎用カスタムではなく、アテンザの無国籍なデザインと大きくなったサイズから、アメリカンなスタイルが日本でも主流になりそうな予兆があります。

  サイドのボディラインが肉厚に見えるような不思議な質感を持つアテンザは、欧州車というよりはシボレーカマロのようなアメリカンな3BOXに似た趣があります。これまで欧州セダンが掲げることはなかった「赤」をイメージカラーにしたキャラクターも、原色を臆する事無く使うアメリカ車に近いポジションということを伺わせます。

  頭コチコチの日本の評論家は誰一人としてマツダ「鼓動」デザインの本質について言及するのを避けています。というより感性がまったく付いてきておらず、「日本車としては異例のスタイリッシュさ」みたいな生温い表現が連発されています。西川淳氏が「ドライバー」誌でアテンザを、半分見下しつつも「オススメ」なんて性格の悪過ぎる記事を書いていましたが、くだらないオッサンライターのプライドなんてどうでもいいですけど、プロならプロらしくしっかり分析して語れよ!と比較的好きなライターですけどイライラしました。

  これほどにツッコミどころが満載で、引き出しの多いクルマなんてそんなに多くないと思うのですけどね。そもそもドイツメーカーの中型車なんてどいつもこいつも「キープコンセプト」しか無いわけですから、ここまで存在を変えてしまうクルマにどう対応してよいか戸惑う部分はあるでしょうけど・・・。

  なんだかんだ言っても、初代も2代目もアテンザは決して「赤」をチョイスするクルマじゃ無かったわけです。中古車でも赤は明確に安く設定されています。そんなクルマが突然に「赤」しか似合わないクルマになってしまったわけです。まあ購入者の中にも赤を選んでよいものか散々に迷った人も多かったはずです。下取りの安さであるとか、8年とか10年とか赤のセダンに乗り続ければさすがに飽きてしまうのではと・・・。

  それでも時代の方がアテンザに寄ってきてしまったようで、新しいBMW4シリーズクーペも赤をテーマカラーに登場してきました。真っ白で同じ顔のF30を所有することを全く恐れないBMWオーナー達の忠誠心を知って知らずか、後続の2シリーズも赤いんですよね・・・。BMWの赤も下取りでは最低ランクだと思うのですが、新型アテンザの登場でこの老舗ブランドの風向きがコロっと変わってしまったのも滑稽です。

  レクサスLSなんかも「赤」の広報車が普通に走っていたりしますし、ポルシェ・パナメーラも赤くなっちゃいましたね・・・。別にアテンザの影響でと言うつもりはありません。おそらくこの奇妙な一致は、これらのクルマの開発段階ですでに「原色」で発売することが織り込まれているからです。つまりこれまで以上に「原色」セダンがたくさん走っている北米市場に照準を合わせているからだと思われます。

  北米マツダでは早くも2台のカスタムカーを市販前提で、現在行われているカスタムカーショー(SEMAショー)に出品されています。アメリカンなボディラインを配して北米での人気爆発につなげたいマツダとしては、アメリカのカスタムありきのクルマ文化の中でいかに短時間にアテンザ(MAZDA6)が溶け込めるかが勝負のようです。北米マツダも積極的なプロモーションで認知を広めるべく早くも2台のカスタムカーを作ったようですが、白ボディに蜘蛛の糸を張り巡らしたような酷いデザインには正直がっかりしてしまいましたね・・・。東京モーターショーにも何らかのカスタム・アテンザが出てくるのでしょうか?

  


ラベル:マツダ アテンザ
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2013年10月12日

初代アテンザを手に入れるチャンスが到来か?

  峠を楽しく走れるクルマ。日本ではそれなりに需要が高いはずなのですが、年々減っている印象です。日曜日の早朝に国道299号線(埼玉〜長野)を突き進めば、ドライブを楽しむクルマは絶版車ばかりです。それほど台数が多いわけではないですが、一応人気があるのが、トヨタのMR2とMRS、ホンダのS2000とインテRなどが多い気がします。輸入車になるとロータスエリーゼくらいでしょうか。

  なかなか峻険な関東産地へ早朝から出撃するような気合の入った人々は、「ミッドシップ」or「Vテック」というかなりシビアな選択をしています(ターボはやはりNGでしょうね・・・)。日本三大峠の1つ雁坂峠へ向かうヒルクライム(国道140号線)は、途中でループ橋が現れるほど勾配区間の連続で標高2000mの山頂の下を通るトンネルまで一気に駆け上がります。群馬の榛名山や碓氷峠を走る分にはどんなクルマでも構わないですが、ここを楽しく走るためには、特別に軽量でトラクションに優れたスポーツカーを選ぶ必要があるようです。



  残念ながらロードスター・RX-7・RX-8のマツダ勢は少ないです。この3台も性能では十分に活躍できるのでは?と思うのですが、やはり高齢者はマツダがあまり好きではないようです。街で結構目に付くマツダスポーツ乗りは一般的にそういう場所を好まないようで、もっと都会に近いところで見かけることが多いですね。RX-7/RX-8はいかにも「都会派」といった比較的若いユーザーが多そうな印象ですので早朝にはいなくて当然かも。一方でロードスターは・・・ここ走らないならどこを走るの?という気もしますが・・・。

  ロードスターは近所で高齢者が転がしているのをよく見かけます。やはりユーザー年齢層がほぼ同じなBMW Z4やメルセデスSLKとほぼ同じエリアでの活動がメインなようです。マツダロードスターは他社ユーザーも一目置く、日本発の世界的スポーツカーとして、専門家からも絶賛されていますが、実際に山岳地域でのドライブを趣味にしている人からすれば、絶対的なマシンではないのかもしれません・・・。

  こんな299号線や140号線にセダンでガンガン入っていくのが大好きです。同じような趣味の人もそこそこ見かけますね。飯能市側からの入り口となる299号線は中央線にポールを立てられているので1850mm幅のクルマだとなかなか大変なようで、旧型セダンが目立ちます。人気なのは、3代目レガシィ、アルティツァそして初代アテンザです。レガシィとアルティツァは5ナンバーサイズなので、まさに最高のステージとばかりに躍動?しています。初代アテンザはマツダのヘタレ(失礼!)スポーツカーの代わりに、かなり見かけます。

  レガシィは欧州でも絶賛されたシャシー性能の高さとAWDのトラクションがこのコースによくハマっていて、ボディサイズまで考えると代わりになる適当なクルマが見当たらず、なかなか買い換えが難しいクルマのようです。アルティツァもFRでここまで使い勝手のいいパッケージを考えれば、乗り換え候補はもはやどこにもありません・・・。初代アテンザは欧州しかもドイツで大人気となるほど、パッケージとスポーティさに優れたクルマです。欧州での普及のおかげで、ビルシュタインが専用ダンパーを発売したりするほどで、足回りを中心にいろいろ試すことができるレアなマツダ車です。2代目じゃあまり弄れないしな・・・。

  去年今年と新型アテンザと新型アクセラが相次いで発売され、おそらくこの初代アテンザからの乗り換えが相当数出るのではないかと思われます。よって中古で初代アテンザを手に入れて、足回りを弄って峠でも使えるセダンに仕立ててみるには絶好のタイミングが到来しています。

  新型アテンザとは違う前輪DWBのサスの効果でハンドリングとトラクションはむしろ新型よりレベルが高いくらいです(ホイールベースの短さを考えると当然ですが・・・)。2Lモデルを選べば車重1360kgしかなく、これはマークXよりも86に近いレベルです! しかもMZRのショートストロークエンジンは高回転でも安定して回るのでヒルクライムではとても頼りになります。

  中古車価格は50万円程度に抑えられると思うので、さらに10万円奮発してダンパーを変えてしまうのもいいかもしれません(ここがやや弱点か)。走行1万km以内のマツダ車にありがちな、ちょっとイラッとくる突き上げも中古なら気にならないくらいに足回りも柔らかくなっているでしょう。ブレーキも初代から新型までほぼ同じ性能で、峠走りにはマツダのブレーキはとても心強いです・・・慣れないとカックンいきますけど。

  そして何より、風化しないデザインがさすがです。ヘッドライトの樹脂カバーを変えて新品同様の透明感にすれば、現役バリバリのデザインになります。リアのデザインもとても優秀で「名車」の域です。初代アテンザユーザーはやはりデザインが好きなようで、塗装をやり直したであろうクルマもよく走っています。俗に初代はスポーツ、2代目はセダン、3代目はワゴンが傑作と言われているように、スポーツのデザインが一番鮮度があります。リアスポイラーも決して下品ではなく良い感じです。

  マツダには、ぜひこの初代アテンザのようなパッケージに優れて、足回りとハンドリングを追求できるクルマをリバイバルさせてほしいと思います。

↓GG系アテンザはこの手のパーツがたくさんあります。

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2013年09月22日

やっぱり次もアテンザを買おうと思ってしまういくつかの理由

  去年の今頃は新型アテンザの話題で、日本の自動車業界に新風を吹き込む予感があったのですが、こうして1年経ってみると、それほどホットな状況ではないです。今も尚クルマを巡る認識はというと、ディーゼルはディーゼルでしかなく、HVはHVでしかなく、D.S.ターボはD.S.ターボでしかないという状況です。燃費や車重を考えなければ大排気量のガソリンNAエンジンが最良なのだという事実はいまだに変わっていないように思います。燃費とか排気ガスとか考えなくて良いならばV8エンジンで快適なクルーズを楽しみたいとみんな思っているはずです。

  ドライブを楽しむならば、最大限に譲歩してダウンサイジングしてもせいぜい「1.8LのNA」以上のスペックは必要な気がします。150ps程度で車重を1500kg以下に抑えれば、2人乗車でも十分に楽しいドライブが出来る最低限の性能は確保できます。2人乗れば軽く100kgは車重が変わってしまいますし、旅行用トランクを2台載せればさらに総重量は大きく変化してしまいます。そこでエンジン出力や総重量の改善も大事ですが、それ以外のクルマの基本設計において重要な点が、どれだけ足回りでグリップを稼げるかということになると思います。特に150psそこそこで中型車を動かすのが得意なメーカーにとっては、その辺が生命線とも言えます。

  マツダは現在、日本市場においては直4エンジンのみで展開しています。直4で勝負する自動車メーカーは国内外に複数ありますが、特に高性能という点で評価されるブランドは、それぞれにミッションや足回りに独自のアイディアを散りばめて、「選ぶべき4気筒」として磨きをかけています。V6やV8にエンジンの魅力で直4が対抗するのはかなりの無理がありますが、同じ直4モデルの中では絶対的に優位なクルマをつくるべく、2000年頃から「ホンダ」「アルファロメオ」「スバル」「マツダ」「プジョー(シトロエン)」の中型5大メーカーがしのぎを削ってきました。

  とりあえず、長距離ドライブ用のプライベートカーを中型車から次も選ぼうとなると、結局はこの5メーカーに絞られるのかなという気がします。ドイツメーカーは1つも入っていないですが、彼らの本分はなんだかんだ言ってもハイパフォーマンス・カーなので、直4モデルはすべてスルーでOKだと思いますし、もし買ったら絶対に後悔するのではないかと思います。結局のところドイツメーカーはこの地球上にV8エンジンで500psを振り回す米・英のクルマが世界のカーマニアを魅了していることに対して強烈なコンプレックスを持っているようです。そしてその結果作られたのが、C63とかM3で、中型車に無理矢理V8押し込んで凄んでいるのは、世界中見回してもドイツメーカーだけなのです。

  これがドイツ人のメンタリティなのだと思います。もちろんアウトバーンの本家という地理的な理由はあると思いますが・・・。ドイツブランドは常にV8を積むトップエンドの「スペシャル性」と直4を積むボトムエンドの「効率性」を経営の柱にしています。よってVW系列の6000ユーロ程度でも耐久性の高い低価格車と100,000ユーロ近い世界水準の高性能車こそにドイツ車の魅力が詰まっていると思います。よって彼ら(BMW・メルセデス・アウディ)の4気筒ターボなんぞは、やや極論ですが、存在意義としてはアストンマーティン・シグネットみたいなものです。

  偏見ではなく、ドイツ車の中型車はどこか投げやりに作られているように感じます。先ほど挙げた中型5大メーカーと比べると、完全に「愛情不足」と言えると思います。ただ同じ理屈をトヨタ(レクサス)と日産に当てはめると、さらに酷いことになっていたりします。トヨタ・日産の中型車はコンパクトカーを「水ぶくれ」させたようなモデルと、マークXのような昔からの愛用者に配慮した生き残りモデルしかありません。生き残りモデルは国内専用モデルが多く、グローバル時代の最先端を行くクルマと比較するとたちまち欠点が露呈します。     
  

  ⇒「BMW320i(E90)とマークX3.5L(2代目)の比較動画」その1 その2 その3

  果たして「中型車5大メーカー」がBMW・メルセデス・トヨタ・日産の中型車より優れているか?というと見方によって違う結果が出るかもしれないですが、それでも私は作り手の「愛情」がどれだけ感じられるかでクルマを選びたいと常々思っています。中型車5大メーカーが誇る歴代の名車には、同じ中型車の3シリーズやCクラスにはない輝きを感じるのです。

  ただこの5メーカーも現在は、ホンダ・アルファロメオ・プジョー(シトロエン)が看板モデルを欠いていて、かつての「CF型アコード」や「アルファ156」、「プジョー407」のような味のあるFFセダンを早く復活させてほしいと思います。156と407はV6モデルもありましたが、やはりFFにはV6は重過ぎなので、せっかくフロントにDWBを使った効果が薄れてしまい不評でした。一方で直4モデルはエンジンの良さも含めて絶賛されていました。

  いま現行で直4で看板モデルを出しているのが、「スバル」と「マツダ」だけなので、とりあえず「レガシィ」と「アテンザ」は中型車の中で選ぶとすれば、最有力な選択肢にと言えるめぼしい「買い」のクルマだと思います。ただどちらも歴代モデルと比べた時に、「最良か?」という疑問がいくらかあります。どちらの現行モデルにも言えることですが、やや「売り」に行った感が鼻につきます。若者に「自分にとってこれが最高」と感じさせるようなクルマというよりは、高齢者に「良いクルマ」と思ってもらおうという意図が強過ぎる気がします。マトモな感覚の持ち主ならスバルやマツダに「特別な高級感」求めようとは思わないはずです。

  「特別な高級感」があるクルマが欲しいなら、ジャガーやマセラティもしくはレクサスを買えば良い訳です(高いですが・・・)。高級セダンとして最高の愛情をそそいで作られているのがこの3社のクルマです。スバルやマツダがこれに取って変わることは今のブランドのスタンスではどうやっても無理です。グローバル時代は情報の時代で、世界のセレブがどんなクルマに乗っているかが簡単に分かる時代になった訳です。マークXに乗るセレブなんていないし、そもそも北米・欧州で売られていないこともみんな知っています。街行くマークXを見て誰も高級車なんて思わないし、3シリーズやCクラスも同様に高級感を感じるためのクルマではなく、実用車だという当たり前の認識が広がっている時代です。

  2000年頃に新たなプライベートカーとして、世界中の若者から熱狂的に支持された、CF型アコードによる「FF革命」によって、世界に名を轟かせたアテンザやレガシィが、もはや完全に時代おいていかれていて、都心で乗っていても嘲笑の対象にしかならないようなクルマの安っぽい高級感を今さらのように真似てしまったのは残念な限りです。あくまで抽象的な解釈ではありますが、現行のアテンザやレガシィは完全に牙を抜かれた感があります。 

  自らを「走りのメーカー」と称するのであれば、BMWや日産にも絶対に負けないストロングポイントを盛り込むべきなのに、BMWのようなディーゼルを積んで、ティアナみたいなつまらないクルマになりつつあることが「進化」と謳う新型アテンザには正直言って失望しました。ただホンダ・アルファロメオ・プジョーが次々と挫折する中で、FF中型セダンとしての新たな活路を見出すべくモデルを継続して奮闘している点は素晴らしいと思います。来年以降のMCで新パワーユニットやスペシャルティーモデルの追加でGJ系アテンザが「息を吹き返す」のを期待しています。




posted by cardrivegogo at 17:54| Comment(8) | アテンザ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年09月19日

新型マツダスピード・アテンザ(GJ系)は?

  スポーツカー人気が再燃の気配です。86を作るだけでは飽き足らず、トヨタとレクサスでさらに複数のスポーツカーとスペシャリティカーを作ることがすでに決定しているようです。トヨタは改革が一段落し、業績は右肩上がりですが、好調の要因はF1撤退も過去のものになりトヨタに対するイメージが回復したこともあるかもしれません。

  マツダとしてはロードスターやRX-7・8で日本車のプライドを守ってきたという自負がある中で、トヨタに美味しいところを持っていかれて、幹部も心中は穏やかではないはず。いよいよ2010年代のマツダのスポーツカー展開が解き放たれる時も迫っているようです。今後2年以内に発表が確実視されているのが、新型ロードスターと新型マツダスピード・アクセラです。ただどちらも既存のモデルの後継ということでイマイチ新しさがありません。RX-8の後継となるスポーツ専用モデルの開発は、去年までのマツダの危機的状況のためか大きく先延ばしされているようで、まだまだ時間がかかるようです。

  ロードスターには86という強力なライバルが出現し、市場環境は厳しくなりつつあります。MSアクセラに関してはゴルフGTIを想定した「ホットハッチ」で欧州市場での販売を意図したモデルです。FFのハッチバックベースのスポーツモデルは量販車のイメージアップ戦略として有効であり、ルノーやフォードが強力な資本を背景に開発を行っていて、激戦区へと変わりました。その中でも最高の評価を受けている「ルノー・メガーヌRS」はニュルブルックリンクで、あの32GT-Rを超えるタイムを出しているほどです。FFハッチバックとはいえ、その性能はすでに日本市場で市販されているFRラインナップのすべてを上回ってしまっています。

  もう一方の雄である「フォード・フォーカスST3」は従来使っていた5気筒2.5Lのフォード製エンジンから、これまたビックリのマツダが設計した「MZR」エンジンをベースにした高性能2Lターボに載せ変えて、一気に評価を高めました。今や欧州の「ハッチバック」と「エステート」の花形モデルになっています。ロードスター用のエンジンをフォードが独自に直噴ターボ化したスポーツエンジンを持ってこられては、「スカイアクティブ−G」をいくらチューンナップしてもとても歯が立ちません・・・。

  フォードとパートナーシップを維持しているマツダとしては、フォーカスST-3とガチンコのモデルを作るのではなく、よりバランスの良い最適なFF車として高性能アクセラと仕上げるようです。マツダとしてはスポーツモデルの新たな頂点を目指して、これまでに無かったプロジェクトが動いていると海外メディアではすでに何度も報じられています。その根拠として新型のGJ系アテンザのシャシーは引き続き250km/h超に対応する設計がされていることが挙げられます。

  GJ系アテンザはさらなるハイスペックなエンジンを搭載できるようにエンジンルームが拡げられており、マツダがその気になってGTカーに仕上げれば、BMW7シリーズのように300km/h超も可能な高性能セダンになります。現実問題としてマツダがV8を作って、北米のマッスルカー市場に殴り込みをかけるかはわかりません。ただ北米ではマツダ6と同じ価格帯のクライスラー300Cやシボレー・カマロなど低価格なV8モデルが人気です。ただFFベースのアテンザにV8はハードルが高いです。アウディでも採用例は限られています。

レクサスは北米向けの切り札として「GS」と新型の「RC」にV8搭載のFを設定して既存のLSと合わせて、メルセデス・BMW・ポルシェ・ジャガー・マセラティといったライバルに負けないV8ラインナップを構築するようです。果たしてマツダの視線の先にあるのはクライスラーなのか?ホンダなのか? あくまで想像の話ですが、アテンザをアコードやカムリの「2番煎じ」として送り込む意図は当然にあると思います。HVに対抗してディーゼルターボを北米に展開して主導権を握れれば良いです。しかしドイツ勢も黙っているわけはなく、ブランド力で上回るメルセデスやBMWもディーゼルターボの北米上陸を画策しています。

  マツダとしてはどうやって、BMWとメルセデスを出し抜くか?が最大のポイントで、良好なデザイン力を生かしたスペシャリティモデル(2ドアクーペ)の開発にすでに着手していると報じられています。その上でGT-Rのような「スーパー・スポーツ」の領域にまで近づいた性能(400ps以上?)のパワートレーンを自前で用意しないとブランドとして定着できないでしょう。この20年で200ps程度のスペシャリティ・セダンが北米で成功した例はありません。

  以上のことから、登場が噂されるMSアテンザはAWDで直4の2.5Lをターボで過給して350ps程度というのが現実的な路線かもしれませんが、より高性能で安定的な性能が発揮でき、フラッグシップとしての静音性に配慮したV6ベースのAWD車になる可能性もあります。いずれにしても350ps以上の性能を$40000以下で発売すれば、それなりの反響はありそうです。日本価格は450万円くらいでしょうか・・・。

  
↓AUTO EXPRESSのアクセスランキングでMAZDA6が1位でした!素晴らしい!

posted by cardrivegogo at 13:23| Comment(5) | アテンザ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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