2014年06月04日

スカイライン も ティアナ もいいクルマだな・・・

  近所の日産ディーラーにスカイラインとティアナが置かれるようになりました。どうやらティアナの方が外観がガッチリしていてどちらが高級車か解らなくなりそうなので、敢えてとなりに並べることはしないみたいです。いつ見てもボンネットが低くて小振りに感じるスカイラインからは、「シルビア?」みたいな印象を受けます。デザインに「メッセージ」があるというと、大げさかもしれないですが、一般に言われるような「高級車っぽい」という感想は適切ではないと思います。日産のデザイナーは車格を損なうことなく、目一杯にスポーティで「ガリガリ」なデザインを目指しているのが何となく解ります。

  2代前のV35スカイラインは日産車が従来抱えていた、コンサバティブなイメージを打破するために、やや「未来的」なデザインを取り入れた「ポップ」な仕上がりでした。その後V36になり、ややポップさは影を潜め、かわりに「日産らしいヤンキーさ」が加えられ、色気のあるデザインになりました。この2台と比較するならば、「硬派」「真面目」そして「武骨」といったところがV37のポイントでしょうか。

  それに比べて、ティアナは「アメリカンなフロントデザイン」などと言われていますが、カラーがブラックだとグリルのデザインの奇抜さもだいぶ抑えられて遠目には先代クラウンに見えたりします。全体のバランスとしても変な腰高感もなく、同クラスの日本車セダンの中で最も「古典的」な様式美を尊重したデザインといってもいいかもしれません。日産のラインナップではフーガとスカイラインが2枚看板であり、ティアナは主張の少ない控えめなデザインが意図的に採用されていて、目立つのが好きな人には物足りないかもしれませんが。

  スカイラインもティアナもなんだかよくわからないけど、やたらと評論家筋から批判されてるんですよね。よく読んでみると、クルマの基本性能に関してはどちらも抜群で、クラスで最高レベルなんだという事実はある程度は認識しているのに、あえて批判してくる理由がまったくわからないです。価格にしてもどちらも内容を考えれば最高のコスパを誇っているといえますし、少なくともスバルのレヴォーグなんかよりは断然におすすめできるクルマだと思うんですよね。

  この2台がムカつく人々というのは、価格・性能で完全敗北を喫している国内最大手のメーカーの首脳部の方々くらいじゃないでしょうか? そういった人々の悔しさを雑誌メディアのライターが必死になって代弁する必要なんてないと思うんですよ。アテンザ発売直後にも、どこからともなく「輸入車のパクリ・デザイン」とか、「部品はほとんど中国製」とか「前後輪でダンパーメーカーが違うって変じゃない?」みたいな、本質的じゃない意見が湧きました。

  もちろん「マツダがパクったんじゃなくてジャガーがパクった」わけですし、トヨタもホンダも中国製部品なんてたくさん使っていますし、ゴルフ(全VW車)なんて「メイド・イン・チャイナ」と言っていいくらいに、中国でほとんどの部品を調達しています(日本製もありますけど・・・)。ダンパー供給元についてはよくわかりませんが、前後輪で異なるクルマは他にもあるんじゃないですか? とまあ自分で調べれば評論家の意見でクルマのイメージが大きく変わるなんてことはないわけです。

  アテンザは発売後、半年くらいしたころから、海外メディアでの反応がとても良かったこともあり、日本のメディアも突然のように「掌を返し」始めました。カー・オブ・ザ・イヤーのデザイン賞でアストンマーティンとジャガーのスーパースポーツと並んでベスト3に選ばれたあたりから、デザインを批判する人はほとんどいなくなったように思います。

  スカイラインとティアナも現状では複数のメディアが徒党を組んでネガティブ・キャンペーンを張っていますが、あと数ヶ月もすればおそらく評価が180度変わると思います。新型レガシィのデザインが公開されていましたが、車高が高すぎの1550mmというアヴァンギャルドな設計を見て、スカイラインやティアナを止めてレガシィなんていう選択肢は「絶対にないな・・・」と思いました。さらに1000万円すると言われるホンダのレジェンドが登場したときには、「スカイラインHVってやっぱりスゴかったな!」という評価に落ち着きそうです。

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posted by cardrivegogo at 12:36| Comment(6) | 日産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月28日

アテンザが評価されてスカイラインが酷評される世の中に疑問

  なんで日産はこんなにも叩かれるのだろう?トヨタやホンダよりも良いクルマを作ることはまるで「犯罪」とでも言わんばかりの大炎上ですね。誰が後ろで糸を引いているのでしょうか? スカイラインのHV化はどうやら何者かの尻尾を踏んでしまったようです。ちょっと前までは国内メーカーが新型セダンを投入するというだけで「すばらしい!」と絶賛される雰囲気に満ちていた日本市場ですが、頑張り過ぎた日産は「出る杭は打たれる」といったところでしょうか。

  レクサスISとのライバル関係が先代までは盛んに言われていましたが、今や比較するのがタブー?ということはないでしょうけど、IS350とスカイラインHVのスペックは並べてはいけないレベルになっています。ただし100kg以上も軽いIS350の方が良いという声もあっていいですし、デザインの作り込みもISの方が一枚上手。インパネのデザインもBMWやマツダをそのまま上質にして違和感がないIS350が好みです。けれどもこれは全て「主観」でしかないですし、ISの売れ筋の300hとの比較ならばスカイラインHVの素晴らしさばかりが引き立ちます。

  V35以降のスカイラインは国内のファンにはやや不評だったようですが、北米での活躍は目覚ましいものがありました。派生車種のGT-Rでポルシェのプライドをズタボロにし、北米市場ではBMWの直6ターボを叩きのめすために、わざわざ3.5L→3.7Lへと排気量を変更するまで高性能にこだわりました。ここまでして世界の頂点に君臨するのは日本車だ!という信念を貫き通しているのに、日産が「日本を軽視している」と連呼する評論家と素人さんには「馬鹿言ってんじゃね〜!」と憤りを感じます。

  VW(ポルシェ)とBMWを軽く捻った日産の実力は、当然ながら苦戦する老舗高級ブランドのメルセデスの目に留まり、メルセデスと日産の対等関係による技術提携が成立しています。メルセデスとしては日産の技術を全て飲み込んで、かつての輝きを取り戻そうとしているわけです。ナンバー1ブランドという名声に溺れてイメージをどんどん壊してしまう中で、激しくメルセデスを追いすがってくるBMWやアウディの影に怯え、「メルセデスはスポーティではない!」という朗弁を駆使してまでその地位を守ろうする一方で、メルセデスは密かに反撃の機会を伺っていました。

  ポルシェ・アウディ・ランボルギーニと徒党を組んで欧州・中国を制圧しようとするVWグループに対し、メルセデスは日産・マクラーレンを従えて立ちはだかり、短期間でマクラーレンをランボルギーニに匹敵するスーパーカーメーカーへと成長させました。GT-Rのエンジンブロックや日産系列の高精度を誇る部品メーカーを多く駆り出していて「メイドイン・ジャパン」と言われるマクラーレンのスーパーカーはいまや自動車雑誌の定番コンテンツへと成長しました。

  日本の自動車産業への日産の大きな貢献はともかく、スカイラインHVへの評価が異常なまでに低いことにはただただビックリです。BMWアクティブHV3(732万円)やレクサスGS450h(724万円)といったクルマと比べて「加速性能」「燃費」に優れた完全勝利のパワーユニットを積んで463万円ですよ! そして虐げられる主な理由が、なんと「NISSANマークを外したから・・・」だそうで、いい年したオッサン評論家がバカみたいなことを言っているわけです。インフィニティマークだってなんだか「富士山」みたいで日本らしくていいじゃん!と思うのですが・・・。今年から「NISSAN」は「フジヤマ・マーク」に変わりました!って宣言すればそれで済む話じゃないですか?

  マツダがディーゼルを300万円という破格で発売して以来のインパクトが、スカイラインHVにはあると思います。メルセデスE350ブルーテック(821万円)、BMW320d(500万円)といった辺りと完全に同等なクルマを300万円で出したマツダも相当にスゴいですけど、現在のスカイラインが置かれているような「曖昧なコンセプト」による軋轢も少なからずあったわけです。クルマは重くなり、マツダのガソリンエンジンのキビキビした走りとはややギャップがあるディーゼルのフィーリングだったりと、正直ディーゼルを全く受け付けないマツダユーザーもかなりおられます。

  それでも「ステア・バイ・ワイアは気持ち悪う〜」と主観で切り捨てる某・西川淳氏とは根本的に違って、自分は乗らないけど「マツダは素晴らしいクルマを作った!」という賞賛する気持ちは湧いてきます。スカイラインもアテンザもやっていることはほぼ同じだと思うのですが、やはり背負っている車名の重みの差がこれだけ大きく評価を分けるポイントなんでしょうね。「13対3」の差はやはりデカいですね。アテンザとスカイラインはどちらも「日本車」の未来切り開いた重要なモデルであることは間違いないです。
  


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↓2誌が同時に日産を大バッシングという異例の展開。


posted by cardrivegogo at 12:39| Comment(0) | 日産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年05月20日

スカイラインとアテンザの世界観

  ちょっとデカいテーマなので、オチすらないかもしれませんが、よろしければお付き合いください。2012/2013年と日本メーカーから出てくる新型車はかなり水準が高く、どれも満足できるものばかりでしたが、特にアテンザとスカイラインの2台に注ぎ込まれた情熱は凄まじいものでした。その矛先は確実に「プレミアム・カー」として日本でチヤホヤされていたドイツブランドの同クラス車へと向けられていて、まるで「日本のユーザーよ目を覚ませ!」というスローガンが付けられてそうな出来映えです。

  アテンザの主張は「プレミアムカーって本当にカッコいいですか?」といったところでしょうか?プレミアムカーというくらいだがらスタイリングがさぞかし良いはずなのですが、実際はそれほどでもなかったりするものもあります。いや、そんなのばっかりじゃないか?という気が・・・。「デザインの時代」と言われる中で、マツダが「それじゃいっちょやってやるか!」と気合いを入れて作ったのがこのクルマです。

  実際のところは、日本でも欧州でも販売が伸び悩み、2011年頃から再び倒産が頭をちらつき始めたマツダが、「窮鼠猫を噛む」かの如くプレミアムブランドへ襲いかかったわけです。経営危機に瀕したマツダはいつも「良い仕事」をすると言われていますが、今回は特に「即効性」を重視したコンセプトです。簡単に言うと「プレミアムカーを納得の価格で提供する」ってことなんですけども、実際のその仕上がりは目を見張るものがあり、大衆ブランドのマツダにここまでやられてしまったら、メルセデスやBMWはもはやお手上げです。

  「即効性」とは分かりやすさです。GHアテンザは「高速ツアラー」という、新しいコンセプトでシーンを作ろうとしていましたが、高速料金が恐ろしく高い日本ではイマイチ浸透しませんでした。GJアテンザは最初からそんなことは考えずに、「3シリーズやCクラス」と同等以上の走り・乗り心地・デザインを100万円以上安くで提供します!という直球勝負で、クルマの細かい矛盾点にいちいち気を止めていません。「車内が広くて、高級感があって、カッコいい」が揃っていれば間違いなく売れる!そんなことはどのメーカーにも解りきっていることなんですが、その3点を貪欲に追いかけることでバランスが損なわれるといった弊害が起こります。マークXがクラウンより「広くて、高級で、カッコいい」としたらトヨタにとってはややこしい問題になります。

  スカイラインはそんな状況の中でも、レクサスとドイツ3ブランドを追い落とすために、「広くて、高級で、カッコいい」ではなく、ひたすらに「高性能」を追求したようです。大排気量のエンジンでは燃費が悪いからその代替案として、排気量を下げて性能を下げるか、ターボで誤魔化すといった、大衆ブランドが使う方法をそのままプレミアムカーに当てはめるなんて根本的に間違っている!というのが新型スカイラインにおける日産からのメッセージです。

  BMW3シリーズのベースグレードが乗り出しでおよそ500万円。同じ金額でスカイラインを買えば・・・。300万円のアテンザでも十分に互換できます。なので3シリーズもアメリカ価格とは言わないですけど、400万円で十分足りるくらいまで値引きされてちょうど良いくらいです。去年、販売が好調だったモデル末期のメルセデスCクラスは400万円をかなり下回っていたそうです。アテンザの上位モデルは400万円に近いですから・・・まあ日本市場で何が起こっていたかは薄々は想像が付くと思います。

  値引きされたCクラスや3シリーズとほぼ同じ価格だとしたら、アテンザに勝ち目があるのか? これはかなり微妙な点で、やはり日本における一般的な視点ではCや3を選びたくなる心情は何となくわかります。しかしこれは着眼点の問題でもあり、Cや3をそれぞれメルセデスやBMWとして「アリ」だと思うか「ナシ」だと思うかという個人の判断に寄る所が大きいです。とりあえずアテンザと価格帯が競合する直4ターボのベースモデルは「ナシ」だと思うんですよね・・・。

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posted by cardrivegogo at 12:08| Comment(0) | 日産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月25日

日産ティアナ はどうやらアテンザを軽く越えているらしい・・・

  世界中のメーカーと友好的なマツダにとって唯一、ギクシャクした関係を抱えていそうなのが「日産」ですかね。そう感じられる一つの例が、マツダの代名詞となった「鼓動」デザインは日産のコンセプトカーのパクリじゃないか?という「紛れも無い事実」・・・日産ファンの間では常識らしい。その一方で日産の親会社格になるルノーはデザイン統括責任者をマツダから引き抜いて、新しいブランドイメージ構築の柱にしていて、両者はなかなか抜き差しならない関係になっているのはほぼ間違いなさそうです。

  そして今回の「新型”パクリ”アテンザを潰すべく」登場した日産ティアナからビンビンと伝わってくる「宣戦布告」という日産の意思表示に、マツダも戦々恐々のようです。アテンザのグローバル展開、特に北米と中国で大きく立ちはだかってくる「最大の壁」がこの「ティアナ/アルティマ」になりそうです。北米では現在快進撃が続いていて、アテンザはイマイチ勢いに乗れていません。米雑誌の評価はどちらも高水準ながら、「ティアナ/アルティマ」の方がより高い評価を得ています。

  日産の全ラインナップにおける基本的な設計思想の全てに共通して含まれる”通奏低音”は、「日産以外のメーカーは全てカス!」という完全なる上から目線からの賜物です。グループメーカーのルノー車ですら「日産エンジン積んだから少しはまともになった」という評価にすぎず、あとは対等なパートナーシップを結んでいるメルセデスが唯一認められるレベルで、レクサスもBMWもレベル低すぎてまったく日産車の敵ではない!くらいの暴虐無人さが広告のコピーにも至る所にみられます。

  新型スカイラインのCMでは、(名指しこそしていませんが)レクサスISを「ありきたりのプレミアムカー」とこき下ろし、新型ティアナのコピーはマツダアテンザは「子供向けの”なんちゃってカー”」という軽蔑の念を前提としていて、ティアナこそが「本物を知る大人のクルマ」と言い切っています。これだけに留まらず、ノートの販売戦略はアクアやフィットを「ガラパゴスで花開いたHV商法」と吐き捨て、コンパクトカーのHVでは「燃費で元がとれない」という指摘をしました。

  セレナはステップワゴンやノア/ボクシィを「コンパクトカーの水増し」と蔑むニュアンスがありました。快適性を謳うミドルサイズミニバンを本質的によいクルマへと昇華させたのが、セレナです。日産の営業マンはライバル車を口頭で貶めてはいけないとキツく言われているようで、「マツダとの比較ですか?まあマツダもいいんじゃないですか?(あなたレベルならマツダがお似合いだ!)」みたいなことを言ってくるらしいです。

  日産の開発者の話を聞いていると、多くを語ろうとせずに「これが(R35GT-Rを作ってしまう)日産のクオリティです。」みたいな姿勢で無理矢理に解ってもらおうなんて少しも思ってないですね。誰が何と言おうとも「日産車=クラス最高水準」は自動車業界全体の常識で、たとえ相手がポルシェだろうがBMWだろうが日産の上に立つことはあり得ない!とでも言い出しそうなくらいに自信がありそうです・・・確かに説得力はあります。

  そんな「眠れる大蛇」の尻尾をまんまと踏んでしまったのが、マツダアテンザみたいですね。それにしても新型ティアナは調べれば調べるほど「納得」させられてしまいます。アテンザも随分高級感が出てきましたが、まだまだ福野礼一郎氏にさんざん弄られるレベル。この野蛮極まりない「レイシスト」に「文句無しの高級感!」と言わせるのが今後のマツダの課題ですね。その一方でレクサスと日産はすでに「この人」をしてメルセデスやBMWより上の水準と認めさせています。確かに日産の上級モデルの内装はため息がでるほど良いです。とうぜん例に漏れずティアナの内装もとてもいい!これではアテンザは分が悪い。

  そしてなにより今回のティアナの素晴らしい点は、高張力鋼板を多く使った設計でボディ剛性を挙げつつも、アテンザにじわりと迫る1470kgまで「減量」してきたこと。当然ながらハンドリング設定の自由度も大幅に上がり、投入する市場の道路事情によって様々に作りわけることができるのだとか。中国向けやタイ向けといった設定とは違って日本向けは「アテンザを徹底マークしたドライビング・モード」になっていて、「ハンドリングのマツダ」に堂々と闘いを挑んできました(日産の場合は上から目線だけども)。

  さて最高の敵に巡り会ったわけですから、マツダは日産の胸を借りるつもりで、全力でアテンザを進化させてほしいと思います。

  

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posted by cardrivegogo at 05:08| Comment(2) | 日産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月07日

日産が新型スポーツセダンを作ったらしい・・・。

  日産の中型車ラインナップにはずっとぽっかり穴が開いている状況が続いています。シルビアやプリメーラのユーザーはおそらくずっと日産の再始動を期待していて、86が発売されても日産への忠誠を守っている様子です。中には経年劣化があまりにヒドくBRZに奔った人もいたかもしれませんが・・・。

  日産の国内の中型車ラインナップは相変わらず北米モデルの併売が基本です(栃木県組み立てですが・・・)。スカイラインの2.5LのV6が今回のFMCで無くなるのも、そのグレードが北米には設定されておらずグローバルではほとんど需要がないからです。V6HVの新ユニットがあれば燃費面では2.5Lを補えますが、パワーを両立させた分が素直に価格に跳ね返ってきてしまいます。日産としては「のんびり走る手軽なモデルがほしいならティアナ買え!」という意思表明といえます。

  じゃあティアナでいいや!となればいいですけど、これまでは2.5Lでもスポーティさを求めてスカイラインを選んでいた人もいたと思います。そういう人々もシルビアやプリメーラユーザーのように「カー難民」予備軍です。いくら日産の主旨に合わないからといっても、これらの日産ファンに「Z or others?」の選択を突きつけ続けるのはやはり不条理過ぎるので、当然ながら日産も対応を考えているでしょう。

  トヨタは抜け目なくその潜在ユーザーを根こそぎ持って行くために、新たに4ドア版の86を開発中と言われています。ここでホンダや日産にもライバル車を開発してほしい気持ちもありますが、実際にはどちらもトヨタに対してはどこか及び腰のところがあり、トヨタがあまり興味を示さないスーパースポーツや小型SUVなどばかり熱心に開発している印象です。

  日本メーカーにとって日本市場の中型車は、国内メーカー同士での戦いというより外国メーカーの進撃をどれだけ食い止めるかが一番の関心事なのだと思います。国産車同士でコスト競争したところで共に疲弊し、弊害として作りが安っぽくなりますから、結果的に輸入車にシェアを持って行かれてしまいます。これはスバルやマツダが一時期陥っていた状況といえます。

  競争を避けて中型車を作る日本メーカーを一つのブランドと見做せば相当に強力なラインナップになります。もはや性能&価格面で輸入車に付け入る隙はほとんどなく、現実には輸入車勢はVWゴルフが孤軍奮闘している程度です。ほかにもいろいろ輸入車が発売されていますが、長い目で見れば日本車と張り合うレベルには無く、いずれは淘汰されていくのではないかと思います。VWも世界販売首位を見据えて拡大を続けていますが、かつてのトヨタのように頂点に到達した瞬間からクルマの質が・・・ということになるかもしれません。

  メルセデスやBMWもまた中型車での影響力の拡大を狙っているようですが、あまりにブランド力に頼り過ぎていて、特に右ハンドル車の作りの???なところは閉口ものです。メルセデスの幹部がゴルフ7を前に「白旗宣言」をしたとか・・・。メルセデスもBMWも「8気筒のハイパワーエンジンなら自信があるけど・・・」が建前のブランドなので、直4専業のVW、マツダ、スバルと本気で張り合う気はさらさらないようです。もともとCセグなどの技術はなく、どちらも今後の開発は日産とトヨタの技術を頼みにしないとVWに大きく差をつけられてしまう難点を抱えたメーカーです。

  ボルボは中国資本ということもあり、経済成長の上昇気流を受けて、新たに自社でのエンジン開発を進めているようです。落日の欧州に固執して身動きが取れないメルセデスやBMWとはだいぶ立場が違うようで、それぞれ背負っているものも違います。メルセデスやBMWの抱える苦悩は、日本での生産維持を掲げるトヨタやマツダの苦悩に近いものがあるのかもしれません。人々を魅了するブランドにはそれなりの大義名分があるのでしょう。

  さて日産の日本市場での展開には大義名分が・・・。スバルはBRZだけでなく、レヴォーグを発売し日本重視の姿勢を打ち出してきましたが、いよいよ日産にも日本のクルマ好きを唸らせるような1台を期待したいものです。

↓ゴーン氏が引退すれば風通しが良くなるとぼやく日産ファンが多いようです。

posted by cardrivegogo at 11:14| Comment(0) | 日産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年02月04日

次期スカイラインは「アテンザ無視」のようだ・・・

  新型インフィニティQ50(スカイライン)のデザインが公開されている。これを見る限り、今回の日産はマツダとトヨタが繰り広げる国産セダンの「デザイン革命」からだいぶ距離を置いているようだ。日産も日本市場でのスカイラインの不振を受けてデザインの大幅変更を加えてくるのかな〜と悠長に考えていましたが、その期待は裏切られてしまったようです。V36スカイラインのデザインの方がフェンダーの躍動感があって良かったとすら思ってしまいます。2代目アテンザとV36スカイラインは「セダンの冬の時代」の真っただ中に発売されて、フェンダーデザインから国産セダンのデザインを再構築をしてきた2台でした。スカイラインはアテンザからしたら(トヨタ以外の)「国産セダンサバイバル戦争」の「戦友」だと思っていたのに、どうやら今回はアメリカへ高飛びするようです・・・。

  新しいスカイラインは内装に特にこだわっていて、その方向性はまさに・・・ヒュンダイ「ジェネシス」との全面対決(@北米and中国)へと向かっているようです。外装デザインはトヨタカムリやホンダアコードのような北米を意識した大味な作りになってますね。このデザインで日本市場でドイツセダンに対抗できるなら苦労はないですね、日産にとって日本市場はもう全然計算に入ってないと思います。どっかの若手経営者が(ドイツ車ではなく)スカイラインに乗っていてポリシーがあると称賛されてましたが、そういう美談もなくなってしまいそうですね(V36クーペならBMWに匹敵する魅力があったんですけどね・・・)。この様子だと来年発売予定のクーペも期待できないかもしれないですね。日産のセダン(シーマ・フーガ・ティアナ)は海外市場を意識しすぎていて、日本というアイデンティティをもはや背負っていないです。今後、もっと世界市場に出てくるであろう韓国・中国やマレーシア、タイなどのセダンの中に埋もれていきそうなデザインだと思います(スバルのレガシィも同じです)。去年、日本市場から撤退したホンダのレジェンド・インスパイアの方がよっぽど愛着が湧くデザインだったと思います。

  今後、ドイツ車に乗りたくないけどカッコいいセダンが欲しい人の選択肢はかなり狭くなってしまいました。トヨタとマツダが嫌いだったらもうゲームオーバーです。シトロエンC5にでも乗っておけって感じでしょうか(フランスセダンはクラウンより安くてお買い得になっています・・・)。ドイツからはまたまた強力なセダンがやって来るようです。メルセデスCLAはCクラスのちょっとダサいところを上手く修正してますね(しかもクラウンより安い設定らしい)。BMW4シリーズクーペは日本市場をもろにターゲットにしてますね。スカクー・ISクーペ・アテンザクーペ(発売未定)の「国内三大クーペ」が激突する来年より一足早い年内の発売だそうです。従来のやや粗雑な3シリーズクーペのデザイン上の弱点を改良していてかなり手強そうです。
posted by cardrivegogo at 06:17| Comment(0) | 日産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする