2014年04月30日

デミオ VS シトロエンDS3

  マツダとスバルの大きな違いは、「デミオ」クラス(Bセグ)の有無が挙げられます。スバルは新興国への進出には、まだまだ後ろ向きの姿勢を採っているようで、「三菱」「日産」「ホンダ」「スズキ」のように小型車の開発には否定的です。意外なことにマツダも未だにブラジルやインドといった今後成長が見込まれる市場には投入されていません。日本や欧州でデミオのライバルになるクルマはほとんどが「新興国」向けに作られている中で、デミオは「少数派」の先進国向けも出ると言えます。同じように「先進国」主体で投入されているのはかなり少なくて「シトロエンDS3」と「アルファロメオ・ミト」くらいでしょうか。

  HV専用のアクアは別として、ガソリンエンジンのBセグ車の中で「デミオ」と「シトロエンDS3」の2台は、デザインからも完全に「垢抜けた」存在なのがわかります。VWポロやフォード・フィエスタが湿気たルックスというわけではありませんが、やはりターゲットとするメイン市場の違いが如実に現れています。

  トヨタは北米向けBセグの質感向上を意図したのか解りませんが、来年から自社のヴィッツではなく、デミオベースのものをアメリカに投入すると発表しています。トヨタブランドはアメリカでのシェアはマツダの6~7倍の規模ですが、ヴィッツはデミオの2倍程度しか売れておらず、しかもホンダのフィットに惨敗しています。やはり新興国向けに作った低クオリティー路線はアメリカのユーザーの間ではあまりウケていないようです。

  新型デミオが日本でまもなく発売されそうですが、現行デミオよりもさらにライバル車との「差別化」を意図しているのが、コンセプトカー「HAZUMI」からも伺えます。日本市場においては低価格のヴィッツよりも、「付加価値」のあるアクアの方が圧倒的に好まれているというデータも、デミオの「高級化」を後押ししているように思います。狙いとしては2011年の発売直後から好調に販売を伸ばしたアクアからの乗り換え需要が視野に入っているはずです。

  残念ながら1.3L「スカイアクティブガソリン」ではとてもアクアに燃費では太刀打ちできません。そこで今回は新たにディーゼルを用意しました。増税によるガソリン価格高騰で負担が増えていて、「軽油」の安さ一般に広く認知されれば、十分に訴求できそうです。それと同時にマツダが得意な「欧州的雰囲気」を上手く演出して、「ガソリンターボ」よりも「ディーゼルターボ」の方が高級なんだ!ということ印象づけられれば、いよいよ日本の道路は「鼓動デザイン」だらけになることでしょう。

  ディーゼルの経済性でどれだけアクアに対抗できるかというのも楽しみですが、ガソリンの「1.5L&6MT」という、とてもスポーティで「ファン・トゥ・ドライブ」なグレードにも期待できそうです。おそらくこのグレード専用に特別な内装品をパッケージして、シトロエンDS3に迫る(越える?)「プレミアム」なBセグ「ホットハッチ」に意地でも仕上げてくるでしょう。最近のマツダは「走る気にさせる!」ことにかけては、欧州プレミアムブランド顔負けのセルフブランディングを展開していて、かなり自信を持ってます。

  トヨタやホンダとエンジンの「熱効率」で争うよりも、やはりマツダには「デザイン」と「走り」を期待したいですね。イメージとしては「ロードスター」のハッチバック版と言うと語弊があるかもしれませんが、現行の「デミオ・スポルト」は数ある実用車の中でも1番か2番を争うほどにスポーティだったので、より「趣味」のクルマを意識させるデザインが施されるといいですね。まあ確実にアテンザやアクセラよりもスポーティなクルマですから。

  グレードにより違いこそあれども、「アクアの経済性」と「スイフトスポーツのスポーティさ」、「シトロエンDS3の高級感」を全て余すところなく結集させた「ミラクル」なBセグカーがいよいよ登場します。プレミアムブランドなどとの比較で正当に評価されなかったアテンザやアクセラよりも、さらに突き抜けた「大反響」を巻き起こすのでは?という予感がします。「アテンザ」「スカイライン」「レヴォーグ」とDセグが「デカくて重くて」、どこか手詰まり感がある中で、思い切ってBセグでもいいかな!という機運すらあるんじゃないでしょうか?




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2014年04月11日

新型デミオにはサンルーフ?それとも「秘密兵器」が登場?

  この前ディーラーで、「アテンザ買うならサンルーフ分くらいはサービスしてくれます?」って何気なく聞いてみました。そしたら「あれはあんまりいいものじゃないですよ・・・エアコンの効率が悪くなるし」「・・・・」。もちろん若輩の私を諭すように親切に教えてくれたわけですが、ちょっとショックだったですね、やはりマツダのクルマをオモチャとしか思っていないのですかね・・・、これではせっかくの追加されたオプションも水の泡です。

  トヨタがやらないならば、マツダが率先して新型デミオの屋根を開けちゃえば(オープンモデル設定)いいんじゃないの?とか思うのですが、肝心の販売員が”夢”をぶち壊すようでは全く意味が無いですね。もちろん「オープンルーフ」にしろ「サンルーフ」にしろ要らない人には全く要らない装備ですけども、トヨタ・日産・ホンダとはひと味違った「何か」を求めてマツダディーラーに来ているわけですから、いつまでも「マルチリンクはいいですよ!」なんて言ってる場合じゃないのでは。サンルーフなんて高級セダンにはありふれた装備ですが、今のマツダのデザインならば是非付けたい装備です。

  なんでサンルーフにそこまでコダワルのか? それは単純にもしGHアテンザにサンルーフが付いたら最高だなといつも感じるからです。ドライブしながら彼女がちょっと不満そうに「オープンカーっていいよね〜」と呟くことがあるのですけど、もうちょっと開放感があってもいいみたいです。アテンザがデートカーとして、さらに高い性能を追求するならば、「基本性能の高さ」に加えて、さらに相手とのコミュニケーションが広がる「機能」があるといいですね。

  たとえばR35GT-Rだったら「アクセル」一つで助手席の相手の表情を変えることができるわけです。ということは「アテンザXD」にサンルーフ付けてやれば、まあGT-Rほどではないですけど、それなりにアグレッシブでマルチタスクなデートカーになりそうですね・・・ついでに燃費もいい。マツダの開発者もその辺のクルマの使い勝手についてはよく考えているようで、そういえば「アクセラXD」にはサンルーフが標準装備になってました。

  そして新型デミオなんですが、もうこれにもサンルーフ装備はもはや規定路線だと思います。ただでさえデートカーとしての魅力(引き出し)に乏しいコンパクトカーですから、「Hazumi」のデザインくらいに優れていて初めて「スタートライン」に立てるくらいです。さらにいろいろなデートカー的装備が欲しいところ。とりあえずVW・up!ですらサンルーフが装備できるくらいなので、当然に欧州で売る気満々の新型デミオにもサンルーフが復活するはず・・・。

  いや、もしかして? 各雑誌には全く触れられていないのですけど、「Hazumi」の写真をよ〜く見ると、フロントガラスがルーフにまで回り込んでいませんか? これはシトロエンC3が採用した話題沸騰中の「ゼニス・ウインド」ってやつじゃないのか? もちろんこんなスゴい機能が付いちゃうならサンルーフなんて要らないです! そして新型デミオにもしこれが装備されるならアテンザやアクセラを越えた有力デートカーとして浮上しちゃいます!?・・・まあ勘違いか見間違えだったらごめんなさい。

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2014年04月07日

新型デミオコンセプトのデザインとマツダの思惑。

  マツダというメーカーが他の日本メーカーと最も大きく違うと感じる点は、1台1台のモデル、グレードに対しても真剣な設計をしていること。買った人にクルマを通じて「幸せになってもらいたい」という姿勢がよくわかることです。「こういうクルマに乗りたい」というユーザーの期待にとても上手く応えています。

  そんなマツダが新たに手掛けて今年中に発売するデミオ。その原型となるコンセプトカー「Hazumi」を見ていろいろと思うところがありました。「このクルマはどう使うのか?」。どう考えても平坦な道を真っ直ぐに走るクルマではなく、日本と同じような山岳国のイタリアのクルマのように見えます。イタリア車のように小型だけど強烈な個性を発していて、「道具」としてのクルマではなく、「愛されるべき」要素を備えたスペシャリティカーに近いです。

  日本のコンパクトカーはやはりまだまだ「女性のためのクルマ」という意識が強いようで、デザインは中性的なものにまとめられがち。スズキのスプラッシュなどは欧州車の味を持ったコンパクトですが、デザインは完全に女性向けだったのが残念でした。評論家の絶賛にもかかわらず販売は伸び悩み、今年中にも日本での販売を終えると言われています。

  デミオはスプラッシュに比べれば良く売れましたが、どこか女性に媚びたような「ゆるい」デザインは国産小型車の一般的なイメージの中に埋没し、フィットやノートを脅かす存在にはなれませんでした。だからといってコンパクトカーを「個性」が強いデザイン、より「男性的」なものへと切り替えたところで、欧州ではともかく、日本では逆にもっと販売台数が落ちるのではないかという懸念があります。

  しかし軽自動車が新車販売の4割に達した日本では、クルマに特別な「個性」を求めない層は軽自動車を何の躊躇いもなく購入する時代。普通車のコンパクトカーに「中性的」デザインを採用したところで、もはや何の意味も無くなってきていると感じます。それどころかマツダが今度作るデミオよりも早く「男性的」デザインを取り入れたコンパクトカーが、なんと2年連続で車種別国内販売台数で1位に輝いています。さすがはトヨタ! コンパクトカーの常識を打ち破って、「低く・男性的なフォルム」という逆張り戦術が完全に成功しています。

  今年登場するデミオはいわばこの延長線上にあるデザインです。トヨタの実績に自信を持つと同時に、日本と同じ地形のイタリアに注目して、その小型車の”世界感”を大いに吸収しているようです。デミオを買う人に、アルファロメオやミニを買うような満足感を!というマツダの熱い想いを感じます。外装だけでなく、あの欧州メーカーをも黙らせるような“内装”がそのまま市販車となったなら、いよいよマツダは本気なんだ!とより多くの人に伝わるでしょう。





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2014年04月04日

マツダの世界的立ち位置、虚ろな足取り、そしてHazumi

  ジュネーブモーターショーに大胆不敵に「VIZIV-2」というコンセプトカーを持ち込んだスバル。この3モーター式HVの新型SUVはデザインこそ欧州の流行の真っ只中にいるけども、パワートレーンはいつの間に開発したの?といいたくなるくらいに先取りをしていて、ホンダやトヨタに先駆けて欧州に展開した。日本にターボ専用モデルを投入し、欧州に最先端HVを持ち込む・・・このメーカーの「確信犯」ぶりには頭が下がる。

  よくよく考えればスバルは正しい。各メーカーのAWDモデルでスポイルされがちなハンドリングを向上させるという方向性は全くもって「正義」だし、日本より速度域の高い欧州の方がその恩恵は大きいはずだから。そして日本市場においても、だれもスバルにNA1.5L&CVTの平凡なクルマを望んではいない。ベースモデルのインプレッサの売れ行きが悪いのがそれを証明している(アイサイトが付かないのもその理由だけど・・・)。だからわざと「ターボ専用」モデル。日本の環境にそれほどマッチしないのは百も承知だけど「国内専用」。このメーカーの指揮を取っている人は相当に頭が切れるようだ。

  「VIZIV-2」と並んで注目を集めた日本車がマツダの「Hazumi」。内外装デザインこそは目を引きますが、動力性能などは先代から何が変わったのか分らないレベル。とりあえずスバルとは全く逆の視点と思えるクルマですね。まあここは欧州ですから、「ホームのマツダ」と「アウェーのスバル」と考えれば、どちらも狙い通りの出品なのだと思います。

  さて「Hazumi」デザインですが、ちょっと「ストレート」過ぎな印象が。「鼓動」デザインにもうちょっと可愛らしさを追加してくると思いきや、男の人にどんどん乗って欲しいと言わんばかりの「芯の強さ」すら感じます。欧州での男性若年層のクルマ離れに一石を投じる!というマツダの意思表示?

  ちょっと下のクラスになりますが、ルノー・トゥインゴはスマートフォーツーの「RR」シャシーを使って出直しを図ります。最速FFを誇る「メガーヌ」、デザインが光る「クリオ/ルーテシア」、そして後輪駆動になった「トゥインゴ」。ルノーの欧州での好調さが伝わってくる鉄壁の布陣。しかもチーフデザイナーはマツダからの引き抜き!

  欧州各国市場でマツダの上にちょこんと存在する目障りなルノー。これまでのデザインの延長では、デザイナを取られたマツダ2(デミオ)に勝ち目はないからこその、「Hazumi」の頑としたデザインなのかな?と思ってみたりします。そしてマツダの営業マン氏も年内の発売を明言したデミオのSUV版「CX3」も強敵(ルノー・キャプチャー/プジョー2008/ホンダヴェゼル)相手に男気溢れるデザインで勝負するのかな・・・。リコールに負けずに頑張れ!





  
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2014年03月11日

デミオ・コンセプト「跳(はずみ)」 欧州オシャレHBシーンを正面突破するか?

 中型車のデザインをそのまま小型車に移植するのはなかなか難しそうです。マツダの盟友フォードも中型車フォーカスのデザインをそのまま小型車フィエスタに移植しましたが、「似ても似つかない」といった印象です。マツダが新型デミオへも「鼓動」デザインを導入するという噂で、どんな仕上がりになるかと注目していましたが、いよいよ「鼓動デミオ」のコンセプトが発表されました。

  マツダの定番となったティザー演出(ちょい見せ)から始まり、さらにジュネーブモーターショーでの発表に合わせて、全貌が明らかにされましたが・・・。いまいち実車を見ないと分かりにくいなという印象ですね。マツダが用意した黒の背景の画像ではボディカラーの赤が妖艶に輝き、クラスに似合わぬ存在感を示していましたが、バックが白の画像になると印象が変わり、あれれ・・・これどっかで見た事あるなという感じです。

  このクルマなんだっけ?そうだアルファロメオ・ミトだ! アルファロメオとマツダのパートナーシップはロードスターだけに留まらず、デミオにまで及ぶのか? もしかしたらアルファロメオ(フィアット)側に「小型車も検討中」みたいなことを仄めかされ、マツダが先方に呈示した「アンサー」がこの「跳(はずみ)」なのか? なんて憶測が次々と頭をよぎるくらいに分かりやすいデザインになってますね。

  そういえば、ニューモデルマガジンXの名物茶番コーナー「喜怒哀楽」で西川淳さんが言ってましたね・・・。「これ(アクセラ)なかなかいいじゃん。これもアルファロメオに売ってもらえばいいのに。」なかなか珍しい気の利いた発言でした。アクセラも新型になって先代のフランス車調から、今回はどこかアルファロメオの印象を持つイタリア車調デザインへと変わりましたね。

  アテンザを見たとき「鼓動」デザインはドイツ車調だと感じましたが、アクセラへ移植されると、こんなカッコイイCセグハッチバックはドイツ車調なんかでは決してないですね。「鼓動」デミオまで出てみるとこれは完全に・・・「ジュリエッタ」「ミト」のマツダ・ヴァージョンを作ったんだと気がつきます。このブログでも以前に書いていたのですが、2000年代に新生マツダが欧州でスマッシュヒットを飛ばし、「欧州COTY」でアテンザ、アクセラ、デミオがいずれも「2位」を獲得するなど高く評価された背景には、親会社フォードの威光と、マツダ車のお手本となったアルファロメオの好調があったと思うんです。

  初代・2代目のアテンザの基本コンセプトはアルファの「156」「159」に大きな影響を受けていて、前輪ダブルウィッシュボーンでFF車のハンドリングをBMWに匹敵するレベルに引き上げるというアイディアも「156」から頂いているようです。フォードグループの兄弟車「フォードモンデオ」「ボルボS60」「ジャガーXタイプ」がどれもストラットなのに、アテンザだけがこのサスにこだわった理由は「アルファロメオ」だと思われます。

  その後、高コスト体質が祟り「159」を短命でアルファロメオが廃止すると、マツダはお手本を失って路頭に迷います。そして3代目アテンザが目指した方向性がフォードマスタングのようなマッチョな北米向け3BOXというわけです。ただしアルファロメオはCセグとBセグは今も継続しています。かつてのアルファ「147」と「ジュリエッタ」はスポーツハッチバックとしての純度がだいぶ違うわけですが、マツダもそれに倣ってスポーツよりもファッショナブルな小型車をアクセラやデミオで意図してきたのでしょうか。

  そしてマツダのアルファロメオに対する真剣さが最も現れているのが、このデミオコンセプト「跳(はずみ)」の内装でしょうか。特にインパネデザインのメーター類の造形はアルファロメオ好きの人々を魅了するような工夫が見られます。スポーツ調でカラフルなシートもアルファロメオのイメージを彷彿とさせます。マツダとしては欧州の人々に新たなブランドイメージを見せつける意図があるのだと思いますが、これはなかなか上手くいくのではないでしょうか?






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posted by cardrivegogo at 05:49| Comment(4) | デミオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月24日

新型デミオ 始動 ”かっこよすぎるBセグ”

  本当は別件の記事(アテンザの呑気な内容)を用意していたのですが、名古屋で起こったアテンザの痛ましい事故を受けてとても載せる気にならなくなったので、急遽話題を変えて別の話にしたいと思います。あの映像は痛々しかった・・・。

  ジュネーブモーターショーで新型デミオのコンセプトカー「跳(はずみ)」が公開されるようです。ヘッドライト周りの画像からマツダの「鼓動」デザインを大胆にもBセグカーに採用したデザインなのがわかります。デミオにこのデザインを使うことにはファンの間でも賛否両論あるようですが、完全に飽和状態のBセグ市場でブレイクスルーを目指すには、単刀直入に思い切ったことをする必要があるのでしょう。

  「かっこよすぎるBセグ」と聞くとなんだかちょっと残念な気分がするという意見もあるでしょう。車格とデザインの洗練度が不釣り合いという評価にも陥りがちです。実際に多くのメーカーがこれまでBセグのデザインに取り組んできましたが、多くは「サイズの壁」を打ち破れず別の部分で勝負するクルマが大多数でした。そもそもコンパクトカーを標準仕様の段階で「華やか」にしたところで、その分を価格に転嫁することはできません。このクラスではライバル車よりもワンランク上の価格になったら絶対に売れないという先入観がありました。

  あくまで私の憶測ですが、今回マツダはデミオに対し一定の値上げに踏み切るのではないかと思います。アテンザ、アクセラと一定の値上げ幅を設定したのでごくごく自然な流れでしょう。日本に導入されたフォード・フィエスタ(229万円)に迫るグレードも調子に乗って作りそうな雰囲気すらあります。フルスカイアクティブになった1.3と1.5のガソリンエンジンに加えて、日本初登場の1.4Lディーゼルが追加され、このクラスでは燃費面ではガソリンに対してどれだけアドバンテージがあるのかわかりませんが、マツダが強調しているのはDのスポーツ性のようなので、6MT&ディーゼルの豪華版グレードでしょうか。

  Bセグともなると各社コストを最適化した設計を採用して、どれも似たり寄ったりで性能面で大きく差をつけるのが難しくなっています。ホンダのフィットは性能面での差別化で見事に存在価値を示しましたが、こんなことが出来るメーカーはわずかです。ホンダのグローバルでの軸足は中型3種(アコード、シビック、CRV)とフィットの両輪で、トヨタや日産よりも車種を絞って注力しやすい環境を作っています。(NSXとかもやってはいますが・・・)

  ホンダにとってはフィットは必ずトヨタや日産を撃破しなければいけないクルマってことなんですね・・・。それはさておきマツダのラインナップもまるでホンダをお手本にしたかのように、ここ数年で中型3種とデミオという陣容になりました。そして現在ホンダが大ブレイクさせているヴェゼルというフィットのSUVモデルがありますが、マツダもデミオのSUV版となるCX-3のデビューが控えているようです。

  マツダにとって中型3種はホンダよりも「スバル」を最大のライバルに想定しているようで、CX-5はともかくアテンザ&アクセラの渾身のFMCぶりは鬼気迫るものがありました。グローバルでも日本でもスバルの方が好調と言われていますが、スバルにとって屈辱的なことに新参のCX-5に2年連続でトップSUVの座を奪われています。マツダとしては大殊勲といっていいでしょう。

  5ナンバーと作らないスバルに代わってデミオの前に立ちはだかるのがフィットとヴェゼルです。スバル以上の強敵ホンダに立ち向かうための「鼓動デザイン」と「ディゼルエンジン」の2つの切り札なわけですが、これが意外に諸刃の剣じゃないかという気がします。アクセラのFMCで気になったのですが、今回のマツダはディーゼル搭載を物理的に可能にするために、ノーズがやたらと目立つ設計になっていて、アクセラは全長が変わらなかったので、先代と比べてキャビンのスペースが制限され、見た目以上に狭く感じるという感想が目立ちます。

  アクセラは300万円に設定されたディーゼルの為だけに、全車がデザインによるスペースの制約を受けています(もちろんデザイン効果はありますが)。ディーゼルが無いセダンも同様です。先代アクセラの欧州仕様にも2.2L-Dは載っていましたが、日本導入時に新たに開発された2.2Lとはエンジン形式も異なるので別もののようです。おそらく新たに追加した排煙処理装置の関係でサイズが大きく違うのだろうと推測できます。

  デミオにはこれとは違う1.4L-Dの新開発エンジンを載せる意向のようですが、案の定というべきか、現在のショートノーズスタイルから初代のより2BOXらしいデザインへと原点回帰すると発表されました。これはまたまたディーゼルの影響だと考えるのが妥当では? 鼓動デザインがそもそもノーズを強調するのでどちらに主因があるかはよく分かりませんが、結果的には全て符合してますね・・・。

  フィットのパッケージに対抗するために、フィット以上に全高を上げるか、日産ノートのように全長を伸ばすかのどちらかが断行されるのでしょうか? CX-3が登場するならば全高を無理に上げる必要はないのかもしれません。まあ来月上旬のジュネーブショーで明らかになるでしょう。ノート&ジュークやルーテシア&キャプチャーなど、SUVと共通パッケージで売られるのがブームになっている感があります。某著名なジャーナリストが言ってましたが、BセグSUVは自動車工学的にまったくもって「正しい」と言っていました。デミオではなくてCX-3の方が期待できそうですね。
  

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posted by cardrivegogo at 05:01| Comment(7) | デミオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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