2013年12月13日

例えばこんなロードスターの楽しみはどうですか

  「ロードスターを買うならMTに限る」そう一般的には言われています。それほど高出力ではないロードスターのエンジンをフルに使い切るためにはMTが必須でしょうし、確かにモーガン3ホイーラーにも使われているほど、世界的にも評価の高いマツダの精巧なMTをむざむざパスする手はないのかもしれません。

  しかしそれだけでATの選択が却下され、ATのロードスターに乗っている男性ユーザーがバカにされるのはちょっと早計だと思います。最近気がついたのですが、マツダ車に関してはATにはATの楽しみ方があると思います。ミッションが主に威力を発揮するのは、登り坂での加速時が多いと思います。MTを駆使してスウィートスポットが狭いマツダのショートストロークエンジンのピークをうまく維持できれば最高に楽しいと感じます。これと同じくらいの快感がATでもペダルの加減のコントロールで感じることができます。

  やり方としてはシフトをDにしたまま、とりあえず坂を駆け上がります。この時最初から2速で固定して上がった方が速いかもしれませんが、あえてDにしておきます。簡単に言うとコンピューターにギアを選ばせる状況にしておいて、ペダル操作でギアをスウィートスポットに釘づけにします。

  マツダのATは一般に燃費が悪いと言われていますが、それは他のメーカーにくらべてDで走行時のシフトタイミングが絶妙でかつクイックにプログラムされているのが大きく影響しているようです。このシフトタイミングのクイックさと、エンジンレスポンスの良さがこの乗り方の肝となります。他のメーカーでは上手く行かないかもしれません。ちなみにマツダはこのクイックな設定故に踏み過ぎによる燃料消費を抑えるために「エコランプ」を装備しています。

  エコランプを光らせながらでも不快なく立ち上がることができますが、登り坂発進となるとさすがにややダルく感じてしまいます。よってスムーズに上がる為にエンジンの美味しいところにペダルを合わせていきます。そのピークに達した瞬間にペダルが少し振動しますが、たいていはそれを感じたと思ったら、次の瞬間には状況が変わり刻々と変わる路面斜度も影響して、オーバーレブ気味になったり、ギアがアップしてパワーが抜けたりしてしまいます。

  このとき右足で感じる絶頂の時間はせいぜい1〜2秒なのですが、訓練と運次第でこれを15秒くらいまで伸ばすことが可能です(もしかしたらずっと可能なのかもしれません)。これは意図的というか足が反射的にやってしまうことなので、正確には表現できませんが、シフトアップやオーバーレブにならない方向に反射的にもしくは前もって変化を予測して、ペダルの開度を変えていきます。

  これが上手くいった時は右足の神経に全能感が宿り、「人馬一体」を感じます。ピーク時はエンジンがもっともハイレベルにレスポンスするので、まるで別のクルマのような挙動をします。右足一本で何かフワフワとしたものの上に立っているような感覚です。ペダルが小刻みに震えその振動が右足に心地よく伝わります。練習すれば登り坂じゃなくても出せるようになります。その時の感触はドライブを終えてもずっと残っているので、また同じコースで試したくなりますというかクセになってしまいますよ。あくまでロードスターでなくアテンザでやっていることですが・・・。
  


posted by cardrivegogo at 03:32| Comment(0) | ロードスター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月11日

次期ロードスターに課せられるもの

  マツダも中心になるラインナップの大刷新が終わって、いよいよロードスターにも「中興の祖」と言えるようなモデルが登場するのか?と期待が高まっています。メルセデスが認めた日産(インフィニティ)、BMWが認めたトヨタ(レクサス)と並んで、アルファロメオが対等のブランドパートナーにマツダが指名されたことは誇らしい限りですが、果たしてNC登場以来完全に”アウェー”になっている評論家との「化かし合い」を見事制するほどのクルマが作れるのか心配ではあります。

  アルファとの協業発表で軽く評論家にジャブを喰らわせ、やや怯ませた現在のところは至って順調です。しかし4座の86/BRZと軽ミッドシップ(KMR?)のホンダS660に完全に包囲されている状況は客観的に見て苦しいものがあります。先代のNCロードスターを総括すると、MR-SとS2000の世界的小型スポーツに比べて印象が薄く、この2台がラインナップ落ちした後も、デザインが低調のままフェイスリフトなどもなくモデル末期を迎えてしまいました。

  NC発売当時と比べて違う点は、現在はマツダのラインナップにロータリースポーツが無い点です。よってマツダファンの支持が集まりやすいので、新型の方が売れ行きは伸びそうな予感はあります。それでもRX-8を選択したユーザーの多くは4座であることをその理由としていたので、ロードスターにそのまま流れるとは限りませんし、むしろマツダであることは関係ないという意見もあります。

  現代のスポーツカーにとって実用性が高いことは、そのモデルの存続の上で必須なのですが、実用性を追求すればするほどにスポーツカーとは表現しにくいものへと変わって行きます。乱暴に言うと”ポルシェ”が”BMW”になり”アウディ”になり”レクサス”になっていくわけです。いくらメーカーがスポーツカーらしさを追求したところで、評価するユーザーにはそのままのニュアンスでは伝わりません。頭の中ではポルシェはすごいなと思いつつも、アウディやレクサスのディーラーに向かう人が日本でも世界でも多いわけです。

  同じことがロードスターにも起きています。ロードスターが楽しいクルマなのはよく分かっているけど、実用性を重視するとロードスターが86/BRZに換わり、さらにCR-Zになり、最終的にはジュークやXVになっていくようです。そしてジュークターボを走らせると「あれ?ロードスターよりも速いんじゃない?」みたいなことになって、何がスポーツカーなのか?という疑問がふつふつと湧いてきたりするのかもしれません。それに対する明確な答え(スポーツカーの定義)ができないのが、大手メーカーの実情なのだと思います。
 
  86/BRZもポルシェ991型911も、本来のスポーツカーを知る人に言わせれば、もはやラグジュアリーカー以外の何者でもないわけです。86に対する一番の不満は「もっと内装を豪華にしろ」だそうですし、991が先代の997から一番大きく変わった点は間違いなく「内装」が豪華になり、GT-Rのように誰でも安全に運転できるクルマになったことです。ユーザーの多くは高級車に匹敵する質感と他の高級車では味わえない「非日常」な乗り味のみを求めているわけです。

  ロードスターにしても求められるものはほぼ同じものなはずです。マツダにとってはスポーツカーとしての基本性能以外何もないプレーンなクルマとしてロードスターを考えているでしょうが、スポーツカーそのものがマクラーレン12Cのように高度な工学技術の積み重ねによる「機械芸術」を指す言葉に変わりつつある中で、ホンダS660以上のインパクトのあるものが作れるのか?という大きな課題があります。
  


  
posted by cardrivegogo at 11:41| Comment(0) | ロードスター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする