2013年07月22日

新型アクセラ マツダ独自のブランディングは成功するか?

  日本メーカーのクルマ作りは今なお健在だ。マツダ・スズキ・三菱といった日本の中堅自動車メーカーが世界の主要市場にどこでも顔を出し、それなりのシェアを切り取っていく様は日本の自動車作りの優秀さの証明だ。日本メーカーの特徴として、バブル期以降も研究開発にかなり力を入れていて、中堅メーカーながら世界最高レベルの技術を次々と開発してしまう点が挙げられる。もちろん過剰気味な研究開発費が利益を押し下げて、市場の評価を得られないという指摘もある。

  この3つのメーカーに共通することは1990年代にその技術力の高さから、海外メーカーの傘下に組み込まれた歴史を持っている。辛辣な見方をすれば、せっかく注いだ研究開発の美味しい所を外国メーカーにむざむざ持っていかれたと言える。この3社が持つ自動車作りの基幹技術はGM・フォード・メルセデス・VWへと渡り、M&Aやライセンス付与など紆余曲折を経て世界中のクルマに使われるようになっていった。一方で欧米のメーカーは「開発」という行為が基本的に苦手なようで、有名ブランドでも自社技術の割合はとても低かったりする。一方で日本メーカーは他社とのライバル意識が高く、他社と同じ技術でクルマを作ることを嫌う傾向にあるようだ。

  ルノーによる経営再建前の日産に至っては、車種ごとに編成された開発チーム間でもライバル意識が強く、同じメーカー内で同一の機能のシステムが複数存在することも多かったらしい。ゴーン社長率いる経営再建を担う幹部達は「湯水のごとく」開発費を使う現場の意識を変えるだけでも相当な苦労があったようだ。最新のフェラーリやポルシェがやっと最近になって使いだした「電制サス」や「電制スタビ」などの技術は、トヨタも日産もバブル期にほぼ開発を終えていて、上級車種だけでなく三菱ミラージュなどにも使われていたくらいだ。

  フェラーリとポルシェというとスカイラインとマークUのようなライバル関係を思わせるが、使われている電制サスはどちらもデルファイという部品メーカーの基本的に同じ構造のものだ。日本車ではバブル期に終わった技術を、正直言ってなんで今さらという感もあるが、どうやら日本や米国でバブル期に開発された基幹技術の特許が次々に期限切れしたというのが真相のようだ。使用料を払うことなくサスを作るデルファイは、採算ベースを考えて欧州のスポーツメーカー全てに持ち込み企画(開発を請負ことで部品を採用してもらう)として売り込んだのだろう・・・。

  今や欧州車の新技術のほとんどが部品メーカーの持ち込み企画らしい。むしろ独自に「スカイアクティブ」などという斬新で大規模な技術を開発しているマツダなどは、世界の自動車メーカーでは異端的な存在なのだそうだ。もちろんマツダが赤字覚悟で独自開発に邁進する理由も痛いほどよくわかる。かつてマツダと同等の販売規模の欧州の中堅メーカーは今ではことごとく潰れていった、ブランド名だけが持ち主を変えて存在しているような状況だ。サーブやMG、オペルといったメーカーはいずれも独力で生き残っていくことはできなかった。

  VWグループとPSAグループとフィアットグループに分別される欧州の大衆車市場は、部品メーカー主導の製品開発が浸透していく中で、どれも似たようなエンジンと車体設計、安全装備を持つようになってきた。違うメーカーなのにエンジンのバルブの寸法が同じだったり、最大出力も同じでサス形状も同じだったりする中でのクルマ選びなんてどこか間が抜けている。開発者が意図を持って設計するはずのクルマが、モジュラー部品の使い回しだけで組み上げられてしまう輸入車に魅力なんてない。トヨタとホンダが全く違う系列の部品メーカーをそれぞれ抱えているのとは大違いだ(ホンダも最近はモジュラー化を発表したが・・・)。

  そんなVWもPSAもFIATも差がない「つまらない」Cセグ市場に満を持して投入されるのが、他社と一線を画してファミリア以来の技術の成熟を注ぎ込んで作られたマツダの新型アクセラだ。決してスポーティとは言えないエンジンではあるが、デザインや内装、足回りに至るまでクラス最高水準を目指した設計が貫かれている「魂」のこもったクルマだ。万が一にも、このクルマが日本市場でゴルフなどに惨敗するようなことは無いと思うが、「もしも」の時はいよいよ日本型のクルマ作りが終焉を迎える瞬間だろう・・・。




posted by cardrivegogo at 13:23| Comment(7) | アクセラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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