広島に豪雨
マツダの本拠地・広島は大変な自然災害に見舞われて、工場も数日操業を中止しているとのこと。ツイッターでも冠水車の対応を注意喚起するなど、被災地メーカーとしてのCSRへの意識の高さは素晴らしい。「北関東」「東海」「九州」の三大自動車産業集積地域は別として、東北のトヨタ、滋賀京阪のダイハツ、岡山の三菱、広島山口のマツダは、それぞれ地域産業の「中核」であり、例えばアクアやC-HRの大ヒットは東北の経済を回すし、三菱の軽自動車燃費不正事件は岡山(倉敷)に大きな暗い影を落とした。そして広島・山口の産業の行く末は、CX-5の売れ行きに左右される運命であり、25%という絶望的な数字を掲げたアメリカ大統領のご乱心っぷりは気が気じゃない・・・。
オートモービルカウンシル2018
災害とトランプに怯える広島・山口を救えるようなスーパーな1台をマツダは鋭意準備中のようだ。8月3〜5日まで開催されるオートモービルカウンシル2018のMAZDAブース出展車両が公表されたけども、来年発売の『新型車』への注目を最大限に高めるべく、「テーマ」をガチガチに決めた演出になるようだ。とりあえず余計な「ヴィジョン・クーペ」や「RX-VISION」は来ないらしい(ヴィジョン・クーペをまたじっくり見たかったな)。
Cセグメントの意味を変える
MAZDAのファンならもうとっくに気がついているだろうけども、2019年のMAZDAは「Cセグメント」に注力するらしい。しかしCセグメントのライバルモデルと不毛な過当競争をするのではない。敵はVWゴルフでもメルセデスAクラスではなく、Cセグメントに肯定的なイメージが持てずにいる我々ユーザーの「先入観」であり、これをいかに打破するか!?が2019年からのMAZDAの新たな指針になる!? 『Cセグはダサい=アクセラはダサい』を変えるためにはゴルフ、カローラ、シビック、Aクラス、インプレッサなどとは距離をとった方がいいのかも・・・。アクセラはこれから先の広島・山口の未来を背負っているわけだから。
アクセラの選択肢
マツダは現行アクセラに「2.2Lディーゼル」搭載を強行し、Cセグ=スモールカーの枠組みを壊そうとしていた。しかし福野礼一郎みたいな強権的なライターは、その努力を黙殺し、ディーゼルを積むために、エンジンルームとの遮音を考えて長くしたボンネットを、「デザイン優先の愚かさ」と何度もこき下ろしていた。確かに現行アクセラは、「THS」を搭載するグレードが存在するなど、開発段階では五里霧中であり、完全に手探りの中でのスカイアクティブ化だったことを露呈している。もしアクセラより先にデミオが登場していてコンパクトカーとスモールカーの2つの需要を一気に請け負う今の日本市場での売れ行きを見せていれば、もう少し華麗な現行アクセラになったかもしれない。
タイミングの問題だった!?
もしくはCX-5がもう少し早く発売されてヒットして、経営の見通しが立っていたならば、現行アクセラに向けてもっと腹をくくった決断ができたかもしれない。搭載エンジンは潔く2.2Lディーゼル(270万円〜)と、2.5Lガソリン(250万円〜)だけに絞り、ハッチバックとセダン、それから4ドアクーペ、2ドアクーペ、3ドアクーペ、ワゴン、クロスオーバー、2ドアカブリオレを展開したちょっと前のVWゴルフシリーズみたいなファミリー化ができたかもしれない。もちろんCセグへの認識がすぐに変わるわけもなく、販売台数に苦しんでいたかもしれないけども、A45AMGやシビックtypeR、ゴルフRへの注目度が高いなど、高性能Cセグの需要が北米、中国、欧州、日本の4大市場でいずれもかなり高いことがわかってきた・・・。もしかしたらビッグウェーブに乗ってプレミアムCセグの頂点に立っていた可能性もある。少なくとも何の色気もないVWゴルフと安易に比較されて「敢闘賞」をもらう地味で損な立場からは逃れられたはず・・・。
Cセグは激戦区ではない・・・ガラクタ市場だ
2019年頃からリリースされるメルセデスAクラスやVWゴルフの新型モデルの情報がすでに出てきているけども、まあどちらも知っている限りのスペックのままで発売されるならば、次期モデルは売り上げを落とすことは確実だ・・・おそらく中国でもコケると思うよ。Aクラスは1.4Lターボ、ゴルフは1.5Lターボになるようだけども、日本では発売まもなく200万円前後で未使用車が溢れることになると思う。どちらもCセグの「残念なイメージ」を変える気配が全くない。同じように世界最高のシャシーを謳ったインプレッサも全く違いを出せなかった(そもそもFBエンジンはユーザーを舐めている)。インプレッサもカローラもそうだけど、まるでカングーやJPN TAXIのようにCセグを真面目に作ったところで結果は見えている。オーリスの二の舞だ・・・。
90年代とは全く別物
世界的にCセグで成功してきたクルマは、カローラであり、シビックであり、ゴルフだった。なぜこの3台は累計で数千万台という規模で売れた偉大なシリーズになれたのか!?この3台が急成長を遂げていた90年代00年代において、常に革新的な姿勢を貫いていたからと言っていい。おそらく右肩上がりしか信じなかった当時の開発者の頭の中には、今のようにCVTや安普請のDCTを使った、『間に合わせ』にしか見えない設計などなかったと思う。そんな斜陽気味のCセグに200万円も払うなんてアホくさいことだ。インプレッサが全然売れないのもよくわかる(アイサイトで売れてただけ!?)。
ランティスも復活!?
オートモービルカウンシル2018のマツダブースでは、来年発売のアクセラのベースとなる「魁コンセプト」と1980年にマツダがロータリーから脱却することに成功した名車「5代目ファミリア」や、ファミリア派生の「ランティス」などが展示されるらしい。これらの展示車両が暗示しているのは、糞詰まりでしかない状況のCセグを、ひたすらに進化・革新をマツダが貫いて、再び魅力的なセグメントへ変える!!という意思表明であり、スポーツクーペモデルのランティスをわざわざ持ってきたことから、次期アクセラでは意欲的なボデータイプ追加があることを示唆されているのかもしれない。
1.2Lターボじゃ「風になれない・・・」
マツダファンであるせいかもしれないが、マツダ以外のブランドがやっている茶番みたいなCセグのフルモデルチェンジを見て、がっかりする以外に感じるものがない。カローラハッチバックには「THS」と「1.2ターボ」・・・Cセグをつまらないものにした二大潮流のエンジンをわざわざ嫌がらせのように選んでいる。利益のことしか考えないトヨタの戦略ってのは言い過ぎかもしれないけど、利益2兆円メーカー様のやることは手堅い・・・。何もわかってないアホ相手になら商売が成立するだろうけども、100psそこそこの1.2ターボのMTじゃ煩すぎて高速道路も満足に走れないから、長野のビーナスラインにたどり着く前に助手席の彼女は気分を悪くしてしまう(高速道路は2L以上の排気量が欲しい)。「風になりーたいー」とか言ってる場合ではない。カローラなんかよりも「CX-3の20SプロアクティブSパッケージ」の方がよっぽど良くないですか!?ってアドバイスしてあげたくなる。車格は下ですけども、2L自然吸気にMT、シートヒーター、パワーシート、ステアリングヒーターまでついてきて243万円。これこそマツダの真心グレード!!
新型アクセラの前座はCX-3とRFだ!!
カーメディアの連中はCX-3に対して、1.8Lになっても馬力が増えないディーゼルをあれこれ言ってますけども、CX-3のマイナーチェンジの最大の見せ場はこのガソリンMTモデルのラインナップ充実にあると思う。なんでこれまで販売しなかったのか!?ちょっと邪推すると、ロードスターRFのエンジンを更新しないうちに設定してしまうと、MTドライビング派がCX-3へ流れてしまうからでは!? 今回RFとCX-3を同時に更新してきたけど、この英国で絶好調の2台こそが、今の日本市場でも、最高にエキサイティングで、欧州自動車文化に近いものを伝えている存在じゃないかと思う。
国沢光宏「マツダの内部は腐っている!!」
ベストカー最新号で国沢さんが「マツダの内部は腐っている!!」みたいなこと書いてるけどさ、このオッサンこそ、マツダのプリミテティブな魅力にも気づけよ(RFとCX-3こそが今のマツダだ!!)。あくまで希望的憶測に過ぎないけども、これがそのまま次期アクセラ&日本導入CX4への指針になるのだと思う。果たしてどのエンジンをMTで売ってくれるのだろうか? 2.2D、2.0G、2.0Gハイスペック、2.5G、2.5G-t、2.0SPCCI3チャージャーとユニット数だけは順調に増えていて、これをエンジンも組み立ても同じラインで流すのがマツダの強みらしい。
被災地のために頑張れ!!
言葉は悪いけども、カローラ、インプレッサ、ゴルフ、Aクラスなどは「工業団地」で生産効率を追求した設計で、販売は営業力任せで、お得意様市場で固め打ちするだけ・・・そんな厭世的/末期的なCセグなのに対して、「町工場」でニッチに作られ(それでもアクセラはグローバル40万台あるけど)、世界のユーザーが指名買いしたくなるスペックを提げてくるであろう新型アクセラ。もうすでに勝負はついていると思うけどね。あとは被災地の安定と繁栄のためにマツダの開発者は頑張って『手を抜くことなく』最後までいいモデルを磨き上げればいい!!マツダが腐っているかどうかは来年のアクセラのラインナップでわかる!?
マツダが2019〜2020年に勝負をかける!! カギを握る新車3台(ベストカーWeb) - Yahoo!ニュース https://t.co/DmEtF7lKmt @YahooNewsTopics
− CARDRIVEGOGO (@cardrive55) 2018年7月8日