スタイル★★★★☆/ハンドリング★★★★☆/高速安定性★★★★★/居住性★★★★★
(先代モデルの中古車なら200万円〜・次期モデルの予想価格700万円〜)
2012年に惜しくも生産中止になってしまいましたが、その先進のメカニズムは更なる進化を遂げて今年また復活すると言われています。そのスタイリングは発売から10年近くが経った今でも抜群で、街角で見かけるとレクサスLSやBMW7シリーズといった超高級車よりも「オーラ」があります(あくまで私の主観ですが・・・)。何より「駆動システム(SH-AWD)」の先進性に強く惹かれます。スカイラインGT-Rの頃から4WDはハンドリングに難があるとされてきました。ホンダは4WDの乗り味&ハンドリングの向上に全力で情熱を傾けた結果、「4輪操舵」システムへたどり着いたのですが、全世界をひっくり返す「スーパースポーツセダン」になるはずが、同時期に登場した2代目プリウスの大ヒットの前にホンダのHV技術が完敗するなど、ホンダブランドに対する「逆風」が凄まじかったせいで話題性は低かった・・・。
さらにこのレジェンドにとって不運だったのが、まもなく「日産GT-R」が発売され、国産はおろか世界最高クラスの動力性能を引っさげた「スーパーカー」が1000万円以下で買えてしまうということで、レジェンドの存在がマイナーなものになってしまった感があります。しかも厄介なことにGT-Rは4シーターということもあり、「スカイライン」の派生車種と認識され「国産最速3BOX」を目指したレジェンドからその地位を奪っていきました。車体の大きさを考えればレジェンドとGT-Rは「ほぼ別のクルマ」であり、確かにGT-Rは凄いクルマですが、レジェンドもまた「孤高」の性能を誇る「スーパースポーツセダン」です。ホンダはこのクルマでドイツ車に「引導を渡す」つもりだったのだと思いますが・・・。
まったくもって生まれてくる時代を間違えたとしかいいようがないクルマなのですが、今だったらもっと評価されてもいいクルマなのでは?という気がします。それでも3.7Lで4WDでは当然ながら燃費は期待できないので、中古車市場でも低い評価にとどまっています。そこでホンダは今年の末に発売する次期レジェンドをHV化した上で、改良型の「SH-AWD」を投入すると発表しています。これでアテンザにも匹敵する(もしくは凌駕する)「ハンドリング」と「燃費」を獲得しつつ、4WDの特徴を生かしてアテンザを上回る直進安定性を誇り、さらに出力は「ps」でおよそ2倍で、「トルク」もアテDを超える(50kg・m以上?)「ハイパワー」を実現するようです。クリーンディーゼルのアテンザが登場して「夢のクルマ」という表現がされましたが、次期レジェンドはさらなる「夢のクルマ」として大絶賛されるのではないかと思われます。
ホンダの「次期レジェンド」の構想は、これまでユーザーを「だましだまし」やってきた世界のセダンのスタンダードを変えてしまうほどのポテンシャルがあると思います。ただHVの大出力にどのようなミッションが採用され、どういう乗り味を実現するかはまだまだ未知の部分が多く、ホンダの説明によると「次期NSX」の駆動システムをそのまま使うグレードも設定するようです。他にも懸念があって、「価格」はどれくらいになるのか?また北米中心に開発が進んでいるようで、「サイズ」が日本では非常に使いにくいものになるかもしれません(「NSX」は日本発売がないと言われています)。ホンダとしてはこの「次期NSX」と「次期レジェンド」で日産への「復讐」を果たすのであれば、じっくり作り込んで万全の体制で発売してほしいと思います。
↓ターボのセダンはやっぱり邪道。レジェンドはぜひNAで!