2017年04月18日

アテンザがFRで直6になるってマジか!?

  5世代目のアテンザはFRになるのでは!?という憶測が広がっています。早ければ年内にもアテンザは4世代目へと切り替わる見込みですが、2世代は同じ設計になるのがマツダのルールのようなので、4代目までは現行(3代目)と同じFFシャシーが使われるのが規定路線です。2017年末に4代目が発売されてさらに4年のモデルスパンを全うするならば2021年には5代目になって、FFかFRかはわかりませんが、全く新しいコンセプトのアテンザが生まれそうです。

  初代(GG)/2代目(GH)の終焉の時を思い出すと、円高&不況で全く採算が取れなくなったアテンザは、2代目(GH系)を予定よりも半年早く生産終了にしました。初代CX5を2012年の4月に投入して、翌年2013年の4月に「魂動」第二弾として企画していた3代目アテンザを、2012年の10月へ前倒しして発売します。1ドル=70円でも耐えられる採算したら、アベノミクスで1ドル=110円で利益を押し上げているようです。マツダ車も北米市場で日本市場の2倍売れる時代ですからウハウハです(北米向けのマツダブランド車は現状では100%日本生産)。

  2002年の初代発売当時のトレンド&採算のまま2012年まで通用するなんて甘いのですかね。中国のGDPが日本を追い越し、アジア各地で通貨危機が発生し、マツダはフォードに放り出され(フォードが破綻)、さらに東日本大震災まで発生・・・まあここまでの事態は想定できないと思います。アテンザ自体は大ヒットした初代が6年間を経過し、リーマンショックの荒波に飲み込まれ短命に終わった2代目の4年間の合計10年間を過ごしましたが、日本の自動車産業の歴史に輝く名車の幕引きとしてはあっけなかったですね。

  この10年の間に、欧州カーオブザイヤー2位、プリメーラP10以来ドイツで売れた日本の中型車であり、経済発展が著しい中国の「第一汽車」が共産党幹部のための最上級ブランド「紅旗」に使用する車を選ぶコンペで、世界の名だたる有名ブランドのモデルを抑えて、トヨタのマジェスタとマツダのアテンザが選ばれました。中国が「世界の頂点」と認めたクルマです。

  そんなGG/GHアテンザには、「お手本」にした具体的なモデルがおそらく存在していて、それは誰の目にも明らかですが、1990年代の終わりに欧州市場を席巻した「アルファロメオ156」です。マツダが仕上げたフォードグループで共通に使うフォードCD3シャシーを使う各モデル(ボルボS60、ジャガーXタイプ、マーキュリーミラン、フュージョン、モンデオ)を差し置いて、アテンザだけは「わざわざ」フロントサスをダブルウィッシュボーンに変えました。これこそがどん底のマツダが腹をくくって「世界の頂点」を目指すために、金井誠太主査(現マツダ会長)の絶対に譲れないこだわりだったそうです。

  金井さんがたまたま足回りのエンジニア上がりの主査だったのが、結果オーライだった!!・・・とは言っても当時の欧州で売れている中型セダンのトレンドを見れば、156、プジョー407、シトロエンC5、アコード(欧州)といった評判のモデルはどれも「FF&フロントダブルウィッシュボーン」となっていて、マツダが最後にこのトレンドに乗り出して、世界中のカーオブザイヤーを総ナメに・・・合計で100以上獲ったとか。ただし日本だけは全く無視。この頃からすでに日本のカーメディアはイカれていたんですねー。

  そんな稀代の名車であった初代/2代目の後に出てきた、3代目GJアテンザはちょっとかわいそうです。シャシーはアクセラと共通になってトレードマークだった「ダブルウィッシュボーン」はあっさり廃止されました。ただし単なるコストダウンで片付けるのはマツダにとってかわいそうです。アテンザ単独で年産10万台は稼げますけど、これでは専用シャシーを用意するには少なすぎるようです(藤原常務の弁)。フォード陣営の一員だったらアクセラと別のシャシーが仕立てられたんですけどねー。

  初代/2代目の生産が継続している2000年代中盤に欧州では、CO2削減に寄与するディーゼルが普及し、マツダも欧州ブランドと歩調を合わせて開発に乗り出し、アテンザに搭載を始めます。重量の嵩むディーゼルエンジンを搭載するようになって、繊細なフロントサスのフィールが、フロントヘビーになってあまり活かせない!!だから次期モデルはアクセラと同じストラットにしてしまっていいだろう・・・という判断があったのだと思います。さらに日本や北米でもアテンザにディーゼルを搭載する見込みになって、ディーゼル中心の展開を予想してのサスのコストダウンだったのでしょう。

  ただしこの決断がちょっと裏目に出てしまったような気がします。アクセラとアテンザを合わせて40~50万台売る計画が、まさかの新型モデルCX5が発売から4年あまりで単独で年40万台を売り上げる圧倒的な稼ぎ頭に成長します。アクセラとCX5の2大モデルでマツダの屋台骨を支えられる見通しが着いた!!となると、アクセラかアテンザが迷う〜・・・みたいに主力モデルと購入層が大きく被るようなアテンザを置いておく必要は無いです。むしろこれまでマツダに縁のなかった層を積極的にハンティングしていくモデルにした方が経営上のメリットが大きいはず。

  20世紀までのマツダのラインナップと対応させると、ファミリア=デミオ/CX5、カペラ=アクセラ/CX5、ルーチェ/コスモ=アテンザという3階層のヒエラルキーを再構築することが、経営上かなり合理的と思われるのです。よって正月に中国地方の新聞で報道があったように「FR&直6」という情報が漏れてきても不思議じゃないです。アテンザと北米向け大型SUV(CX9)にFRシャシーを投入して20万台程度売り上げれば、FF車によるマツダ本体に、ジャガー&ランドローバー規模のプレミアムブランドが追加される格好になります。そしてまだまだ中国やASEANではプレミアムカー市場が拡大するとの見通しが!!

  東南アジアでは圧倒的に日本メーカーがシェアを握っているのですが、昨年頃からBMWやメルセデスが現地生産比率を高めていて、タイでは昨年1年間でBMW、メルセデス合計で20000台程度売れたとか。GDPではまだまだ日本の1/15程度ですが、両ブランドの販売台数は日本の1/3に達しています。金持ちが予想以上に多いんですね。マツダとしてはここに自信を持って投入できる「高級車」を作ることが、今後の成長の鍵になりそうです。つまり2021年にFR&直6のアテンザが実現する可能性は決して低くはないと思いますね・・・。


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2016年06月21日

次期アテンザに関する「仰天」な噂が飛び交ってますね・・・。

  アテンザのFR化計画なるものがあるようです。フラッグシップのセダンともなるとやっぱりFRじゃないとダメなんですかね〜。それともさらに中国市場を見据えたロングホイールベースを考えるならば、FF横置きのサルーンではなかなか市場で評価されないのかも。アウディA8は縦置きAWDですね。横置きでショーファーサルーンを作ろうとしているのが、マツダにとってはかつての盟友のボルボで、北米ではすでに大型セダンS90の販売が開始されています。

  FFでの展開を考える上で、これまでずっと「ボルボ」や「アルファロメオ」はマツダの目指す先を照らす欧州ブランドの見本のような存在でした。しかしFFで突き進むボルボに対して、突如としてFR化に舵を切ったのがアルファロメオでして、もしかしたらマツダの内部でも「ボルボ派」と「アルファ派」に分かれて今後の方向性を巡る激論が交わされたのでしょうか?ボルボとアルファ両者を天秤にかけるとすれば・・・。

  噂のレベルに過ぎないのですが、以前にマツダはボルボの買収を本気で考えたこともあったようです。ボルボが使うプラットフォームには、まだまだマツダ設計時代のフォードシャシーが含まれていますし、エンジンこそマツダMZRからトヨタ傘下のデンソーと共同開発したDRIVE-Eに変わりましたけども、ミッションはやはり現行のマツダと同じアイシンAW製6ATが使われます。今から協業関係に入っても十分にメリットがありそうです・・・。

  一方でアルファロメオの親会社フィアットはマツダとの連携にはさらに前向きなようです(海外メディアでは結構話題になってますね)。フィアットのこれまでの歩みを見ると、日産や三菱といった技術力に定評がある日本メーカーとの協業によって、ここまで生き延びてきたことがわかります。日産に加えて三菱もルノーの関連会社になった今となっては、フィアットが頼れるのはマツダかホンダです。ホンダは「孤立主義」が基調で、他メーカーとの協業をする場合は、ほとんどが生産工場を設ける国の政府の手引きによる現地メーカーとの合弁に同意するだけです。イギリス、フランス、アメリカで実績があります。

  フィアットとマツダの協業はすでにロードスター/フィアット124で成立していますが、FF横置きモデルに関してもある程度の連携が可能だと思われます。マツダも赤を基調としたデザインを展開するあたりにイタリアのクルマ文化への愛着を示しているとも言えますし、世界のあらゆる自動車メーカー群の中で、フィアットこそが最もマツダが作りたいタイプのクルマにお金を出してくれそうです。マツダがかつて企画した「ユーノス」や「アンフィニ」といったブランドイメージに近いのがフィアットグループじゃないか?ってことです。

  ボルボとアルファロメオに興味があるマツダですが、より気持ちが傾いているのがアルファロメオ?だとするならば、新型ジュリアを皮切りにFRへと方針転換をする「意中のブランド」をまるで追いかけるようにマツダでもFR化が検討され始めたのでしょうか?

  ちなみにアルファロメオのFR化は、それほど余計なコストがかかっているわけではなく、同じフィアット傘下のマセラティのシャシーを流用しているとか・・・。今後はマセラティとアルファロメオの2つでちょうどメルセデスやBMWと同じくらいのボリュームのラインナップに収まるようです。まったく蛇足ですが、BMWの5〜7er(L6シャシー車)に相当するのが「マセラティ」で、1〜4er(L7シャシー車)に相当するのが「アルファロメオ」です。

  あーーーー!!!!アルファのFR化そして本当にマツダがFR化するのならば、もしや!?フィアットとマツダのさらなる包括的な協業が結ばれるとしたら、FRの次期アテンザの欧州供給モデルが、ミラノの遊休気味の工場でも生産されるようになるのでしょうか? そしてもちろんマツダの「防府」にも同じくFRラインを増設されるでしょうけども、ミラノと防府で採算ライン(3erと同じ水準)の年産40万台を確保できるかは不透明ですけども、フィアットにもマツダにも単体でやり遂げるにはリスクが大き過ぎる仕事です。

  フィアットもエンジンをもっと売りたいはず!!!AMGとならぶファクトリーエンジンを世界で頒布するためには傘下のブランド(フェラーリ、マセラティ、アルファロメオ、ジープ、ダッジ)だけじゃ足りない? そこにマツダもカウントしてアテンザの最上級グレードにはマラネロ製(フェラーリ謹製)のエンジンが載る!?えーーーーこれはもはやアテンザと言っていいのか!?そしてNSXみたいな値段で日本に逆輸入されるのかな?・・・で一体これを誰がほしがる?

  「FFには限界がある。」・・・マツダが世界に胸を張るデザイン力や塗装の技術を最大限に生かす為には。マツダなら強烈に美しいプロポーションのFR車が作れる。そこにマツダが誇る世界最良の圧縮比を持つ2.5L直4ターボを組み合わせれば、世界の名だたる有名ブランドさえも撃破できるだろう!!!WCOTYでの活躍を見れば、マツダのポテンシャルに疑問の余地は無いです。誰もが「見てみたい!」が本音じゃないでしょうか!?マツダの開発者なら「ぜひやってみたい!」「これをやらなかったら一生後悔するぞ!」くらいの気持ちかもしれません。

  いよいよ「自動運転」へと突き進むと言われる2020年までにはFMCが行われるとされるアテンザですが、さてどんな姿になっているのでしょうか?クルマを走らせる文化が終焉を迎えるとされる、Xデーまでのカウントダウンの中でマツダが倒産覚悟の大勝負を仕掛けて「ルマン制覇メーカー」の意地を見せつけるのか? とりあえず慌ててGJアテンザを買う必要はなくなったかも・・・。

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2013年10月12日

初代アテンザを手に入れるチャンスが到来か?

  峠を楽しく走れるクルマ。日本ではそれなりに需要が高いはずなのですが、年々減っている印象です。日曜日の早朝に国道299号線(埼玉〜長野)を突き進めば、ドライブを楽しむクルマは絶版車ばかりです。それほど台数が多いわけではないですが、一応人気があるのが、トヨタのMR2とMRS、ホンダのS2000とインテRなどが多い気がします。輸入車になるとロータスエリーゼくらいでしょうか。

  なかなか峻険な関東産地へ早朝から出撃するような気合の入った人々は、「ミッドシップ」or「Vテック」というかなりシビアな選択をしています(ターボはやはりNGでしょうね・・・)。日本三大峠の1つ雁坂峠へ向かうヒルクライム(国道140号線)は、途中でループ橋が現れるほど勾配区間の連続で標高2000mの山頂の下を通るトンネルまで一気に駆け上がります。群馬の榛名山や碓氷峠を走る分にはどんなクルマでも構わないですが、ここを楽しく走るためには、特別に軽量でトラクションに優れたスポーツカーを選ぶ必要があるようです。



  残念ながらロードスター・RX-7・RX-8のマツダ勢は少ないです。この3台も性能では十分に活躍できるのでは?と思うのですが、やはり高齢者はマツダがあまり好きではないようです。街で結構目に付くマツダスポーツ乗りは一般的にそういう場所を好まないようで、もっと都会に近いところで見かけることが多いですね。RX-7/RX-8はいかにも「都会派」といった比較的若いユーザーが多そうな印象ですので早朝にはいなくて当然かも。一方でロードスターは・・・ここ走らないならどこを走るの?という気もしますが・・・。

  ロードスターは近所で高齢者が転がしているのをよく見かけます。やはりユーザー年齢層がほぼ同じなBMW Z4やメルセデスSLKとほぼ同じエリアでの活動がメインなようです。マツダロードスターは他社ユーザーも一目置く、日本発の世界的スポーツカーとして、専門家からも絶賛されていますが、実際に山岳地域でのドライブを趣味にしている人からすれば、絶対的なマシンではないのかもしれません・・・。

  こんな299号線や140号線にセダンでガンガン入っていくのが大好きです。同じような趣味の人もそこそこ見かけますね。飯能市側からの入り口となる299号線は中央線にポールを立てられているので1850mm幅のクルマだとなかなか大変なようで、旧型セダンが目立ちます。人気なのは、3代目レガシィ、アルティツァそして初代アテンザです。レガシィとアルティツァは5ナンバーサイズなので、まさに最高のステージとばかりに躍動?しています。初代アテンザはマツダのヘタレ(失礼!)スポーツカーの代わりに、かなり見かけます。

  レガシィは欧州でも絶賛されたシャシー性能の高さとAWDのトラクションがこのコースによくハマっていて、ボディサイズまで考えると代わりになる適当なクルマが見当たらず、なかなか買い換えが難しいクルマのようです。アルティツァもFRでここまで使い勝手のいいパッケージを考えれば、乗り換え候補はもはやどこにもありません・・・。初代アテンザは欧州しかもドイツで大人気となるほど、パッケージとスポーティさに優れたクルマです。欧州での普及のおかげで、ビルシュタインが専用ダンパーを発売したりするほどで、足回りを中心にいろいろ試すことができるレアなマツダ車です。2代目じゃあまり弄れないしな・・・。

  去年今年と新型アテンザと新型アクセラが相次いで発売され、おそらくこの初代アテンザからの乗り換えが相当数出るのではないかと思われます。よって中古で初代アテンザを手に入れて、足回りを弄って峠でも使えるセダンに仕立ててみるには絶好のタイミングが到来しています。

  新型アテンザとは違う前輪DWBのサスの効果でハンドリングとトラクションはむしろ新型よりレベルが高いくらいです(ホイールベースの短さを考えると当然ですが・・・)。2Lモデルを選べば車重1360kgしかなく、これはマークXよりも86に近いレベルです! しかもMZRのショートストロークエンジンは高回転でも安定して回るのでヒルクライムではとても頼りになります。

  中古車価格は50万円程度に抑えられると思うので、さらに10万円奮発してダンパーを変えてしまうのもいいかもしれません(ここがやや弱点か)。走行1万km以内のマツダ車にありがちな、ちょっとイラッとくる突き上げも中古なら気にならないくらいに足回りも柔らかくなっているでしょう。ブレーキも初代から新型までほぼ同じ性能で、峠走りにはマツダのブレーキはとても心強いです・・・慣れないとカックンいきますけど。

  そして何より、風化しないデザインがさすがです。ヘッドライトの樹脂カバーを変えて新品同様の透明感にすれば、現役バリバリのデザインになります。リアのデザインもとても優秀で「名車」の域です。初代アテンザユーザーはやはりデザインが好きなようで、塗装をやり直したであろうクルマもよく走っています。俗に初代はスポーツ、2代目はセダン、3代目はワゴンが傑作と言われているように、スポーツのデザインが一番鮮度があります。リアスポイラーも決して下品ではなく良い感じです。

  マツダには、ぜひこの初代アテンザのようなパッケージに優れて、足回りとハンドリングを追求できるクルマをリバイバルさせてほしいと思います。

↓GG系アテンザはこの手のパーツがたくさんあります。

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2013年06月18日

アテンザは世界のクルマを変えていく (歴代アテンザのサクセスストーリーとドイツ車 その2)

  歴代のマツダ車のファンには少々失礼なモノ言いになるが、バブル期の高級志向の強いマツダ車は、欧州からみれば、今の中国メーカーが作る「高級車」を日本人が見る感覚に近かったのではないかと思う。これはマツダに限らず、トヨタも日産も当時は同じように思われていた。そんなマツダ車もアテンザやアクセラの世界的ヒットを契機に、スポーツカー以外のクルマでも欧州のあらゆる地域の人々に親しまれる存在になった。

  欧州では、スポーツカーやSUVなどある程度、日本メーカーが技術的に先行するジャンルのクルマは比較的容易に受け入れられているようだが、セダンやハッチバックといったモデルになるととてつもなく参入のハードルが高くなる。世界のどの地域よりも圧倒的に高くそびえるこの「壁」を、史上初めて乗り越えたクルマがマツダ「アテンザ」だ。アテンザよりも高性能な日本車は過去にいくつもあった。しかし欧州車をバカにしたかのような「過剰スペック」の日本車に対して欧州の人々が「感情的」になっていた部分もあったせいか、大きなインパクトを与えることができなかった。

  もちろん実用走行域が大きく違うなど、日本と欧州の格差がクルマ作りにも現れていて、日本メーカーにとってはもっとも売りにくい市場が「欧州」であっただろう。トヨタとホンダはバブル後も好業績を残したが、それは売りにくい欧州にとっとと見切りを付けて、北米に軸足を移したからだ。マツダはそれでもヨーロッパの壁を叩き続けた。それでもレイシスト的な欧州のスタンスは揺るぎなく、マツダ車が本格的に欧州に受け入れられるようになったのは、マツダがフォード傘下になって「血が入れ替わった」後のことだった。

  アストンマーティンやジャガーなど欧州の盟主と言えるブランドを傘下に収めていたフォードグループの一員として、マツダ車の素晴らしさは欧州の隅々にまで浸透した。スポーツカーメーカーとしての評価は得ていたが、マツダにとって2000年代の絶頂期のフォードという最高の「勝ち馬」に乗ったことは大きかった。アクセラに採用されたフォードC1プラットフォームは、フォーカスとして、VWゴルフ(4代目)やオペルアストラを完膚なきまでに叩きのめした「傑作シャシー」だった。フォーカスに続いて投入されたアクセラも難なく欧州で大ヒットを迎えることができた。

  日本においては、マツダの技術力の高さだけが、一人歩きしていて「営業力はないけど技術屋のマツダ」「ロータリーのマツダ」「デザインのマツダ」などの文脈で語られてしまうが、欧州での成功の本質はそれとは全く別のところにあるように思う。欧州の伝統の懐に入りこめた最大のポイントは、フォードのような「質実剛健」なクルマ作りの哲学をマツダが体現できたことだと思う。今の中国車や韓国車が日本人の心に全く響かないように、バブル期の日本車は欧州人にはまったく届かなかったのではないかと想像できる。

  しかしマツダもバブル期のような「やんちゃ」な時代を経たからこそ、今しっかりと地に足の付いた「アテンザ」や「アクセラ」というクルマが作れているのだろうし、マツダというブランドが着実に成長しているのを感じる。バブル期のマツダから、「BE DRIVER」と自信満々に主張するブランドへの「進化」は、マツダが経験してきたスポーツカーから乗用車までの意欲的な取り組みがあってこそだと思う。それにしても「BE DRIVER」とはシンプルな表現だな・・・(これこそがマツダがたどり着いた自動車ブランドの「境地」なのだろう)。


↓ロータリーに注ぎ込んだ情熱は、ラインアップが無くなってもブランドの重みに大きく貢献している。




  
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2013年06月13日

歴代アテンザのサクセスストーリーとドイツ車 その1

  初代アテンザ発売の当初から、マツダは「BMW3シリーズをライバルとして想定した」と公言してきた。多くのモータージャーナリストはこれを「BMW3シリーズをコピーした」と曲解して報じたりしてきた。従来からもBMW3シリーズを想定した日本車は存在したが(日産プリメーラなど)、実際に欧州でその足跡を残すことができなかった。欧州市場は北米市場とは違い、高性能車に関しては輸入車の参入障壁が高いと言われていて、安易に3シリーズをコピーしたところで、簡単に欧州で売れるわけではなく、バブル醒めやらぬ日本市場でも「亜流のコピー車」として蔑まれるなど、散々な目に遭う可能性が高かった。

  そもそもバブル期に「大量発生」して飽和状態のまま今に至っているモータージャーナリストのみなさんは、いまも「バブルの価値観」(輸入車の絶対的優位)をそのままに保持した上で、執筆・レビュー活動を盛んに行っているので、日本車による「欧州車のコピー」に対しては激しい「アレルギー」があるような気がする。アテンザに関しても、当初から「日本メーカーが作った雰囲気だけのクルマ」みたいな評価を下すジャーナリスト・素人が続出した。そんな人々を徐々に黙らせていったのが、アテンザとアクセラによるマツダ車の欧州における異例の大成功だった。

  アテンザ・アクセラ開発当時のマツダは倒産寸前で、フォードの支援を受け、アテンザもアクセラも「フォードの中核モデル」として開発されたいきさつがあった。外資系メーカーの一員として日本メーカーが作るクルマである、初代アテンザはおそらくそれなりの期待はされただろうが、そのデザインは先代のカペラに良く似ていて、その変化のなさにマツダファンも当初は失望し、日本市場では簡単には火がつかなかったようだ。さらにそれ以上に日本のユーザーの中でマツダ車への拒絶反応が強かったのが、足回りの硬さからくる乗り心地の悪さだ。初代(GG系)のMC前・MC後と2代目(GH系)のMC前の3世代に渡って、ユーザーからはやたらと評判が悪い。

  アテンザがBMW3シリーズをライバルとして開発された、最大のポイントが足回りをBMWのように固めたことだと言われている。これは日本市場においては、絶対的な王者のトヨタ車と比べるまでもなく、異質な感触でしかなく国内ユーザーが乗り比べられたら、一部の物好き以外はほとんどトヨタ車(クラウン・マークXなど)を選ぶほどのレベルだ。それでもトヨタの「脚」自体も高速旋回時には絶対的な安定性に欠け、ドイツ車に対してのドライバビリティの劣勢が際立っていた。そして驚く事に、アテンザの発売後のクラウン・マークXのFMCモデルでは、突如として足回りを欧州車やマツダ車のような硬めの足回りへと変更したのだ。アテンザはユーザー試乗レベルでは、日本の高性能車の水準を下回る乗り心地でしかなかったから、一概に「過小評価」というわけではなかった。しかし日本のミドルクラスとしては異例の欧州での好調な販売とまさかのトヨタ・日産・ホンダによるアテンザ追従の動きにより、モータージャーナリストも無視できない存在になっていった。

  アテンザの乗り心地が悪いのには理由がある。FF車でFR車に匹敵する「ハンドリング」を実現することで、FF本来の直進安定性をも享受した、抜群の操舵性能を得ているが、このためにはFF車にとって最大のネックになるフロント荷重を極力減らす努力が必要だった。フラッグシップにも関わらず軽量な直4エンジンを使い、車重を抑えた。初代(GG系)発売時は、当時の3シリーズE46の最廉価グレード(直4モデル)を下回る車重を実現した。しかし軽量なボディに硬いサスを使えば、ショックアブソーバーが吸収しきれない路面の凹凸に対してのバウンドも大きくなる。よって当然ながら乗り心地に大きな影響がでる。

  しかしながらアテンザが実現した「軽量化」はいままでにないスポーティな旋回性能を発揮した。日本のモータージャーナリストは盛んに伝えることはしなかったが、軽量な日本車と重量があるドイツ車で同等の足回りを使っていた場合、当然ながら旋回時の制動力に大きな実力差が存在した。日本ではBMW車は絶対的な存在だったが、ドイツのテストではその実力がより厳密に暴かれた。特に小型車ではその実力は歴然たる差があった。その結果、マツダや三菱のFF車は圧倒的な性能の良さが認められ、JDパワーの調査によると、ドイツ国内での「顧客満足度」では1位MB2位トヨタ3位マツダ4位三菱5位BMW・・・12位アウディという結果に反映されている。FR車主体のドイツのプレミアムブランドのクルマでは、安定走行性能を確保するために「横滑り防止装置」の普及が急速に進んだ。

(次回に続く)


↓この本の発売の頃まではBMWは最強の「登り竜」でしたが・・・


 
  

  
  

  
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2013年06月11日

新型アテンザにも「ボルボC70」のようなラグジュアリーグレードを!

  「このアテンザがカブリオレだったらな・・・」週末に鎌倉をドライブしながらそんなことを考えていました。2代目アテンザはプジョーブランドとデザインの類似性が指摘されるほどで(ディーラーの担当者も認めてました・・・)、プジョーのようなオープンモデルが良く似合うのではないかと思ったりします。雨の少ない瀬戸内地方のメーカー・マツダなのだから、もっとオープンモデルに積極的であってもいいのかなとも思います。輸入車のカタログをパラパラと見ていると、「アテンザ・カブリオレ」?と思えるようなクルマを見つけました。ボルボに密かにラインナップされている「C70」という4シーターのカブリオレです。ボルボの最新のデザインは、プジョーからマツダを経由して受け継がれてきたような感じで、2代目アテンザとよく似たS60が主力セダンになっています。

  現行C70はS60とほぼ同じサイズの「クーペカブリオレ」になっていて、デザインもよく似ています。ただ不思議な事に、この2台はパワーユニットは共有しておらず、S60は直4ターボと直6ターボの2本だてなのに対し、C70は直5ターボの1グレードになっています。S60はフォード傘下時代に基本設計がされていて、いわばアテンザとは兄弟車に当たります。全長は2代目アテンザの方が少し長いのに対して、S60の方が全高が40mmも高いので、アテンザと比べるとS60はやや「寸詰まり」感があります。しかしC70はS60と比べて全高が75mm下げられていて、こちらは水平方向に伸びやかで、とても美しいフォルムをしています。

  C70はさらに2代目アテンザに匹敵するような美しいリアデザインになっていて、そのトータルのスタイリングは歴代ボルボ車の中でも断トツに優れていると言えます。外観上の特徴はほかにもあり、S60と比べてホイールベースが135mmも縮められていて、その分「リアオーバーハング」がS60やアテンザと比べてもかなり長くなっています。ルーフはリトラクタブルハードトップ(RHT)になっているので、オープン時にはこれをリアオーバーハングに格納することになります。230psのFF車というだけでも走行安定性はかなり怪しい部分がありますが、さらにRHTの開閉でトラクションに相当な影響が出そうな気がします。さらにホイールベースが短いので後席の居住性もかなり犠牲になっています。

  またRHTによる重量増も大きく影響があり1730kgに達しています。直4のS60と比べるとおよそ200kg増加なので、もし2代目アテンザにRHTモデルを設定するならば1650kgくらいの車重になる計算です。ここまで車重が増えてしまうと、アテンザ本来の「羽根のように軽いスポーツセダン」というコンセプトが根底から崩れてしまいます。アテンザの直4NAエンジンではやや非力になるでしょうし、アテンザの最大の特徴でもある「ハンドリング」もルーフのポジションによってかなりの影響があるような気がします。FRのロードスターならRHTでもハンドリングやトラクションへの影響は最小限にとどめられるでしょうが、FFのアテンザでは到底納得できるレベルに設計するのが難しいかもしれません。

  マツダの歴代モデルは確かにユーノスコスモやFDなど、とても「華のある」デザインのものが多かったりします。しかしこのメーカーはせっかくの好デザインのクルマであっても、スポーツ性を損なうような類いの、ラグジュアリーな機能は一切といっていいほど採用しないという、徹底したポリシーを持っているようです。RX-8の開発秘話でも、フォードから出向しているアメリカ人社長が「4ドアのロータリースポーツ」の設計を厳命する中で、マツダの開発者達はなんとかRX-7同様の2ドアモデルに「着地」させようとあの手この手を尽くしたと言われています。ウエイトを適当に詰め込んで社長を騙してまで納得させようとしたとか・・・。

  RX-8開発の少し前に、トヨタがAE-86の復活を期して「2ドアFRスポーツ」モデルの開発を行いましたが、役員が4ドア採用を示唆するとあっさりと計画そのものが「換骨奪胎」されて、結果的にまったく違うコンセプトの5ナンバーセダンが完成しました。RX-8の開発はそのトヨタの開発プロセスを見届けた上でのことだったので(実質的なライバル車でもあった)、トヨタとコンセプトが被らないようにマツダも苦心したとは思います。同時にトヨタ開発陣のポリシーの無さに対して、ある種の「軽蔑感」もあったかも知れません。結果的に、トヨタものと同じ価格帯で同じサイズの4ドアスポーツカーが完成するのですが、「ロータリーエンジン」と「ドア形状の違い」だけで、トヨタとの差別化に成功しました。アルテッツァも大ヒットモデルとして成功をおさめましたが・・・。

  欧州プレミアムメーカーおよびアルティツァの後継モデルのレクサスISには、RHTモデルがラインナップされていますが、いずれも車重増が抑えきれずにスポーツモデルとしては不評です。それでもラグジュアリー志向のユーザーには愛されているようで、レクサスも懲りずに新型ISにも同様のカブリオレを設定するそうです。マツダはやはりスポーツカーブランドとしての意地があってか、この手のモデルに対して消極的なようですが、ベリーサのようなラグジュラリー路線として、アクセラやアテンザに「カブリオレ」を設定してもいいのではないかという気がします。


↓この方の評論にかかれば、RHTなんてバッサリですね・・・。マツダ車にはやたら「甘口」な沢村さんですが・・・。

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2013年06月09日

新型アテンザは安物輸入車が跋扈する鎌倉で圧倒的な存在感を発揮!

  土曜日に鎌倉に行ってきました。先週の赤坂とは道路事情が大違いで、渋滞も覚悟の上でクルマで乗り込みました。先日、世界遺産になることを自粛したことがニュースになっていましたが、いろいろな意図があったとはいえ、結果的に「見送り」で良かったのではないかと思います。世界遺産になればそこいら中の寺社で、平気で拝観料1000円以上を要求してきそうですし、赤坂と同等くらいに高い駐車場料金もさらに上がって、観光都市としての魅力が薄れてしまいます。

  世界遺産になれない理由は、あまりにも「アレンジ」が加わってしまった街並にもはや価値が見出せないということのようです。街並に溶け込んでいるのが「慢性的」な自動車渋滞・・・。ずらりと並ぶのが「センスのかけらもない」大衆的なクルマ。それに混じって客のいない人力車が渋滞をさらに深刻化します。残念ながら何からなにまで狂ってきているように感じます。少なくとも歓楽街の客引きのような「人力車」の営業は規制したほうがいいのではないかという気がします(10分乗って3000円という法外な価格設定は、某国の違法タクシーと同じでは?)。

  そんな「マッドネス」な鎌倉シティも、全てを覚悟して乗り込めば、なかなか楽しめます。駐車場も1日上限が付けられているところもあり、¥1200/日ならまあ納得できる範囲だと思います。なによりクルマさえ停めてしまえば、鎌倉はやはり最高の「デートスポット」ですね(最初から電車で行けよ)。観光客が無数に集まるので、オシャレなカフェやレストランが都内よりも景気良さそうに営業しています。鶴岡八幡宮の参詣道(若宮大路)やその側道のお土産屋は昼下がりになると、驚異的な人込みでごった返していてとても中に入って行きたいとは思わないですが、ちょっと閑静な路地にもいろいろなお店があったりして楽しめます。連れて行くだけで、彼女に感謝してもらえるので、やっぱり「鎌倉」はいいですね。

  帰りはまだ明るいうちに定番のドライブルートの国道138号線で平塚まで行ったのですが、さすがは「定番」だけあって、スポーツカーデビューしたばかりの「86」乗りの皆さんが大挙して対向車線を押し寄せてきます。対向車20台のうち10台くらいが「86」という密集地帯があったりして面白かったです。その10台ほどの「86」は全て男性の1人乗りドライブで、ほとんどが30~40代のマジメなサラリーマン風の方でした(年配の方もおられましたが・・・)。髪型や服装が至ってマジメで、日本経済のことを真剣に考えて、輸入車ではなく国産スポーツカーに乗っているのかな?などと余計な想像までしてしまいましたね(86のオフ会でもあったのかも)。 

  旧型のメルセデスやBMWが氾濫する鎌倉近郊の道路は、どこか「日本の終末」を予感させる哀愁ただよいます。「日本車のデザインが街並を破壊する」とか得意気に語るモータージャーナリストが居たりしますが、鎌倉を観察している限りでは、景観を破壊しているのは確実に「丸目」のメルセデスと「角張った」BMWです(メルセデスの黄ばんだデカライトは痛々しいです・・・)。中古屋で100万円も付かないようなE90が窓を全開にして走っているのを度々見かけました。BMWのエアコンが壊れやすいとは聞きますが、この割合はまったくもって異常だなと感じます。神奈川県という土地柄でしょうか、新型アテンザや新型クラウンを見ることは少なく、日産のリーフがやたらとたくさん走っています(完全にアテンザ<リーフでした)。例の「86」軍団は中古のポルシェなどよりはずっと見栄えがよく、鎌倉の景観を良いものにしていると思います。今後、新型アテンザや新型レクサスISが増えてくれば、旧型ドイツ車が駆逐され景観がもっと良くなる気がします(F30なんて一台も見かけませんでした)。

↓この表紙のセンスの無さが痛すぎる・・・。実車はかっこいいですが。


  

  
  
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2013年06月03日

アテンザの「実力」は本物だ!というより最近の日本車は全般に「かっこよすぎる」

  新型アテンザがだいぶ増えて来ました。昨日(日曜日)も自宅(東京西部)→東京ミッドタウン→お台場→自宅というコースでドライブしたのですが、10台以上は見かけたと思います。個人の趣味もありますが、新型アテンザセダンは「黒」(ジェットブラックマイカ)が一番カッコいいのではないかと思います。他の色に比べて高級感があり、「V8エンジン」が載っているクルマにすら見えます。新型アテンザは「赤」(ソウルレッドプレミアムメタリック)はもちろん、「青」(ストーミーブルーマイカ)もよく選ばれているようで、ライバル車種に比べて「カラフル」過ぎて、ややクルマの雰囲気を損なっている気がします。現実的には「白」「黒」「赤」の3択だけでいいのでは・・・。

  せっかくの高級感のあるエクステリアなので、実際に「V8」のグレードがあってもいいかも知れません(V6すらないのに・・・)。重量があるV8を載せると、アテンザの特徴の「羽のように軽いセダン」というコンセプトが台無しになってしまうので、いろいろと問題がありそうです(現実的には不可能か?)。それならばマツダにはぜひ「鼓動」デザインで、アテンザの上級に位置する新車種を期待したいです。V8搭載のFセグセダン&クーペを受注生産でもいいので作ってくれたら、がんばって1000万くらい払ってもいいかなと思います(まあ10年後くらいには・・・)。

  とにかく新型「アテンザ」は直4エンジンのクルマとは思えないほど、デザインに「重厚感」があり、中身のパワートレーンも「重厚感」あるものに変われば、メルセデスEクラスやBMW5シリーズくらいなら軽く蹴散らせるのではないかと思います(本気か?)。具体的に考えると、マツダが持っているV6の3.7Lエンジンを「HV」&「4WD」化すれば、V8相当のスペックにすることも可能だと思います。内装も東京オートサロンで見せた「アテンザGTサウンドスペシャル2013」のような「こだわり」を見せれば、600万円超える金額になってもそこそこは売れる気がします(もちろん失敗するリスクもあります)。

  ただこの価格帯(グレード)の日本車はとても少なくなっていて、しかも生き残っているモデルもFMCのサイクルも遅くて開発が遅々として進まない印象があります。ドイツ車にしても状況は同じで、BMWも5シリーズや7シリーズに経営資源の多くを割いていられない状況のようで、東京近郊には「ちょっと冴えない」高級車が大量増殖しています。レクサスGSにしろ日産フーガにしろ申し分ないほどに「豪華」なクルマになっていると思いますが、やや「新鮮味」に欠けるところがあるので、その現状を踏まえればマツダが付け込む「隙」は結構あるのではないでしょうか?

  いまでも最先端(鮮度があって)にして最良の高級車としての地位を保てているのは「マセラティ」や「メルセデスCL」といった1500万円以上する「V8専用車」だけのような印象があります。このクラスはここ10年ではポルシェ・パナメーラくらいしか新規参入できていないです。アウディはどうやらポルシェと同じVWグループということもあり、最上級セダンの開発からやや後退気味で、量販が期待できるベースグレードの方に力が入っています。BMWもロールスロイスブランドで超高級ニーズを満たし、BMWブランド自体はアウディと真っ向から対抗するかのように下のグレードの開発に余念がないです。アウディもBMWもどちらも最高級セダンのシェア争いからは完全に脱落していて、「マセラティ・クワトロポルテ」「ポルシェ・パナメーラ」「ジャガー・XJ」の御三家(?)とは勝負にならなくなってきています(あくまで私の印象ですが)。またメルセデスSクラスとレクサスLSはもちろん高いステータスがありそうですが、こちらはあまりにフォーマルに依り過ぎで、まさに「社用車」然としているので「趣味性」は低くなってしまいます。

  そんな高級車市場にホンダの「レジェンド」と一緒にマツダの「スペシャル版アテンザ」がお買い得価格で参入してくるのは、ちょっと「滑稽」ですらありますが、意外に結果が出せるのではないか?という気がします。ただホンダやマツダなら「NSX」や「FD」を生んだ希代の「デザインメーカー」として世界中で認知されている下地もありますし、なにより世界最高レベルの「技術力」を誇る両メーカーです。ここはドイツプレミアムと「逆行」して(ヤツらに最高級は無理)、より「趣味性」の高い超高級級セダンを作ったら「マセラティ」よりも良いクルマを作ってしまいそうな予感すらあるのですが・・・。


↓「ホンダ」や「マツダ」には日本車がまだ成し得ていない「超高級車」の成功を目指してほしいです。


  
  
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2013年05月26日

アテンザならインターコンチネンタル東京ベイだって湯河原温泉だって楽しめる

  若者のクルマ離れを防ぐといってトヨタが作ったスポーツカー「86」ですが、今の若者のことをあまり考えてないクルマだとよく言わているようです。私もそう思います。86は「クルマを操る楽しさを最大限に盛り込んだ」というトヨタの狙いは十分に果たしているクルマにはなっています。ただトヨタがなぜ「走る楽しさ」に目を付けたのかはやや理解できません。そもそも「走る楽しさ」だけを追求するクルマなら日本車は世界最高の実力があります。ランエボやWRXだけでなくZやGT-Rなどその気になれば中古で200万円もあればしっかりしたものが買えます。

  ただそういうクルマはこれ以上若い人たちの気持ちを掴むことはできないと思います。今の若者が一番苦手としていることが、「一人でクルマに乗る事」なのではないでしょうか。別に「安全確認」が一人ではできないとか「道に迷う」とか「駐車が出来ない」とかそういう話ではなく、誰かと何かをする時にはクルマを使うが、自分だけの時間でクルマを十分に使いこなすことは出来ないということです。仕事などで相当に落ち込んでいる時などは、夜中に一人でドライブすることはあるかもしれません。しかし休日の日中に幹線道路に一人で繰り出しても、意味不明に遅いクルマに前を塞がれて、余計にストレスが溜まってしまいます。

  さらに虚しいのが、夜中に一人で乗るだけのために、やたらと「スポーツカー」を主張するデザインのクルマである必然性なんかないということです。それこそヴィッツの足回りを固くして、1.8Lで140psくらいのエンジンを載せたようなクルマで十分な気もします。夜の「気分転換」のためだけのドライブに300万円を注ぎ込めるか? 気分転換の娯楽としてだけならば、クルマじゃなくても「ゲーム」でもいいですし「漫画」でもいいのかなという気がします。ちょっと偉そうなことを言いますが、今の時代に若者にクルマを売りたいなら、「夜のドライブ」だけでは不十分だと思います。

  じゃあどうしたらいいのか? ゴルフをやる男性は、ゴルフに乗っていくためだけに、やたらと高級なクルマを選んでくれるので、クルマメーカーにとっては最高の「お客さん」です。フーガやクラウンなどはその需要に支えられているといってもいいくらいです。若者が急にゴルフをやるようにはならないと思いますが、たとえばレジャー目的で「高級ホテル」に乗り付けるクルマという「コンセプト」で作られていたら、それなりに需要はあるような気がします。

  国内レジャーは低調で海外旅行が相変わらず人気だったりします。自分の部屋より狭苦しいホテルなんかが乱立していて、ホテル選びを間違えるとせっかくのレジャーがつまらないものになってしまいます。国内旅行の不人気はその辺に理由があるような気がします。少ない休暇でせっかく泊まるなら、ちょっと高級な都心のホテルや、有名温泉地の高級旅館の方が満足度が高くてお得な気がします。ペンションしかないような僻地なら、ペンションに満足して泊まれるのですが、いろいろな宿泊場所が選べる有名観光地では「絶対に」高級な宿に泊まったほうがいいです(断言できます)。1人一泊2万円くらいする宿に泊まっていままで後悔したことは一度もないです(年に1、2回程度ではありますが・・・)。逆に京都近郊の安宿なんて絶対に泊まってはいけない!って経験もしましたね・・・(伊勢の「星出館」という宿はリーズナブルな価格でも楽しめました)。

  私が思うに、休暇を有意義に過ごすためには(ちょっと高級な宿に泊まるためには)、それなりのクルマが必要だと思います。実際に高級な宿に乗り付けるクルマとなると、やはり軽自動車ではちょっと間が悪い気がします(そもそも軽自動車での長距離は相当な危険も伴う)。そしてトヨタ「86」みたいな「廉価」なスポーツカーも、なんだか「場違い」な気がします。スポーツカーはエンジン音がうるさくて豪華で静かな「エントランス」の雰囲気をぶち壊します。周囲がいぶかしがり、不満そうな視線を送った先にあるクルマが「アストンマーティン」なら「常連客なんだろうな」となりますが、それが「86」だったら・・・。明らかに場違いで気まずい思いをすることが予想されます。そんなこと気にしないという人は、周りの方に迷惑なので、その手のホテルには近寄らない方がいいです(どこかでマナー違反の制裁を受けます)。

  そういう場所に「行ける」クルマで一番お手軽なのはやはり国産のフラッグシップセダンだと思います(詳細には書きませんが、間違ってもCクラスやBMW3はやめたほうがいいです)。あくまで「一般論」なので、「コペン」や「ミニクーパー」や「ゴルフ」でそういうところに出かけて行く人を否定するわけではありません。自動車メーカーは若者の需要を本格的に掘り起こしたいなら、追求すべきはそういった「強烈な個性」ではなく、もっと「普遍性」や「社会性」について従来の日本車よりも踏み込んで考えられたクルマを作るべきなのではないかと思います。


↓宣伝にあまりお金をかけていない高級宿にハズレはないですね・・・


  
posted by cardrivegogo at 06:20| Comment(6) | アテンザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年05月25日

世界的に良質なセダンが不足しているようで、アテンザの現地生産拡大が止まらない・・・

  マツダというメーカーはバブル後に経営危機に陥り、フォードの支援のもと2000年代に再スタートを切ったことが広く知られているが、今もなお世界では「過去の栄光」を遺産として販売を維持している。ヨーロッパにおけるマツダのイメージを、日本人の感覚に置き換えると、英国スポーツカーメーカー「ロータス」がスポーツカーに加えてハッチバックやセダンを売っている感じに近いようだ。もしロータスが日本で突然セダンを売り出したら、相当の注目を浴びるのではないかと思う。ロータス・エリーゼのような「軽さ」を武器にしたスポーツセダンをロータスが本気で作ったらさぞ楽しいクルマじゃないかと想像してしまう。

  ヨーロッパ人にとって「東洋のロータス」くらいのイメージがマツダだったりします。RX-7やロードスターはスポーツカーの定番と言えるほど確固たる地位を得ているわけですが、そんなマツダが2002年に送り込んできた「スポーツセダン」が初代アテンザでした。このクルマはマツダの想像を遥かに上回るの大ヒットを遂げますが、欧州でのスポーツイメージそのままに仕上げたセダンということで、売れて当然だったのかなという気がします。欧州のセダンよりも軽いボディと極上のハンドリングで「スポーツ走行」向けにこだわって作ったことが功を奏したようです。

  そんな「初代アテンザ」はまだまだ人気なようで、中国の「第一汽車」では今でもノックダウン生産が続けられています(2代目も作っています)。日本のメディアでは「VW」に差をつけられている「トヨタ」が苦戦する中国市場くらいしか伝わっていませんが、日本車の人気は決して低くはなく、トップシェアを誇るVWグループよりもクルマ自体は人気だったりします。余談ですが、中国市場におけるVWグループは実はかなり「闇に包まれている」ようで、先日も日本ではほとんど聞かれないVW車に対する苦情が中国の主要メディアで激しく報じられ、とうとうVWがリコールを発表する自体になった。そこでこともあろうかVWはほぼ全車で使っている「2ペダルMT」のリコールについて、東アジアの高い湿度では耐久性に問題があることを認め、大気汚染がひどい中国ではさらに劣化が早まると発表した。

  急拡大する中国・ロシア・東南アジアといった市場に投入される、トヨタや日産、VW、GMのクルマは「巨大ブランドの安心感」を武器に販売を伸ばしていますが、現実に投入されているクルマの中には本来のブランドを象徴するようなモデル(素晴らしいモデル)とはかけ離れているものが多いように感じます。一方でプレミアムブランドも中国などでは大人気のようですが、こちらもスポーツセダンのホイールベースを無理矢理引き延ばしたような設計の「中国向けプレミアム」が横行していて、まだまだクルマ文化に馴染みが無い人々を手玉に取るような商売が多いようです。そんな市場に「全世界型」セダンのアテンザを投入すれば人気が出ないわけがないわけで、同然ながら現地生産&ライセンスが大人気です。中国市場のライバルで実力派のクルマは「カムリ」などの北米向けセダンばかりなので、「アテンザ」ならちょっと走れば抜群のハンドリングで運転の楽しさを感じられるクルマだと解るはずです。

  中国のクルマの生産台数は日本やアメリカを3年前に追い抜かし、年産1000万台を超えています。GM・VW・フォード・トヨタ・日産のライセンス車種ばかりではなく、BMWのライセンス車(BMなのにV6エンジンです!)もあります。マツダ車はアテンザのみが「一汽」でライセンス生産が行われ、他の車種がフォードの合弁工場で作られていました。2010年頃のフォードの合弁解消に伴って、「中国長安」がマツダベースの独自ブランド車(いわゆるパクリ車)を作っているようです。2000年頃には中国メーカーは雲霞のごとく多数のメーカーが生まれましたが、いまはだいぶ淘汰が進み「三大メーカー」(一汽・東風・上海汽車)を中心に絞られてきています。

  日中間の関係の悪化以来、連日のように日本車の販売が鈍いという報道が続いています。確かに日本メーカーの輸出車よりもVWやGMが販売面でリードしている状況は事実ですが、一方で中国最大級のメーカーのラインナップの中心は日本車をベースにしたモデルばかりなので、それを加えた「日系メーカー技術車」という括りならば、断然に日本車が多く売れています。販売面では「中国のトヨタ」といった地位にある「第一汽車グループ」(政府系最古参メーカー)のラインナップを見ると、高級車のほとんどが日本車ベース(クラウンマジェスタとアテンザ)です。大衆車も日本車ベース(デミオとシャレード)が多いですがドイツ車ベース(ゴルフ)も見られます。

  ちなみに2番手の「東風汽車」は日産のライセンスを受けていて、日産の廉価モデルをベースにしたクルマが多いですが、そこにホンダやPSA(シトロエン)が加わり3つ巴のライセンス体制へ移行しています。主力は小型車とミニバンばかりで高級車の設定はほとんどないようです。3番手の「上海汽車」は英国のローバーを買収して再建に乗り出しているほか、GMからの技術供与を受けていて、一番日本メーカーに縁がないメーカーです。「ローバー」や「ビュイック」などのブランドイメージを前面に出して現在躍進中だと言われています。

  マツダが製造するクルマの中国でのシェアは、まだまだ少ないのですが、中国人はもうすでにマツダの「ハンドリング」はライセンスの「一汽」の主力セダンで体感しています。もしマツダよりもヒュンダイやオペル(GM)の技術が上ならば、「一汽」の主力の座は移っていくでしょう。いまやメルセデスやキャデラックといった有名ブランドも参入したくてしょうがない「中国市場」の頂点(一汽の主力)は、今なお「マジェスタ」と「アテンザ」が占めています。結局は日本で売れに売れている「クラウン」と「アテンザ」は世界で見ても間違いないクルマなのだということがわかります。日本車と輸入車の実力差を考えても、おそらく今後もトヨタ&マツダの「一汽」と日産&ホンダの「東風」における日本ライセンスの「地位」は決してなくならないと思います。


↓中国に見向きもしない「右翼メーカー」スバル(中島飛行機)・・・。「歴史的」に参入できません!


  
posted by cardrivegogo at 00:29| Comment(0) | アテンザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする