2018年07月30日

マツダ車の 本音 と 建前 その4


厳しさを増すMAZDAのビジネス環境

  350~400万円越えの『乗り出し』価格(MAZDAとしては単価上げ)を狙ったCX-8やアテンザは、それでもなお「ベストバリューモデル」として日本市場で好評のようだ。いよいよマツダも「高付加価値」のクルマを求めるユーザーをがむしゃらに追い回すタームに突入したようだ。ほとんど全てのモデルが500万円以上で展開されるレクサスとの差もかなり縮まってきた印象だ。・・・でこれは一体誰得なの!?いや、MAZDAの戦略を否定するつもりはないです。これからも広島と防府でクルマを作り続けるには、相手がレクサスだろうと、メルセデスだろうと、怯むことなく相手を押し退けて「奪って」いくしかない。もしかしたら、豊田&田原での生産と、広島&防府での生産のどちらか一方の陣営しか国内生産では生き残れないかもしれない。だってあの大統領が・・・。


LEXUSを潰すつもりで・・・

  SUBARUはすでにアメリカ向けのクルマをアメリカ一極集中で売っているだけで、輸出の割合も下がり気味なので、「日本製の日本車」を世界に堂々と売り込むブランドは、LEXUSとMAZDAだけと言ってもいいかもしれない。北米から締め出される恐れがあるレクサスが矛先を変えて欧州市場に力を入れるとすれば、同じ「日本車」としてマツダがそのシェアを失う可能性が高い。それに対抗する意味があるのかもしれないけども、英国でも40000ポンド近くにまで達した「MAZDA6」の2.5Lターボが出るらしい(550万円!!)。もはやBMW330iやアウディA4-2.0TFSIクワトロと同等の価格。


AUTO EXPRESS に MAZDA記事が 連日出てます

  英国メディアではMAZDAへの関心が高いらしく、まだ欧州に導入されていないCX-8の試乗レビューが出ている。日本市場での価格だったり、ディーゼルエンジンのみの設定だったりの情報がイギリス人にも需要があるのかな。プジョー5008、BMW2シリーズグランツアラーの他にも、フォードS-MAX、フォードトルネオカスタム、オペルザフィーラ、プジョーパートナーティピー・・・まだまだ実用性がデザインより優先されている欧州の3列シート車の状況を見る限りではCX-8の欧州進出には大いに勝算がありそうだけども、商用車に近いモデルならコスパが大事なので、関税なんてEUにボッタくられている場合ではなく、欧州に生産拠点を展開しないと難しいかもしれない。EUとの間にFTAは実現しつつあるようだが・・・。


CX-8はいよいよ欧州進出!?

  日本市場でレヴォーグ以上のサプライズを起こしつつあるCX-8は、確かに魅力的に見える。乗り出しが300万円以上のレヴォーグが二年目になっても月に3000台も売れたことはすごいですけども、CX-8も発売から半年が経過してまだまだバックオーダーが積み上がっている様子。さすがにプレマシーユーザーも、アベノミクスの恩恵を受けて観念して買っているようだ。そういえばプレマシーにディーゼルを積んでくれー!!って声が結構あったけども、プレマシーに2.2Lディーゼル積めば乗り出し300万円くらいだろうし、さらにシャシーもB系からCD3系(旧G系の親戚)にレベルアップしているのだから350万円乗り出しはほぼ適正価格。しかも2列目、3列目のシートも抜かりなく仕上げてきたのがヒットの要因だと思われる。


アウディを潰さなければ成功はない

  ガソリンターボで40000ポンドのアテンザの後を追って、40000ポンドのCX-8も欧州に上陸するならば、まあ面白いでしょうけども、日本と違ってピープルムーバーにお金をかける文化ではないようだ。BMW216dグランツアラーで32,000ユーロ程度、CX-8と車格が被るアウディQ5の2.0TDIが45,700ユーロ、アウディQ7の3.0TDIが63,300ユーロ。とりあえずこの辺をぶっ飛ばしていくだけの商品力があるのか!?ディーゼルが完全に主力なのでマツダの活躍が期待されるジャンルなんだけども、やはり欧州ブランドには上級モデル用の6気筒ディーゼルが用意されている。マツダが直6ディーゼルを企画する意図もわからないでもない。FRベースのシャシーに直6があれば、クワトロポルテやアウディQ7、ポルシェカイエンまでを射程に入れることができる。


ビッグクーペ開発競争に参入!?

  ニューモデルマガジンXが今月号で、MAZDAの「直6クーペ」開発を巻頭&表紙で報道している。予想発売時期は2020年代半ばだってさ。7年後の自分はMAZDAのクーペが欲しいだろうか!?レクサスLCが登場し、BMWがいよいよ8シリーズを復活させ、クーペやM8まで着々と準備が進んでいるようだけども、MAZDAは7年後か・・・アテンザの上?にFRセダンが置かれ、それのクーペ版なのでそれくらいの時間が必要なのかもしれない。せっかくだったらBMWにブツけて欲しかったな。BMWとMAZDAが同時にビッグクーペを発売して、どっちもコケるって可能性もあるけどさ・・・。MAZDAとしてはレクサスLCや8シリーズクーペの動向を見つつ開発を慎重に進められる有利さはあるだろうけども。


MAZDAだから期待したい

  レクサスもBMWもビッグクーペを設定する狙いは、ブランドをより魅力的に見せる「看板役」。つまり本来売るべきフルサイズSUVや、フラッグシップサルーンとそれらの下位に分布するブランドのラインナップのクルマを効率的に売るための舞台装置に過ぎない。しかし存在するだけでは意味がなく、マシンとしての価値が非常に高くファンも多く世界から注目される存在でなければならない。7年も経てばレクサスLCと8シリーズクーペが、風化/形骸化していく厳しい現実を突きつけられるだろう。CVT&HVだったり、既存モデルと変わらないユニット&外部ミッションを流用したところでファンはもう増えないって・・・。


全てのラインナップが世界ナンバーワンへ・・・

  それでもMAZDAはビビることなくフラッグシップクーペ発売に漕ぎ着けることができるだろうか!?MAZDAならば専用特別ユニットとミッションを用意してくれると信じたい。半世紀にわたるスポーツカーとしての意地を見せてくれるだろう。1シリーズセダン&MINIがグローバル販売の中心になりつつあるBMWと、C-HRをベースとしたコンパクトSUVを拡販の切り札とするレクサスに、これ以上何を期待するだろうか!? 世界最良のミドルSUV『CX-5』に世界最良のCセグ『アクセラ』の2台が主軸のMAZDAだけども、さらにD/Eセグメントの覇者を目指す『アテンザ』、D/EセグSUVで革命を起こしつつある『CX-8』を加えて、世界の中型メーカーの頂点に一番近いところにいるMAZDAが、メルセデス、レクサス、BMW、アウディ、ボルボをことごとくなぎ倒して、自らの市場を守るためにも、ため息のでるようなクーペを『なる早』で期待したいものだ。



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↓これがアテンザの車内!?ってくらいに変わった・・・





posted by cardrivegogo at 06:13| Comment(0) | マツダの戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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