2018年07月21日

マツダ車の 本音 と 建前  その2

マツダ=『仕上げ』

前回は、エンジンもボデーのバリエーションもないマツダが、既存のプレミアムブランドに対して訴求力で互角もしくは上回ることができたのは、「仕上げ」の力がずば抜けていて、その実力はトヨタの社長が完全に撃ち抜かれてしまうくらいだから・・・といった前振りをしました。しかし「カーメディア」において、そんな語られ方をすることは少なくて「わかってないライターが多すぎる」という気がしないでもない。ハンドリング、アクセル、ブレーキのフィールはうまくまとめられているし、ミッションやサスペンションで、メルセデス、BMW、アウディ、トヨタに違いを見せつけているけど、カーメディアの多くは、『マツダ→よくできている』『レクサス・BMW・メルセデス・アウディ→いまいち』と言葉を濁して直接比較を避ける。


世界三大ブランド

なんでマツダは「仕上げ」が上手くできるのか!?それはポルシェやフェラーリが上手いのと同じかもしれない。例えばポルシェは「911カレラ」「911カレラS」と2グレードを作り分けるけども、997の前期/後期、991の前期/後期で小刻みに仕様を変えてくる。サイズやホイールベースがスポーツGTとして最適な中央値に近いというのもあるけども、操縦性において各種パラメータを大胆に弄って、「最新の911」を提供する姿勢が貫かれている。つまりスポーツカーを作るメーカーにとっては商品開発とは、すなわち「操縦性」の解釈を広げることであり、「走り」だけが商品価値だと信じて疑わないからだ。そこにしっかりと情熱が注ぎ込まれているから「ポルシェ」であり、「フェラーリ」であり、「マツダ」という名前が世界で通用するのだと思う。


「走り」の商品化

これは単なる観念論ではないっす。例えばメルセデスやBMWにありがちな「いまいち焦点の定まらない」新型モデルに対するいろいろなレビューを読んでいると、まあ見事なまでにバラバラな見解が出てくる。ある人はスポーティだと主張し、ある人はコンフォートだと表現する。1つのモデルに対してよくもまあこれだけ真逆な意見が出てくるものだと感心する。それに対してマツダは・・・、ある種の偏見もあるのかもしれないけど、ほぼ全員が「スポーティ」だと、妥協はあるにせよ『合意』するくらいに、ある程度はピーキーなハンドリングを当たり前のように製品化する。つまりポルシェやフェラーリに決して負けないくらいに、目一杯パラメータを動かすことができるわけだ。それができるのが半世紀に渡って専用設計スポーツカーを作ってきたメーカーなんだと思う。


『トヨタ化』というトレンド

スカイアクティブ以降のマツダは旧世代を否定するかのように『コンフォート』に振っている。人によっては「トヨタに近づいている」と表現するのかもしれない。マツダは「トヨタに近づく」という変化が可能だけども、失礼ながらスバル、三菱、ホンダ、日産ではトヨタに近づくことさえできない。なぜならブラインドテストしても、トヨタ車とまるで区別ができない範囲の乗り味でしかないのだから、「近づく」ことはできない、もともと「近いところ」にいるってだけだ。これらのメーカーもパラメータを変化させることを・・・やればできるのだろうけども、そこにハッキリと「商品価値」を考慮してはいないのだと思う。


マツダはどれだけ乗り味を変えられるのか!?

誤解を恐れずに言ってしまえば、パラメータが動かせるメーカーは「仕上げ」の能力が高い。「THS」が抱えていた回生ブレーキの瑕疵を、放置してきたトヨタと、全く我慢ができなかったマツダ。この2メーカーの差がそのまま「オーリス」と「アクセラ」の差であり、「ヴィッツ」と「デミオ」の差であり、「ウィッシュ」と「プレマシー」の差であり、「マークX」と「アテンザ(先代)」の差だ。マツダに入庫したプリウスのユニットが激変したのだから、いまいちなトヨタ/レクサス車は、マツダのチューニングを施してみたらいいんじゃね!?


GRブランドが生まれた意味

トヨタも自前で「GR」というチューニング・ブランドを作ってきた。日産の「NISMO」のコンプリートカーがマニアに熱く支持されているように、スポーツカー/レーシングカーを仕立てる「パラメータ屋」に、仕上げを委託するのは、洗練された市販マシンを作り上げるためには有効だと思う。ポルシェやマツダにはその機能がすでに備わっている。さらにエクストリームなポルシェを求めるマニア向けに「ルーフ」「ラウヴェルト」などのチューナーが用意されているけども。K沢M洋とかいう著名なライターがベストカー誌上で「マツダはスポーツ活動に予算を計上しないからダメ」とか言っていたが、まずはクルマの「仕上がり」から判断すべきじゃねーの!?って思う。


北米での大勝利

現在のマツダは「ボデータイプ」と「エンジン」のバリエーションが致命的に少ない。マツダ車の購入に前向きで、好意的なファンもしくはファン予備軍な人々にとって、そのラインナップの拡大を期待せずにはいられない。「6気筒」「ロータリー」「FRサルーン」「2ドア」「3ドア」などなど。しかしマツダの本質が、世界最高の「パラメータ屋」だとしたら、ボデータイプもエンジンも最良でコアな選択を外していなければ、常に世界最高の位置を狙うことはできる。例えばまだ6年あまりの歴史しかないCX-5はすでに『世界最高のSUV』となった。アメリカが輸入する『最大』の単一モデルであり、ホンダ、トヨタ、スバルのSUVを寄せ付けないくらいにグローバルで広範囲に、GDP上位国の市場を席巻している。果たしてCX-5の魅力とは何か!?北米には最近になってやっとディーゼルが導入されたばかり。つまりどこのメーカーにもあるサイズの5ドアSUVのボデーに、前近代的な自然吸気エンジンだけで世界の頂点に立ったわけだ・・・。これを「仕上げ」の力以外になんと言えばいいのか?


中の下

K沢M洋が動画レビューで言っているように、CX-5の車重において2.5LのガソリンNAエンジンではパンチ力不足は否めない。それでもプレミアムブランド仕様の「Lパケ」に時代遅れの180psのNAエンジンで30000ドル。245psの2Lターボエンジンで武装する「BMW・X2-28i」36000ドルの相手を見事に圧倒して何もさせていない。アメリカ人にはちゃんと判断できるのだと思うマツダのATと、某ドイツ系サプライヤーのATの洗練度の差が、サスペンションを作り上げる技術の差が、そしてハンドリングを『仕上げる』メーカーの実力差が。K沢さんがいうには、CX-5の足回りは、ドイツ車でいうところの『中の下』なんだってさ。SUV同士で比べたらCX-5に『サス性能』で勝てるドイツSUVなんて見当たらないし、失礼ながらティグアンもX3もGLCもQ3も・・・かなり不満の残る「仕上がり」だったが。


ハードが弱い

ドイツSUVに「仕上げ」を求めるならば、マカンか、アルピナXD3などのチューナー車を選ぶべきなんだろなー。それをリーズナブルな価格で実現しているマツダはやっぱり全力で応援したい。しかしもうすでに2世代目に突入し、年産40万台を超えているCX-5ですが、初代との差は各部の性能をスープアップしている程度。クルマの立ち位置を大きく変えるような「大転換」はまだ何も施されていない。あまりに早い成長だったために開発が追いついていないだけかもしれないが、マツダがボーっとしている隙にも、人気のドイツブランドのSUVを押しのけて大きくシェアを広げている新興ブランドも出てきた。かつてない販売台数に達しているボルボは、マツダがまだ踏み切れていない、「ハード面」での進化を実現している。


合併シャシーは厳しい

旧フォード陣営で旧マツダシャシーを使って最近までクルマ作りをしていたボルボは、上位&下位の2種のシャシーをいっぺんに変えてきた。厄介なのはアクセラベースのマツダ本体が使うシャシーは、ボルボの下位相当であり、ボルボが日本でシェアを拡大しているのは、上位シャシーを使うXC60の成功によるもの。中国メーカー吉利汽車と組んで開発されたシャシーは、以前にも書いたけども、3世代のアテンザが同時に生産されていたくらいにGG/GHが大好きな中国市場の好みに合ったフロントDWB装備だ。いくらマツダが「仕上げ」がうまいからと言っても、ハード面での大きな差を埋めることは難しい。初代アテンザは、初代アクセラとは全く違う乗り味を持っていたけども、現行アテンザと現行アクセラは同じ「ハード」を使っているだけあって、かなり近いところにある。違いは「吸音材」の量くらいじゃないだろうか!?


次の展開は!?

栃木系日産、SH-AWDのホンダ、クラ&LSのトヨタといった、ハードのレベルが高い日本車には、現状のマツダでは分が悪いかもしれない。「仕上げ」の力を存分にふるったアテンザ、CX-5では、居住性に加えてスムーズな操縦性でアピールできるけども、絶対的な走行性能&限界性能には差がある。日本車のこれらのモデルや、ハード面で頑張っているジャガー、アルファロメオ・ジュリアなどを、マツダがチューニンング&ファイナライズしたら、メチャクチャいいクルマになると思う。ならば・・・マツダにもハード面でステージを上げたシャシーをそろそろ期待したいし、鋭意製作中とのこと。多くの人はバブル末期の苦境を思い出すのだろうか・・・もし可能ならば、いまいち狙い通り拡販ができていないアルファロメオ・ジュリアのシャシーをマツダに丸投げしてみたらどーだろうか!?この2つのブランドはかなり「同位相」であり、「マツダロメオ」としてビジネスライクに同化しつつも、最高のGTカーと作りそうな気がする。ハードの「アルファロメオ」と仕上げの「マツダ」・・・省資源時代のこれからはコラボの時代だ!! ト○タとB○Wがコラボしても無粋なクルマには変わらないだろうけどさ・・・。


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posted by cardrivegogo at 17:37| Comment(0) | マツダとカーメディア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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