2018年07月18日

フォルクスワーゲン と マツダ の価値




MAZDAの歩み、VWの歩み

ここ数年のマツダのクルマ作りの変化のせいか、あまりフォルクスワーゲンとの比較レビューを見なくなった気がする。とりあえず・・・日独でディーゼルといったらマツダとVW。良質な直4ユニットはマツダとVW。良質なハンドリングもマツダとVW。ミッションの洗練もマツダとVW。運転環境・着座姿勢もマツダとVW。・・・結局のところさ、マツダとVWがいなかったら、今頃は800万円以上の高級車と、軽自動車&ミニバン以外はことごとく消えていたかもしれない。クラウンやアルファードと、Nボックス、シエンタ、アクアがあればいい。FRの高級車は縦置きのトルコンAT、それ以外はCVTだけあれば十分。


MAZDA&VWが無い世界は・・・

マツダとVWがあれこれと奮闘したことで、自動車業界の未来は少しずつ予定とは違ったものになっているようだ。FF車で愚直に静粛性を高めたり、ロックアップ式トルコンATやDCTが高級車のFR用ATよりも軽快で高品質に感じられるなど、高級車と廉価車に二分されるはずだった市場のど真ん中に、とっても魅力的な「中間層」的なモデルを生んでいる。「中間層」出身のアテンザやパサートが、メルセデスやBMWのモデルよりもよっぽど優秀なディーゼルを使って、独自の市場をしっかりと維持している。これって結構スゴイことだと思います。


日産やホンダは「中型」に興味なし!?

もしかしたらマツダの経営幹部はボチボチ大きな思い違いをしていて、マツダのラインナップを高級車と廉価車に分けて、レクサスとトヨタ、アキュラとホンダみたいな作り分けを考えているのかもしれない。日産もホンダもどうやら自慢のスポーツモデルをどれだけ高価にしてやろうか!?あるいはフラッグシップセダンをレクサス基準で徐々に値上げしていくことばかりを考えているのだと思う。そしてインフラ用に廉価モデル&軽自動車を『安定供給』することでも十分に利益を確保する戦略をとっている。フィットやノートはクラス最高を目指すけども、まともに「中間層」のモデルの開発なんてやる気はないみたいだ、とりあえずアメリカではそんなに需要がないし。わざわざ日本市場や欧州市場のためにマツダやVWとガチンコのクルマに開発費をかけるなんて愚かだと思っているのかもしれない。


影響力・・・デカ過ぎ

プジョーやシトロエンは、フォルクスワーゲンの影響を大きく受けている。寸法から真似していて、基準車よりもいいクルマなんて見たことなけどな。ボデーはVWから、ミッションはマツダを手本に、マツダが部品を買っているアイシンAWから横置きトルコンATを採用してから日本市場でも好調らしい。高級モデルがすでに末期で『死に体』になっているBMWも、中国、日本、欧州でFFシャシーモデルのゴリ押しを開始。いよいよ北米市場でもSUV(X1/X2)ではFFベース車の販売が始まっている。1.5L直3ターボはVWと同じでDCT(ゲトラグ製だけど)、2.0L直4ターボではマツダを手本?にアイシンAW製トルコンATを採用、BMWがVWやマツダをパクるわけないとは思うし、全くの偶然だとは思うけども実に興味深い。メルセデスのFFモデルもVW型のDCTで、新型ではさらなる1.4Lターボへダウンサイジングしている。英国カーメディアがあと数年のうちにCセグはプレミアムブランドに支配される!!って書いてたけど、VWとマツダが負ける気はしないけどな・・・。


ヴォルフスブルク×広島

前にも書いたことがあったけども、この一連の流れは『ヴォルフスブルク&広島』系とでも呼ぶべきで、見事に中型車の技術的な集積・進化が、マツダとVWを軸に展開されている。ガソリンエンジンに関しては「ダウンサイジング」と「ライトサイジング」で両メーカーの開発者の意見が食い違いを見せたりしたが、VWが排気量アップに踏み切り、マツダが次期型エンジンにトリプルチャージャーを用意するなど、より良いユニットを作り上げるためにお互いにライバルの研究をじっくり検分しているのだと思う。モータファンイラストレーティッド『WORLD ENGINE』にもVWとマツダの切磋琢磨によってミドルサイズの直4ユニットが面白くなってきている様子が書かれている。


良いクルマ!!というプロパガンダを流せ

気がつけばPSAやボルボだけでなく、メルセデスもBMWも『ヴォルフスブルク&広島』系の尻馬に乗ってビジネスを大きくしようとしている。パサートVSアテンザ、ゴルフVWアクセラ、ポロVSデミオ・・・絶対無敵の欧州王者が東洋の小さなメーカーに苦戦。マツダファンが喜ぶカタルシスですけども、ホンダはどーなんだ!?実際にホンダ車は主要市場で軒並みマツダ、VWを圧倒している。・・・がしかし、ホンダの真似をしようするメーカーは出てこない。ホンダ車ってのは「ギミック仕様」なんですね。「飛び道具主義」と言っていい。プリウスとアクアに燃費で負けないように・・・っていう意味わかんないこだわりに世界のメーカーはドン引き。


ポルシェを巻き込む!?

エンジンもミッションもサスペンションも具合がいい。これが「ヴェルフスブルク&広島」系のポリシーだ。あくまで実用性重視で、セアトやシュコダでもそのまま使える質実剛健さを優先するVWと、「人馬一体」でフィーリングを重視するマツダでは最終的な商品段階で隔たりがあったりもするのだけども、例えばVWのフラッグシップエンジンとなる2Lターボは、今ではポルシェ車にも搭載されている(縦置き化されてるけど)。ポルシェが鋭意開発中だと言われるDセグクラスのスポーツセダンに、VWの直4ユニットが搭載されて500~600万円台スタートで日本市場でも売られるならば、マツダも対峙するFRスポーツセダンを作らないと・・・。







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posted by cardrivegogo at 04:30| Comment(0) | マツダへの雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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