強気に価格上昇
先日発表されたアテンザのビッグマイナーチェンジ。誰もが感じたかもしれないですが、・・・「価格」が強気。そろそろ「店じまい」になる初代スカイアクティブシャシーは、アクセラ、CX5、アテンザの3車でもう十分に減価償却しているでしょうから、モデル末期の「廉価グレード」設定があるのか!?と思いきや、順調に価格は上昇しています。次のアテンザの日本価格は350万円くらいからスタートしますよ!!と予告するのが、今回のマイナーチェンジの最大の狙いなのでしょうね・・・。
トヨタに喧嘩を売る
ガソリンモデルで実質的なオンリーワンの候補になる『25S・Lパケ』は354万円。もっとも高価な『XD・AWD・Lパケ』が419万円。次のアテンザでは、この2つの価格が、それぞれスタート価格と、メイン価格にシフトするのだろうかという気がする。それでもアコードHV、カムリHVなどの価格に比べれば、まだまだ魅力十分ですし、『Lパケ』は実質的にアウディ、レクサス、メルセデスなどに対抗できる「プレミアム」仕様ってことを考えると、相対的なコスパは高い。『419万円』にはちょっと因縁があるようで、カムリHVの最上級『Gレザー』がこの価格です。トヨタ史上最高のハイブリッドユニットを搭載し、自慢の本格レザーが使われたカムリHVへの「挑戦状」のようです。ちなみにアコードHVのレザー装備ゲウレード『EX』は410万円ですが、こちらはフルモデルチェンジが間近とのこと。
ハイブリッド VS ディーゼル
トヨタやホンダのHVサルーンに、マツダのディーゼルサルーンは負けていない!!という意思表明。ディーゼル勢は他にも422万円のパサートTDIが日本市場参戦。さらに年内にも新型のプジョー508とボルボS60が相次いでデビューして400万円前後の価格になりそう。新型3シリーズは、PHVとディーゼルが用意されているようだが、一体どっちの陣営に入るのだろうか!?ちょっとミーハーすぎじゃねーか!?エンジン屋の名前が泣いているぞ。トップギアのクリス=ハリスはレクサスLS乗って一言、「CVTはクソだ!!」と切って捨てた。しかしディーゼルは欧州ではすでに鼻つまみな存在に・・・。
ターボはお預けに
期待されていた北米向けの『2.5Lガソリンターボ』の導入はありませんでした(後出しじゃんけんの可能性もあるが)。北米仕様の5000rpm頭打ちのユニットを出したら出したで、マツダの名前に傷がつくでしょうし、250psという控えめな出力だと、またK沢に『渋チンだ!!』と意味もなく煽られるのがオチ。中国市場に頭を擦り付けるような『2Lターボ』なんて絶対に欲しくないので、2.5Lターボというだけで一定レベルの所有する喜びはあるだろうけども、中国で売るつもりもないから日本でも発売されないのはちょっと悲しい。次世代アテンザへ価格面で「橋渡し』をするならば、2.5Lターボを400万円台で新グレードとして投入したいところだけども、354万円の25S・Lパケに、ターボ&AWD追加の値上げ幅で貪欲に50万円積んでもせいぜい400万円乗っかるくらい。2Lターボのスカイラインと同等・・・じゃ納得しないってことなのかも。
カムリ失速の理由は!?
昨年発売されたカムリHVは、日本COTYをセダンで獲る!!みたいな高い志をトヨタに感じましたし、日本市場を丸ごと洗脳するかのような、巧みなプロモーション戦略を推し進めましたが、販売が集中しやすい3月でやっと3000台です。現行のアテンザよりも都市部での使い勝手は段違いに良いであろうトヨタの最新鋭のハイブリッドを使っていて、価格帯は319〜420万円とアテンザとほぼ同じ。それでも昨年後半からすでに予想外に「低調」であることが判明していました。マツダ首脳陣もアテンザの日本戦略が非常に困難であることを感じていたはず。
「タクシー」は売れない
カムリHVってたまに見かけますけど、そもそも誰が買うの!? 首都圏で考えると、都心まで電車で30分圏内の一般的な建売り住宅に用意された駐車スペースでは、ほぼ絶望的なサイズです。3ナンバーはCセグかスライドドアじゃないときつい。ちょっと郊外で2000〜3000万円台で広い家&駐車スペース余裕な物件が買えてしまう埼玉県中部(所沢市)だと、もうカムリではなくて、レクサス(GS)とかメルセデス(Eクラス)とか乗ってます。Eセグ乗りたいから郊外を選んでるわけですから。天下のトヨタの営業力を持ってしても社会的ニーズの多くは個人タクシー向けくらいに限定されてしまうようです。北米のようにセダンを当たり前に乗る環境が日本では外部的要因で制限されてきているのは否定できない。
キャラ・・・
これからはミドルセダンは「ファン」を得られる要素がないとダメだ・・・とか言ってしまうと、それはすなわち「BMW・M5」や「E63AMG」を肯定する意味になるんですよね。マツダがFR化を目指したり、スバルがリア重視のAWDシステム(WRX・S4やレヴォーグ2.0)導入したり、あるいはレクサスLSが日本のカーメディアにフルボッコにされることを覚悟で「ドライバーズ・ビッグサルーン」へと大きく舵を切ったりする動きは、クルマの選ばれ方が変わってきたと、優秀な日本メーカーのマーケティング部門が判断しているんだと思います(カーメディアのオッサンたちのたわごとは無視でOK)。
マツダの新しい感じ方!?
初代&二代目アテンザは同じ世代のプラットフォームを使い11年あまりのモデルライフを経過しましたが、GG&GHシャシーは、そのこだわり設計によって、世界中でマツダファンを増やす結果になりました。このブログもまさに「ファン」です。見事なストーリーもありました。詳しくは名著「マツダはなぜよみがえったのか!?」を読んでください。フォードの後押しがあったからできたのも事実だし、「ZOOM-ZOOM」を名付けたのもアメリカ人でした。昔を美化するのはどーかと思うけども、「デミオ」「アクセラ」「アテンザ」「RX8」「プレマシー」がグローバルモデルとして『ファン』を作りまくった。
マツダを持つ幸せ
それに対して現行モデルはどーなんだ!?特にフラッグシップ・アテンザに対する要求は高い。アクセラと同じシャシーを中国市場向けに伸ばして使っているだけでもう幻滅・・・みたいなネガティブな印象を抱いていた時期もありましたが、このGJアテンザのモデルサイクルの中で、マツダは「乗用車のインテリアとは何か!?」という課題に真剣に取り組んできたと思います。2012年にLパケに乗った時もサイドウインドーの高さが気に入りましたけども、そこからコンソールのデザインは変わり続け、トリムもメルセデスの特別グレードのような質感を意識するようになり、同時に静粛性もマイナーチェンジのたびに向上しました。
GJアテンザ・3rd-genは「超えた」!!
GJアテンザはまだ発売されてから5年半ですけども、その時間が短く感じるような中身のある「過程」を積み上げてきました。GGやGHアテンザのモデルサイクルでほとんど変わることのなかった内装の質感の、変化の振り幅はびっくりするくらい大きい。その分しっかりと価格も上乗せされてますが、上質なレザーシートにリアシートヒーターまでついて350万円の『アテンザLパケ』と同等の装備がつく新型クラウンは630万円の『2.5ハイブリッドG-エクゼクティブFOUR』からになるようです。うーんマツダが2012年からずっと言い続けてきたことの意味、今のマツダが存在する意義みたいなものが、ちょっとわかってきたかも。6月21日が楽しみだ。
【ニュース】アテンザの商品改良モデルを6月21日に発売します!最新のフラッグシップモデルとして、上質なエレガンスを表現したデザインをはじめ、幅広い領域において性能や質感を大幅に向上させました。詳細はこちら⇒https://t.co/B3quUFofNS #マツダ #アテンザ #Mazda6
− マツダ 広報部 (@Mazda_PR) 2018年5月24日
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