2018年05月01日

アテンザ周辺のFFセダン市場がちょっと騒がしい

突然のフォード・ラインナップ解体報道

  フォードが北米でセダンを売るのをやめる方針を発表だそうです。旧型アテンザの設計を使って現行フュージョンを作り今まで販売してきたけども、これ以上は新しいシャシーを作るノウハウも余力もないから廃止なんでしょうか。マツダともう一回提携したら!? 現行のフュージョンは発売時には、アコードやカムリに肩を並べるくらいの販売(月に3万台程度)を記録してたと思ったのですが、そこから一気に急降下したようです。マツダ幹部はこのニュースを聞いてどう思ったのだろうか!? やはりマツダが傘下にいて、乗用車開発の中核を担わないとダメなのか!? フォードはやはりピックアップトラックしか作れないメーカーに過ぎないかった!?

マツダのトラック率はすでに60%超

  フォードの乗用車部門からトーラス、フュージョンとフォーカスが廃止され、マスタングとフォーカスのスポーティモデルだけの設定になるらしい。だいぶ思い切った改革に感じますけど、日本市場がマスタング以外にそれほど興味を示さなかったことは、この結果への予兆だったのかも。もちろん好調な『トラック部門』はそのまま残り、北米ベストセラーのF150や、SUVのエクスペディション、クーガ、エクスプローラなどは健在。どうやら北米のセダン市場は本当にヤバいらしい。そもそも『乗用車部門』でまともにクルマが売れているのは、日本、韓国、ドイツの各メーカーだけで、米メーカーはすでに『トラック』に軸足が写っています。CX5が売れているマツダも『トラック率』が50%を大きく超えました。アテンザにガソリンターボを慌てて導入するくらいなので、完全に予想外だったんでしょうね。

北米市場はスクランブル状態

  マツダ以外の日本メーカーも北米市場のSUVの比率がハイペースで高まっていて、ブランド全体では各社伸びているものの、従来売れていたアコードやアルティマ(ティアナ)などのセダンは昨年比で大幅な下落。昨年にFMCがあったカムリ以外は総崩れ状態です。一時は10000台水準で売れていたアテンザも、3000台を下回るところまで落ち込んでいます。その代わりにCX5が15000台水準まで上がり、日本からの単一モデルの輸出台数ではおそらくトップだと思われます。全量輸出のマツダや三菱なら、北米余剰分を中国に持っていけば済む話ですが、北米現地生産率が高い他の日本メーカー(ホンダ、日産、トヨタ、スバル)は、北米での生産計画の余波が日本市場にも波及しているようです。

日本でセダンを売りたいトヨタ

  以前から噂がありましたが、北米レクサスで一番よく売れていたFFセダン『ES』が、北米での売り上げ大幅減を受けての結果なのか、フルモデルチェンジを機に、今更のように日本向けに販売を開始するらしいです。年内に日本でもMCを予定しているアテンザにとっては新たな難敵が現れたなー。カムリHVのFMCも痛かったけど、初代、二代目アテンザで追求してきたスポーツセダン市場に、レクサスISがハンドリングマシンの決定版として降り立ち、三代目(現行)アテンザでは方針転換の末に、Eセグに近いサイズに拡大してグランドサルーン化を図ると、今度はFFのレクサスES投入で、静粛性、スペースなどコンフォート性で定評があるアテンザの小さなシェアがさらにミニマムになるのは不回避です。


次もFFセダンを買いたい

  FFセダンって日本ではあんまり人気ないですけど、居住性、走行安定性、静粛性、安全性をまともに考えたら、サルーンの設計としてはベスト。アテンザ乗りが言うとちょっとアレですけども、『賢者のサルーン』です。別にFRサルーンに乗っているヤツはバカとは言ってませんよ。アテンザもそのうちFRになるみたいだし、今後はどう推移していくかわからないですが、現状では日本市場にはFFサルーンの選択肢が少ないです。代表的なモデルといえば北米でも売れているカムリ、アコード、ティアナですけども、揃ってオールグレードでCVTというふざけた設定です。それに対してロックアップが使えるの上質なトルコンATを装備しているアテンザは、素直に選ぶ価値はあると思います。

北米市場で接近戦が・・・

  FF&トルコンATという「地味」だけど美味しい聖域に、今度はレクサスESがやってきます。現行アテンザでレクサスに対抗できる静粛性を持つなら『Lパケ』一択なんですけど、ちょっと高めの340万円〜。それに対してレクサスESは500万円くらいになるでしょうか。ちなみにガチンコ対決をしている北米では、アテンザの2.5ガソリンターボ(250ps)が34750ドル、レクサスES350(3.5LのV6、268ps)が38950ドルとなかなかの接近戦を演じています。4860mmの寸足らずなフルサイズのアテンザに対して、4910mmのESはフルサイズの風格がありますからお互いに意識しつつも住み分けを狙っているのか!? ちなみに北米ではBMW320iがここ数年で5000ドルほど値上げして34900ドルまで上昇し、販売がやや低迷しています。3erよりもアメリカ人向けに作られているアテンザ、ESどちらも同じく苦戦で月販が2500台程度です。

ハイクオリティなFFサルーンはいいね。

  日本向けESはハイブリッド(ES300h)が主力で当然にCVTなんでしょうけども、何やら新開発の300ps級2.5Lターボ&8ATのES350が後から出てくるらしいです。アテンザ25Tが400万円?(日本導入は不明)とES350の500万円?は、『賢者のセダン』の頂点を争うことになりそう。もしかしたらアウトサイダーで、年内導入予定のプジョーの新型508も、4700mmに短縮したショートデッキ仕様に、先代(現行)からそのまま『GT』グレードを受け継いでフロントDWBで登場して話題になりそう(450万円?)。ESと同じアイシンATを配備していますから、日本勢の2台をまとめて超えていくかもしれないです、。さらに吉利汽車の支援で『カーメディア』の声がやたらとデカくなっているボルボも、年内にS90のミニバージョンとして新型S60が登場し、フロントDWBのシャシー採用が濃厚で、ミッションももちろんアイシン8AT。しかもジーリーとアイシンは中国でミッション合弁工場設立で合意。将来的には従来のアイシンを超えたミッションを作ってくる可能性も。

FFサルーン時代の到来!?

マツダアテンザ、レクサスES、プジョー508、ボルボS60が日本市場の4大サルーンになる!?それともホンダがアキュラ用のトルコン付きDCT(ゲトラグ、ボルグのパテントを避けるため!?)を搭載したアコード(アキュラTLX)やシビック(アキュラILX)を日本に持ち込んで来るのか!?・・・いずれにせよ『カムリHV』では熱量が全然足りなかったです。あのクルマは日本では予想外に売れなかった・・・。日本の住宅事情を考えると立派なカースペースがが確保されている建売住宅は極めて稀ですから、そもそもユーザーのパイが少なすぎるという指摘もある。王者クラウンも4900mmサイズになって失速しました。それでも5000✖️1900mmのアルファードが売れているわけですから、地道に魅力を上げていけば苦境から一気にブレークスルーの可能性もありそう。

無理なく所有できるフルサイズサルーン求む!!

従来はカンパニーカーとしてEクラスや5シリーズがフォーマルセダンとして使われてきましたけども、どちらもバランスのとれたグレードを選ぶと軽く800~900万円台という価格は、あくまで会社経費で乗るためのクルマなんだな、個人で買うと「搾り取られている」不快感が拭えないのでは!? ドイツプレミアムブランドの中でも最も銭ゲバな「悪いイメージ」が出てるところか!? アメリカではそれほど高価ではなくて、530iなら52000ドルくらい、ちなみに523iとかいうセコいモデルは存在しないです。いずれにせよ日本市場でも400~600万円くらいで『賢者サルーン』の価格帯が固まっていくのではという気がします!?大体クラウンと同じくらい。

GJアテンザの良さが伝わるかも・・・

250psの新型ガソリンターボエンジンと、市場でもトップクラスに洗練されたマツダの6ATミッション、さらにLパケの作り込みを素直に評価するならば、アテンザはクラウン&ES350を相手にしても、選択肢として残れそうです。あとはプジョーやボルボのようにフロントDWBに戻して、ガタガタする低速時のハンドリングを修正し、どの速度域でもスムーズに切り込む万能ステアと、下手に上屋を揺らすロールを減らしてフラットな乗り味を取り戻せば、高級ホテルに乗り付けるフォーマルな1台として顧客層も幅広くなると思います。イタリアンスーパーカーとアテンザを持つセレブとか出て来るかも。





posted by cardrivegogo at 02:35| Comment(1) | GJアテンザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメント久々ですがいつも欠かさず見ています。
大局的に思ったのですが、cardrivegogoさんのように自ら考え、分析し、はっきりした結論を出す人が、非常に少ないと思います。
私もそうであろうと心掛けてはいるのですが、職場の人間、特にオッサン連中が正に思考停止的で思うように動けない事も多いです。
不躾な事を覚悟で質問させていただきますが、cardrivegogoさんは、どんな職種に就かれていらっしゃるのでしょうか。
記事を見ても仕事と私生活と趣味が本来有るべき理想的な物に思えます。
どうか差し支えのない範囲で教えていただけないでしょうか。
Posted by NK at 2018年05月02日 19:40
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