先日の東京MSに出品されたトヨタのFRハイブリッドスポーツコンセプトを見れば、トヨタが強烈にマツダを意識しているのはなんとなくわかるのですが、マツダとの包括的提携を結んでおいてからの、「宣戦布告」とも受け取れる「完コピ」は一体何を意味するのでしょうか!?「互いの良さを尊重して競い合う」とか会見では言ってましたけども、どうやらルール無視で仁義なき闘いを始めるつもりらしい。
トヨタの開発者にとってマツダはいちいち癪に触るようです。現行の4代目プリウスは当初は2014年末に発売と報じられました。しかし前年に登場したマツダ・アクセラの「ある性能」が、トヨタの関係者を震撼させたらしく、2015年末へと1年間延期されました。この決定を行ったのが豊田章男社長だそうですが、本人が直々にマツダの三次(みよし)テストコースに乗り込んでアクセラHVのブレーキ性能を試したところ愕然としたらしいです。トヨタの技術が完全に負けているって。
現行プリウスのブレーキ性能の大幅な進化は、マツダのブレーキ技術をトヨタがコピーすることによって生まれたブレークスルーだ!!・・・と断定していたメディアもありました。結局のところは当事者であるトヨタとマツダが納得していればそれでいいのですけども、この両メーカーの開発陣には「かなりの因縁意識」があるのではないか?と思わせるようなインタビューは多いです。特に強烈なのが、人見さんと前田さんですね。この2人は何が言いたいのか?言葉は上品ですけど、心の底に煮えたぎる思いが渦巻いています。推測&要約すると、「トヨタは稼ぎたい連中。マツダはいいクルマを作りたい連中。」ってことに尽きるみたいです。
マツダは「狂気」か?「正義」か?
エンジンとデザインの専門家がそれぞれに、『世界一しか考えていない」と断言しているわけです。エンジンもデザインも危機的状況を迎えている中で、マツダは自らの努力で「クルマの危機」を打破する。相手がVWだろうがポルシェだろうがフェラーリだろうが、それら全てを超越したクルマを作って、世界の自動車産業の底上げを図る!!そんな意志を持ったメーカーが存在しないとクルマ文化は消えてなくなるだろう。マツダ以外に当事者意識があるメーカーが世界のどこにあるの!?ボルボ?ジャガー?アルファロメオ?
2000年代のドイツメーカーは揃ってM&Aに夢中で、クルマ作りを捨てた・・・それがバレないように、嘘を嘘で重ねてきたようですが、技術レベルで理解している人は全てお見通し。欧州と中韓のほぼ全てのメーカーが、日本で「嘘つき」と謗られる某メーカーの作った『技術』の上に乗っかっただけの「クソ」みたいな状況が2000年代でした。そしてそれが破綻すると今度は『EVシフト』という新しい「嘘」を作り上げて取り繕おうとしていて、旗振り役はもちろんあの日本メーカーとフランスの親分メーカーですね。まさかとは思ったけども、トヨタ&ホンダも白旗をあげて「クソ」の中に落ちていったよ・・・。まだ生き残っているのは、世界広しといえどもSPCCIのマツダと、日本人が徹底的にバカにしているアメリカ車だけじゃない!? そしてマツダが技術的な「旗」を掲げると、今度はトヨタがすり寄ってきましたよ・・・。
マツダサイドは、「マツダファンブック」という隔月刊行の媒体を得て、これまでとは違ったメディア戦略を繰り広げています。さすがに若手の開発者からは、人見さん、前田さんのようなアクは感じないですけども、逆に自然に感じるのも確かです。説得力はないかもしれないけど、あまりに高圧的で、他のメーカーの存在意義を根底から否定しかねないことをズバズバと言う技術トップよりも、若手のインタビューを読むことで、マツダは決して「宗教」ではなかったと安心できます。
↓教祖降臨
マツダを嫌う人々の存在
総合モーター誌において連載をもつ、有象無象のライターの中でも、理論&武闘派として目立つ存在である、福野礼一郎、斎藤慎輔両氏は、「マツダは宗教」「マツダは絶対許さん」の姿勢を保ち続けています。ここ最近の両氏の目立った「マツダバッシング」としては福野さんの「現行デミオ・ボロクソ事件」と、斎藤さんの「ロードスターは使えねー事件」の2つがある。かつては「フォードの犬」と散々に謗ってきたマツダに対して、フォード陣営から抜けた途端に手のひら返しをする、民族主義的な大衆評論家どもとは違うんだ!!という意地も多分にあるんでしょうし、そういう意味ではかっこいいと思います。
ちょっとややこしいことに、フォード傘下のマツダを著書で絶賛していた沢村慎太朗さんが、独立後のマツダに対して態度を硬化させています。あまのじゃくと言うべきか「完全・逆張り主義」と言うべきか。いやいやフォードが欧州で躍進し、VWを始めとする欧州メーカーのメンツを徹底的に潰した原動力こそがマツダの技術だ!!って話なんでしょうけどねー。確かに独立後のマツダは・・・WCOTYこそ獲ったものの、ユーロCOTYでは相当に無視されてます。現行アテンザ、アクセラ共にファイナリストの7台に残れず。モンデオやS60/V60、V40は当然のごとく選ばれてますけど・・・。
福野、斎藤、沢村の諸氏は非常に理論的なレビューを書くのでファンも多い。かく言う私も大ファンです。そんな気骨のある評論家の生き残りからこれからも『集中砲火』を食らうであろうマツダは、どうやって自らの存在をユーザーに伝えて行くか!?色々と注目を集める状況が増えるでしょうし、それを前向きに考えた結果が「マツダファンブック」なのだと思います。やはり健全な議論こそがクルマ文化の根底を支えると思います。K沢M宏、S水K夫、S水S一やニューモデルマガジンZの覆面座談会のように、結論(輸入車至上主義)ありきでメチャクチャな議論を仕掛ける「非理論派」は無視しておけばいい(テリー伊藤と同じようなもんだな・・・)。福野、斎藤、沢村といった強敵/天敵と、マツダ開発陣が大いに空中戦を繰り広げることで、欧州陣営が仕掛ける「虚構」を世界から振り払うことができるんじゃないか!?と思う次第です。もっと激しくなることを期待!!
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↓マツダを完全に調子に乗せたフェルディナント・ヤマグチ氏。裏ボスの藤原常務をイジリ倒して「ポルシェなんてクソだ!!」の爆弾発言を引き出す・・・
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