久々に「痛快」なインタビューでした!!!!!!!! IMFの最新号でマツダの人見さんが、驚くほど簡潔に「小排気量ターボ」における構造的矛盾を指摘しています。え?こんなの読んでしまったら、もうターボになったスイスポなんて買う気が起きなくなっちゃうよー。つーか人見さんも策士だよなー。何冊か本を書いているのだから、その時点で主張しておけばいいのに。
10年くらい前に欧州メーカーが藁にもすがる想いで飛びついた小排気量ターボ。(中国での盛り上がりを真に受けて)それに部分的ではあるけど同調したホンダ、トヨタ、スズキがターボに本腰を入れ始めたところで、「実は・・・」って今更のように切り出すなんてさ。もし人見さんが主張していることが全部事実ならば、欧州メーカーのみならず、日本の3社はかなりのダメージを受ける!!スバルもレヴォーグで1.6Lターボなるものを作ってしまったし・・・そういえばスバルのFB16DITは、S水草一さんにボロクソにバカにされてましたね。
インタビュアーの牧野茂雄さん(日本最高のエンジニア系評論家)も人見さんの発言にあまりの衝撃に震えたようです。このままストレートに書いてしまっては自分の今後の仕事に影響が出る!!とでも思ったのだろうか、その一連の人見さんの説明の後に、変な言い訳がついています。私はあらゆる調査機関のデータを調べて裏を取ろうと奮闘したが何も得られなかった!人見さんの発言を裏付けるようなものは何もないです!(私も半信半疑です!)と必死で弁明していました・・・。
自動車業界が軽くひっくり返るようなことを平然と言えるくらいに肝が座っている奇人!?人見さんだからこそ、マツダもこの人の才能に社運を託したのでしょうけど。いよいよ元日産の水野さんみたいな存在感を業界全体に放つようになってきました。マツダがHCCI(正しくはSPCCIと言うらしい)を市販化したら、中国か台湾のメーカーへ引き抜かれていきそうだなー。
別に特別な物理の知識が無くても、小排気量ターボによってあらゆるエンジンが代替(ダウンサイジング)される!!なんて話は嘘くさいとわかりますけどね。ターボチャージャーなんて30年以上前からありましたし、人見さんの以前の著書からも伺えるように、ダウンサイジングとして利用するアイディアも80年代に徹底的に検証されたようで、バブルですから今とは全く異次元の青天井の開発費を誇っていた日本メーカー各社は、この段階で揃って「ターボは抜本的解決にはならない!!」と判じていたそうです。
現代のコペル二クスなのか!?
30年も経てば変わるのか!?トヨタが情熱で作り上げたHVのような新技術はありましたけども、自動車業界やターボを手がける重工産業全体はそれほど大きく変わっていない!!実際に冷戦時代に設計製造された戦闘機が今も航空自衛隊で最強の戦力だったりするわけです。一般会計の5%=約5兆円の防衛費は何に使われているのか!?まあほぼ人件費ですね。
ちょっと話が逸れましたが、30年前に「理論上」でも全く可能性を見出されなかったダウンサイジングターボが、今になっていかなる技術ブレイクスルーがあったとしても根本的に状況が変わるわけがないのです。マツダが実現したHCCIだかSPCCIだかいうエンジンも「理論上」では30年以上前から存在していました。だからマツダの技術で可能になった!!しかしダウンサイジングターボはその「理論上」の理想状態も存在しないわけです。
確かにメリットが完全にないわけではないです。メルセデスやBMWのように同じボアストロークの2Lエンジンに過給圧の違うターボチャージャーを組み合わせて「グレード分け」することで、ユーザーの選択肢の増加とメーカーの利益の極大化を可能にします。そこの部分はまだ理解できるのですけども、ホンダの1.0Lターボや、フォードの1.0Lエコブーストなど過給圧が高めのユニットで1400~1600kg程度の車体を動かすとしたら(欧州シビック、欧州フォーカス)、過給圧がかからない低回転域では相当にしんどい乗り味なんだろうなー。幸いなことに日本には導入されていませんけども・・・。
人見さんによると、ターボエンジンにはトリックというか、ユーザーを欺くギミックがあるらしいです。過給圧が高いとノッキングを防ぐために本来は8.0程度まで圧縮比を下げなければいけない。しかしそれだと全く燃費がよくならないので無理やり10.0くらいまで圧縮比を上げる処理をするらしい。これによって回転数を上げない(軽負荷)でシフトアップする欧州式の燃費計測では数値がよくなるようですが、高回転を交えて使うとたちまち燃費が悪化するとのこと。BMWやVWの非HV欧州車のモード燃費が異常に高い理由はこれだったのか・・・ハイオク仕様とはいえ、どう考えても数値が異常だったし。ゴルフはオーリスに燃費で勝っている!!ってみんな喜んでいたけど全員騙されていたわけですね・・・。
人見さんにここまで言われてしまっては、牧野さんも真っ青になるよなー。日本のカーメディアがこの10年余り語り継いできた全てが、欧州メーカーの偽計に踊らされた茶番だった!!ってことが明らかになりつつあるわけだから。誰もVWがズルいことをするなんて思っていなかったし、BMWがそんなセコいことするなんて想像もしていなかったはず。K沢さんやS水和夫さんを責めるのはやめよう!!彼はおそらく純粋に「ダウンサイジングターボ」に対して何の疑問も抱かなかったのだと思います。バブル世代って自分の頭で考えない人が多いですから。自分の頭で考えると会社で干される世代!?
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この車のターボがダウンサイジングターボと呼んでいいかはわかりませんが、燃費は確かに高速域で悪くなりますね
燃費がいい限界は80キロぐらいまでで、その領域までは15km/ℓ前後ですが、120キロ巡航時は8km/ℓ程度、
高回転を使って加速すると3〜4km/ℓぐらいに低下しますね
現代の車とは思えない燃費ですが、ダウンサイジングターボとはそんなものなのかもしれませんね。
おそらくダウンサイジングターボの車を買った人はすぐにそのことに気づいていると思います。
レヴォーグで速いペースで走っている人を見かける事が非常に少ないのもそういう理由かあるのかもしれませんね
やっぱり賢明なみなさんはターボの効率の悪さに気づいてますよね。
ダウンサイジングターボに関しては、このブログを始めてから、
何度となく「日本では不要」という主張を批判されてきたんですよ。
このブログのどこかにも、「その凝り固まった頭をどーにかしろ!!」なんてコメントがあったはずです。