2017年09月14日

HCCIからCX8!!躍動のマツダへの雑感



  「スカイアクティブX」ことHCCIエンジンが、イギリスメディアでも、ドイツメディアでも大きく報じられています(日本のメディアより熱心かも)。付随する情報もあれこれと詳しく紹介されていてアクセラベースの試作車に積まれたエンジンは2Lスーパーチャージャーで187馬力だったとか。ドイツメディアは・・・ドイツ語全然わからないけど、ちょっと悲壮感が漏れていたような(VWは断念してますからねー)。日本以上に欧州でブレイクする可能性も!? ベストカーの渡辺敏史さんのレビューで190馬力だと出てましたが当代随一のガチライターでBMW派の渡辺さんを「唸らせる」までにはまだ達していない模様。

  ちょっと気になるのが、発売時期は来年以降なのに、こんなに早くから公開しちゃっていいのか!?ってことです。HCCIはすごいですよー!!って知れ渡ってしまったら、もうマツダの現行のガソリンやディーゼルには興味がなくなってしまうんじゃなかろーか!?。マツダとしては数年前に買ってくれて、ディーゼルに今乗っている人向けに、次はガソリンで「すごいの」が出ますから、もうちょっと買い替えは待ってください!!ってことなんでしょうけど、軽油のコストメリットを3年も享受してしまったら、いまさらレギュラーであってもガソリンには戻れないんじゃないかって気も・・・。

  マツダにとってはいよいよ年間20万台も怪しくなってきた国内市場のシェアはグローバルでのマツダの累計においては15%程度でしかなく、それが微増しようが微減しようが大きな影響はないのかもしれません。よって「スカイアクティブX」の先行情報公開の狙いは、明らかにユーザーではなくステークホルダー向けなんでしょうね。マツダの最近のプレスリリースを検証すれば「Gベクタリングコントロール」「サポートカーS」、燃費新基準の「WLTPモード」「トヨタとの連携」など株価を睨んだ「最先端ですよ」「将来性ありますよ」アピールの情報が多い気が・・・。それもこれも欧州のエンジン車追放というラディカルな動きの中で「危機的状況」の株安に追い込まれることを未然に防ぐ狙いもあるようです。

  ちょっと気になるのは、2000年頃に「株屋」に転業していったドイツや米国のメーカーが今では結構「落ちぶれて」ていたりすることですね。株価維持のためにクルマが満足に開発できなくなった!!新型モデルを大量投入することを先に公表して、開発のための期間も人員も不足したままに出来上がった意味不明なモデルが有名ブランドでも急速に増えていきました(F野さんが「世界自動車戦争論」で名指しで批判してました)。今のマツダにも同じような懸念が・・・。

  かつてマツダを「買い取った」フォードは、こともあろうに今年になって「ZOOM-ZOOM」の生みの親でマツダ復活のキーマンだったマーク=フィールズCEOの采配によって株価が急落し実質的に『沈没』しました。一時はアテンザの兄弟車であったフュージョンが日本車セダン(カムリ、アコード、アルティマ)に迫る勢いで売れましたけど、北米でもセダンの販売は縮小傾向に。アクセラベースのSUVであるエスケープが年間30万台規模のセールスを記録して穴埋めを図るも、新たにホンダやトヨタの稼ぎ頭になったCR-V、RAV4はさらに上の50万台規模にまで膨らんでいます。マツダの技術を使ってトヨタ、ホンダに立ち向かったものの、あまりに日本勢とガチのところで勝負し過ぎていることを株主に嫌われたのか・・・。時価総額でテスラに抜かれた時はちょっとしたニュースになりました。

  マーク=フィールズはマツダ時代にGGアテンザが大ヒットして、「中型車で世界を制した!!」という自信があったのかもしれないですが、北米市場に根を張るトヨタやホンダを駆逐することはできなかった・・・って話なんですかね。マツダ存亡の危機という逆境には適していたけども、フォードという巨大メーカーの未来を「安定して」推移させるには不向きな経営者だったのかもしれません。RX7を愛車にしていた根っからの「カー・ガイ」だったそうですから、またどこかの中堅メーカーで活躍してほしいものです。

  惜しむべくは、日本でブレイクの兆しを見せていたマスタングの販売が1年足らずで終わってしまったこと。500万円くらいするファーストエディション400台はすぐに完売。停滞気味だったフォードのイメージを変えるだけのポテンシャルはあったと思うのですが・・・。「路面に吸い付く走り」が好きな日本のユーザーにはちょっと手応えがない部分もありましたけども、例えば911が「キャラ」ってことで欠点も全て受け入れられるなら、マスタングも「キャラ」でいいんじゃないの。そーです!!最近のマツダ車には極端に希薄になっている「キャラ」です。

  マツダCX8の発表会がありました。やっぱりマツダは大きいクルマをデザインするのが上手い!!・・・久々にマツダ車に濃いヤツが現れたかも。最上級モデルのインテリアがとってもいい感じです。2列目シートの真ん中に豪華なコンソールがつけられていて、パナメーラみたいな雰囲気。2.2Lディーゼルのみの設定で、AWDのLパケで419万円。インパネは「リアルウッド」を採用していて、何やらボルボや英国の名門SUVブランドを意識した作りになっています。加飾カーボン、フェイクウッド止まりのレクサスRX、ハリアーといったトヨタ勢を蹴散らす気合の入った出来栄え。

  アテンザもFMCでは、このCX8に準じた内装になるのかな!?だとしたらちょっと楽しみかも。現行の3代目はかつてのスポーツセダンの面影を色濃く残したままにアメリカサイズに膨れてしまっていて、そのアンバランスな立ち位置をレザートリムで必死に取り繕った感が拭えないチグハグさがありました。4代目では、CX8のセダン版としてサイズはそのままでオートクチュールなインテリアを配したステータスサルーンになるのかな(3列シートグレードとか!!)。




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posted by cardrivegogo at 19:03| Comment(0) | マツダの技術について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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