2017年06月22日

マツダのプレミアム化は無謀という論調に物申す!!




  「マツダはプレミアムブランドか?」なんて議論にはほとんど興味がないです。マツダは好きだけどもプレミアムブランドだろうが大衆ブランドだろうがはっきり言ってどうでもいいこと。いいクルマさえ作ってくれれば喜んで買うだけのことです。マツダに関することを5年近く書いてきましたけども、『プレミアムブランド化』についてはほとんど頭になかったし、そんなことを意識して書こうとも思わなかったですけども、頂戴したコメントの中にはプレミアム化についての是非を叫ぶものもありました。

  マツダがプレミアムと言われるブランドからユーザーを奪うような存在になる必要はあるとは思いますけども・・・それをレクサス的な存在と同一視することには違和感があります。最近ではディーラーが改装されてすっかりレクサスみたいな店構えになったとかで、カーメディアに揶揄されているのを見る機会が多いです2014年頃と比べて減速気味の国内市場の販売を挙げ連ねて、値上げにユーザーがついてきていない!!と主張するK沢というライターがしばしばマツダ首謀陣を挑発していますけども、グローバル向けのクルマを作って、グローバルで過去最高益を更新し続けているのだから、何の問題もないんですけどねー。不毛な『マツダはプレミアムなのか?』論争をもう終わらせたいですね・・・。

  北米で売られている『MAZDA 6 GT』は、日本ではアテンザ25S-Lパケですけども、2.5L自然吸気のスペックと内外装もほぼそのままで、価格は30000ドルとなっています。Dセグ車としてこの価格が北米ではどんな意味を持つのか?端的に言うと2Lターボを搭載するBMW320iは33000ドルです。ターボの有無を考慮に入れると両車はほぼ同じ土俵に立っています。北米市場でプレミアム価格を提示する、そしてこれがビジネスとして成立しているなら問答無用でマツダはプレミアムブランドでいいんじゃないでしょうか!?

  ただしカムリのレクサス版として知られる『レクサスES』は38000ドルします。インフィニティQ50(スカイライン)は新しく3LのV6ターボに代わり価格も34000ドルまで安くなりましが(以前は3.7Lで37000ドルだった)、メルセデスC300(直4ターボ241ps)は北米ではベースグレードですが40000ドルです。

  スポーツ要素を排除して『高級車』としての理想を求めるレクサスとメルセデスは『王道プレミアム』路線で、やや高めの価格を提示していて、インフィニティとBMWは『クール』『スポーティ』と言った要素を強調して、価格は若者にも買いやすく控えめになっています。Lパケでプレミアム格に武装したアテンザもインフィニティ、BMW路線で競争に加わり、次のアテンザで2.5Lターボが搭載されて33000〜35000ドルくらいになりそうです。ただしインフィニティもBMWもマツダも北米ではすっかり『SUV屋さん』になっていますが・・・。

  ホンダだって日産だって日本では大衆ブランドなのに、同じクルマを北米ではプレミアムチャンネルで売っています。マツダも北米でプレミアムチャンネルを作るのか? どうやらそう言うのはもう流行ではないみたいです。アキュラ、レクサス、インフィニティは日本メーカーの現地生産が始まった80〜90年代にアメリカの販売方式に習って設置されました。マツダも『アマティ』というプレミアムチャンネルを準備していたようですが、バブルが弾けて破談になりました。もう20年前の話です。

  今ではアメリカに従来からあったプレミアムブランドは軒並み落ちぶれています。キャデラック、ビュイック、リンカーンはもはや北米での販売は微々たるもので、主体は中国市場に移っていますし、マーキュリー、サターン、ポンティアック、ハマーなどが経営合理化のために次々と姿を消しました。アメリカで活発に展開するプレミアムブランドは海外メーカーのものばかり、ドイツと日本の『御三家』以外には、ジャガー、ボルボくらい。むしろフランスのPSAが作ったDSなど、中国向けに新興プレミアムは多く、韓国のジェネシスなどが最近できました。

  マツダはメルセデスやBMWと同じようにマツダ本体がそのままプレミアム化する路線のようです。アメリカにおいて日本車は一般的に素材は上質で、各部の機能性においても非常にマナーがいい。その中でも特にマツダが最も『美しい乗り味』です。私自身がマツダのドライブフィールに完全に取り込まれているからかもしれないけど、レクサスはあらゆる所作がなんだか「フニャフニャ」していてとても気持ちが悪い!!スバルなんてあまりの旋回性能の低さにカルチャーショックすら受けます。世界の中で日本車が一番繊細。そして日本車の中でマツダが一番繊細にできている・・・。

  『工芸品』として最高に気持ち良いモノを所有して楽しむ。デザインの隅々まで気が使えていない商品なんてすぐにゴミになる。衣類などちょっと不都合に気がつくともう着なくなる。モノを大事に長く使う。これが『アウディ』とデザイナーの和田智さんが打ち立てたプレミアムブランドの『価値』だと思うのですが、そのアウディが10年経っていよいよ陳腐化し始めました。もちろんアウディA5など一部のモデルはその輝きを今も奇跡的に保っていますが・・・。

  トヨタ(レクサス)、日産(インフィニティ)、メルセデス、BMW、ボルボはちょっとキツイかな。10年前のモデルが軒並み賞味期限が切れています。10年以上経過してまだまだ新鮮さを保つのは・・・ホンダ(初代NSX、先代レジェンド、先代インスパイア)とマツダ(歴代アテンザ、歴代アクセラ、歴代デミオ、歴代ロードスター、RX7/RX8、MPV、プレマシー、ミレーニアなどなど)の輝きはなかなかすごい!!この2メーカーとスバル、三菱が今のアメリカ市場では躍進中です。

  レクサスやメルセデスこそがプレミアムブランドの代名詞だとすると、『長く使える良質なデザイン』などは必須ではなく、インスタグラムに写し込む流行のアイテムみたいな奇抜さが大事なんですかねー・・・ル◯タンみたいな。だとしたらマツダは『プレミアム』にはなれないですねー。



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posted by cardrivegogo at 19:42| Comment(0) | マツダの戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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