2017年05月14日

4代目アテンザの『現実的』な目標!!

  シビックがいい感じの大きさになって(立派になって)再上陸を果たし、迎え撃つカムリもイメージ完全刷新のFMCを断行。他にも昨年マイナーチェンジで地味にエンジンをチューンするなどなかなか意欲的で、販売台数でも堂々と日本市場「FF・4ドアセダン」の盟主となっているメルセデスCLAも相変わらず堅調なようです。アウディA3セダンも結構見かけるし。これでシビックが予想以上に売れたら、トヨタも北米カローラを、日産もセントラを日本に持って来るのでは無いかと・・・。

  ライバル不在で独特の存在感を放つアテンザですが、下のセグメントからの突き上げも激しいですし、プジョー508もVWパサートもまだまだ日本市場を諦めていないようですし、今年の東京MCでビッグサプライズで登場しそうな4代目アテンザですが、どのような『意味』を持ったセダンとして登場するのか注目です。Cセグ勢に追いつかれないような、豊かな乗り味をどう作り込むか?実際問題としてアテンザよりもハッキリと動的質感が優れたセダンは、FF、FR、AWD問わずに存在しないですからねー。2.5Lガソリンターボを搭載するグレードを新たに設定して、現状の5000rpmがピークの低回転ターボを、どうやって「官能的」なユニットに仕上げるのか!?・・・それくらいしか『伸び代』を感じないです。

  技術的にアテンザの上位に存在する『ハイテク』なセダンは、おそらくホンダ・レジェンドだけだと思います。そしてピュアスポーツカー以外のクルマは全てFFベース作って来たホンダの1つの到達点が、このHVでエンジンと3モーターを駆使して瞬時に4輪のトルク配分を切り替えるシステム(SH-AWD)です。マツダはこれに対してモーター駆動抜きのトルクベクタリングを次期ラインナップに盛り込む技術の柱に据えています。目標は同じところながら手段は別で、ホンダはモーター(インバーター)を使った制御に対して、マツダはマイコン&デフ制御。「JR東海の新幹線vsJR西日本のディーゼルカー(スーパーおき)」といったところでしょうか。

  『新幹線』にふさわしい抜群の加速力を見せるレジェンド。某雑誌の企画ではメルセデス(Eクラス)、BMW(5er)、アウディ(A6)、ジャガー(XF)、レクサス(GS)との700万円セダン比較では、あまりに速すぎるので『反則負け』という判定が下された逸話があるほど(笑っちゃいますけど、これ本当です!!)。「HVだから速くて当たり前だ!!」みたいな安易な結論でジャッジをしてましたけど、彼ら(能無し雑誌のライターども)は、先代のレジェンド(3.5L・V6NAのAWD)がすでに欧州の高級セダンを全く寄せ付けないくらいに速かったことを知らないのだと思います。幻に終わったV10NSXの無念を晴らすように、フラッグシップのレジェンドに全てを注ぎ込んでいましたよ。もはやメルセデスなどと比べるクルマではなく、先代からすでに「パナメーラ」「ラピード」「GTC4ルッソ」くらいじゃないと相手が務まらない『スーパー・セダン』でした。

  先ほどのレジェンド事件(カーグラフィック)のように、カーメディアがまともな『判断基準』を持たないことが明らかになりました。パナメーラやラピードよりも、クルマの本質的な走りの部分ではレジェンドが先を行っている。おそらく4枚ドアを持つクルマでこれに追従できるモデルは、現状ではテスラだけだと思います。誰でも踏めば0-100km/hは4秒。(リミッターがなければ)時速300km/hオーバーまで加速できます。

  「そんなクルマの何が楽しいの!?」という意見はとりあえず置いときましょう。現実に日産はGT-Rのユニットとシステムをスカイラインかフーガのボデーに移植することを再び開発しているようですし、AMGも専用設計スポーツカーのGTから派生させた4ドアクーペを完成させているみたいです。アルミでへなちょこ化しているメルセデスの車体をベースにしたところで、どうやってもホンダや日産には勝てないでしょうから、妥当な判断だと思います。トヨタやBMWに至っては、「LC」や「i8」で満足してしまっていてあまりクレイジーな競争には参戦するつもりはないようです。復活する8erも平和なモデルになるんでしょうね。

  さて問題は、次期アテンザが「スーパーおき」のままで、この「スーパーセダン競争」に参戦するのか?ってことです。こういう大それたことを書くと「マツダは今のままでいいよ」という現実的な意見を頂戴することがままあります。人によって見方は違うかもしれないですけど、マツダって安定的なメーカーに見えるんですかね。その歴史を簡単に振り返ると、1960年代にロータリーエンジンを実用化しますが、これは当時の通産省が乱立する自動車メーカーの再編を進める中で、独立メーカーとして生き残りたい!!という熱い意志から実現したと証言されています。1970年代にもホンダに続きマスキー法を通過。1980年代には世界最先端のスーパースポーツに挑み、1990年代にはルマン制覇。2000年代にはフォード傘下で最も優れたエンジン&シャシー開発メーカーとして名をあげ、2010年代に再独立を果たします。

  これだけ波乱万丈に生き抜いてきたマツダならば、2020年代にスーパーセダンで頂点を極める!!くらいのことはやりかねないと思います。レジェンドはあまりにも速すぎてカーグラフィックから反則負けにされましたけど、マツダもかつてあまりに速すぎてルマンから締め出された過去がありますし・・・。

  ホンダを見ていてあまりのハイテクさに、「何のためにNSX?レジェンド?」と理解不能なほどの「哲学」を感じます。他のメーカー(フェラーリやマクラーレンも)が不必要に進化させないで驚異的な『利益』を稼ぎ上げる中で、ホンダは『普及しなければ意味がない!!自動車の未来のためにハイテク車を適正価格で売る!!』ということに徹していますね。マツダがもし対抗馬に名乗りをあげるならば、一生懸命に働いて財力が耐えうる限り応援したいと思いますけどね。



新型LEGENDのすべて―ホンダスピリット満載史上最強の「伝説」 (モーターファン別冊 ニューモデル速報 大509弾)

最新投稿まとめブログ
posted by cardrivegogo at 19:08| Comment(0) | アテンザ全般 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]