2017年04月28日

アテンザはやっぱり「BAD✖︎ノンコア」なのか!?

  北米市場の3月統計によると、マツダの販売台数は前年同月比5%増で順調です。10000台以上の販売を記録している14グループの中ではジャガーランドローバーの18%増、スバルの11%増についで3番目の伸び率です。3グループに共通しているのは、「デザイン力」「エンジンへのこだわり」など色々納得できる点もありますが、やはり「SUV戦略」がキーになってるみたいです。3グループとも「まだ増やすか!?」というくらいにモーターショーの度にSUVネタですね。

  マツダもモデル単位で台数が伸びているのはロードスターのみで、増加分は大型SUVのCX9が追加されて確保している状況です。SUVの種類を増やしていけば成長が続く・・・なんだかとっても単純な戦略で上手く行くんですね。FCVとか実用化させて日本では盛り上がっているホンダ、トヨタが拡販に虎視眈々どころか、新大統領に戦々恐々で身動き取れない・・・らしいです。メキシコ工場に力を入れていて、名指しで批判されたフォードのガタ落ちは気がかりです。

  さらに衝撃的だったのが、ホンダ・アコードが北米車種別トップ10から陥落したことです。別にアコードの販売が半減したわけではなくて、ローグ、CR-V、RAV4といったSUVや、カローラ、シビックのCセグに、Dセグセダンが押し出されて、カムリやアルティマではなく、アコードが弾き出された格好です。2000年代に入ってホンダの圧倒的なエンジン性能を武器に北米セダンの頂点に立った北米版アコードに憧れて、北米への参戦を意図してサイズ拡大に踏み切ったアテンザのマツダ陣営からしてみたら、予想外の展開となっています。

  北米と中国で「新しいアコード」になるべく開発された現行アテンザですが、発売直前の2012年9月には中国各地で反日デモが起こり、アコードが壊されている映像がたくさん流れました。トヨタとホンダの中国販売は一気に下火になり、VWとアウディが中国を代表するモデルとなりました。日本ではほとんど売れないパサートですが、中国ではあちこちで見かけます。

  そんな逆境からのスタートだったにもかかわらず、WCOTYでの活躍もあってかアテンザのグローバル販売目標の月10000台はなんとかクリアしましたが、アコード陥落に見るように北米市場におけるDセグセダンの需要が下がっていて、将来性は決していいものでは無いです。

  マツダのラインナップを分析すると、将来性がある「GOOD」に分類されるのはSUV。これに対して、デミオ、アクセラ、アテンザ、ロードスターはいずれも「BAD」。さらに年産40万台の「コア」に達しているモデルはCX5とアクセラだけ、他は全て「ノンコア」。主力モデルに関しては、アテンザは「BAD×ノンコア」、アクセラは「BAD×コア」、CX5は「GOOD×コア」。もしマツダの経営状況が火の車ならば、CX5以外は全て他に売却すべき案件になりそうです。

  せっかくアクセラと設計上の統合まで果たしておきながら、「BAD×ノンコア」に転落してしまったアテンザ3/4代目はこのまま「不良債権」と化してしまうのか? 何が悪かったのか? アクセラとアテンザの設計が安易に共通化されたことに憤りを感じるマツダファンもいることでしょう。カペラとファミリアは1960年代から長く別路線の発展を遂げてきました。RX7やユーノスコスモのような華やかさこそ無いですけども、(ロータリー搭載があったにせよ)マツダの基幹モデルは「高性能かつ価格競争力もある!!」ということを世界に示してきました。

  その半世紀の実績があったからこそマツダは、フォード陣営を離れた現在も、北米販売上位14グループの一角「ロータリーのマツダ」として、「世界のトヨタ」「技術の日産」「CVCCのホンダ」「帝国陸軍のスバル」「帝国海軍の三菱」と肩を並べる地位にあります。その歴史を考えると、アテンザにせよアクセラにせよ、マツダの「存在感」を上げるためにあらん限りのアイディアを張り巡らして、世界の頂点にたつモデルにならない限りは「BAD」でしか無いです。

  現行アクセラに関してはトヨタからハイブリッド技術の供与を決定した段階で、すでに「負け」だったんでしょうね・・・。意地でもプリウス、ゴルフ、シビック、インプレッサ、フォーカスを全部ハッキリと追い越すくらいのクルマに仕上げる必要があったけど、デザインに逃げた・・・。現行アテンザに至っては目指すターゲットがゴリゴリのカンパニーカー(商用車)でしかないVWパサートをベンチマークしている段階でもうダメだった!?国内市場では石原慎太郎元都知事が在任中に「アンチ・ディーゼル・キャンペーン」を行いましたが、その逆境を膨大な広告費を使ってでも払いのけたものの、これを「因果」というべきか石原氏の政治的思想によって実現した尖閣諸島国有化が2012年9月に反日運動を巻き起こし、マツダの目算が狂ったわけです。

  マツダにとっては外部的要因とはいえ「破れかぶれな」状況を、うまく立ち回っているとは思いますけども、トヨタや日産が破綻してもマツダは生き残る!!みたいなミラクルな状況を作り出すためには、マツダが持つ強みを上手く発揮できるフィールドを探すことだと思います。ディーゼルが合う市場を探せ!!というわけではないです。マツダの強みとは「インテンシティ」。トヨタやホンダの得意な「ダイバーシティ」性はないですけども、ターゲットを見つけて「ドッグファイト」の末に相手をマウントする「腕っぷしの強さ」こそがマツダ!!

  過去には・・・スカイラインGT-Rとの「速さ」、ポルシェやフェラーリとの「ピュアスポーツ」、(フォードとともに)VWゴルフと「欧州盟主」、メルセデス、BMWとの「ディーゼル」、他にもルマン制覇など、数々の「高い山」を乗り越えてきたのがマツダだったはず。「BAD」なアテンザはもう諦めるのか? それとも次世代アテンザはさらなる「強敵」を目指してさすらうのか? 例えば北米市場で昨年比66%増を記録して「今が旬」のインフィニティとかどうですか?躍進を支えるのは、圧倒的なパフォーマンスを誇る新型エンジン「VR30DETT」が搭載されたQ60(新型スカイラインクーペ)ですが、これに対抗して、強烈なロータリーEVユニットを積んで「電車化」した「アテンザクーペ」・・・これこそがマツダの生命線じゃないかと思いますけど。



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posted by cardrivegogo at 04:19| Comment(0) | GJアテンザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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