フェアレディZ以外のモデルはいずれも、車重1000~1100kg程度の軽量ボデーに130~180psのユニットのスポーツモデルですから、この2017年に奇跡的に程度の良い中古車両が残っていれば相当な価格が付くことでしょう。NAロードスター以外は、見るからにストイックな走りを連想するハードトップの小型クーペです。いやストイックに走ることしか「許されない」雰囲気すらあります。今どきのクルマでいえば「トヨタ86」「アウディTT」や「ポルシェ718ケイマン」。ルーフも開かないのに、のんびり走る「プロムナードカー」で収まっていいのか?いいわけない・・・。
2012年に先駆けとして発売されたトヨタ86に続いて、2017年からは「1989年の再現」のように手軽でやたらとスポーティなマシンが買える時代がやってくる予感が日に日に高まっています。マツダがロードスターRFによりクーペ的な意味合いが強いタルガトップを採用したのも、そんな時代の風を感じていたからなのかなー? ホンダもシビックtypeRをいよいよカタログモデルとして復活させることが決まっているようですし、日産も日本市場向けにフェアレディZとは方向性が違う「走るクーペ」を投入してくるんだとか・・・。
マツダはかつて「ユーノス」というブランドを企画して立ち上げたことがありました。1989年の当時はまだ小学生なので、その実体を探るには自動車図鑑で見て、ラインナップされているクルマの設計思想をあれこれ考えることしかできないんですけども、マツダの目指したビジョンは2017年の今でも伝わってくるんですよね・・・。そして今このブランドが日本にあったなら、クルマ文化はもっともっと豊かだったんじゃないかって思うんです。
「欧州ブランドよりも熱く欧州市場にコミットしたブランド」・・・。呆れちゃうかもしれないですが、ユーノスは決して欧州ブランドの猿真似では無く、ロードスターを先頭に、欧州的なクルマの「あり方」を日本メーカーの分際で大胆にも示してしまおう!!というなかなかブットんだアイディアが根本にはあります。こればっかりは他の日本メーカーが挑んでも絶対に成功しなかったでしょう。しかしマツダはロードスターのたった一撃で完全に欧州市場をひっくり返してしまいました(信じられない)!!誰でも知っていることですが、BMW、メルセデス、ポルシェ、ルノー、オペルなどは挙ってマツダの「提案」を素直に受け入れるという展開に・・・。
たまたまロードスターが当たっただけ・・・なのかもしれないですけど、翌年に発売されたユーノス・コスモはスカイラインGT-Rの前に霞んでイマイチの結果でしたが、このクルマもまたスゴい世界観持っていましたから、決して一発屋というわけではないと思いますし、やはり欧州全体をプロデュースできるくらいの能力が当時のマツダにはあったんじゃ!?もしバブルが崩壊することなく、あるいはマツダが意地でユーノスを存続させていたら・・・!?あるいは同じ1989年に生まれたレクサスのように北米市場で生き残る覚悟で臨んでいたら!? このブランドは・・・ジャガーXJ、フェラーリカリフォルニア、アストンマーティンDB11みたいなスケールのクルマを生み出していたかも!?
NAロードスターが、ユーノスコスモが、アンフィニRX7FD3Sが・・・ロータリーエンジン搭載という魅力を差し引いても、素晴らしいスタイルの王道スポーツカーを平然と連発するMAZDA・・・。のちにフォードが欧州向けプレミアムブランドとして、アストンマーティン、ジャガー、ランドローバー、ボルボと並んでMAZDAを配置したのも頷けるような存在感が1990~2000年代には確実にあったと思います。2013年にはフォード組の同級生のアストン(ヴァンキッシュ)、ジャガー(Fタイプ)、マツダ(アテンザ)の3台が「世界デザインCOTY」の最終選考となり史上もっともハイレベルなデザイン対決と騒がれました!!
ここから先はやや妄想も入りますけども、今の欧州の各ブランドは「何らか」の刺激を欲しているようなヌルさを感じます。欧州メーカーって失礼ですがやはりオリジナリティってものが無い・・・。日本勢、韓国勢、アメ車(TESLAとかさ)による「外部的刺激」が無いとどうもトヨタみたいにユルいクルマが出て来てしまう。そもそもBMWは最初から最新型まで100年間ことごとく他所ブランドを意識し過ぎてきた「屈折」した存在だし、メルセデスなんて・・・あのリー=アイアコッカの言葉を借りれば、世界ナンバー1の「ゲス」なブランド。アメリカ人はこのブランドが大嫌い!!とくにアイアコッカみたいなイタリア系だったりすると尚更みたいです。単なる感情論ではなくて、北米自動車産業の「至宝」を私利私欲でボロボロにした道義的責任は非常に重いし、そもそもこのメーカーは何も考えていない(実力が無い)・・・って。
確かにSUV造りにせっせと励むようになったドイツブランドなんてさ・・・中国メーカーと何が違うの!?って気がします。いやむしろ中国メーカーの方がデザインのセンスなんか良いですし、VWみたいにその地域の実情を無視したような部品を使う「クズメーカー」は厳しい国内競争で淘汰されるだろうし、VWみたいに法令を無視してズルい装置を使ったりしたら世界一厳しい当局から鉄拳制裁が容赦なく飛ぶだろうし(VWだってメルケルが居なければ即刻国外追放!?)。日本もそろそろ三菱エンジンとアイシンATが使われた中国メーカー車を輸入してもいいんじゃないの!?中国が人件費が高騰してきても「世界の工場」として君臨している最大の理由は、なんといっても中国は日本並みにモノ造りが上手かった!!いう事実が世界に知られてきたからなので・・・。
さてすっかり野暮な仕事が板に付いてきたドイツブランド(メルセデスの新作SUVに興奮する人なんているの!?)も、かつてのようにMAZDAからカウンター気味に「飛び蹴り」が一撃でも入れば、デザインからエンジニアリングからこれまでとはガラリと変わって、再び国際的な競争力を取り戻すんじゃねーの!?・・・そんな世界の自動車メーカーに「喝」を入れるというとても重要な役割をすっかり忘れて、アウディだかボルボだかがやっていたような、「現実主義」な3列シートのSUV(CX6は9月発売!?)を作ることに懸命になっているマツダ・・・これもなんだかなー。
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