2016年09月07日

アテンザのビッグマイナーですねー。マツダに言いたい事考えてきました!!!

  アクセラに続いてアテンザもビッグMCが行われました。現行世代から行われているプラットフォームの共通化によって、新しいメカニカルなデバイスが開発されれば、アクセラ、アテンザ、CX5にほぼ同時進行で投入する!という至極当然なアップデートが行われています。なんだかBMWのような方針がそのまま採られていますね・・・マツダはドイツメーカーの真似が相変わらず好きなようです。GJアテンザに関して言えば、2013年のフルモデルチェンジ時のモデルと比べて、グレードも増えて、ボデーカラーも増えて、サイドブレーキは無くなって、リアシートにはヒーターが付けられ(オプション)、インパネもシートの素材も変化しました。そーいえばデビュー当時はまだマツコネがなかったけな・・・。

  世間では「テスラ・モデルS」の進化のペースがやたらに速いと評判ですけども、GJアテンザの進化も想像を越えてかなりのものじゃないですか!?いよいよ赤のテーマカラーすらも脱ぎ捨てて、「マシーングレーメタリック」というカラーを全面に打ち出して、オーソドックス(保守的)なセダンユーザーにダイレクトに訴求し始めました。スカイラインやEクラスはちょっと高いな〜・・・アテンザならば。そういう需要は従来からあったでしょうけど、新色はまさに日産やメルセデスの象徴と言える「グレー」&「シルバー」に殴り込みをかけてます。見た目は・・・なんだか日産が作りそうなコンセプトカーっぽくなりましたねー。

  GJアテンザが狙う!?日産とメルセデスはお互いに協業関係にあって、インフィニティ車に関しては今後はメルセデスとコンポーネンツを共有する方針になっているようですが、それぞれに走行性能だけではなく内装のクオリティアップに関しても国内販売モデルの中でも特に目覚ましい両ブランドといえます。新型Eクラスは下のグレード(Cクラス)でやや感じる、ちょっと萎えるタイトさをほぼ払拭していて魅力的で、いよいよ「プレミアムブランド」のレベルを越えた「メルセデス・ゾーン」ともいうべき独自の世界観が完成しつつあります(Eクラスの内装はスッゴイね)。

  このメルセデスのクオリティに追従している(できている)と思われるのが、プレミアムブランドとしての実績(販売台数)はまだまだのボルボやジャガーといった辺りでしょうか。日本ではプレミアムイメージが発揮できていない日産(フーガ、スカイライン)も最近では限定車を次々と発売して、徐々に仕様変更に務めています。メルセデス、ボルボ、ジャガー、日産の内装は「トータル・コーディネート」の意識が非常に高いと思います。もちろん他のプレミアムブランド(レクサス、BMW、アウディ、キャデラック)も相応の筆致で仕立てられてはいますが、より目新しくてエモーショナル!!といったマツダが好きそうな価値観を持っているのは前者(メルセデス、ボルボ、ジャガー、日産)の方ですね。機能性を重視するならばレクサス、アウディも良いとは思いますが、この2ブランドはどうも古臭い感覚(高齢者の保守的感覚?)に無理やり寄せました!という雰囲気が漂っています。

  マツダも自慢の「Lパケ」で新しいプレミアム感覚を呼び起こそうという企画があって、それを後押しする首脳陣の意図も感じるのですが、どうもコンテンポラリーでオーソドックスな「伸びしろ」でしかゴーサインが出ていないようですね。かつてのマツダを見る限りでは、他を圧倒するような奇抜なスタイリングを最も得意とするメーカーだと思うんですが、今のマツダは世界の「王道」をどうやら意識しちゃっているようですね。余計なことをしなくても「マツダの信念」がそのまま世界のお手本になる!くらいに思っているかもしれません(幹部の発言などを考えると・・・)。残念ながらそれをただただ反映したのが上級モデルの販売不振じゃないでしょうか。作っている側は「満足」かもしれないですけど、選ぶ側(買う側)からしてみたら「つまらん」のですよ。ステアリングの形からメーター類からもっともっとオリジナリティ出してよー!!!そういう期待が無理無く出来るメーカーがマツダじゃないのー!?

  メルセデスがちょっと前に一斉にコラムシフトを採用した時は、軽自動車のような操作感にあれれ?と思いましたが、その後のSクラスCクラスEクラスの順に行われたFMCで内装が一新されてみると・・・どうやらコラムシフトは大正解だったようですね!?いやいやこれには恐れ入りました。現行のメルセデスではセンターコンソールは快適なシートを演出する立派なインテリアです(ここに目がいく!!)。自動運転も始まろうか?という時代ですから、運転に必要なインターフェースはペダル&前面パネルだけに集約するのもとても妥当な判断なのかもしれません。メルセデスはペダルとコラム回りだけに集約していて、徹底的にシンプルで整理された空間美を演出してます。ここまで洗練されたインテリアはまさに「商品力」を上げる最強の武器になります。あれだけキレイにまとまったインパネの上に社外のオンダッシュのスマホ置きとか、充電ジャックをずらずら付ける人はちょっと感覚を疑います。

  アテンザやアクセラには日本仕様にもMT車がありますし、CX5も輸出用ではMT車が存在しますから、センターコンソールにはレバーを配置するという役割が外せませんので、メルセデスのような大胆に差別化された内装はなかなか目指せないとは思います。ただ・・・そこに現状のマツダが抱える「大きな壁」があるような気がしてならないです。端的に言ってしまうとGJアテンザはセンターコンソールの設計1つとってもズボラだなー。その1点だけでそこまで評価落ちるか?と言われそうですが、それを埋め合わせるだけの「飛び道具」がとりあえず無い!!そのことの方がもっと問題なのかもしれません。

  「ユーノス・コスモ」を思い出せ!!!じゃないですけど、マツダのプロモーションとは裏腹にGJアテンザは最上級モデルらしさが真っ当には意識できて無いと思います。もっとこの内装は「マツダだけです!」を打ちだせるものにしないと、マツダを選ぶ必然性が見えてこないです。まだまだそんな状況なのにエクステリアデザインとボデーカラーだけで、スカイライン&Eクラスに挑む!!ってのはなんだかなー。その辺がどうも一般ユーザーの間でも完全にバレバレになってきていよいよ販売台数が伸び悩んでいる一因になってます。近所にギブリを納車されたオッサンがいますが、やっぱりGJアテンザではまだまだその層に訴求できていないようですね。

  現状ではやはりFFセダンらしく、もっと「中の中」のユーザー向けに使い勝手の良いクルマを目指して1.5Lディーゼルターボを積んだグレードなんかを追加したほうが、販売台数は案外伸びるんじゃないかと思います。遥か高いところにいるライバルを見据えるのではなくて、メルセデスや日産がなかなか出来ないところを目指した方がよっぽど「簡単」だとは思いますね。

  せっかく実用性に秀でたディーゼルエンジンで頭一つ抜け出した地位にあるわけですから、もう少し泥臭いアテンザのグレードがあってもいいのかもしれません。アテンザワゴンをクロスオーバー化して、リアにオープンデッキなんか付けてみたら?他のメーカーが手掛けてもダサいのが出来るだけでしょうけど、マツダならばもしかしたら新しいジャンルが出来るくらいに優れたデザイン力を発揮できるんじゃないかと。オープンデッキに自転車が4台くらい積載できるラックをオプションで用意するなど、アウトドアシーンとの連動がテーマにはなってくるでしょうが、積載車両を走らせる力強いディーゼル・・・そんなシナジーをマツダも当然に考えてはいるでしょうけどね。今後のGJアテンザの進化に期待しましょう。




  

  

  

  
posted by cardrivegogo at 12:58| Comment(4) | GJアテンザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めてコメントさせて頂きます。いつも興味深く読ませて頂いております。
私は2014年暮れの大幅改良直後のGJアテンザに乗っております。XDプロアクティブにBoseなどのオプションを少々。かなり気に入っています。
先日マイナーチェンジがありましたね。Gベクタリングコントロール搭載と、Lパケの天井をブラックに変更。悪くないですが、僕にとっては特に羨ましいわけでもない程度の小変更でした。
さて、最近のマツダの「高級化指向」には疑問を感じます。特にアテンザ。
もともと、ただの「Dセグ」なんですよね。カムリ、ティアナ、パサートetc...といった。ゆったりとはしているが、決して「高級車」ではない。プレミアムD、ましてやEセグなどでは全然ない。でも、マツダはそれらを指をくわえて見ていないでしょうか?もしスカイラインやレクサスGSなどと本気で比べたりしたら笑われるだけだと思うのですが。
僕は、アテンザに関しては「気楽なDセグ」でよいと思っています。もし、どうしてもこの上のクラスがほしかったら、別の車種を設定したほうがいいような気がします。ルーチェとかセンティア、コスモ、もしくは全く新たな名前でも。
とにかく、今のアテンザをプレミアムと呼ぶのは、またそう仕立てるのは、かなり無理があると思うのですが、如何思われますか?
Posted by 中野研也 at 2016年10月11日 10:36
追記:
それからマツダのデザイナー諸氏にはこれ以上、口を開いてほしくないですね。あまりにデザイン、デザインと言われると引いてしまいます。とりあえず評価は悪くないのだから、あとは皆さんに感じるままに感じてもらえばいいのではないかと。黙って、いいデザイン(というかスタイル)を出し続けて、マツダと言えば「いいデザイン」という評価を、もっと深く定着させてほしいと思います。
・・・というよりも、ヨーロッパ車、とくに最近のプジョーや一時期ののルノーなんて、マツダ車のコピーでしたよね。20年以上も前からこの面では世界をリードしていた、とまでは言わないまでも、最前列のグループに居たわけですから、あまり饒舌にならないほうがいいように思うのですが。
いま思いつくだけでも歴代RX-7、5代目と6代目ファミリア、5代目 GD/GV型カペラ、初代センティア、ユーノス500、ユーノス800、ランティス、等々、これ程までコンスタントにデザインに優れたクルマを数多く出したメーカーって、少なくとも日本にはマツダを置いて他にないと思うのですよ。
現行モデルに関しても、せっかく良いものを持っているのだから、もう少しスマートなアピールをしてほしいです。
Posted by 中野研也 at 2016年10月11日 11:21
コメントありがとうございます。

評論家がアテンザを軽視するのはカペラのイメージが強いからみたいですね。少なくとも初代と二代目は「ただのDセグ」ではなかったと思います。理由を書くと長くなりますが、直4で世界を制したMZRが載って、サスが高級車並みに豪華仕様。経営難なのによくこんなクルマ作るよなー・・・でもそれが世界では大ウケしたわけです。

三代目はサイズ的に完全にEセグになってますね。中国でウケる仕様に引っ張られ過ぎであまり好きじゃないんですけども。マツダが「プレミアム」を志向するならまあ妥当な路線だと思います。プレミアムカーは多くのユーザーにとって価値がわかりやすくないと成立しないですから、マツダの象徴にすらなっていたショートストロークエンジンもダブルウィッシュボーンのサスもあっさり「不要」にされました。それでも喜んで買ってくれる人がいるってことが素晴らしいです。

なんか誤解があるみたいですが、「プレミアムカー」とはそのまま高級車のことでは無いです。あくまでプレミアムとは「貢献利益が大きい」が第一義で、マツダの利益率が二桁目前まで改善されているのなら、もう立派にプレミアムブランドと言っていいと思うんですよ。

日本ではFR&6気筒しか認めない!みたいな空気があるかもしれないですが、ボルボ(旧式マツダシャシー)やメルセデスCLAこそが現状のプレミアムカーの中でも屈指の成長株です。北米レクサスで1番売れてるクルマはハリアーの高級版、2番目に売れているのがカムリの高級版で、この2車種だけが月に5000台以上売れます(他はせいぜい1000台程度)。中身なんてCX5とアテンザとほとんど違いは無いと思いますが・・・。

マツダの開発陣がやたらとメディアに出るようになったのは、カーメディアに対する徹底した不信感だと思います。世界のカーメディアが仰天したマツダ6が日本では地味な存在でしかなかった。アルファロメオが2000年代は人気でしたけど、初代、二代目アテンザは156や159をも凌駕するレベルにあったのになー。

挙げ足を取るようで恐縮ですが、プジョーとマツダの関係は逆だと思われます。2005年のプジョー407を2008年の2代目アテンザがアイディアを拝借してますね。そして3代目アテンザも日産の「エッセンス」というV37スカイラインのコンセプトカーをパクったと言われています。なので発売はアテンザが先ですけど、アテンザはスカイラインをパクったことになってます。ルノーに関してはマツダの先代チーフデザイナーを務めたヴァン=デン=アッカーが現在ルノーのチーフに就任してますからマツダをパクったみたいになってますね。マツダのデザインは風化しないのでとってもいいのですけどねー。長文失礼しました。
Posted by CARDRIVEGOGO at 2016年10月11日 23:08
ご返答ありがとうございます。
「プレミアム」イコール「高級」ではない。確かに。それから、マツダの開発陣が饒舌なのはメディアに対する不信感から・・・すごく納得です。故徳大寺有恒さんの初代アテンザに対する「これでもか」との批判は、まるで何か個人的恨みがあるかのような常軌を逸するもので、徳大寺ファンの私でも大いに反発を覚え、不快感を催したものです。
皆が皆そこまではいかないまでも、日本のメディアはマツダに対する大きな偏見がありますね。そしてそれは一般の方々も。メディアにのせられているのかメディアが大衆に迎合しているのか、その両方なのかは判りませんが。
ロータリーがオイルショックでピンチになった時、そしてバブル後のいろいろあった時期などの影響もあって、マツダにもその原因はあるんでしょうけど。良くも悪くも隙があって、何かと言われやすいのでしょうか。でも、こういうことを乗り越えて、ひとつの動かし難いポジションをマツダは創り上げてほしいなと願っています。
プジョー407と2代目アテンザですか。なるほど・・・言われるまで気づきませんでした(笑)
マツダ、ルノー、プジョー。パクったパクられたという前に、お互い何か相通じるものがあるようで面白いです。

ところで、GJアテンザに乗りかえてからというもの、洗車と掃除をのぞいてクルマを弄る機会が激減しました。手を入れるところが無いというよりも、そういうクルマになったということなんですね。
Posted by 中野研也 at 2016年10月12日 09:32
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]