2016年05月08日

プジョー508とアテンザの不思議な関係

  今も計画通りにグローバルで毎月1万台を売りつづけるMAZDA6(アテンザ)。日本でも欧州でもまだまだDEセグサルーン/ワゴンが売れることを示しました。その欧州におけるライバル車種の1台であるプジョー508が、今年から新たに日本向けにディーゼルを投入するようです。欧州ではもはやこのクラスの主流は完全にディーゼルですから、いよいよ「本物」のプジョー508の走りが日本でも正規輸入で楽しめるようになるみたいです。

  現状の508は、1.6Lターボで日本での本体価格が372万円。2.5L(NA)のアテンザやレガシィと比べてもそれほどに割高感はありません。「1.6Lターボ」という欧州っぽいエンジンは、スバルでも2.5L自然吸気の代わりを想定して、「FB16DIT」エンジンがレヴォーグで使われて初めているので、スペック面でも大きく劣るということはないですね。BMWとPSAが共同で作ったエンジンは、BMWやミニでは日本から姿を消しましたが、PSAでは日本仕様の3ブランド(プジョー、シトロエン、DS)のほぼ全てで使われています。数年前まで評論家はダウンサイジングターボの重要性ばかりを語ってまして、その中心にはこのエンジンがあったはずなんですが、BMWが放棄するととたんにチヤホヤされなくなりましたね・・・なんなんだよ。

  ただしVWのみならず三菱、日産、トヨタも排ガスがヤバいことが暴露されてしまったディーゼルですからね・・・。「え?PSAは大丈夫なの?」と少々余計な心配をしてしまいますが、どうやらPSAの技術概要によると、メルセデスと同じ尿素の触媒を使用している高価版のDEを使うみたいです。もっと気になるのはイメージ低下で日本導入を白紙に・・・って可能性もあることです。

  マツダも当初は北米で「ディーゼル革命」を起こす!!!と躍起になっていたようですが、日本以上に規制が厳しい州もあるアメリカでの発売には、どうやら尿素触媒の導入が不可欠のようで、マツダはどうやらコストと価格の軋轢に苦しんで導入を見送ったようです。デイトナ参戦モデルでのディーゼル・スポーツエンジンの開発を終了してしまいました。変わってスポーツエンジンの開発はどうやらガソリンターボへとシフトしているようです。

  一連の騒ぎでこれからディーゼルの日本市場導入を予告していた欧州の各ブランドにどれだけ影響がでるか不透明でしたが、導入が遅れていた様子のジャガーXE・ディーゼルも無事に日本で発売されました。ジャガーはさらに6気筒ディーゼルを積むFペースも登場しました。車重が嵩みトルクが欲しいSUVでは、やはりディーゼルを使うのが上手い商品力アップの手段ですが、同じように大きなトルクが得られる電気モーターのPHVもかなり普及しています。優勢なのはPHVなのか?ディーゼルなのか?アッパーSUVによるユニットの覇権争いが勃発しています。

  BMW、メルセデス、ボルボはディーゼルもPHVも両方に参戦する「コウモリ」ブランドですね(笑)。PHV派はレクサスを筆頭に日産、ホンダ、スバルなどなど日本メーカーが多いです。「欧州メーカーより欧州派」を気取るマツダは、渾身のCX4(全長4600mm越え)でもちろんディーゼル側の「大将」(いや用心棒?)として参戦することになるでしょう。今のところディーゼル派はマツダとジャガーだけで少々分が悪いようですが、プジョー、シトロエン、DS、アルファロメオなどなど今後は次々と参戦する模様です。マツダとともに戦うのは英・仏・伊の失礼ですが技術的な後進メーカーばかり・・・。なんとか日本・ドイツの陣営をディーゼル派に引き込まないと。スバルの水平対抗DEとか、ホンダ秘蔵の「テンロク」DE(N16B型・2012年発売の英国生産でマツダを越える環境性能だと話題)とか日本でも発売すれば面白いのに。

  残念ながらジャガー4気筒はBMW並にうるさいダメダメなDEでした・・・。メルセデスの4気筒DEもそうですが、欧州基準の静粛性ってのは日本とはどうも基準が違うようです。プジョー508も同じかな・・・。ガソリンターボも静かに作れない欧州メーカーですから、ディーゼルを静かにするなんて発想はないですね。日本みたいに、自然吸気のCVT車が主流の市場ならば、「静かに作らなければ売れない」というインセンティブが働くんでしょうね・・・。

  プジョー508の前身モデルとなるプジョー407は、マツダの「魂動」の前になるヴァン=デン=アッガー時代デザインに明らかに影響を与えていた当時のプジョーデザインの中でも最高傑作といえる出来映えでした。あの素晴らしいスタイリングのセダンが今なら中古で60万円くらいで買えるようです。ただし値段に釣られて問い合わせてみると、部品交換(タイミングベルトなど)が必要でプラス60万円くらいかかるとか言われることが多いですね。

  世界一美しいセダン「プジョー406」とその進化版の「プジョー407」。そしてその後継となる508も、GJアテンザのようにボデーが一気に拡大しましたが、実に見事なスタイリングで、前からみても後ろからみても「エレガント!」です。厳密に言うと、中国やロシア向けには「プジョー408」というDセグのサイズを守ったモデルも存在します(デカキャビンでスタイルはイマイチですが)。これはこれでスポーティで塊感があるスタイリングで、先代のシビックセダンを彷彿とさせますね、日本でもそこそこ人気が出そう!?いや無理かな・・・。

  中国ではこのクラスのセダンの需要は細分化しているようで、プジョーは408と508の並売でスポーティとフォーマルの需要を捌いています。マツダも中国ではフォードの絡みで合弁が実現した長安マツダ汽車で、現在もアテンザが3世代(GG、GH、GJ)ともに製造・販売されていて、見事にアテンザだけでスポーティとフォーマルの需要を捌いているとか(これは羨ましいな!!!)。ちなみに長安汽車は2010年からはPSAとも合弁していて長安プジョー・シトロエン汽車もあります。なんと!!!長安は傘下のグループで「GHアテンザ」と「プジョー408」と「シトロエンDS5LS」を全部作ってんのか!!!。もう全部、日本向け輸出しちゃって(408だけはデザインやり直しで)!!!

  プジョーもすっかり中国に取り込まれたな・・・いやいや中国ユーザーはおマヌケな日本ユーザーよりもクルマに対して敏感ですし、日本よりも早くほぼ発売と同時に「ゴルフ7はさっさと改良しやがれ!!!不良品売ってんじゃねー!!!」とVWに中指と突き立てる血の気の多い健全なカーメディアが存在します(検閲あるけど)。今では誇り高き中国メーカーが日本向けのBMWの内装なども手掛けているようで、BMWのシステマティックな内装は日本でも大人気ですから・・・中国のクルマ作りもどんどん変わってきているんですね。スズキも日産もホンダも日本では売らないスポーティなモデルを投入してハイセンスな中国人に存在感を訴えてます。スズキ「アリビオ」、日産「アルメーラセダン」(これはラティオだな)、ホンダ「クライダー」などなど。

  さてプジョー508に話を戻しますが、欧州仕様はもちろんディーゼルエンジンが主流です。さらには「GT」という日本未発売の秘蔵グレードがありまして・・・これが走りに重きを置いた特別な仕掛けがされてます。そして今年投入されるディーゼルモデルがその「GT」なんだそうです。その特徴はなんと!!!フロントサスが、ベースモデルが装備するマクファーソン式ストラットから、406、407やGG、GHアテンザが一世を風靡したダブルウィッシュボーンに格上げされていることです!!!うぉーこれはすげーぞ!!!。508と同じくアテンザも3代目(GJ現行)になってストラットに格下げされてしまいましたが、プジョーのように「ドライバーズセダン」の誇りというか、マツダにもこういうこだわりがほしいですね・・・。

  プジョーのこだわりをみると、「日本車はやっぱりダメだな〜」という旧態依然なステレオタイプな意見にちょっぴり賛同できてしまいますね〜。マツダしっかりしろ!!!つーかスポーティ派はロードスター買え・・・っていうオッサン的な発想はやめましょうよ(藤原さん)!!!若いユーザーどんどん居なくなりますよ!!!確かにロードスターついでにもう1台アテンザ、アクセラ、CX5、CX3を買ってセットでもせいぜい750万円(さらに割引?)ですから・・・マツダが意図する「オールマツダ」戦略もわからないでもないですけど(メルセデスやポルシェみたいに)。広島では「夫婦で2台」というご時世なのかもしれませんけどね・・・駐車場確保するのが大変という地域もあるわけです(そんなところに住むヤツはマツダの客じゃない!?)。楽しいマツダ車2台セットが、メルセデスやレクサスの上級モデル1台分。ボクスターとマカンをそろえるのに比べれば確かに半額以下で済みますけど・・・。

  アテンザにDWBもしくは、ロードスターのシャシーを延長してGTカーのボデー載せたクルマを500万円で売ってくれば、喜んでマツダ買うのに!!!そういう独身ユーザーの声には「クルマなんか乗ってないで仕事しろ!」ってことなんですかね。1台あれば十分だし、2台持つメリットなんてさ・・・ロータリーが復活するならまだしも、トルク志向で回らなくなったスカイアクティブ×2台なんてそれほどテンション上がらないですよ!!!バカ高い維持費も考えると納得でオールマイティな1台にしてほしいです(スカイ○イン買ってろ!)。


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posted by cardrivegogo at 02:00| Comment(0) | 輸入車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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