2016年04月26日

CX4登場!!!マツダの本領発揮

  CX-4のデザインが公開されました。やっぱりマツダ!!!デザインにおいてはこちらの予想をいくらか上回る貫禄の「余裕」すら感じます。SUVのクーペではランドローバーの「レンジローバー・イヴォーグ」という突然変異的に現れた傑作デザインがありますが、それを追従したはずのBMW・X4やいよいよ日本でも発売されるメルセデスGLEクーペなど、パッとしない駄作が続いていて、非常に攻略が難しいジャンルだとは思ってましたが・・・見事です。X4はSUVブームの北米でも全然売れてないみたいです。

  苦戦しているメルセデスとBMWですが、元々は平べったくてどっしりとしたセダンを作るメーカーですから、そこから派生したテーマを使ってSUVを作るという発想自体に無理がある気がします。どうやっても縦方向に拡大しますから、メルセデスとBMWのSUVはどれもメタボに見えます。Sクーペや6シリーズだってかなりキツいのに・・・。

  それに対してマツダは、思いっきり縦方向を意識させる骨太な骨格のCX5を、見事に「魂動」デザインにまとめました!!!そこから今度のCX4はルーフラインを低くして、ボデー下部のデザインも計算した上で、デザイン全体が「横方向」に流れるスタイリングを完成させました。ポルシェ(マカン)、ランボルギーニ(ウルス)、マセラティ(レヴァンテ)、ベントレー(ベンタイガ)、ジャガー(Fペース)などと比べるのは無意味かもしれませんが、どの高級SUVよりも見事に「横」に流れるデザインになっているといっていいかも!?

  X4とマカンが600万円〜(直4ターボなので安め)、GLEクーペとFペースが900万円〜(V6ディーゼル)、ウルス、レヴァンテ、ベンタイガは1000万円を軽く越えます。そんなクルマを相手にしても300万円のCX4がデザインで一歩も引かずに対抗する!!!これこそがマツダの本来の姿じゃないですか!!!はるかに高額なフェラーリやポルシェのスポーツカーに対して300万円台の「RX7・FD3S」がデザインでガチンコ勝負を仕掛けました!!!その戦いに見事に勝利を収めたFDの傑作デザインはそのままアメリカを代表するスポーツカーのシボレー・コルベット(C5)に真似されました!!!

  先ほども言いましたが、欧州の高級ブランドなんてどこも平べったくてデカいセダンばかりを作ってきたわけです。それが今更にSUVのデザインなんて・・・荷が重いのでは!?。それに対してマツダは、ずっと5ナンバーサイズのクルマをどれだけスポーティに見せるか!!!というテーマに向き合ってきたわけです(FD以外にも歴史的名デザインはたくさんあります!)。この知見が今になってSUVを平べったくデザインする技になっているのだとしたら、このCX4はマツダデザインの歴史的集大成とも言えるモデルじゃないですか?

  さてCX4を見て改めてマツダのやりたいことがよくわかった気がします。SUVのラインナップを充実させて、一気にニーズを拡大させよう!!!なんてごくごく当たり前で単純な話では決してないです。マツダよりも遥かに高い価格帯の有名モデルに対抗することが、マツダの宿命なのか・・・まあそういうブランドのロマンもいいですね。なんとも日本で生まれたブランドらしい「誇り」を感じます。しかしマツダはもっともっと大切なことをこのクルマに込めたのでは?と思うのです。

  圧倒的なデザイン力があるならば、欧州の高級ブランドに対抗するだけの価格でド派でに売ればいいわけですが、そもそも日本には名門貴族も富裕層もそれほど多くはないですから、日本メーカーからロールスやベントレーのようなブランドが生まれてくることは今後もないと思いますし、マツダがそれらになることも不可能だと思います。そもそも誰もそんなマツダは望んでいない・・・。やはり日本メーカーならば、まずは日本のユーザーが喜ぶクルマを作ることが第一の使命であり、それがしっかりと達成できたブランドだけがグローバル市場からも「日本式」として尊敬されます。

  かつて日本のユーザーを熱狂させてきたモデル、たとえばスカイラインGT-Rだったり、セルシオだったり、RX7、シルビア、ロードスター、NSX、S2000といったスポーツカーに、ランエボ、インプSTI、インテグラR、シビックR、アコードRなどなど。「日本式」とは・・・まずは独自のやり方で日本のユーザーを熱狂させることです。まずは日本の賢いユーザーから「これは本物だ!」と篤く支持されることです。

  CX4も一歩間違えれば単なる珍車で終わってしまう可能性もあります。それでも「日本式」としての成功を掴むために、マツダはこのモデルにブランドのすべてを注入する勢いで、「SUVのクーペ」を徹底的に平べったく横方向にデザインする意志を示しました!!!そして「かっこいいだろ!!!」と。・・・「マツダはかっこいいクルマに乗り続けたい人々を決して見捨てません!」という不屈の想いがそこから伝わってくるようです。

  欲しいクルマは? クルマ好きなら即座に「35GT−R」「R8」「ヴァンテージ」といった3大スポーツカーが頭に浮かぶはず・・・。しかし1000万〜3000万円なんて金額はそう簡単には出せません。そこで私たちは大衆乗用車の中でスポーティだかラクシュリーだかよくわからないけど、程良いクルマを見つけて「妥協」していきます。マツダにもそういう選択の候補になるモデルが増えてきたかもしれません。

  しかしマツダの炎は消えてないですね。周囲はともかく、それでも自分だけは尖っていたい!という人が辿り着くブランド・・・それはやっぱりマツダなんだと思います。経営にいくらか余裕が出てきたのか、それを再認識させてくれる非常に「プレーン」なデザインのモデルが次々とでてきました!!!このCX4もそうですが、ロードスターRFなんかも完全に個性派を狙い撃ちしてます。この流れならばロータリー50周年となる2017年にはいよいよ「あれ」が復活するのかな?


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ラベル:マツダCX4
posted by cardrivegogo at 13:30| Comment(4) | マツダの戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
初めまして、余り車に興味が無かった30歳の男です。
私は今までとりあえずトヨタ、という感じで車を眺めておりました。
それは、売れている会社は資金的余裕があって改良や研究開発が進んでいるし、継続して売れる=理由があるはずだからです。
車内で社用車を手配する立場にあり、ヴィッツとマーチを入れた所マーチは故障が多く燃費が悪かったのに対して、ヴィッツは故障が無く燃費も乗り心地も良く、またプリウス等の車も同様の結果であったため、トヨタに関しては同価格帯で見れば乗り心地が良く故障が少なく燃費も良いものという評価に揺るぎはありません。
ただ、それでも車はあくまで移動手段のものであってそれ以上の魅力を感じる事はありませんでした。

しかし、半年ほど前に隣の車線にいた車を見て目を見張りました。
恐ろしくエレガントな曲線美、細部に至る高級感、そのデザインの洗練さに圧倒されたのです。
それがアテンザのセダンでした。
そして、それがマツダ車だと知って非常に驚きました。

それまでマツダと言ったら、「マツダ地獄」という単語と安売りでしか売れない会社というネガティブなイメージしか持っていませんでした。
規模が小さいので色々な部分の完成度が低いと思っています。
また、BMWやベンツは高いだけあってデザインや能力が優れていると思っています。
アテンザセダンも初めて見た時どこの欧州車だろうと思っていました。
しかし、このブログ(特にマツダデザインについての記事)を読んで、それはもしかしてブランドと世間一般のイメージに植え付けられた先入観なのではないかと思うに至りました。
そう言われてベンツを見ると、それほど格好良くないという初めてベンツを見た時感じた感想が出てくる気がします。
父親がかなり前にBMWの7シリーズに乗っていましたが、しょっちゅう故障していたし、乗り心地も特段良いとは記憶していません。
父も私も「高価な車の良さを分からない愚か者」と思われるのを恐れてBMWやベンツを祭り上げていただけな気がします。

魂動デザインになってからのマツダ車のデザイン(特にアテンザセダン)は最高に格好良いです。
隣を走ってると本当に目を奪われます。
デザインが世界最高峰なのは実感しましたが駆動部分はどうなのでしょうか。
やはり、先入観を捨てて乗り比べないと自分の意見は出てこないのでしょうね。
トヨタ車には社用車でずいぶん乗っているので、今後は他の日本車、そして特に欧州車と乗り比べて、今までの先入観が本当なのかどうか試していきたいと思います。
Posted by Nelle at 2016年04月28日 21:40
コメントありがとうございます。

GJアテンザセダンもいいですけど、マツダのスゴいところは、
アテンザもアクセラもデミオも初代から全部カッコいいところだと思います。どのクルマを愛車にしてもいいかも・・・。
このブランドだけは劣化というものが無いのか!?
特に初代アクセラを街で見かけるととても嬉しい気分になりますね。

ドイツ車ってのはデザインがあまり上手くないかもしれないです。
BMWの最高傑作はE39の5シリーズですかね。デザイナーは日本人です。アウディも一気にブランドを押し上げた先代のA6も日本人がデザインしてます。(イタリア車ですが)マセラティを復活させたあの先代クワトロポルテも日本人デザイナーです。

やっぱり歴代の日本車ってみんなカッコいいじゃないですか。
スープラもソアラもNSXも歴代マジェスタもS15シルビアも・・・。
つまり日本には優秀なデザイナーが多くて、その中で特に才能豊かで個性的な人が、マツダに行くようなので、まあカッコいいのは当たり前かなと・・・。

先代アテンザセダンに乗って、いろいろな輸入車メーカーに試乗に行きますが、1000万円以上する輸入車が持つ独特の高級感は別として・・・それ以外に関してはハンドリングもブレーキもレスポンスもマツダの方が上なので、いつも期待ハズレです。おそらく1000万円以下でマツダユーザーが納得できるクルマがあるのは、日産だけだと思いますよ。あくまで私の経験上の話ですけど。
Posted by CARDRIVEGOGO at 2016年04月28日 23:59
ご返信頂きまして、誠にありがとうございます。
なるほど、日産が良いのですね。
今の日産はルノーの資本が入っていて、何となく買っても日本経済への貢献が少ない気がして嫌だったのですが、よく考えれば働いているのは日本人だし、余り関係無いですよね。
それに良い車を作っているとの事で、実は速そうなスカイラインがずっと気になっていたので、是非乗り比べてみたいと思います。
数か月前、速い車に憧れて、カタログスペックのエンジンの出力を比較しましたが、手頃な価格に限るとスカイラインが突出して出力が高く、ずっと気になっていました。
車に本当に疎いので、これ位でしか比較する事が出来ません。
日産で良い車と言えば、例えばどれになるのでしょうか。

今後はマツダや日産車の中から車を選ぶように選択しを広げたいと思います。
ありがとうございました。
Posted by Nelle at 2016年04月29日 10:27
日産の栃木工場で作られている4車種は、
ライバルをよく研究していて、
動力性能やNVHのレベルが非常に高いと思います。
特にスカイライン350GTは、
クラス最高水準の乗り味と、
0-100km/h加速が5秒台という、
ランエボ並みの驚異的な運動性能で、
500万円台というのはコスパがとても良いです。
ランフラットタイヤなのにあれだけ静かなのは
日産の意地ですね。
Posted by CARDRIVEGOGO at 2016年04月29日 22:49
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