イタリアの超名門チューナーがマツダ設計のクルマを手掛けるなんて、なんとも夢のあるコラボです! トヨタとスバルが共同してスポーツカー作った時も感慨深かったですけど、今回のマツダとアバルトの「協業」はどちらにとってもプラスになるとても「WIN・WIN」な関係になったと思います。当初噂されていたアルファロメオとのコラボよりも結果的に良かったのでは?と思います・・・だってアルファのエンジンが使えるのだから!
アルファロメオのシャシーにスカイアクティブエンジン・・・という組み合わせだったら救いようがないゲロゲロなクルマになりますね。どっかのブランドのAクラスっていうクルマみたいになりそうです(どんなだよ!)。マツダのシャシーにアルファロメオのスポーツモデル用の熟成エンジン!なんとも幸せそうな「ウェディング」ですね。そういえばティーポという雑誌で書いてるレーサー上がりのライターさんが昨年ジュリエッタ・クワドリフォリオヴァルデと4Cの両方を買ったそうですけども、このアルファロメオを代表する2つのモデルに使われているのが、1750ccのショートストロークなんですが、これがいよいよマツダシャシーに搭載されるのか〜・・・。ただし今のところ発表されているのは、ラリー・ベース用のハードトップモデルだけみたいです。
マツダ自慢のショートストローク(2.0LのMZR)は、フォード・フォーカスが2016モデルから1.5Lターボになり、ボルボがデンソーと一緒に作った新型エンジン(Drive-E)に変わったため、今ではジャガーの3つのセダンが使うのみとなりました。マツダがショートストロークを廃止した理由は熱効率を追求と、低速トルクを高める狙いがあるようですが、どうやらマツダのエンジニアが言うには、スカイアクティブ技術のそもそもの根幹・始まりは「排気」にあるようで、ここからあらゆるマツダ車の設計の方針は決まっている!とのことなんですね。
従来よりも長い排気機構「4-2-1排気」を用いることで、内燃機関のポテンシャルを飛躍的に伸ばしていこう!そしてその延長線上でターボ化やハイブリッド化が用意する!という方針は、人見さんの本にも出てきたのでおそらく間違いないでしょう。そして従来よりも長い排気機構を収めるために、ボンネットが強調されたかのように長くなっている「魂動」デザインの大まかなカタチが決まってくるようです。ロードスターもCX5もデミオもCX3も例外なく「ハナが長い」ですね。「スカイアクティブ」の方針の元では、構造上ハナが長くできないミニバンは廃止の運命にあるようです(とてもエゲツナイ論理ですね・・・そんなにエンジンって大事なの?)。
マツダにとってみれば、ショートストロークの特性である「レスポンスの良さ」をさらに上回るロータリーが控えているという理由からMZRは役目を終えた(=ロータリー市販?)ということなのかもしれません。ポルシェがフラット6を全面的にターボ化する方針を打ち出しました。それに合わせて3Lへとダウンサイジングが断行されましたが、ショートストロークというポリシーは貫いてくれました。日本の愛好家の間で割とポピュラーに乗られているスポーツカーでは「頂点」とされるポルシェですら、全面ターボ化に加えてボクスター、ケイマンは4気筒化に着手しないければならないほど、スポーツカーを巡る環境は「待ったなし!」になっているようです。
それに比べれば、ロードスターの兄弟車にアルファロメオの1.75Lエンジンが使える!というのはとてもハッピーなことですし、さらに本気でポルシェに追従するならば、「ロータリー」というカードを出すこともできます。アバルトに話題をさらわれてしまったマツダですが、(ちょっと飛躍になりますが)ここは意地で「MS-RXロードスター」を完成させてほしいです。BMWもホンダも4気筒ではショートストロークを止めているので、量産車用のレシプロエンジンならばおそらく世界最速のピストンスピードを誇る「1.75L」と、レシプロエンジンの常識を越えた高回転を追求できる「ロータリー」・・・それぞれに究極エンジンで武装したアバルト124スパイダーとマツダ・ロードスターによる「最強の兄弟」が誕生!なんてことになるといいですね・・・。
余談ですが、マツダに続いてスバルにもトヨタのハイブリッドが供給されることになるようです。インプレッサとアクセラが同じ機構を使うというのも不思議な感じです。もっとも縦置きと横置きの違いがあるので、雰囲気は違うものになるでしょうけど・・・。アクセラは「大人の事情」で相変わらずデチューンした2Lエンジンをハイブリッド車に充当しています。ディーゼルを提供するのだから交換条件でフルチューンさせてもらえないですかね。いよいよ欧州でもHVの売り上げが伸びていてSクラスの7割はもはやHVなんだそうですね。
エンジン供給といえばマツダのディーゼルですが、トヨタやレクサスだけじゃなくて、BMWやアウディに使われたらさぞかしゴキゲンなクルマになりそうですね。トヨタ車と違って基本的に「骨太」なので重量増には慣れているでしょうし、本国ではディーゼルが販売の中心なので、大トルクのミッションや駆動系は得意なはずです。エンジン屋のBMWはプライドがあるから、マツダのディーゼルなんて積まないでしょうけどね。それでも噂によると排気の浄化に苦しんでいるBMWですから「大英断」があるかもしれません。あとアウディA4にマツダのディーゼルなんてのも良さそうだな〜・・・。
結局のところマツダエンジンの載った骨太な欧州車が欲しいのか、それともアルファロメオのエンジンが載ったマツダシャシーのクルマが欲しいのか?と聞かれたら、・・・結構迷いますね。レシプロショートのハンドリングに優れた旧世代のマツダユーザーにとってはどっちの選択が幸せなのか?これはかなり際どい選択になりそうです。 2台持ちで長距離ドライブ用の2ペダル・ツアラーとしてならば前者で、MT&スポーツカーならば後者・・・我ながらなんて安易なんだろうとは思いますけど。
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