2016年02月23日

ルノー・アルピーヌ「ビジョン」コンセプト・・・マツダの「本丸」大炎上の1台!?

  毎度毎度のことですが、今回も偉そうなことを散々に言います。「現在のマツダブランドの最大の欠点は・・・理想に掲げるモデルが存在しないことだ!」と、今さらながらに気がつきました。東京MSで公開された「RX-VISION」はそんな曇りを少しは払ってくれる要素かもしれないですが、果たしてこのクルマはどこのマーケットに受け入れられるのか?なんていうお節介なことを考えてしまいます。

  やはりプレミアム/非プレミアム問わずに、そのブランドの全てを体現できるようなスペシャルな1台が、ラインナップの最高峰に鎮座する・・・これが正しい姿だと思います。バブルが終焉してから、これ見よがしに高級車を作るという悪しき風潮は影を潜めましたが、そのブランドを支えるファンが憧れて熱狂できるようなモデルが作れる!というポテンシャルを示す必要はあると思います。

  必ずしもスポーツカーでなくてもいいです。トヨタなら「アルファード」です。世界で一番快適なミニバンを追求することが、乗用車シェア1位のトヨタのイメージにも合致していますし、このクルマは非常によく売れていて単体でも大きな貢献利益を挙げているはずです。ホンダなら・・・このメーカーは小型車へ軸足を移しましたから、「フィット」には常にライバルを越えるための予算が注ぎ込まれています。ただしフィットを見て「俺の理想の1台!」だと宣言できる人は、クルマに関して達観した「マスター」が多いでしょうけど。まもなく発売される「NSX」は果たして日本の公道で日常的に見られるクルマになるのでしょうか?

  日産は・・・トヨタやホンダとは違う「エリート意識」の表れでしょうか、王道のスポーツカー「GT-R」を掲げました。スーパーカーを打ち負かす「戦闘力」こそが自他共に認める日産の魅力ですから、今後も開発を続けてほしいです。日産が持つ開発力はトヨタやホンダとは比べ物にならないくらいです。バブル後に経営不振に陥った背景には開発費を掛け過ぎたという指摘もあります。実際のところミニバンもSUVもコンパクトカーもトヨタやホンダを相手に優位に立つくらいの実力があります。しかし営業力が追いつかないのが現状です・・・。

  悩める中規模メーカー(マツダ、三菱、スバル)と違って、世界のトップ10(スズキも入ります)はなんだかんだ言ってもブランドの核がしっかりしています。スバルの「WRX STI」のようにMTユーザーしか使えないモデルでは影響力も限定的です。そしてマツダや三菱は・・・今の所は完全なる「迷子」。

  ルノーと提携しているアルピーヌから久々にハードトップスポーツカーが公開されました。このアルピーヌ「ビジョン」は市販化が前提になっているようで、内装なども含めてプロトタイプといっていいくらいに作り込まれている印象を受けます。年内には世界のどっかで発売が開始されてもおかしくないです(消費税増税には間に合うのかな?)。クルマ自体はハードトップのMR・2シーターで、主力エンジンは直4ターボになるのだとか。一時的に魅せた「ウルトラマン」フェイスは一新されて、日本が誇る名車・最終型スープラをちょっと淡白にしたようなソツないフェイス&フォルムになりました。

  価格はどうなるかって? 直4ターボMRで、骨格からカーボン設計した(コスト掛かってます!)アルファロメオ4Cが800万円ですから、600万円前後あるいはもっと戦略的に500万円!なんてこともあるかも。どちらにせよ「86以上4C未満」の価格帯に収まるはずです(何よりケイマン改め718ケイマンが念頭にあるはず)。そしてマツダがロータリー50周年を記念して「RX-VISION」を発売するとすれば、まさにタイミングがガチンコになりそうな感じです。

  アルピーヌ「ビジョン」の画像を見て・・・ふと「マツダにこんなモデルがあれば」と思ってしまいました。1960年に四輪車に参入し、その直後から通産省主導のメーカー統廃合による整理から逃れるため(個性を持つことで残れる)、ロータリーエンジンの開発に邁進して1967の実用化以来「走り」をテーマに日本最強のスポーツカーブランドを目指してきました。2012年にロータリーの火が消えると、「スカイアクティブ」なる新展開が始まりましたが、それ以降のモデルはどうも「部分最適化」された感が強く、なんとなく「良さそう」ではあるものの、いざ購入を検討するとクルマ自体にそれほど求心力・訴求力がない・・・。

  もちろんどれも「いいクルマ」だとは思います。けれども、「今買わないと絶対に後悔する!」とまでは残念ながら思わせてくれません。必要に迫られたならば「有力候補」ではあると思いますけど・・・。それ以上に欲しいと感じたのは、「ランエボXの最終型」「新古車として並んだRX-8最終型」「幻となった右ハン・マスタング」「ボルボS60T6ポールスター」・・・そして「GT-R」と「RC-F」。ここにアルピーヌの新型モデルも入れられそうなほど好印象です。

  アルピーヌの「ケツ持ち」になったルノーからも「RS01」というGT3のホロモゲーションを取得したモデルの発売が控えているようです。共倒れを防ぐためにも価格帯はかなりズラしてくるようで「RS01」はGT-Rのエンジンを流用して、フェラーリ488GTBを射程に入れる「600psクラス」に、アルピーヌにはメガーヌRS用の直4ターボを使った「300psクラス」になるそうです。どちらもMRですのでシャシーの設計もある程度は共通化しているでしょう。元マツダのヴァン=デン=アッガーがデザインを監修したEVスポーツ「ルノー・デジール」に準じたボディが採用されています。奇抜な開き方をする「デジール」のシザーズドアまでは真似してないようですが。

  さてマツダが公開した「RX-VISION」ですが、フランスの国際自動車フェスティバルで最上級のデザイン賞を受賞したと報じられました。フランスでも「ロータリーを復活させろ!」という激が飛んでいるようですね。「600psクラス」のロータリー&HVスポーツ「RX-VISION」に加えて、ロードスターのシャシーを使った直4ターボ「300psクラス」の新型スポーツカーも追加して、ロードスターを含めた「松竹梅」の3段階のスポーツカー・ラインナップの構築を決断できるかどうか・・・判断が迷うところだと思います。

  現状のロードスターだけでは、どうもブランド全体の魅力を押し上げる力にはなれていないですね。これを続けるくらいなら三菱のようにスポーツカーから完全撤退して自信を持ちつつある「SUVの開発」に全力を挙げた方がした方がいいかもしれません。一方でトヨタ(レクサス)もホンダも3段階のスポーツカー(スポーツモデル)を日本で発売する方針があるようです。マツダがこれまでスポーツカーを売ってきた実績を考えれば、トヨタやホンダはそれほどの難敵ではないでしょう。事実トヨタはS-FRの販売を断念した理由として「ロードスターに勝てない」という発言がありました(新規提携先のマツダを神輿に乗せただけ?)・・・けれどもマツダの株価が安定するまで「成功」するかどうかは不透明です(危ない橋を渡る?)。

  トヨタに「ケツ持ち」になってもらって存分にロータリースポーツを作れ!みたいな、オッサンライターが言ってそうな他人行儀なクソ指南だけは賛同したくないですね。VW傘下で並び立つ「ポルシェ」や「ランボルギーニ」は親会社のブランディングにさんざんに利用された挙げ句に、作りたいクルマも満足に作れない、なんとも「ぼやけた」ブランドになりましたよね・・・。マツダが独力で作り上げたロータリーだから価値があるはず。アルピーヌのような弱小ブランドならともかく、グローバルで100万台を突破しているマツダならば・・・。


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posted by cardrivegogo at 00:53| Comment(0) | 輸入車 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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