2016年01月14日

マツダのAWDシステム強化に期待。

  マツダにはちょっと失礼かもしれないですけど、最近では新車を買う際にはよっぽどトンガったクルマを選ぶ予定がなければ、とりあえずマツダにしておこうかなとか漠然と思ったりします。だいぶマツダのモデルも知名度が上がってきて、マツダは広告費を積み上げてプレミアム化を宣言しているようですが、予想に反して世間では「堅実」なイメージが強くなりつつあるような気がします。ちょっと前までマツダ車こそがトンガった存在だった(マツダ乗りは変人)のですけども、いまではトヨタや日産、輸入車からも違和感なく乗り換えができる「まとも」なブランドになりました。いつしか「当たり前のことが当たり前にできるメーカー」になったわけですが、あくまでイメージは「堅実」です。

  例えば、カローラフィールダーのような「実用性」に秀でたいぶし銀の魅力を誇るクルマが、根強い人気を誇っています。なんだか昨今のマツダ車を眺めていて、マツダはブランド全体が結果的にカローラフィールダーみたいな存在になってきているのでは?という想いが沸々と湧いてくるのです。現実にはフィールダーのようなワゴンボディはアテンザにしか設定がないのですけどね。もし「ルノー・メガーヌ」や「プジョー308」のようにアクセラにもワゴンボディが追加されたならば、アテンザワゴンではちょっと大き過ぎると感じて他社へ流れる客を、あるいはレヴォーグのCVTがちょっと嫌だなと思っている客を捕まえられそうなんです。しかしマツダのコンセプトの中ではアクセラは「イタリア車的」なようで、このクルマは決して「VWゴルフ」ではなく紛れもなく「アルファロメオ・ジュリエッタ」を目指している!というブランドの意志が保たれているようです。せっかくマツダがアルファロメオ的な演出すら取り入れているにもかかわらず、それでも「カローラフィールダー」のような堅実性ばかりが滲み出てきてしまうのは不思議です。

  マツダを讃えるカーメディアは、しばしば何を基準に言っているのかわかりませんが、「マツダのクルマ作りの総合力は非常に高い」みたいな表現をします。確かに目に見える部分でボデー造形にも優れていますし、塗装技術も量産車の中では世界の頂点と言えるレベルです。その他にもブレーキの性能が良かったり、自社製マニュアルミッションの操作感が良かったり、枚挙にいとまがないわけですが、・・・RX7-FD3Sのような同時代のフェラーリやポルシェをも一蹴してしまうほどの個性こそが、数ある日本メーカーの中でのマツダ車らしさだ!という頭で考えてしまうと、ドイツ車的な堅実性を積み重ねただけのマツダ車は「カローラフィールダー」のような佳作に見えてしまうようです。

  アクセラやデミオにしても、先代までのエキセントリックで引っ掛かりのあるデザインに比べて、良くも悪くも「大人しく」なったと思います。一見しただけでは正面から区別が付かないくらいに似ている両車を見る度に、ファミリア時代に見られた、普遍的なデザインを「是」とする「マツダの小型車群」のデザイン魂が再び宿っているような気がするのです。トヨタのウィッシュ、オーリス、カローラフィールダーが同じようなマスクをしてますが、同じようにデミオとアクセラもそしてアテンザも含めてひとまとまりの「実用車」群に見えてしまうのです・・・。

  価格設定はトヨタよりもかなり強気で、高いグレード(Lパケ)もガンガン売れるようになったマツダ。もちろんメーカーが一丸となって取り組んだ成果は至るところに出ていますし、トヨタ、スバルを販売価格で上回り、メルセデス、BMWに競合する価格になってもマツダが売り上げを伸ばしているという状況は、もはや一過性のブームではなくブランドの格が上がったと解釈してもいいと思います。それと同時にマツダに行くよりルノーに行く方が安くクルマを買えるという逆転現象すら起こっています・・・。マツダの一時代を築いたヴァン=デン=アッカー氏が提案する新しいルノーは、個性的なデザインと魅力的な価格設定で日本市場で2014年には4000台を2015年には5000台をそれぞれ突破しました(輸入車トップのメルセデスが1ヶ月で売る台数ですけど・・・)。

  マツダがこれまで追いかけてきたVW・BMW・アルファロメオがいつしか不調に追いやられて、改革を余儀なくされる中で、デザイナーを引き抜くなどマツダを手本にして成長を遂げているルノーに追いかけられる立場になりました。これはちょっと危険な兆候だと思います。追いかける相手を見失った時のマツダはしばしば迷走しがちなのは時代が証明しています。フェラーリやポルシェを追いかけてFD3Sを作ったり、ホンダやBMWを追いかけてアテンザを作った時期をそれぞれにマツダの「躍進期」とするならば、さらなる躍進のためにも新たに「倒し甲斐のある」ターゲットを見定める必要があるわけですが、いまマツダの眼前にあるブランドは・・・どうやらスバルになったみたいです。複数のカーメディアを通して、マツダはスバルのようなAWDの権威的なブランドを目指すことが発表されました。

  パワーユニットの開発が一段落したマツダにとっての次なる技術的なブレークスルーは、ラインナップの総合的なAWD化による「他社との差別化」にあるようです。マツダは決してカローラフィールダーでも無ければ、ルノーのお手本でも無い・・・、あくまで尊敬される「実用車ブランドの雄」を目指す・・・そのためにも「ガソリンエンジン並みに静かなディーゼル」の次は、「2WDよりも燃費の良いAWD」の開発が急務なんだそうです。AWD化によって燃費が向上する!そんなことが実現可能であるならば、とっくにスバル、三菱、アウディ、日産のどれかが作っているのでは?という気がするんですけどね。それでももしマツダが自信をもって「完成」を宣言するなら喜んで試しにいきますし、それに満足できれば喜んで買わせて頂きます!・・・しばらくマツダ車の購入はないかなと思ってましたが、なんだかウキウキするこの頃ですね。

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posted by cardrivegogo at 01:40| Comment(2) | マツダの戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
HIROBEEさん こんにちは
いつも興味深く拝見しております。

ジュニオールです。
2回目の投稿になります。
「4WDで2WDを上回る燃費」
最近、技術革新を連発するマツダ。
上回るのはどうかと思いますが
同等までは持っていく自信はあるのでしょう。

それより気になることが・・・。

CX-4(仮)のスクープ写真を見て
CX-5を所有し、マツダ党を自任する私も
もうお腹いっぱいな感じがします。

次のデザインコンセプトがどんな感じになるのか
期待と不安? でも興味津々です。
Posted by ジュニオール at 2016年01月24日 17:51
コメントありがとうございます。

マツダも11月から日本で影響(VWディーゼルショック)が出ていて
なかなか大変みたいですね。

確かにどこまで「赤&魂動」で押し通すつもりかな?
ってファンの方が心配になってきますよね。
それすごい良くわかります!

SUVもスポーツもセダン&ワゴンのいずれも
まともで競争力があるとは思いますけど、
やっぱりファンにとっては、
「何コレ?(でもカッコいいぞ!)」こそが
マツダらしさですから、
「珍車」のオーラがやや出ているのが欲しいですね。

Posted by CARDRIVEGOGO at 2016年01月26日 01:15
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