2015年09月22日

NCとND。シルバーウィークはロードスターのためにある?

  今年から始まったシルバーウィーク。5連休それも連日の良い天気の予報ともなると日帰りドライブなどもかなり分散化されるはずなで、東京周辺の混雑する有名ドライブルートを走るには絶好のチャンスかもしれません。土曜日までしっかり働いて疲れていたはずなのに、ドライブ好きの本能か?20日(日曜日)のAM3時に目が覚めて衝動的に走りだしました・・・。

  いつもは埼玉や山梨のマイナーな峠で気楽に走るのですが、シルバーウィークの名所の様子でも取材してやろうと思い立ち、芦ノ湖&伊豆スカイラインと長野ビーナスラインで迷いましたが、駐車場を出て寝ぼけながら左ウインカー(関越・R299方面)を出していたので、長野路へ向かうことにしました。早朝なので高速など使わなくても下道で3時間もあれば長野県・佐久市まで行けます(関越経由なら1時間半)。・・・この選択により後で思わぬコース変更が! なんてことは全く知らずに、R299を使って飯能〜秩父〜群馬県上野に至ります。

  途中の埼玉・群馬の県境に志賀坂峠がありますが、つづら折り区間に入る直前までの埼玉県区間はなんと50km/h道路。この道はあくまで国道ですが、埼玉県山間部の道路行政は相当なクルマ好きの人がやっているのでは?と思えるくらいに走り甲斐があります。また埼玉県警がこの地域でねずみ獲りをしているシーンは見た事ないのでヘンなプレッシャーもないです。R299には直線区間から急カーブ区間に突入する辺り(まあ事故多発なのでしょうが)に速度警告板なるものが設定されていて、制限速度を越えて進入すると「速度オーバー」の表示が出ます(取締はなし)。同じく関東山地を越えるR20(甲州街道)やR411(青梅街道)にも見られるので、ほぼ毎週のように見かけますけど、アレは非常に優れた機械ですね。とりあえず速度を緩めようって気にさせてくれます。あくまで知人から聞いたはなしですが(笑)、30キロ以上オーバーして進入すると「37キロオーバー!」みたいに具体的な数字で警告されるみたいですよ・・・。

  6時半に長野の佐久につく予定で、中間地点の秩父も予定通りの5時に通過。上野村から先の群馬・長野県境の峠は、「県道124号のぶどう峠」、「R299の十石峠」、そして「県道45号&93号の田口峠」の3つのルートがあります。どの峠にも個性があって楽しいのですが、佐久市に向かう利便性を考えて今回は最も北にある田口峠を選択しました。ちなみに避暑地・清里に向かうぶどう峠はこの3つで最も標高が高い(1510m)ですが、路面はもっともキレイなので、低床のスポーツカーなら迷わずこのルートでしょう(先日アストンマーティンに遭遇)。ただし早朝からそこそこ通行量もあり、バイクも多いのが少々難点です。R299の十石峠は(あくまで印象ですが)落石が多く、しばしば補修のための通行止めが発生していて、並走する林道を迂回路として開放していることが多いです。しかしこの林道が難物で、やたらと蛇行していてナビで見ていると数キロも逆の方向へ進んだりします・・・。路面状況も悪く低速コーナーばかりなので、ジムニーみたいなクルマで冒険気分を味わうにはいいかもしれませんが・・・。

  今回通った田口峠は道幅こそかなり狭いものの、これまで一度も対向車に遭遇したことがないので全く不自由を感じた事はないです。狭い区間は比較的に直線で遠くまで見通せることが多く、峠付近のつづら折り区間は逆にかなり広く作られているので、慣れてしまえばかなりドライビングに集中できるとても楽しいコースです。個人的には3本の中でアテンザに一番合っているなと感じます。ディーゼルはともかく、自然吸気ガソリンのマツダ車は比較的細いトルクを補うために、ブレーキングの回数を減らし、クイックなハンドリングでロスなく進むという走法が自然と身に付くようです。これが想像以上にエコな走りのようで、燃費は車検時からの平均で11.0km/Lですが、峠を越えると11.1km/Lになったりします。しかしブラインド&低速コーナーばかりの十石峠だとマツダ車の良さが引き出せません・・・。

  さてせっかくのシルバーウィークなんだからいつも走っている峠はスキップして、さっさと関越で佐久まで向かえば良かった〜・・・と思い知らされるのが佐久に着いてからで、佐久〜白樺湖を結ぶスポーツカー好きにはたまらない峠ルートの「蓼科スカイライン」の入口に差し掛かったところでした。「9/20(日)ヒルクライム大会の為に6時半より通行止め」の表示が・・・。佐久から白樺湖までを直線的に結んでいるのがこの峠道で、迂回路となるとはるか南のR299「メルヘン街道」かはるか北のR142「中山道」があって、あとは生活道路となっている県道を走らせてもらうかという選択になります。すでに県道45&93号で満足気味なので「もう帰ろうかな・・・」といった思いが頭に浮かぶも、とりあえずヴィーナスラインの混雑状況を視察するのが目的だったことを思い出し、どうせだったらとことん観光道路を走ってやろう!ということでR299「メルヘン街道」を進むことにしました。

  佐久から佐久穂まで南下・・・天気は予想に反して曇り空・・・、まだ7時前ですがさすがは観光地が沿道にひしめくメルヘン街道だけあって「練馬」「横浜」「袖ヶ浦」「高崎」などの県外ナンバー車ばかりです。車種もR45&93号には絶対に入ってこないようなミニバン、SUV、コンパクトの王道ファミリーカーばかり。ちょっと偏見があるかもしれないですが、「練馬」は国産コンパクト&ミニバン、「横浜」は現行輸入車(ポロ、ルーテシア)、「袖ヶ浦」は絶版の輸入&国産(アルシオーネいました!)、「高崎」は国産ミニバンでも3ナンバー主体。わたしは「多摩」ですが・・・どう見られているのだろうか?

  メルヘン街道(R299)は途中の麦草峠で2127メートルと日本で2番目に標高の高い国道ですが、佐久穂側は中高速コーナーが印象的で、箱根ターンパイクみたいです。途中のレストハウスの駐車場に停めて外に出ると、とんでもない極上の眺望にビックリ!!!浅間山が雲海の上で朝日を浴びて佇んでいています。なんだかヒルクライム大会やってくれてありがとう!おかげでこんな素晴らしい景色が見られたよ。なんかとっても得した気分(笑)。クルマに戻ってマップでルートを確認していると、スポーツカーのマフラー音が響く(ライトウエイトだな)・・・、ガラガラの駐車場なのにアテンザに吸い寄せられるかのように横付け。はぁ?と思って目をやると「高崎」のNCロードスターに年配の夫婦(もちろん幌全開!)が・・・。旦那さんがステアリングを外して下車。なんだぁ?あれは?F1か???

  特にその場ではそのロードスターを「趣味車」くらいにしか思わなかったので、さっさとルートに戻り登山客でごった返す麦草峠を越えてその先の展望台まで行きました。再び風景に期待して停めるも、さきほどのレストハウスのような眺望は無くがっかりしてクルマに戻る。ちょっと腹ごしらえをして出そうとするとさっきのNCロードスターが目の前を一閃・・・。やはりカッコだけでなく、本気モードの峠仕様だったようです。とりあえずどれだけ凄い走りをするんだろう!とミーハー気分で追従・・・。とくに派手なリアスポーラーがあるわけでもなく、カラーもほぼオリジナルなのですが、足回り周辺からハイパフォーマンスカー独特のしっとりした所作が伝わってきます。エンジンがノーマルだとしたらLF-VEのハイチューン版、こちらは同じ設計の直噴型LF-VD・・・。しかし直噴の初動の良さとタックインだけで、軽量、MT&FRに立ち向かうのはあまりにも無謀です。どうやら相手はまだまだ余裕がありそうで、あまり近づくと軽くちぎられるのは間違いないです。「多摩」や「八王子」のロードスターならほぼファッション車でしょうけど、「高崎」ですからよくわからないけど、この走りから見ておそらく・・・リアル・頭文字Dに近いクルマなのでは?

  秩父で見かけるS2000よりもさらにしなやかな後輪サスの挙動を見て、素直にマツダってすげ〜!って思いましたね。NCロードスター探そうかな(笑)。視点はずっとロードスターのリアに釘付けだったこともあり、無意識の内に相手のミラーにアテンザがデカデカと映る間隔(といっても5台分は開けてます)まで迫ってしまい、ドアミラー越しにドライバーの顔も見えます。やばいと近過ぎた・・・とっさに相手のペースアップに備えていつでもシフトダウンできる状態で待ち構えます。案の定ですが相手がスピードを一気に上げます・・・というかこれは凄い!FR車とは思えない予想以上のペース!さすがに危険過ぎるからほどほどにと思いつつ、2速に入れるとこちらもエンジンが一気に5500rpmへ、さすがにこのペースではシャクると思いきや意外にデリケートな挙動で臨戦態勢へ・・・「あれ?GHアテンザどうした?」。まるでいつもとは違う舞台にいることが解っているかのようにやる気満々です。

  しかしロードスターの素軽い加速には全くといっていいほど及ばず(バカできる歳でもないし)・・・。もうちょっとじっくり見たかったな〜。けれどもGHアテンザの意外な面が見れて良かったです!やや戦意喪失&ヘンな汗かいた後の虚脱感に包まれながらビーナスラインへの連絡道路に進むも、帰ってシャワー浴びたいみたいなという「しずかちゃん」シンドロームに襲われややホームシック気味に・・・。ビーナスラインへは向かわず、佐久へ戻れる県道40号を北上するルートへ変更してゆったりと進みます。初めて走る道をしばらく進むと、左手に眼下一望できる開けた展望台があったのでとりあえず停めてみます。展望台に立つとさっきまでの曇天から午前中の気持ちのいい日差しが降り注ぎ、長野県らしい?柔らかな光の中に草原の尾根道をクルマがゆったり走るのが見えます。もちろんその道がビーナスラインなわけですが、遠くから一望するとなんともダイナミックに稜線を越えていくんですね。ここからの眺めはとっても良かった!地図でもユーチューブでも見られないビーナスラインの最も美しい姿だと思います。西向きなので「夕日の丘」となってますが、午前中の景色もとってもいいです。

  この景色にすっかり気分が良くなり、せっかくだからビーナスラインの様子も見てくるか・・・と今来た道を引き返して、ビーナスラインに戻りました。さすがは「全国区」の観光道路だけあってナンバーもあちこちから来てます。「京都」「尾張小牧」「岡山」「つくば」などなど・・・。車種もメルヘン街道とは大違いで、新しいモデルがやたらと目立ちます。「CLS220」「CX3」「NDロードスター」などなど。そういえばGHアテンザも納車された月に嬉しくてすぐにビーナスライン&八ヶ岳高原ラインを走りにいって泥水かぶったっけな〜(笑)。納車されたばかりの人の割合が実際に多いかどうか定かではありませんが、こういう道路はクルマに対してポジティブな人ばかりが集まってくるので、なんだか不思議と走っていて気持ちがいいです(もちろん景色のおかげもありますが)。

  ビーナスラインは標高1600m前後の尾根道ですから、ほぼ全線にわたって見晴らしの良い展望台があり、停めたい欲望にかられますが、この道の魅力は箱根の芦ノ湖スカイラインのような遠望があり、仙石原のような草原の道でありと、様々な美点がたくさん詰め込まれていて完成度がやたらと高いところだと思います。もちろん大分の「やまなみハイウェイ」など、素晴らしい道は日本中にあるわけですが、3大都市圏のクルマ好きが集結する長野というロケーションも相まって、間違いなくここは日本のドライブ文化の中心地だなと思います。

  そして箱根でも同じことが言えますが、長野の有名ドライブルートに集うのが、やっぱり「マツダ党」ですね。マツダの全国シェアの2〜3倍もしくはそれ以上の割合に達するかもしれません。なんといってもビーナスライン往復の1時間30分程度でGHアテンザを3台も見かけましたよ!しかも1台は希少な後期型です(ワゴンでしたが)!そこそこ混雑している第三京浜を往復しても1台も見当たらないのに3台って・・・。他にもNA、NB、NC、NDロードスター、RX-8、デミオ、アクセラ、プレマシー(帰りの関越でミレーニアも)・・・。ロードスターは4世代それぞれに全く別のクルマのように見えます。

  リトラが不思議と日本のスポーツカーであることを主張するようなNA。その逆で欧州のひと昔前のスポーツカーのように見えるNB。やっぱりどこかラグジュアリーな雰囲気が漂うNC。その逆でエクステリアからは高級感が出てこないND。改めてこういう道路で出会ってみると、所有したいなと思えるのはNCですね。あの凄まじい走りを見せつけられたのもありますが、フェンダーが強調され、4輪の踏ん張り感があってこそ「優雅さ」が備わる?これがラグジュアリークーペデザインの肝なんだなと改めて感心させられます。

  これだけ「ビーナスライン」で人気があるのだから、マツダももっと気ままで自由なドライビングカーをあれこれ作ってみてはどうでしょうか? なんて言われるまでもなく、フランクフルトで「越(こえる)」というコンセプトモデルが発表になりました。マツダ版のV40クロスカントリーか・・・いやいやマツダ版のマカン! ディーゼルでBMWやボルボと戦っても歯ごたえないですから、ぜひ新型ガソリンターボ350psでポルシェに対抗してほしいですね。

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ラベル:ロードスター
posted by cardrivegogo at 09:40| Comment(0) | ロードスター/RX7/RX8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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