2014年09月25日

アテンザMCのサプライズは内装?

  アテンザ・アクセラ・デミオと3年連続のFMCによって、マツダのブランドイメージは大きく塗り変わり、マツダ車に憧れる一般人(マツダファンじゃない人)が多くなっているみたいです。交わされる自動車に関する会話でもっとも頻度が多いものが、「最近のマツダはカッコいい!」ではないか?と思います。ここ数年のマツダの強烈なまでの発信力はちょっと前にはなかなか思いつかなかったですね。ただ残念なことに日本でマツダが圧倒的に売れているというわけではないんですよね。今売れているクルマといったらホンダ・ヴェゼル、スズキ・ハスラーであって、日本市場ではマツダの軽を含む全ラインナップの販売台数を合計してもヴェゼルに及ばないです。

  それほど売れてないけど話題になる!ということは、マツダ車が少々手を出しにくい価格帯にシフトしつつも、話題にせずにはおけないほどブランドの魅力が上がったといえるのではないでしょうか。マツダの「プレミアムブランド化」をどれほどの人が真剣に受け止めたかわかりませんが、確実にメルセデスやBMWのようなプレミアムブランドが持つ「説得力」みたいなものは備わってきたようで、新しく登場したデミオも発売前からどこまで高級になるのだろうか?とマツダのブランド志向を前提とした予測があちこちでされていました。レクサスやアウディのモデルを見ると、トヨタやVWと差別化して作られていますから、やはりクルマ自体に説得力があると感じるわけですが、マツダもクルマの出来では多くの人を唸らせているようです。

  「魅力」といっても車種によって意味合いは大きく違います。CX5同様にディーゼルに大きく引っ張られたアテンザ(デザインも原動力かな)と、内外装のステージを一気に上げることで注目されたアクセラでは注目度を集めるアプローチに大きな違いがあったと思います。アテンザのFMC時はデザインとディーゼルばかりに話題が集中して、内装は従来のままといった印象でしたが、アクセラではアテンザとほぼ同等の質感を持ち込んだことで大きなセンセーションを呼びました。この辺はVWゴルフに対抗するためにアイディアの大部分を消耗してしまったことで、マツダらしさが薄いのが少々残念ではありましたが・・・。

  初代アクセラはHBもセダンもそれほど派手なデザインでは無かったのですが、360度どこから見ても隙がない緻密なデザインというだけで非常に価値があります。斜めから見ると日本車はブサイクという一般論がありますが、マツダはかつてRX7FD3Sとユーノス500でこのジンクスを見事に跳ね返しました。そのノウハウを動員すれば難しいことではないかもしれませんが、再建へ向けて新生マツダのテイクオフを記念したこの初代アクセラのデザインの仕事ぶりには頭が下がります。さらにこれを皮切りにマツダデザインは新しい次元に突入し、その後3代全てのアテンザを通してその”奥義”は継承されています。

  2代目(先代)アクセラはキャラクターを出すデザインに走った結果、HBは狙い通りとても良くまとまりましたが、セダンのリアデザイン及びプロポーションの仕上げはちょっと首を傾げたくなる出来でした。Cセグセダンを現在の安全基準の枠組みの中でカッコ良くつくることは、どのメーカーにとっても至難の技のようで、ランエボ、WRX、アウディA3セダンそして現行アクセラセダンもいまいちデザインで惹き付ける魅力に乏しいです。

  現行アクセラはマツダらしさを強く打ち出すよりも、アウディやレクサスがこのクラスでより優れたコンセプトを発揮していることを認めた上で、アウディA3やレクサスCTをマツダのセンスで作り直してみました!とでもいいたそうな出来映えです。アクセラサイズ(Cセグ)がWRCのラリーベース車に採用されなくなり、「走り」の質を変えようというマツダの戦略が見えるようです。このクラスのHBはすでに「ホットハッチ」的な軽快でスポーティな路線は衰退気味で、むしろ上のクラスに匹敵するNVH性能を備えた「大人のハッチバック」というコピーが付きそうなモデルが主流になっています。

  そんな流れをいち早くキャッチしていたレクサスCT200hは、日本国内のファンに「中身がプリウス」と揶揄されながらも、独自の市場を確立しつつあります。WRXやランエボと同じくらいの乗り出し価格にもかかわらず、ここまで売れるのは不思議と思う評論家も多いようですが、世界のトヨタのマーケティングはそりゃ素人の常識を超えたところにあるんでしょう。CTの販売が予想以上に好調で、アウディも方向転換しA3の動力性能を削ぎ落して、VWゴルフの乗り味を仕上げてよりコンフォートな乗り味を追求するようになりました。カーメディアではルノー・メガーヌのような走る気満々の「ホットハッチ」が絶対的な価値観で評価されているようですが、もはやCセグであの酷い乗り心地は完全にアウトです。

  アクセラもデミオも程度の差こそあれ、アテンザに準じる内装を獲得してマツダのブランドイメージは確実に前進しました。この3台の先代モデルの内装を比べると、誰にでも違いがハッキリ分るくらいに差が付けられていましたが、同時に台数が多くでるボトムグレードの内装がそのままマツダのイメージになってしまっていたように思います。デミオに乗ってもアテンザに乗っても、アコモデーションに大差がないから、デミオでいいかなという選択もこれから多くなるかもしれません。アテンザとしてはデミオにユーザーを奪われていては話になりませんから、クルマとしての実力を今一歩前進させるような「サプライズMC」がアテンザにあるのではないか?という気がします。

  レクサスISや新型メルセデスCクラスがDセグセダンの内装面で目立ったところを見せていますが、この2台に迫るようなハイセンスなインテリアを展開する「スーパーグレード」が導入され、マツダが東京オートサロンに参考出品していた静粛性とオーディオ性能を高めたアテンザの技術をいよいよ市販化するような予感がします。アメリカ雑誌ではアテンザの「Minor trim changes」がいよいよ予告されました! メルセデスCクラス上陸のタイミングに合わせてカムリのビッグMCやマークXの特別仕様車を送り込んでくるトヨタの商魂は逞しいですが、マツダにも来年の上陸が噂されるCクラスのクリーンディーゼルを迎撃する「アテンザXD」の特別仕様車を期待したいです。アクセラでアウディとレクサスに喧嘩を売ったのだから、相手がメルセデスだろうが堂々と正攻法で対峙するくらいしてくれてもいいはずですが・・・。


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posted by cardrivegogo at 04:04| Comment(2) | GJアテンザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
マツダが生き残るためには他社と同じではだめなのですが、仰るように日本を見ず、海外と同等のモデルを開発しないといけない。

しかし、これはモデルの高級化につながり、マツダには利益が入る…。
デミオとポロ
アクセラとゴルフ
アテンザとCクラス

しかし、国内だと今までのユーザーを失うのではという気もします。難しいところですよね。

ただ、今後マツダがぶれることが無いように頑張ってもらいたいものです。
Posted by クリュー at 2014年09月26日 23:47
クリューさんこんにちは
コメントありがとうございます

増税のせいもあって、マツダ車もじわじわと割高感出てますね。
もちろん輸入車と比べればまだまだお買い得感十分ですが・・・。
「Lパッケージ」は内容を見ると結構お得で、
マツダの世界観を堪能するなら絶対にコレ!だと思うのですが、
アテンザだと乗り出し400万オーバー
アクセラやCX5もメルセデスA&GLAとほぼ同じ300万円オーバー
もう十分にプレミアムブランド化してますね・・・。
Posted by CARDRIVEGOGO at 2014年09月28日 04:38
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