日本車が次々に成功していると感じるのは、やはりこれまでの日本車に対するハードルが低過ぎた部分があったと思います。それゆえにアテンザがプレミアムブランドのDセグセダンと対等に比較されるようになり、アクセラがゴルフへの最大の挑戦者と見做されるようになった!というだけで、マツダファンとしてはテンションがMAXになりましたし、いまでも信じられない気持ちでいっぱいです。その一方でロードスターはというと、マツダが世界のあらゆるライバルを突き放して大成功したライトウエイトスポーツというジャンルに位置することから、もうすでに絶対的な評価が確立していると言えます。そうなるとこれはもう嫌な予感しかしないですよね。どれだけ気合入れて作ったところで、さらに上に位置するターゲットになるようなモデルなんて存在しないですし、従来のロードスターの地位がそのまま維持されるだけ・・・というのが何とも歯痒くてややスペクタクルに欠けます。
まあ新型ロードスターに期待するのもいいですが、やはり持ち前の「技術力」と「センス」と「アイディア」そして「情熱」をフル活用して、世界の超一流ブランドのクルマに肩を並べてしまう!という姿こそがマツダのお家芸であり、多くのファンを熱狂させる愛すべき所だと言えます。20世紀のマツダの多くのモデルの中で、「らしさ」を見せた最高傑作と言われるスポーツカーがRX7-FD3Sです。RX7の初代に当たるサバンナRX7はポルシェの入門モデル「924」のパクリデザインに批判が集中し”プアマンズ・ポルシェ“という有り難くない蔑称を貰ったそうですが、ポルシェへの復讐を誓って雌伏の時を過ごした後に完成した3代目のFD3Sはその類希なるスタイリングが欧州でも北米でもポルシェ以上に高く評価されました。
イギリスの「テレグラフ」が選ぶ20世紀の名デザインベスト100では見事に日本車最上位の12位を獲得し、かつてパクリと蔑んだポルシェのほとんどの量販モデルよりも上位となりました。またアメリカを代表するスーパーカー「シボレー・コルベット」の5代目がなんとFD3Sをコピーしたようなデザインで登場するなど、全世界にわたってマツダデザインの素晴らしさを伝える大きな契機となったモデルと言えます。もちろん走行性能においても超一流で、コーナーリング性能ではあらゆるスポーツカー(MR車も含む)を完全に超越した存在だったと言われています。
それだけの実績を備えたマツダなのですが、そんな過去のことは「知らない」もしくは「とっくに忘れた」とばかりに、カーメディアには上から目線で「最近のマツダはなかなか立派!」みたいなナメ腐ったコメントが躍っているのを見かけます。そしておもむろにドイツブランド車が賞賛されている文脈が続いていたりすると、メルセデス、BMW、アウディが一度としてRX7を超えるデザインのクルマを出したことがあるのかい?と思わず訊きたい気分になります・・・。最近の円安基調と販売好調でやっと余裕がでてきたマツダは、日本にゴロゴロいる頭の中がドイツ車一色で腐っている評論家を業界から抹殺するために、いよいよメルセデス、BMW、アウディ、ポルシェを同時に仕留められる「究極の」4代目RX7の開発に着手したようです。
どうやら今度のRX7は得意のライトウエイトではなく、ドイツブランドが得意な「ラグジュアリー・クーペ」にわざわざ路線を変更したようで、とりあえずトヨタがBMWに開発・生産を委託した新型「スープラ」の発売にぶつけてスープラの注目度を上手く利用して、歴史的な名車の復活をトヨタとともに祝う腹づもりのようです。日本でも間違いなく注目度が集まるであろうスープラの復活。そしてそれを手掛けるのがマツダが全モデルでライバル視しているBMW!これは千載一遇のチャンスであり、もう二度と無い晴れ舞台かもしれません。 「アテンザvs3シリーズ」「アクセラvs1シリーズ」「デミオvsミニ」「CX5vsX3」「CX3vsX1」「プレマシーvs2シリーズAT」とことごとく一般モデルにおいてBMWキラーぶりを発揮しているマツダですが、「RX7vsスープラ」で負けてしまってはこれまで積み重ねた「vsBMW無敗記録」が完全に色褪せてしまいます。
それでもマツダにとってはこの戦いの勝算は十分すぎるほどのようで、そもそも「ロータリー」というアドバンテージは絶対的です。小型で高性能なエンジンはスポーツモデルにおける設計の自由度に大きく貢献しますし、デザインの可能性もさらに広がります。FD3Sが超絶デザインを達成出来た背景には「ロータリーエンジンモデルである」ということが絶対に不可欠な条件としてあったようです。得意のデザインで強みを発揮しつつ、ロータリーで設計上のアドバンテージを築き、なおかつBMWに負けない足回りとハンドリングを作り上げ、そしてレクサスにひけをとらない豪華な内装を持ち込むという、マツダの自動車メーカーとしての総合力を問われる一大プロジェクトになりそうです。
まあマツダにはハングリー精神で、想像を軽く数倍も上回るようなもの凄い4代目RX7を期待したいですし、10年前からとっくに世界の頂点に立っているマツダデザインの素晴らしさが、未だに分らないというセンスの欠片も無い「輸入車至上主義」を掲げるユーザーや評論家が、思わず首つり自殺したくなるような「決定的」なクルマになってほしいですね・・・我ながら性格悪いなと感じます。まあジョークなので悪しからず!
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日頃よりこちらのブログを拝見させて頂いております。
共感する記事の多さに楽しく読んでおります。
しかし、今回の記事はキレッキレッですね(笑)
思わず初めてのコメントを入れてしまいました。
私自身の所有する車はBLアクセラスポーツです。
社会人になり先代デミオスポルト、現行デミオ13cと乗り継いでおります。…広島県人、現山口県在住です。
マツダとゆう地方メーカーが過去に大きな浮き沈みを経験し、資本関係に作る車を制限されてきたように思われますが遡るとコンセプトがはっきりしている。
随所に本質を磨きあげた車をリリースしていますが、国内大手メーカー派には安物、ドイツ派には模倣と未だ地方に在住しているとポジショニングはいまいちです…
社会人になりデミオ購入のためディーラーに行ったところ営業の人に「親戚にマツダ関係者でもいるのですか?」といかにもなぜマツダチョイスなの、みたな事を言われました(笑)
「新しいマツダ」の車達はまちがいなく錚々たるビッグネームに肩を並べていますね。
間違えました、「vsBMW無敗記録」でしたね^^
本当に車の本質部分では手抜きなしの一品です。
しかしこの本質部分に目を向けないのが日本人です。
マツダ規模のメーカーではやはり手の届かない所がでてきますね。
内装面などいい例ではないでしょうか。と、国内大手メーカー派が言っております。
マツダ規模のメーカーが、マツダなりの価格の車で錚々たるビッグネームと張り合っていくのが楽しみでたまりませんね。
80〜90年代の頃、私はトヨタVSベンツ
日産VSBMWという構図を
思い浮かべたことがあります。
しかし、その状況は変わりましたね。
やはり、zoom-zoomを打ち出して以降
マツダが完全に国外に目を向けたことで
飛躍的に車が変わったと思います。
私にはこの転換はあの新車が出せない
大変な時期があったからだと思います。
さらに「真似る」という言葉「学ぶ」という
言葉が生まれたと言われていますよね。
外から見ると当初はマツダのデザインは
欧州メーカーの模倣に見えたかもしれません。
しかし、欧州を目標として開発したことで
だんだんと経験を積み上げたことで
そこからオリジナリティができたと思います。
だからこそ、今のマツダは他メーカーより
デザインが素晴らしいし、魅力があると思います。
また、他の技術にしてもこつこつと積み上げた
ことがSKYACTIVに繋がったことは言うまでもありません。
マツダが国際舞台で対等な戦いを展開しようと
目を向けたことがマツダの底力を出したように
他の国内メーカーもやっと国際舞台に戦える車
出せるようになりました。
支離滅裂になってしまいましたが、
やはり窮地に陥った時に打開するために
必死になって頑張ったからこそ
今のマツダがある。そんな気がします。
だから、私はマツダが好きになりました。
初コメントありがとうございます(返事が遅くなり申し訳ありません)。
マツダのお膝元の広島や山口は、マツダ車がもっとメジャーな印象がありますが、そうではないようですね。
関東マツダでも、「なんでマツダなんですか?」って挨拶代わりに訊いてきますよ。
「日本の中型車で初めて欧州で成功したアテンザに誇りを持ってるからです!」とか「中型車ならアテンザとスカイラインの2択じゃないですか?」なんて熱く語ってしまいました。
ドイツに旅行いく人がいる度に自動車雑誌を頼むのですが、マツダとスズキの評価は全般的に高いように感じます。特にデミオとスイフトは日本車の良さを十全に発揮しつつ、ドライバビリティにも優れたクラスの頂点!みたいな扱いをされてます。同クラスのVWポロやシュコダ・ファビアは日本でのカローラかプリウス的な「ありふれた存在」のようです。
コメントから若いマツダファンの方とお見受けいたします。これからもマツダの素晴らしさを周囲に伝える啓蒙活動をお互いにがんばりましょう!またお気軽にコメント頂けたら幸いです。
コメントありがとうございます
やっぱりマツダは欧州デザインのパクリとか
言われることも少なからずありますよね。
クリューさんの仰るようにマツダデザインって
なかなか斬新と思いきや、他のメーカーの影響を大きく受けて
いるところもあって、先代モデル群だとプジョーだったり、
現行モデル群だとアウディだったりするのかなという気がします。
マツダとしては謙虚に全力で真似て学んで、そしてマツダらしさを作りあげていて、しっかりマツダが考えて手を加えていることで、「安易な模倣」に陥らないように留意されているみたいです。最近のアウディA3のネット広告を見ると、これ見よがしに赤のクルマばかりを使っているので、一瞬アクセラか?なんて思って見入ってしまうほどです。なんだA3かよって思って消しますが・・・。
アウディがマツダ人気に便乗したような動画広告を作るってなかなかブラボーなことになってますよね。私もクリューさんと全く同意見で経営危機に真正面から立ち向かうマツダのメンタリティには心酔しております。そんなマツダだから今後の10年でさらに凄いことをやってくれるんじゃないかと期待してます。
なぜ、マツダVS BMWと「勝手に」決めつけてるのでしょうか?
あなたの思い込みでしょうか?
私は今なら日本車ならマツダが良いと思っています。
しかしBMWと比べるのはちょっとどうかと思います。
ぜんぜん違いますよ。
マツダは良いクルマですが。
確かにメイドインジャパンのマツダと
アフリカ製のBMWでは、
工作精度や個体差が無視出来ないレベルですけど、
最近のマツダの初期品質もなかなか最悪という噂ですよ。
ひろさんが思っているほど、マツダ>BMWじゃないと私は思ってます。
BMWって乗ってみると結構いいクルマですよ。
ランフラットなのに乗り心地もかなり頑張ってますし。
それでもやっぱり買うとすれば、非ランフラットのアルピナですかね。
シフトレバーとサイドブレーキに拘っている両ブランドですから、
くだらない偏見はなしに比較してもいいと思います。
マツダのファンはたいていはBMWが好きですし、
アルピナのファンというのはクルマに詳しい方が多く
たいていはマツダの凄さがよく分ってますから、
特に気を悪くすることなんてないんじゃないですか。
1000万円以下のBMWオーナーの中には
クルマを知らない人が相当にいるようで、
変なプライドを持っている人がいるようですが、
そういう人には目を覚ましてもらうしかないですね。
最近のBMWは不甲斐ないですし、マツダも同じようなものです。
それでもカーグラフィックなどの大手メディアも
「マツダvsBMW」で度々盛り上がってますし、
レクサスvsインフィニティなんかよりも
直感的で楽しい企画になっているように感じます。
このブログは弱小ですが4000pv/日くらいの閲覧者様がおられますが、とくにこの件で不満を仰る方はいないのですが・・・。
会社のパソコンでネットを見ています(笑)
レクサスRCを見ましたが…赤!
はあ〜?
最近やけに赤を見ますね(笑)
アウディとか。
この前スバルディーラーの屋外に、赤いレガシィだかが置いてありましたよ(スミマセン詳しくなくて運転中チラ見でした)
これもマツダが起こしたムーブメント?(スミマセン表現が陳腐で古くて)
レクサスRCはクーペですよね?フェアレディZは2シーターですから、突き詰めたスタイルです。
RCを一瞬Zの対抗?…いやサイドが違いすぎる。
2シーターをためらう人は流れそうですね。
ロードスターをためらう人は86へって…トヨタレクサスいさぎよい車作りやがれっ!(言葉が乱暴でスミマセン)
って作ってますか。まあ私のレベルはこんなもんです。
スピンドルグリルは似合ってます。私はこのグリル好きです。
ってデカいグリルですね。これじゃあグリルシャッター必要ですねそりゃあ(笑)
コメントありがとうございます。
本当に赤が多いですよね。
メルセデスもレクサスもアウディも赤をテーマカラーにしたところで
マツダの"塗り"にくらべれば随分と安っぽく見えてしまうので
ほぼ「自爆」しちゃっている気がしますが・・・。
レヴォーグやWRX S4の赤なんて全く色気ないですから、
5年後の買取価格は衝撃的な低さになりそうです。
街で見る限りレヴォーグは黒がカッコいいですね。
GHアテンザを買うときに、VC36スカイラインクーペの中古も良く見ていたのですが、赤だけが150万円を下回っていて、ほかは200万円以上でした・・・。マツダとアルファとフェラーリ以外は赤は禁物な気がします。
BMWやメルセデスが4ドアクーペを乱発するご時世に、
堂々の2ドアを投入してくるトヨタ(レクサス)の余裕っぷりは
いいですよね!
RCも86も2ドアを強く意識しつつ、
違和感がない側面デザインは秀逸だと思います。
リアデザインが911、ケイマン、ボクスターの現行みたいに
気合が入っていてとても美しいので、
86の後ろにくっついて走るのは結構好きです。
RCもレクサス史上最高のリアデザインですね。
絶版モデルのSCもなかなかでしたが・・・。