2014年08月08日

コスパのマツダから極上のマツダへ

 ちょっと前までは「マツダを選んでおけばとりあえず後悔しない!」というくらいに、クオリティカー市場におけるマツダ車のコスパには絶対的な信頼感がありました。しかし年々高性能車の市場が縮小して次々と名門ブランドがフェードアウトしていく中で、たとえ有名ブランドであっても生き残りを賭けてなかなか魅力的までに価格を下げてきたりしています。もっともその手のクルマは、失礼ですが大抵はマツダ車よりもお粗末な造りなので、とりあえずはまだまだマツダの優位性は揺らがないですし、本質的な脅威にはならないかもしれません。

  しかし、近年は少々出しゃばり過ぎた感のあるマツダ車は、これまでのようにBMWやアルファロメオを追いかける側から、逆に他のブランドによって追いかけられる側になりつつあるようです。「アクセラXD」は豪華装備を標準装備とはいえ300万円という「セット価格」で販売されていますが、これに勝るとも劣らないコスパを発揮しているのが「ルノー・メガーヌ・ハッチバックGT220」で何と!新たに「317万円」で発売されます。ゴルフやAクラスのベースグレードが買える価格でルノーなら220psも出力が付いてくるわけですから、これはなかなか良さげです。強いて弱点を言うならば、一般的な内装の好みではドイツ勢やアクセラが優勢かもしれませんが・・・。

  現在「マツダスピードアクセラ(MSアクセラ)」は公式サイト上から削除されています。MSアクセラと同じように、系列のチューニングメーカーが作る高性能化した改造乗用車であるレクサスIS-FはベースモデルがFMCした後も、小変更を施したイヤーモデルが登場していて、どうやらRC-Fにバトンタッチするまで400psオーバーのハイスペックモデルは常設されるようです。マツダも2017年に予定されているらしい新型MSアクセラの発売まで、マツダ唯一と言える200psオーバーのモデルを残しておくべきだったのでは?

  MSアクセラのやたらと早い「店じまい」の理由としては、エンジン生産の合理化を推し進めるマツダ全体としての事情があると思われます。そしてマツダが「スカイアクティブ」と商標を打つほどに特殊性を強調する新世代ガソリン=レシプロエンジンはどうやら過給器が付くことを全く想定していないようです。そもそもマツダのエンジン開発部門のボス的存在の人見光男・執行役員の本によれば、「ガソリンターボは低次元な技術」と完全に切り捨てています。「オレは真のエンジニアとしてそんなくだらないもの(ターボ)は作りたくない!」みたいなことを仰られています。

  なんというプライドの高さ・・・「マツダはもはやBMW、メルセデス、アウディなんか眼中にない!フェラーリやポルシェでも作れないくらいの超絶エンジンのブランドになる!」という意志表示みたいなものですかね。なんか凄過ぎてマツダ好きの私にもなんだか付いて行けないのですが、とりあえず鳥肌が立つような興奮を覚えますし!スカイアクティブ車を買って陰ながら応援したいと思います。「ダウンサイジングを掲げたブランドは終了!」だからマツダは決してやらない!ということだそうです。フォード、ジャガー、ボルボが三者三様にダウンサイジング技術を競っていますが、かつての盟友はどうやら堕落していったようです・・・。

  とにかくマツダのガソリンエンジンは「ターボの否定」に始まり、とりあえず「HV」も試してはいますが、基本はどこまで行っても「NA」になりそうです。トヨタ・日産の上級モデルが全てHV専用車になり、スバル車が全てターボになっても、マツダだけはフェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニと同じ「NA」に拘る!という心意気がいいですね。基本的な考え方は「レクサスLFA」を当然のようにNAに拘って作ったトヨタの設計者の気高さを思わせます。余談ですがトヨタというメーカーは、そのハイエンドモデルを見ると絶対に踏み外さない「王道のストイックさ」がよくわかります。

  なぜマツダは海外市場がメインなのにターボを導入しないのか? ホンダも海外市場向けにダウンサイジングターボの採用に踏み切ったわけですが、まあフォードやホンダと同じことやっていても、とりあえず勝ち目はないでしょう。そして今のまま推移するならば、人見さんの言うようにメルセデス、BMW、アウディはどこかで行き詰まって自滅を迎えることでしょう。大変失礼ですが、乗っていて少しも楽しくないクルマが「プレミアムカー」だなんて笑わせてくれます。もちろんこれらのブランドには「AMG」「M」「アルピナ」「S」といった高性能グレードの部門があって、今でもなんとか面目を保ってはいますが。

  しかし残念なことに、マツダのクルマから人見さんの発言を裏付けるような「何か」が十分に発信されているか?といえばまだまだです。ここは一つ高圧縮スカイアクティブガソリンのV10エンジンでも作って、ラグジュアリーなミッドシップ(つまりスーパーカー)を作ってみてはいかがでしょうか? ダウンサイジングに堕ちていったブランドを批判するのならば、ぜひ「マツダは日本のフェラーリだ!」と高らかと宣言するマシンを期待したいです。
  


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posted by cardrivegogo at 23:07| Comment(2) | マツダの戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
CARDRIVEGOGOさん、こんばんは。
少し日が経ったブログにコメントいたしますが、気づいてもらえるでしょうか。別に試そうとするわけではありません。
そうですよね〜ターボを否定するのならば、大排気量に行きつきますよね〜
マツダは、その考えがあるのでしょうか?
マルチシリンダーを味わえるの?
そんなの待たなくてもと(マツダが)仰るのなら、再びアテンザをレンタルして、高速道を走ってみたいです。ディーゼルのレンタルは無いでしょうね〜
クラウンハイブリッドと乗り比べしたいです。
アテンザはクラウン3500ccにはさすがに負けるでしょうね〜
Posted by まか at 2014年10月05日 19:42
まかさんこんにちは
コメントありがとうございます。

マツダは中型の汎用モデルに特化しているから、
そこそこ競争力があるとは思うのですが、
トヨタや日産のV6NAセダンと比べると
少々寂しいグレード構成が残念ですね。
しかしクラウンもフーガも次はベースが2Lターボで
上級がHVという二段構えになりそうで、
高級セダンのイメージはさらに変わって行きそうです。

マツダはやはりポルシェに肩を並べるのは
ロータリーと割り切っているようですね。
それならばGT-Rの3.8Lツインターボ乗せたスカイラインに対抗して
ロータリーで武装した新型MSアテンザを期待したいです。

Posted by CARDRIVEGOGO at 2014年10月07日 00:34
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