2014年07月19日

新型デミオが公開! これは一体おいくらですか?

  4mを超えた全長に5ナンバー幅の1695mm・・・まだ学生の時分に愛用していた「カローラランクス」とほぼ同じ大きさになったと聞いて、新型デミオにやたらと親近感が湧いてきました。カローラランクスの思い出はいろいろありますが、まあ2人で旅行する分には小回りも効いて良かったですし、車内の広さも程よくフィットしていて、リアシートにものを置くのにちょうどよい距離でした。GHアテンザではブレーキ踏んだまま、後ろの荷物に手を伸ばすのはちょっと躊躇してしまいますね。

  このサイズのクルマの使い勝手が実感として解っているので、これからはこのクルマをどんどんオススメできそうな気がします。あと2年早く発売されていたら、実家のクルマもコレになっていたかもしれません。現行デミオは小さ過ぎて嫌と言っていた母ですが、新たにやってきたトヨタ・プレミオは逆にちょっと大きすぎるみたいで実家に帰る度に不満をたらたら聞かされます。母のようにアクア、ヴィッツでは小さ過ぎでプリウスやカローラHVでは大きすぎるというストライクゾーンが極端に狭い人は結構多いのかもしれません。

  さて新型デミオですが、なるほど写真で見ただけで先代よりも80mmホイールベースが伸びているのが実感できます。全長とホイールベースに関してはもはやVWゴルフに迫るサイズです。一方ワイドな欧州車と比べて車幅は100mmほどスマートで5ナンバー枠に収まっています(もはや税制面で何ら恩恵はありませんが)。クルマ経験の浅い私ですらカローラランクスがすぐに思い浮かぶくらいですから、かつて若年層のクルマとしてコアな人気を誇ったシビックやファミリアを連想する人なんかも多いかもしれません。スポーティで元気だったころのハッチバックの「復活」なんかもマツダの隠れた狙いかもしれません。

  ただし内外装は完全にプレミアム志向で、フィアット500やBMWミニを意識したようなコクピットは、ヴィッツやフィットとは完全に「別路線」であることを表しているようです。マツダには「デミオ」に満足できないユーザーをターゲットにした「ベリーサ」という上級モデルがありますが、新型デミオはこの2モデルのユーザーをすっかり呑み込んでしまうだけのキャパがありそうです。肝心の価格はまだ発表されていませんが、ベリーサよりもさらに高級感あるモデルになって118万円といった据え置き価格になるのかが注目です。

  国内におけるデミオのBセグ市場は、アクアとフィットHVによる飽くなき「燃費戦争」が厭戦ムードになっていますが、トヨタとホンダの意地の張り合いによる宣伝効果は思いのほか大きく、その影で欧州で評価が高いスイフトやデミオが居場所を失いつつあります。今ではこの両車は「経済性優先」のイメージは薄れ、軽快なハンドリングを愛するMTユーザーの間でしか注目されないクルマになってしまいました。今年になって鳴り物入りでフォード・フィエスタが日本に再上陸を果たしましたが、「ドライバー主義のコンパクト」市場はデミオとスイフトに占められていて大苦戦しています。小型スポーツカーのリバイバルもあってただでさえ市場が縮小気味なのに、235万円というロードスターが買えそうな価格で売ろうとする発想がちょいと理解できません。

  「目立つスポーツカー」「オシャレな内外装」「燃費」の3つが現在の日本市場でコンパクトカーを売るキー・コンピテンシーなんだと思います。もはや「価格」では軽自動車に勝てないですし、無茶なダンピングは三菱ミラージュのようにトヨタ主導の自工会が決して許してくれません。結局のところ普通車の限界は本体価格120万円くらいで、この水準だと国内製造では利益が出せないと言われています。

  そして残念なことですが「ハンドリング」や「ファントゥドライブ」だけで売れる時代でもなくなっていることは、マツダファンが一番痛感している部分でもあります。キビキビ走るマツダ車は確かに楽しいですが、日本の道路では「そうではない」クルマに前を塞がれて、時には4輪であることが恨めしく思えてくることすらあります。単純に一人で乗って気持ちよく走りたいだけならば、完全に2輪の方が優れた乗り物だと言えるんじゃないですか。駐車場を確保する必要もないのでランニングコストも安いですし、GT-R以上の加速が出来るバイクがスズキでもヤマハでも80万円くらいで買えちゃいます。

  そんなことをマツダが考えたのかは解りませんが、新型デミオは「オシャレな内外装」と「燃費」をこれまで以上に強く意識した様子が伺えます。基本のコンセプト自体は、欧米中で同時に業績を伸ばしている日産を手本にしているようで、ノート&ルーテシア(クリオ)のサイズに合わせて、ホイールベースとボディが拡大されました。パッと見るとルノー・ルーテシアに雰囲気が似てますが、去年のワールドCOTYでも絶賛されたルーテシアのデザインを手掛けたのはマツダ出身のオランダ人デザイナーですから、まあある程度は仕方ないですね・・・。

  しかし内装は日産ルノーを飛び越えて、アウディA1みたいな方向性を視野に入れているようです。そういえば、アクセラとアウディA3はいろいろとイメージが重なる点が多いですね。ボディサイズもそうですし、コクピットの雰囲気もそっくりで、やたらとネット接続を宣伝してましたし、ハッチバックのリアのまとめ方も同じデザイナーがやったような仕事ぶりでした。ただしセダンのデザインはちょっと距離があって、「うねり」が好きなマツダ派と「シンプルなライン」を愛するアウディ派の間で一生解り合えない平行線を辿りそうです。

  多くのクルマ好きに「走りの5ナンバー」の復活を高々と宣言しつつ、年齢を重ねて「安っぽいクルマには乗ってられない」という大人のプライドをも、アウディをキャッチアップしたコンセプトで包み込んでしまうマツダの小型車「プレミアム」戦略は、アクセラで一定の成果を挙げました。ナビがダメという意見こそありますが、「安っぽい」と切り捨てる意見は私の知る限りではほとんど無かったですし、「マツダは安っぽい」というイメージを一気に封殺したBMアクセラはマツダの社史に残る名車になるでしょう。その勢いが覚めやらないうちに、この新型デミオですから・・・これは間違いなく売れるんじゃないですか。日本中がデミオだらけになる?

  
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ラベル:マツダデミオ
posted by cardrivegogo at 16:46| Comment(2) | デミオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
cardrivegogoさんこんにちは!
いよいよ新型デミオがヴェールを脱ぎましたねぇ
個人的には「うわあ なんだかすごいことになっちゃったぞ」という感じです
外観はまあだいたいあんなもんだろうと予想できましたが、まさか内装があんなにお洒落さんになるとは思いもよりませんでした
ちなみに価格はガソリンエンジン仕様が約135万円から、ディーゼルエンジン仕様が約170万円からとのうわさです
前者に関してはだいたい現行の「スカイアクティブ」からお値段据え置きですね
・・・これ、もしかして欧州コンパクトを完全に喰ってしまうんじゃあないでしょうか?この価格でこれだけ綺麗なコンパクトカーを作れるメーカーなんて多分他に無いですよね
マツダ渾身の一台がどれだけの結果を残せるか、今後が楽しみですね!

P.S.新型の外観についてなんですが、ネットを見ていると「現行から劣化した」という意見を散見しました
確かに現行のデザインも秀逸なんですが、個人的にはより筋肉質になった新型のほうが艶かしくて好みですねぇ
あのフロントのデザインもなんとなく「鷹の爪団」の吉田君みたいで愛嬌があると思いますし、少なくとも「劣化」はしてないように感じます
cardrivegogoさんはどう思われますか?
Posted by yotta at 2014年07月19日 19:18
yottaさんこんにちは
コメントありがとうございます

あれだけ質感が上がっても
1.3Lガソリンの価格が変わってないなんて!ビックリですね。
最近じゃヴェゼルもハスラーも内装が良い感じで
どちらも大ヒットしてますから、
マツダも負けてられないとばかりに闘志がみなぎってますね。
ユーノスコスモの時代から「内装ならマツダ」みたいな自負は
社内にもかなりあるような気がします。

デザインに関しては「劣化」と言いたい気持ちもまあ解ります。
マツダファンはその辺のセンスないアホとは違うから、
そんなに解り易いデザインでなくてもいい!と反発したくなります。
先代・先々代のアテンザ、アクセラ、デミオは「普遍的オーラ」を
備えていて、いまでも十分にカッコいいですし。
マツダが「正攻法」のドイツ的デザインでも実力の違いを見せつける
ってのが「鼓動」デザインなんですかね。
いつの時代もマツダデザインは素晴らしいと思います。
Posted by CARDRIVEGOGO at 2014年07月20日 23:32
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