2014年07月18日

"鼓動"はマツダ版のバングルデザインなのか?

  14年に渡って続いたBMWのバングル・デザインは、今年に入っても4シリーズグランクーペやM3/M4とまだまだ新型車が登場していますが、いよいよフィナーレを迎えるようです。先日のジュネーブモーターショーで新たなデザインコンセプトが発表されましたが、来年もしくは再来年にも7シリーズのFMCが行われて以後順次5→1→3→2→4も新しいデザインへと切り替わっていく見通しです。ピニンファリーナという名門カロッツェリア(イタリアの車体製造メーカー)が主導して作られた7シリーズ・プロトは、i8の近未来的デザインとの共通点を持ちつつも、先代クワトロポルテ→ジャガーXJ→レクサスLS→メルセデスSと伝播している流行の「ラグジュアリースタイル」なハイエンド・サルーンになっています。

  同じくピニンファリーナが手掛けた先代クワトロポルテ(奥山清行デザイン)は、レクサスやメルセデスを巻き込んだ一代センセーションを引き起こしました。これをさらに発展させたハイエンドサルーンのコンセプトでマセラティと合意できず、それをそのままBMWに持ち込んだ案件なのか?もしくはBMWが破格の契約金を積んで「横取り」したのか?と余計な邪推をしていまいます。ビックリするくらいにオーラが無くなった現行クワトロポルテを見ると、もはやデザイン事務所の力は、エンジンやシャシーを開発する能力以上に影響力が大きくなっていると感じます。

  BMWとピニンファリーナがどの程度まで包括的に提携を結んでいるのかわかりませんが、次期3/5シリーズも新しいi8や7シリーズ・プロトに準じたデザインへ変わると予想されます。まさかとは思いますが、i8のデザインをそのまま3シリーズに移植した結果が、メルセデスCLAに何となく似ている形状に落ち着く!なんてこともあるかもしれません。ハイエンド・サルーンもお互いにどことなく似ていて、見慣れないとバッジでブランドを確認しないと見分けがつかないかもしれません。過去にホンダ・レジェンドや三菱ディアマンテのデザインを平然とパクっていたBMWですからメルセデスかレクサスのどちらかに近いデザインも平気で作るでしょう。

  そう考えると、完全にオリジナルだったバングルデザインは、BMWのブランドアイデンティティを確立する上では、良い仕事をしていたと思います。せっかくバングルという天才の元で手に入れた独特のデザインがあっさりと捨てて、新たなデザインテーマへ切り替わるのは、時代の流れとはいえなんだか悲しいことです。今後はトヨタとのコラボも予定されているとかで、同一ブランド内に複数のデザインテーマが寄り合う、マルチデザインブランドへと突き進んでいくかもしれません。もしくはメルセデスもBMWもインフィニティも似たり寄ったりのクルマを出す、ブランドの個性が薄まる時代の到来なのかも。

  さてマツダが現在次々と投入している「鼓動」デザインは、自動車メディアが大きく取り上げたことから、これまでのマイナーなブランドから一転して一般の注目を広く集めることに成功しました。ちょっと気になるのが、自動車メディアが挙って誉めるようなモデルというのは、得てしてその後に評価が急落したりすることが多いというころです。バングルデザインのE90BMW3シリーズも日本では「BMW史上最高」の売上を記録するほどに当初は絶賛されたものでした。

  ところが日本で爆発的に売れるクルマは海外ではさっぱりという例に漏れず、ドイツでは見事に惨敗し挙げ句の果てにアウディの後塵を拝む屈辱を味わいました。それに追い打ちを掛けるように直6エンジンを次々に直4に置き換えるなどしたため、日本でも「BMW神話」が崩壊し、やがて海外メディアで繰り返されるバングル・バッシングを日本のメディアも一部で模倣するようになり、BMWデザインの評価は今では不当なまでに扱き下ろすライターも見られます。

  バングルデザインの特徴を列挙すると「一見すると良さそう」「当初はメディアが絶賛する」「当初はブランドの販売が伸びる」といったところなのですが、これよくよく考えるとマツダの「鼓動デザイン」もなにやら同じ匂いがしているような気がします。アテンザ→アクセラで修正されたものの、「鼓動」デザインにはそもそもコミカルな側面があります。そして「鼓動」のもととなったコンセプトカーを見ると、フロント面は何かの生き物の顔を表現したような、「気味悪さ」が付随しています。これは「おさかな顔」といわれたバングルデザインとも符号します。

  もちろんマツダとBMWではもともとのブランドの重みが違いますから、デザインがブランドに与える影響も全く異なる結果を生むでしょうし、そもそも比較することがナンセンスとは思います。それでも従来マツダにしては安易なデザインだと思いますし、スポーツカー・メーカーというよりは社会インフラ・メーカー(プレミアムブランド?)としての顔が大きく出て来てしまった印象もあります。手前勝手で失礼ですが、やはりFD3SやGHアテンザセダンのような極限の「美しさ」にブランド生命を賭ける「孤高のデザインブランド」であってほしいという気がするのです。


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posted by cardrivegogo at 02:38| Comment(2) | BMW | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
「鼓動」ではなく「魂動」ですね。
GHデザインもスッキリしていてとてもいいデザインだと思いますが、GJアテンザのデザインをこよなく愛する私からすると少しばかり個性が弱いような気がします。アメリカや中国で成功しようと思えばあれくらいハッキリしたデザインにする必要があったんでしょうかね。確かに日本人の感性からすれば賛否両論あるかもしれません。私は好きですが。。
Posted by でみ at 2014年09月02日 10:17
でみさんへ 
コメントありがとうございます。

お恥ずかしい話ですが、
調子に乗ってマツダのブログを書いていながら
最近までずっとガチで間違えてました。
とりあえず直さなければいけないのですが、
未だに着手しておりません・・・。

GJアテンザセダンはなんと言ってもサイドのラインが
とても美しいですね。
GHアテンザセダンもやはりサイドのラインが
自慢で初代NSXやR35GT-Rといった
スポーツカーのサイドビューに通じるものを感じます。
日本の名車はやはり美しいな・・・とひとり悦に入っています。
Posted by CARDRIVEGOGO at 2014年09月04日 21:46
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