2014年07月11日

残念ながらアクセラはもう時代遅れだ・・・

  CセグのHB&セダンで展開しているアクセラですが、目一杯にデザインを頑張ったところは賞賛できますが、旧態依然のボディタイプのままではシビックやカローラの乗り換え需要を取込むのが精一杯だったかもしれません。やはり時代の流れには逆らえず、ほぼ同タイミングでデビューしたホンダヴェゼルに大きく離される展開になっています。かつて「日本はHB不毛の地」と言われたみたいで、その後もミニバンやSUV、コンパクトカーのブームが次々と起こりましたが、なかなかCセグHBが陽の目をみることはありませんでした。

  トヨタが現行オーリスで「話題のCM」や「ガンダムとのコラボ」をしてまで売りにいきましたが、結果はなんと大惨敗でした。やはり日本ではCセグHBは無理なのか?それともトヨタの”お馬鹿”なプロモーションが逆噴射したのか? いろいろな理由がある気がしますが、「ガンダムコラボ」はクルマ好きとしては、絶対に止めてほしかったです。オーリスのFMCを密かに期待していた人があの「シャア専用」で一気に冷めたというケースも多いのではないでしょうか。そしてなによりクルマ自体に注目を集める要素が少なかったです。オーリスはグローバル・トヨタの旗頭として飛躍を期待しているモデルなんですが、どれだけ好意的に見ても今回は「ブレイクスルー」には不十分だったと言わざるを得ません。

  オーリスのFMCにはいろいろ問題があったとはいえ、あのトヨタが威信をかけて売りに行っての大惨敗ですから、いかに日本でのCセグHB販売が無理ゲーかということがわかります。ここで弱小のマツダがあっさりと成し遂げれば「快挙」だったわけですが、やはりダメですね・・・。CX5がバカ売れした時点でマツダも気がついていたとは思いますが、結局はCセグHBが自動車産業の中心に位置していると思っているのは、自動車評論家とクルマに詳しいユーザーだけだったようです。クルマ雑誌でいくら盛り上げても、クルマメディアの影響力はもはや無いですから市場は全く無反応です。マツダ渾身のアクセラがここまで(それほど)売れないわけですから、日本においてはもはや完全に「オワコン」ということが証明されてしまいました。

  確かにアクセラは評価されていますし、マツダが頑張らなかったならばもっとひどい惨敗を喫していたでしょう。しかしオーリスと違ってアクセラは販売時期においていくらか恵まれたことも幸いしました。2012年の9月にFMCされたオーリスの発売は最悪のタイミングと言ってもよく、CX5とアテンザ/クラウンで俄にSUVとセダン市場が盛り上がったため、まったくと言っていいほど自動車雑誌から注目を集めませんでした。その後2013年になるとボルボとメルセデスが相次いでお手頃価格のCセグHBを発売し、その後VWゴルフもFMCを行いました。これらの輸入Cセグは自動車雑誌のドル箱コンテンツに祭り上げられ約1年間あまり強烈にプッシュされ続けました。その中でこれらのクルマに最も近いところにいる国産車「アクセラ」にもかなり好意的な論調が寄せられていたように思います。

  評論家は決して自分では買わないのに、CセグHBを誉めます。徳大寺さんのように本気でゴルフカブリオレに乗っておられる方もいないことはないですが、レビューなどを読んでいると、この人は全く興味がないんだなということがよくわかります。チェック項目は「燃費」「NVH」「荷室」くらいなもので、ドライブフィールに話が及ぶと「まあ女性や老人が乗るクルマだから・・・」みたいなニュアンスで誤魔化します。そして全般的に評論家のCセグHBへのイメージがやや「分裂」気味なのを感じます。本人が興味ないクルマへのレビューにありがちな態度ですが、対象であるクルマに対して「上向きの視線」と「下向きの視線」が交互してしまい、なんだかスッキリしない内容になっているケースが多いです。

  バブル期までの機能性に拘ったCセグに比べて、「合理化」の大前提がまかり通るようになった現代のCセグは、プライベートカーとしての魅力がどんどん希薄になっています。簡単に言うと「グッ」と来るポイントが少ないです。確かにメーカーが性能は上がっていると主張する点は存在するのですが、車重が重くなってパワーを抑えて燃費を伸ばす傾向から起こる「カサカサ」のドライビングフィールを覆い隠すだけの「手段」にコストが掛けられていないのがほぼ全てのCセグに対しての感想です。そんな前提のクルマがプレミアムブランドからどんどん出てくれば、中には嫌みの一つでもつい口走ってしまう評論家もいるわけです。「あんなのはクルマじゃない・・・」。

  何が言いたいかというと、マツダはさっさと「アクセラを諦めろ!」ということです。マツダにとって日本市場はもはや10%程度しか影響がないわけなのですが、日本市場のトレンドはかなりの勢いで世界へ広まりつつあります。日本では一段落したミニバンやコンパクトカーのブームが欧州や中国ではやってきていて、新規車種が次々と参入しています。スズキのOEM車がオペルやフィアットから売られていますが、日本で大人気の軽自動車もいざ輸出してみればそれなりに火が付くでしょう。日本で売れないクルマを作っているメーカーに将来性が無いとはいいませんが、日本のトレンド発信能力を無視すると痛い目に合うでしょう。

  メルセデスがAクラスの販売で立ち直ったという見方もありますが、これは孤高のブランドだけに起こりうる特殊な事例に過ぎません。VWもフォードもCセグHBに偏重し過ぎたこれまでの戦略が仇となって、現在ではグローバルでの販売が大きく伸び悩んでいます。前回の初代アテンザの話をしましたが、初代アテンザユーザーにとって新型アクセラの「合理的な設計」は必ずしも魅力的ではないです。やはりマツダは初代アテンザの原点に立ち返ったC/Dセグの「走れる」高機能マシンを作っていく必要があると思います。

  トヨタが最近極秘に86をベースにしたセダンを開発中という話が伝えられています。「マーケティングの鬼」が遊び半分に余計なクルマを開発するはずもなく、日本及び欧州でCセグよりも「少し大きめ」で機能性の高いスポーツセダン需要が燻っていることを嗅ぎ付けていると思われます。マツダとしても新型シャシーを開発したロードスターベースのC/Dセグ(全長4650mm程度)のFRセダンを仕掛け、4輪ダブルウィッシュボーンによるスポーティな乗り味で「足回りのマツダ」の旗を再び掲げる時期に差し掛かっているのではないでしょうか。

  
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posted by cardrivegogo at 00:27| Comment(0) | アクセラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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