2014年07月02日

いよいよVWの背中が見えてきた!

  発売当初から何度と無く比較されてきて、最終的に「どっちがいいの?」かよくわからないことになっている7代目ゴルフと3代目アクセラ。2013年下半期をゴルフは日本で月2000台ペースで快調に売り上げました。さすがは日本COTY受賞車といったところでしょうか。まだまだ閉鎖的な日本市場で輸入車にもかかわらずこれだけ売れてるのだから間違いなく快挙です。先代アクセラやオーリスの2倍以上の売れちゃってますし・・・。

  地元で負けるわけにはいかないアクセラは、ちょっと見ただけであれこれと無理しているのがわかるくらいのクオリティになりました。これは同業他社からはいろいろと嫌われているんだろうな〜と余計な心配も。もともとはVWが「売ってきた喧嘩」にマツダが全力で対抗しただけではあるんですが、ちょっとKYな感じが無きにしろあらず・・・。日本の自動車産業全体の威信にも関わる「クオリティ問題」に立ち上がったマツダに、トヨタも快くHVを提供するなど全力でアシスト?というのが舞台裏だったのかもしれません。あくまで想像ですが、トヨタと共同戦線を敷いて「やれ!」と背中を押してもらった部分は大きいと思いますね。「アメリカでデミオをヴィッツとして売ってやるから、心置きなくゴルフを倒せ!」くらいのことを言われているんじゃないでしょうか。

  もはやアテンザとのヒエラルキーなんて考えている余裕はなく、アテンザの売上が下がることなど全く恐れずに作り上げてしまったアクセラ。その甲斐あってか最初の半年ではなんとかゴルフの2倍程度の月4000台は確保することができました。もしマツダがこれほど全力で取り組まなかったら、完全に「やられて」いたかもしれません・・・日本市場では。

  そんなアクセラですが敵地ドイツではかなりの大健闘を見せているようで、マツダシェアも年明け以来衰えることなく120%台をキープしています。全体的にSUVが好調のアメリカでは、アクセラの伸びは限定的で、マツダの底上げを担っているのはもっぱらCX5のようです。アテンザとアクセラが昨年をいくらか上回る水準なのに対し、CX5は発売2年で1万台規模の「注目車種」に躍り出ました。北米での日本製SUVのロングヒット車といえば、トヨタRAV4とホンダCR-Vですが、FMCが遅れているこの2台を尻目に「快進撃」を続けています。

  日本ではアクセラを危機に陥れていたVWはSUVモデルの投入の遅れが響き、前年比80%とシェアが大幅に下がっています。去年までダブルスコアだったVWとマツダですが、80%に下がったVWと120%に伸びたマツダの差がみるみる縮まってきました。マツダのすぐ背後にはメルセデスとBMWそして復活を期すレクサスが続いていて、毎月のように順位が目まぐるしく変わっています。今後の展開で一番見通しがあるのが名門メルセデスでしょうか。新型「Cクラス」と期待のSUV「GLA」の強力コンビの投入でマツダ、BMW、レクサスを一気に突き放す体勢に入っているようです。

  今後の展開はどうなるかわかりませんが、世界最高クラスの中型車をそれぞれ持つ超一流ブランドが大決戦を繰り広げる中で、遅れをとるどころか力強く躍進する「マツダ・スピリッツ」はもっと日本で大々的に報じられてもいい気がするのですが・・・。もう何度もこのブログで触れてますが、「Car and Driver」も「Motor Trend」もテストをすれば、ナンバー1はいつも「MAZDA」です。アテンザもアクセラもCX5もまるで日本における「ゴルフ7」みたいな「世界トップ」という評価を受けています。ただアメリカ人の自動車ファンからしてみたら、「MAZDAって何なの?」みたいな複雑な感情が渦巻く頃かもしれませんが。

  マツダが掲げる目標として、「クルマが良くて売れるのではなく、ブランド自体が評価されて売れる」ことを目指していると開発者インタビューでは度々言われています。競争力があって自信を持ってお勧めできる少数精鋭の「車種」、「エンジンユニット」だけに経営資源を集中し、全ての車種の全てのグレードを必ず満足できるモノにするという理念を、今のところは着実に実践できているようです。この流れを「CX3」と「デミオ」でも継続し、小型車に「新たな価値」を想像できたならば、北米のまだまだ手薄なコンパクト市場を席巻する可能性があります。北米にはデミオクラス(Bセグ)の「雄」であるVWポロがいません。Bセグを制することができれば、いよいよマツダのVW越え!という快挙が達成されそうです。


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posted by cardrivegogo at 22:52| Comment(0) | マツダの戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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