2014年06月17日

来年のアクセラのMCにはアレが・・・

  マツダが今年発売のデミオに搭載するという小型ディーゼルを発表しました。先日トヨタが小型車向けの新型ガソリンエンジンを発表して、いよいよ気合いの入った小型車作りへと舵を切る中で、マツダとしてはかなりの危機感があるようです。これまでは小型車に「お得感」を追加しすぎると、自社の上級モデルの売上に大きく影響するので、トヨタはこれまでは「小型車は小型車らしく」といった割り切りの姿勢だったのですが、このセグメントに日本車に大きく引けをとらなくなった小型の輸入車が、次から次へと流れ込んでくるため、いよいよ方針転換を迫られたようです。

  ネットで各ブランドの情報が手軽に手に入る時代になり、性能の比較も家にいながらにできます。そうなってくるとこれまでのようなディーラーとの付き合いを重んじるスタイルにも変化があらわれ、さらに業績不振の販売店の統合が進んだり、ディーラー自体が扱うブランドを突如として転換するという例すらと青息吐息の状態です。当然ながら販売員の在職年数も短くなる傾向があるようで、かつてのような人情による商売だけでは成り立たなくなってきている部分もあるようです。トヨタも自慢の営業力を持ってしても、クルマに全く競争力が無くてはどうしようもない時代になってきたようです。

  これまで「こだわりの小型車」としてハンドリングに優れるデミオが主に海外で評価されてきました。しかし必ずしもクルマを選ぶ要素でハンドリングを挙げる人が多いわけでもなく、特に小型車の場合は個性的な内外装(つまりデザイン)がもっともユーザーに訴求できる点になっています。そして次に強調されるのが燃費でしょうか。デザインと燃費において確実に魅力を増したヴィッツやパッソへの顧客流出を阻止すべく、デミオも発売前からデザイン面での進歩とパワートレインの優越性についての情報を流しています。

  トヨタやマツダが小型車でここまで真剣になるのは、国内市場でも大きくユーザーの動向が左右されている「大事件」が起こっているからなんですが、やはり一番の衝撃は「ハスラー・ショック」です。トヨタと並んで国内市場での利益依存率が高いスズキは当然ながら、どこよりも緻密な国内ユーザーの嗜好を調べたデータを蓄えていますが、そのスズキの実力が遺憾なく発揮されたと言えるのがハスラーで、私の住んでいる東京都西部は軽自動車不毛の地域ではありますが、それでもかなりの勢いで繁殖しています。発売当初からマツダのディーラー網を使ってOEM車を出しているくらいなので、スズキとしては自前ディーラー網が貧弱な大都市中心部でも攻勢をかけたいという狙いがあるようです。

  そしてそのスズキを本気にさせたホンダからもヴェゼルという傑作車が同時期に登場しました。最新の売上ランキングではエクストレイル、ハリアー、CX5、フォレスター、アウトランダーと各社の傑作SUVを押しのけて1位を獲得していて勢いがあります(2位がハスラー)。自動車雑誌では今年発売されたプジョー2008、ルノーキャプチャー、フォードエコスポーツの4m級小型SUVが大きく取り上げられていて、どれを見ても小型車の作り方が日本と同様に「真剣」なものへと変わってきていることは感じます。しかし世界最強のSUV生産国になった日本のオールスターの壁に阻まれてしまっては不幸をいう他なく、中国市場で頑張ってね!といったところでしょうか。

  マツダは2014年末までに「デミオ」と「CX3」の2車種を新たに投入して、この市場を制圧する意気込みをひしひしと感じますが、ちょっと心配なのがコンパクトカー市場においても「ディーゼル」を掲げて勝負しようとしている点です。ちょっと語弊があるかもしれませんが、「何も考えていない日本市場なら十分にこれで通用する!」と思っていそうなキナ臭い感じがプンプンします。いくら新開発とはいえディーゼルのフィーリングはガソリンのそれとは大きく異なりますし、実際のところ小型車にこれを載せると、重量のある大型モデルとは違って、多くの人がメリット(燃費&トルク)よりもデメリット(音振&出足悪)を感じてしまうような気がします。

  実際のところアテンザの2Lガソリンと2.2Lディーゼルターボがほぼ同等の実燃費11km/L程度で走りますが、さらに軽いデミオの場合だと1.5Lガソリンと1.5Lディーゼルターボで比較すると、車重増が響いてガソリンの方が数値は上回ることが予想されます。もっとも燃料費そのものが安いディーゼルにもメリットはありますが・・・。マツダとしては「ディーゼル=スポーティ」という売り方を仕掛けたい様子ですが、ユーザーは「低燃費」に頭の半分を支配されながら購入しているという「すれ違い」が起きているのかな?という気もします。そして「低燃費」というのも実は幻想に過ぎないもので、せいぜい12km/LのBMW320dは、HVを持ってきた新型スカイラインに燃費面でも、もちろん軽油とハイオクの差を考慮しても、完全敗北を喫しているのが現状です。もちろん320dの乗り味は「スポーティ」なんてものではなく、新型スカイラインの前では「プリウス」みたいなフィールの悪さと表現してもいいくらいです。さてこの新開発の小型ディーゼルをデミオに積んでもHV勢のフィットやカローラの跳ね返される気がするのですが、これをアクセラに載せるならば、それなりに理想的かつ個性的なCセグのドライブカーにはなりそうな気がしますがいかがでしょうか?

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posted by cardrivegogo at 12:43| Comment(0) | アクセラ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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