2014年06月09日

アテンザワゴン に次々ライバルが・・・

  セダンと全く同じ価格に設定されているアテンザワゴン。ライバル車を見てみるとレガシィで15万円、Cクラスで20万円、3シリーズで35万円ほどワゴンの方が高くなっていることを考えると、アテンザは比較的ワゴンが買いやすいクルマだと思います。2012年の発売以来、アテンザワゴン史上最高傑作といわれるまとまりのあるデザインが好評で、アテンザのイメージを体現するセダンと人気を分け合ってきました。

  メルセデス、BMW、レクサスといったラグジュアリーブランドに対して下剋上を仕掛けるセダンは様々なメディアに登場して、今なお高い注目を集めていますが、ワゴンに関しては発売から1年以上経過しメディアへの露出もほとんどなくなり、せっかくの好デザインがアピールされるような企画もこの1年半でほとんどと言っていいほど見かけませんでした。その一方でワゴン専用車として注目を集めるスバル・レヴォーグが、国産中型車の新時代を築く救世主みたいに崇められていますね・・・。やはりレガシィSWの残した伝統は偉大ですし、アテンザもこれまで、レガシィが切り開いた市場を分けてもらっていたわけですから当然と言えば当然でしょうか。

  現行アテンザが注目を集める大きなポイントになっているのが「クリーンディーゼル」です。マツダの思惑としては日本で人気があるワゴンにディーゼルを組み合わせることで、停滞気味だったこのクラスで「ブレイクスルー」を起こすことだったと思います。しかしメディアが挙って取り上げるのがセダンばかりというのは、なかなか想定外の展開だったかもしれません。マツダが意図した、積載容量が大きいワゴンボディと、低速トルクに特徴があるディーゼルの何やらとても「シナジー」が起こりそうなコラボレーションの良さが、一般には十分に伝わっていない気がします。

  元々のマツダファンからしてみると、突如として日本で発売されたディーゼルには、ちょっとした戸惑いがありました。先代のアテンザは高級車然とした静粛性が売りになっていましたので、いまさらうるさいエンジン(ディーゼルとしては革新的に静かですが)を積んだモデルに乗り換えるのには抵抗があると思います。実際のところディーゼルが出たことに即座にリアクションしたのが、メルセデスやBMWのグレードに詳しい輸入車好きの人々ばかりだったようで、次々に輸入車ユーザーが試乗しにやってきたので、ディーラーでは「新型アテンザはやっぱりすごいな!」って興奮しちゃったみたいです。マツダでもアテンザでもなくて、実はクリーンディーゼルが欧州車ユーザーを引き寄せた!というオチだったわけですが・・・(デザインも引き寄せる要因だったみたいです)。それを受けてというわけではないかもしれませんが、最近ある雑誌にマツダの開発者のインタビューが出ていて、今後はエンジンやクルマじゃなくて「マツダ」というブランドで客が呼べるようになりたいと仰ってたのが印象的でした。

  メルセデスにしてもBMWにしても最近ではもっぱら「ステータスカー」としてセダンの売れ行きが良いみたいで(街中を見れば歴然ですが)、3シリーズなどはディーゼルシェアは半数を越えているとか。そのためセダンにディーゼルを組み合わせることへの抵抗は、メーカー側もユーザー側もほとんど無いみたいです。この辺がマツダの思惑が外れた要因なのかもしれません。そうこうしている内に国内市場も急展開を迎え、新たなライバルモデルが次々に現れました。モータートルクが使えて、ディーゼルのような特性を持つカローラフィールダーHVがアテンザワゴンよりも相当に低い金額で発売されました。乗り味もアクアのものから相当に改善されていて、トヨタの伝統のカローラに相応しい仕上がりになっています。そしてセンセーションを巻き起こした新型ゴルフに続いて、従来よりも下のグレードを拡充してディーゼルのアテンザよりも相当に安い価格(50万円下がりました!)になった「ゴルフ・ヴァリアント」のトレンドラインが登場しました。こちらもターボを利して低速トルクが使い易いですから、ワゴンに組み合わせることには一理あります。

  もちろんアテンザワゴンはカローラ・フィールダーやゴルフ・ヴァリアントとは、違うカテゴリーのクルマなんですが、ワゴンユーザーにとって「クラス」なんてはあまり大きな意味はないですし、使い易いサイズという意味でもアテンザ・ワゴンは、日本ではあまり選ばれないクルマになっているのかもしれません。まもなくレヴォーグ(全グレードAWD)が発売され、それに続いて「ディーゼルを積んだ」Cクラスワゴンが日本でも発売される見通しなので、いよいよアテンザワゴンの需要は限られたものへと縮小していきそうです。

  それでもマツダには苦境にめげずに、アテンザのデザインならば「絶対に負けない!」という自信を持って頑張ってもらいたいものです。何よりアクセラとアテンザは、最近の米国誌での評判はすこぶる高く、MOTOR TRENDの今月号でも「マツダ6(アテンザ)」「アコード」「アルティマ(ティアナ)」「シボレーマリブ」「クライスラー200」「キア・オプティマ」の6台による比較で、またしてもマツダがトップを獲得しています。アクセラもアテンザも未だに負け知らずという驚異的な成績を残していて、VWやトヨタも楽々撃破しているわけですから、「WCOTYデザイン賞ベスト3」とか過去にいつまでもしがみ付いていないで、アメリカが認めたクラス最強の走り!と堂々と英語の雑誌をディーラーにおいて、誇示すればいいんじゃないの?って思うのですがどうでしょうか。

  

リンク
最新投稿まとめブログ


posted by cardrivegogo at 12:54| Comment(0) | GJアテンザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]