2014年06月02日

ヴィッツとパッソの“大改良”がデミオ発表の前に来てしまった・・・

  トヨタのボトムグレードとして知られるヴィッツとパッソが1Lと1.3Lのエンジンを刷新して、従来モデルよりも相当に燃費が向上したようです。トヨタと言えばHVの拡販を戦略の主眼に掲げ、今ではヴィッツ・パッソではなくHV専用車のアクアが圧倒的なシェアを持っているのですが、ここにきて非HVのガソリンエンジン・モデルにも大幅なテコ入れを行ってきました。

  まもなく発表されると言われる新型デミオは、マツダ渾身の傑作コンパクトカーになることはほぼ間違いないですが、そのデミオがシェア獲得を狙う最大手トヨタのヴィッツとパッソの進化もまた見事です。新型デミオがトヨタから奪うシェアと同数かそれ以上を逆に持っていかれそうな作り込み具合には思わず感心してしまいます。Bセグにはフィット、ノート、スイフトといったグローバルモデルがずらりと並びますが、改めて見てみるとやはりトヨタのコンセプトの奥深さが1枚も2枚も上手に感じます。

  ヴィッツとパッソは兄弟車と思いきや、設計製造を担当する部署が違っていて、ヴィッツはトヨタがパッソはダイハツが担当しているので、ヴォクシー/ノアのような兄弟車の関係ではないらしい。もちろんエンジンを始め、かなりの割合で部品を共有しているのでしょうが、巨大なトヨタグループで唯一といっていいくらいに、同クラスのクルマが別々に開発されお互いに「縄張り」を持ちつつも「良好な」競合関係にあることが、今回のMCによる質感の向上に大きく寄与しているのかもしれません。

  さすがにコストをギリギリまで絞って作るベースグレードでは、大きな期待はできない?と思いきや、どうやら欧州車にも負けないハンドリングを誇るデミオのお株を奪うような、高速域でのリニアでしっとりとした乗り味になっているとか。いくらなんでもそこまで進化するか?という気も・・・。20代前半のころ鹿児島県に1ヶ月余り滞在し、ヴィッツのレンタカーを使っていました。近くの量販店(阿久根市にある有名な24h店)まで約20kmの道のりを夜中にクルマで30分かからず走れてしまうほど信号もほとんどない1本道を往復していましたが、運転技術の未熟さもありますが、いわゆる「アンダーステア」を抑え込む手段をあれこれ考えましたが、1ヶ月経っても「減速」以外に特には思いつきませんでした・・・。

  もちろん当時の愛車カローラランクスも高速道路でちょっと飛ばすとすぐに浮き上がるような乗り味だったので、ヴィッツだけが悪いとは思わなかったですけど、その後アテンザに乗り換えて、トヨタとマツダは根本的に違うんだということがよく解りました。もちろんどちらが一方的に良いということではないです。トヨタの方がソフトで突き上げには断然に強いですし、マツダはメーターが狂っているのではと思うほど、体感スピードが低くて安心感があります。


  今回のヴィッツ・パッソのMCでは、この両車がなんとVWポロの乗り味に近づいたとか、ほぼ同じ感触などという意見が出ています。VWからさらにハンドリングをクイックにした辺りがマツダ車の領域なので、マツダが社運を賭けている新型デミオにとって予想外のところから強力なライバルが出現したといってもいいかもしれません。さらにベースグレードからちょっと高く設定されている上位グレードに施された「趣向」がまるでBセグのライバル車の良い所を片っ端からパクったような見事な作り込みが目を惹きます。

  ヴィッツの最上級グレードで1.5Lエンジンを積む「RS」に設定されている「G’s」というスポーツグレードでは、トヨタ86を思わせるシートデザインとシフトレバーがあしらわれていて、内装の雰囲気はまさに86そのもの。しかも操る楽しさも86と同等以上の楽しさがあるようです。さらに86を差し置いて進化している点が、今回からさりげなく、マツダ・アクセラの上級グレードに使われる「タコメーターを大きくセンターに配置する」レイアウトを採用しています。これはアクセラ発売時にはマツダファンの間でも相当に話題になっていた装備で、デミオのスポーツグレードでも当然に採用されるでしょうが、ちゃっかりとトヨタに先を越されてしました・・・。MC前の初期モデルの「G’s」をよく見ると明らかに真ん中に来ているのは「速度計」になっているので今回から採用したようです。今月は「CG」「ルボラン」「オートカー」が揃ってヴィッツを報じていますが、どれもこのメーター変更に触れていないのはなぜ?オフレコか?

  さらにパッソの「+Hana」という女性をターゲットにしたグレードにも、インパネ中央部になにやらフィアット500シリーズから拝借したようなスタイリッシュなコントロールボタンが配置されています。そしてBMWミニとは配置される場所こそ違うものの、アイディアを見事に盗んだ「ビッグ」な速度計が単眼で配置されています。そしてインパネやシートの配色は最近の日本車の流行に沿ったものになり、ヴェゼルやハスラーを彷彿とさせます。それでもこの特別グレードはこれだけの改良を施して約145万円というのは素晴らしいコスパを発揮しています。燃費もスイフトを越えてガソリンモデル最高を記録し、乗り味も欧州車風のしっとり感が出て来て、内装デザインもシトロエンDS3やルノー・キャプチャーにも負けないくらいの質感。約205万円の「G’s」もなかなかですが、この「+Hana」というグレードは国産コンパクトカーの概念を根本的に変えてしまうくらいの破壊力を秘めているように感じるのですが・・・トヨタ(ダイハツ)恐るべし。デミオ・CX3頑張れ!というより今こそ新型「ベリーサ」を放つ時じゃないですか?

  
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posted by cardrivegogo at 13:48| Comment(2) | デミオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
CARDRIVEGOGOさん、こんにちわ。 ずいぶん長い間、コメント投稿をストップしていましたが、数ヶ月ぶり(半年以上の空白)に述べることにします。

 実は、地区役員の代表をしていて、M・Yクオリティオブライフ財団の伝統文化助成金の申請書類の作成や総会資料の作成などの仕事が重なり、ついコメントをしない癖がつき、もっぱらCARDRIVEGOGOさんの多様且つ精力的な記事をいつも敬服・感心しながら読みふける毎日となった次第です(「最新投稿まとめブログ」はもとより「車に引き籠もりたいくらい現代社会はマッドだ」「BMWオーナーズ・マニュアル」「エクスターミネーター」「新・国産車ブログ」「Rage Againstthe(import)Car」「CARDRIVEGOGOの日記3」「カーライフ幸福論」「Happines is warm Car」「ドライブBGM」「頭文字D」「静かな日本車とBGM」「サッカーのブログ(ジェフ市原だったか浦和レッズか出てきませんが)」「自動車の動画」・・・・等々、とにかく信じられないくらい多くのブログで「質の高い情報」を提供してくださり、ありがとうございます(毎日、必死に各ブログに目を通しています。うれしい悲鳴です。特に「マツダ・アテンザ」のブログが毎日のようにアップされているので喜んでいます)。

 さて、今日コメントしたのは、6月17増刊号の『ベストカープラス』にロータリーに関する「独占scoop」が出ていたからです。内容は以下のとおりで、マツダファンにとって明るいニュースだと思います(すでにご存知かもしれませんが)。

 新世代(次世代)ロータリーエンジン16X(800cc×2‥‥13Bエンジン654cc×2の22%以上アップ)の試作車がついにできた。次世代REスポーツの基本骨格が固まり、RE登場から50周年の記念の年となる2017年に、マツダから、16Xに過給器とモーターアシストをつけるPHVスポーツが発売される。ボディは2011の東京モーターショーに出展された「SHINARI」がその候補の筆頭に挙げられるだろう。もちろん「魂動デザイン」の4ドアクーペだ。ボディデザインに関しては決定的な情報がないものの、先行開発車が出来たばかり(開発がスタートしたばかり)で、17年のデビューに向けてマツダは本気になったのだ(根拠となったのは、97年はRX−7がRE30周年記念モデルを発売、07年にはRX−8でRE40周年記念モデルを発売という事実と、RE車が登場してからちょうど半世紀となる2017年に「50周年記念」を謳えるRE車がないという事態が避けたいはずという理由)。


ところで、RE(ロータリーエンジン)車の4ドアセダンというと、1986年に発売された5代目ルーチェ4ドアハードトップ・ロイヤルクラシックREターボ、同4ドアハードトップ・リミッテッドREターボ(いずれも13B−654cc×2)以来となりますね。もちろん、発売されればの話ですが。ちなみに、この5代目ルーチェのRE車は、RE開発総責任者で元マツダ社長(会長もされていたかもしれませんが)山本健一氏の愛用車としても知られていますね。ご高齢のため今は運転されていられないかもしれませんが、以前ある雑誌にその事が掲載されていました。

話はまた大きく変わって、現在、BSで放送されているアニメ「頭文字D」でFCを駆る橋涼介が旋回能力に優れたロータリー車の孤高のスピリット」が好きだと述べているのが印象的です(もちろん、マンガでも言ってると思いますが)。ちなみに、山本健一氏も雑誌のインタビューで「ロータリー車は、普通の保守的な考えを持っている人には適さず、自動車に対する先進的でピュアな精神を持った人が乗るクルマだ。その意味で、ロータリー車は乗る人を選ぶ」というような事とを述べておられます。この間まで手元にあったロータリー特集の『ベストカープラス』の先月号がないので、正式の引用が出来ませんが。

橋涼介や山本氏の言葉に若干影響され、もし、2017年に発売予定(あくまで予想)のREハードトツプかセダン車の 一番下のグレードが、定価350万円くらいで、乗り出し400万円ぐらいなら、自分が17年くらいに購入予定のアテンザ20S(現在の価格なら消費税10%で264万円となるが、恐らく今年予定のMCの結果、更に値段は高額になるだろうが)の代わりの次期購入車候補として、大いに考えてみようと思ったりしているのですが。

それでは、益々の充実した内容のブログ記事を期待いたします(私のGHアテンザは6年2カ月で10j万6000キロ野走行距離となりました。エンジン・サスとも好調です)。
Posted by K.T at 2014年06月02日 22:40
K.Tさんお久しぶりです!
コメントありがとうございます。

「ベストカープラス」は読んでいないので、まったく知りませんでした!「SHINARI」くらい純度の高いデザインでも、今のマツダなら平気で市販化しそうな雰囲気はありますね。あのデザインならば従来の日本車の域をはみ出して、なんだかランボルギーニに迫るオーラを発揮しそうです。レクサスLFAや新型NSXにならぶスーパースポーツをいよいよマツダが手掛ける時代がやってくる?なんてワクワクしますね。

この前、夜中の国道246号を走っていて見かけた「メルセデスE63AMG4マチック」の発するオーラとGT-R並みの加速にはビックリしました。頭文字Dで走っている350psにブーストアップしたFD3Sなら同等の走りができるのかもしれないですけど、やっぱり見た目がちょっとプライベート感と出した「高級セダン」という点がカッコいいです(別にVIPカーが好きというわけではないのですが・・・)。マツダもアテンザベースで同じようなクルマ(いい音して速いクルマ)つくってくれたらな・・・なんて想いがここ1週間ずっと離れないです。アテンザのMCも含めいろいろ注目していきたいと思います。

 
Posted by CARDRIVEGOGO at 2014年06月03日 22:32
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