2014年05月30日

GHアテンザ・セダンに2年乗っての感想

  モデルサイクルの末期の2012年7月に納車されたGHアテンザがもう少しで早くも丸2年を迎えますが、改めて感想を書いてみたいと思います。北は岩手県から西は京都府・三重県まで出撃しましたが、「長距離を走っても全く疲れず行程を十分に楽しめる」というのがマツダの最大のコンセプトなんだなというのが一番の実感ですね。「運転していて飽きない」という表現がよく使われますが、初めて走るワインディングロードにクルマがスムーズに動くリズムにシンクロさせていくという一種の「ゲーム的な感覚」が他のメーカーのクルマよりも強いです。

  ハンドリング・アクセル・ブレーキの設定がキビキビしすぎているという指摘がマツダの開発者からもあるようですが、日本のような低速ステージならば、これくらいが面白くていいと思います。しかしとにかく不器用な私は購入から半年くらいは、まったくと言っていいほどに上手く運転ができませんでした。ブレーキを踏めばすぐにカックンになるし、アクセル・オンのタイミングがおかしいとすぐにレブってしまいます。

  それでも半年も乗っていれば上りでも効率よく変速させるタイミングが無意識に解ってきますし、カックンとなってしまうタイミングでブレーキをしない道路状況の予測であるとか、ブレーキの踏み分けなども脚が勝手に覚えます。この感覚はトヨタ車に乗っている時には、ほとんどと言っていいほど意識することはなかったように思います。どのように踏んでもソフトに止まるトヨタ式ブレーキも考え方次第では素晴らしいものではありますが・・・。マツダは全ての運転動作をルーズにさせないことで、「スポーツメーカー」としての意地を発揮してますね。

  とくに運転していて楽しいと感じるのが、このクルマの最大のスイートスポットといえる「全ての速度域」における「左コーナー」ですが、これも2年前と今では見違えるくらいに上達しました。先日、ひさびさにヤビツ峠に行ってきました。秦野市側から登っていくかなり変則的なつづら折りのルートは、登り側から見るといくつかの「ハッ」とする低速コーナーは例外なくすべて「左」になっています。昼間だと対向車が恐ろしく感じるのは右コーナーだったりしますが、夜間だとライトである程度は判別できるのでむしろ昼間よりも安心なくらいです。2年前走ったときは左を気にして恐る恐る登った記憶がありますが、今ではそんなストレスがウソのようにスイスイと登れました。

  マツダ車をもっとドイツ車らしく真っ直ぐに走るクルマにしよう!という作る側の意見は尊重したいですけど、クラウンサイズでFFのセダンですから、クイックなハンドリングがこのクルマの生命線じゃないの?という懸念もあります。2年間乗り込んで幸運というべきか、切り返しをしないと抜けられないような道は岩手県遠野の旧道くらいしかなかったです。この道もペンションへ通じる古い道をたまたまナビが選んでしまっただけで、通る必要が無かった道なので致し方ないです。全長×全幅が4735mm×1795mmならばとりあえずどこの道でも問題なく走れます!と言い切ってしまっていいでしょう。

  新型アテンザは4860mm×1840mmですから、これはいよいよ割り切りが必要になってくるのかなと思います。とりあえず毎月のように利用しているステーキ店の駐車場がかなり狭いので、おそらく新型アテンザでは使えなくなりそうです。実はこれが心理的に一番ダメージがデカいです。その店はとても不便なところにあり、クルマ以外に行く手段がないので、ここに停められないクルマはダメだなと思います。一度入れるかどうか試してみたいのですが、ディーラーの試乗車はあいにく全長の短いワゴンのみらしいので、わざわざ持ってきてもらうのも忍びないですし、買う段階になった時にまた考えようと思います。

  もうアテンザを諦めて、GHアテンザと同サイズに留めてあるマークXやレクサスIS、メルセデスC、BMW3などを検討すべきかもしれないですが、このクラスのFRセダン設計上致し方ないことですが、やはり乗ってみた時に明らかに「狭い」と感じてしまいます。さらに大型になった新型スカイラインにしても車内はアクセラ並みに狭いので、これらを買うくらいだったらアクセラで十分じゃないかという気がします。トヨタのカムリHVが日本で予想外のヒットを飛ばした最大の要因は、燃費に加えてやはり車内が広くデザインも洗練されていたことが挙げられます。体感ではレクサスGSよりもレクサスLSに近いほどの広さがあります。新型アテンザもこのカムリHVと同じ路線を踏襲していて、レクサスGSやメルセデスEよりも広い車内、そしてあまり大きな声ではいえませんが、GSやEよりもさらに優れたエクステリアデザインが人気の原動力になっているはずです。

  カムリHVもアテンザもとても結構なのですが、今度はレクサスISと同じボディサイズで、レクサスGSと同等の車内の広さを確保できていた、GHアテンザのようなFFセダンのポジションが、日本市場ではポッカリと空いてしまっているように思います。一応そこに近いのが、スズキ・キザシと日産シルフィなんですが、どちらも4650mm、4615mmの全長に対して、全高が1480mm、1495mmと高めに設計されていて、高齢者ユーザーの乗り易さに応えるために、セダンとしてのプロポーションを犠牲にしてしまっています。

  ちなみにベーシックな現行の3シリーズセダンが4625mm×1440mmですが、これでも寸詰まりで相当に貧相に見えてしまうので、やはりGHアテンザ(4735mm×1440mm)やアウディA4(4720mm×1440mm)くらいのバランスが欲しいです。マツダがチョイと機転を利かせてアクセラ・グランクーペ(仮称)みたいなクルマを(4730mm×1420mm)くらいで作ってHV仕様にでもすれば、カムリHVを超えるヒットが狙えるのでは?と思うのですがどうでしょう。

  
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posted by cardrivegogo at 13:28| Comment(2) | GHアテンザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
CARDRIVEGOGOさん、こんにちわ。

GHアテンザに乗ってもうすぐ2年間が過ぎ、このまま乗り続ける事を決断(?)をしたならば、来年には1回目の車検を受ける事になりますね。確か今年には、スバル・レガシィのフルモデルチェンジが予定されています。現在スバルは、アメリカでライバルのハマーなどの低調もあり(果たして生産されているのか確認していませんが)、特に米国で販売好調で、全体として収益に関してはかつてないほど絶好調です。しかし、米国市場重視のレガシィは、これまで以上に車体が大きくなり(それでもアテンザほどではないが)、日本でのスバル信望者(いわゆるスバリスト)を大きく落胆させ、日本に於けるレガシィの販売台数を落としているようです。レガシイが一番売れたのは、最初にボディが3ナンバー化した先々代だったと思いますが、いわゆるスポーツカー的なクルマづくりからラグジャリー的なクルマづくりへと舵を切ったようです。しかしながら、全車AWDと約10万円高で装備されるアイサイトなど、現在のままの製作方針なら、そのコスパは素晴らしく、買い換えのために一考する余地はあるかもしれませんが(あくまで、現在の値段の延長で、新型で数万円から10万円ほどの値上げの枠内という条件付きですが)。

さて、前置きが大変長くなりましたが、マツダのブレーキについて述べる事にします。以前、マツダ車ドアを開けたままにしておいたら40分ほどしたら、電流が流れるのが自動的にカットされ、バッテリー上がりを防ぐ装置になっている事をお知らせしましたが(以前私か所有していた「クロノス」や「ミレーニア」ではそうだった)、マツダのブレーキは真空倍力装置といって、エンジンがかかっているときは、少しの踏力で強いブレーキがかかるようになっています。トヨタやホンダなどのブレーキがどうなっているかは知リませんが、CARDRIVEGOGOさんがトヨタのオーリスから乗り換えて、マツダのブレーキに慣れるのに少し時間がかかったと良く書かれているのは、ひよっとしたら、このマツダの真空倍力装置式ブレーキのせいかもしれません。

とにかくマツダのブレーキは良く効くし、踏力加減でかなり的確なブレーキ操作が出来るのです。最近の制動力データなどの調査等の記事はあまり読んででいませんが、以前のデータでは、世界で一番ブレーキ制動力があるのは「ポルシェ」で2番目は「マツダ」だと良く出ていました。確かCGなどの雑誌でFD・RX−7のブレーキの効きの良さが絶賛されていたように思います。

私の知る限り、初代FFファミリア[日本最初のカーオブザイヤーカーとなつた5代目ファミリア]のカタログには、そのことがしっかり明記され、エンジンが着れた途端、ブレーキの危機が悪くなるので、精一杯強い力で踏むようにという注意書きがカタログで掲載されていました。こうした事は、次第に当たり前荷なり、カタログには当然のこととして掲載されないようになりましたが、「ブレーキが何かの原因できかなくなった時はサイドブレーキを用いる事」と同様に、マツダ車に乗っている人なら、当然のこととして知っておくべき事だと思います。しかししながら、CARDRIVEGOGOさんはこのことを認識されているでしょうか?

坂道を降りる時には、決してエンジンを切ってはいけない。ナゼなら、ハンドル(ステアリング)がロックし、車が谷底に落ちてしまうから。実際に、事故の例あり(ガソリン節約のためエンジンを切って)。

ルマン制覇の記念碑に、元マツダ社長の山本健一氏が「飽くなき挑戦」という言葉をしたためたように、マツダには他社と違う、他社以上の「チャレンジ精神」が脈打っているのです。

具体的には、世界唯一のロータリーエンジンの継続量産化しかり、世界初のミラーサイクルエンジンしかり(ユーノス800に掲載。現在、プリウス、ノート、フイット等に名前を変えて採用。併し、戦略的意味を深く考えない自動車評論家はマツダ以外のエンジンでもミラーサイクルと正直に記述)、日本初のフルタイム4WD車の製造しかり(6代目ファミリア)、4輪ストラットにSSサスペンションしかり、世界初の電子制御式4WSしかり(6代目カペラクーペ)、世界が驚いたユーノス・ロードスターの発売(スポーツカー売り上げ台数世界一となりギネス認定。この結果、マツダは世界一のスポーツカーメーカーとなった)‥‥等々たくさんあり。最近ではスカイアクテイブ技術がそうです(いつも、同じようなことを言っていますが)。

 その根本は、戦艦大和を製造した西日本地方の技術の精神だと思います(中央には負けないぞという意気込み。ある雑誌にそう書かれていた)。


以上、ブレーキについてだけ書くつもりが、長い文章になってしまいました。
Posted by K.T at 2014年06月03日 19:26
K.Tさんこんにちは
コメントありがとうございます

新型レガシィは全高が1550mmもあるそうですよ!これはさすがに・・・セダンとしてはかなりかっこ悪いのではないかという気がするのですが。現行のデザインがどうも好きになれなかったのですが、新型はデザイン面ではアメリカの良いところが上手く取込まれているように感じます。

アテンザは乗り換えませんよ!前輪ダブルウィッシュボーンのセダンなんてトヨタでも買わないかぎり簡単には手に入らないですし。マツダのブレーキってそんな風になってたんですね!初めて知りました。確かにマツダとホンダは雑誌のテストを見てると驚くべき制動力を発揮していて、BMWやメルセデスよりも制止距離が断然に短いですね。意外にブレーキがダメなのがスバルと日産みたいです。
Posted by CARDRIVEGOGO at 2014年06月05日 00:08
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