レクサスISとのライバル関係が先代までは盛んに言われていましたが、今や比較するのがタブー?ということはないでしょうけど、IS350とスカイラインHVのスペックは並べてはいけないレベルになっています。ただし100kg以上も軽いIS350の方が良いという声もあっていいですし、デザインの作り込みもISの方が一枚上手。インパネのデザインもBMWやマツダをそのまま上質にして違和感がないIS350が好みです。けれどもこれは全て「主観」でしかないですし、ISの売れ筋の300hとの比較ならばスカイラインHVの素晴らしさばかりが引き立ちます。
V35以降のスカイラインは国内のファンにはやや不評だったようですが、北米での活躍は目覚ましいものがありました。派生車種のGT-Rでポルシェのプライドをズタボロにし、北米市場ではBMWの直6ターボを叩きのめすために、わざわざ3.5L→3.7Lへと排気量を変更するまで高性能にこだわりました。ここまでして世界の頂点に君臨するのは日本車だ!という信念を貫き通しているのに、日産が「日本を軽視している」と連呼する評論家と素人さんには「馬鹿言ってんじゃね〜!」と憤りを感じます。
VW(ポルシェ)とBMWを軽く捻った日産の実力は、当然ながら苦戦する老舗高級ブランドのメルセデスの目に留まり、メルセデスと日産の対等関係による技術提携が成立しています。メルセデスとしては日産の技術を全て飲み込んで、かつての輝きを取り戻そうとしているわけです。ナンバー1ブランドという名声に溺れてイメージをどんどん壊してしまう中で、激しくメルセデスを追いすがってくるBMWやアウディの影に怯え、「メルセデスはスポーティではない!」という朗弁を駆使してまでその地位を守ろうする一方で、メルセデスは密かに反撃の機会を伺っていました。
ポルシェ・アウディ・ランボルギーニと徒党を組んで欧州・中国を制圧しようとするVWグループに対し、メルセデスは日産・マクラーレンを従えて立ちはだかり、短期間でマクラーレンをランボルギーニに匹敵するスーパーカーメーカーへと成長させました。GT-Rのエンジンブロックや日産系列の高精度を誇る部品メーカーを多く駆り出していて「メイドイン・ジャパン」と言われるマクラーレンのスーパーカーはいまや自動車雑誌の定番コンテンツへと成長しました。
日本の自動車産業への日産の大きな貢献はともかく、スカイラインHVへの評価が異常なまでに低いことにはただただビックリです。BMWアクティブHV3(732万円)やレクサスGS450h(724万円)といったクルマと比べて「加速性能」「燃費」に優れた完全勝利のパワーユニットを積んで463万円ですよ! そして虐げられる主な理由が、なんと「NISSANマークを外したから・・・」だそうで、いい年したオッサン評論家がバカみたいなことを言っているわけです。インフィニティマークだってなんだか「富士山」みたいで日本らしくていいじゃん!と思うのですが・・・。今年から「NISSAN」は「フジヤマ・マーク」に変わりました!って宣言すればそれで済む話じゃないですか?
マツダがディーゼルを300万円という破格で発売して以来のインパクトが、スカイラインHVにはあると思います。メルセデスE350ブルーテック(821万円)、BMW320d(500万円)といった辺りと完全に同等なクルマを300万円で出したマツダも相当にスゴいですけど、現在のスカイラインが置かれているような「曖昧なコンセプト」による軋轢も少なからずあったわけです。クルマは重くなり、マツダのガソリンエンジンのキビキビした走りとはややギャップがあるディーゼルのフィーリングだったりと、正直ディーゼルを全く受け付けないマツダユーザーもかなりおられます。
それでも「ステア・バイ・ワイアは気持ち悪う〜」と主観で切り捨てる某・西川淳氏とは根本的に違って、自分は乗らないけど「マツダは素晴らしいクルマを作った!」という賞賛する気持ちは湧いてきます。スカイラインもアテンザもやっていることはほぼ同じだと思うのですが、やはり背負っている車名の重みの差がこれだけ大きく評価を分けるポイントなんでしょうね。「13対3」の差はやはりデカいですね。アテンザとスカイラインはどちらも「日本車」の未来切り開いた重要なモデルであることは間違いないです。
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↓2誌が同時に日産を大バッシングという異例の展開。