2014年05月26日

マツダ が BMW を超える日は?

 MINIと言えばイギリス伝統のスモールカーデザインを残しつつ、BMWの技術を投入してクラス最高レベルのパフォーマンスを発揮するブランドですが、そんなMINIの本拠地イギリスで大きく販売を伸ばしているのが、フォードとGMの米国が誇る両雄です。フォードは自慢のエコブーストを積んだ主力のフォーカスが、VWゴルフを寄せ付けない強さを誇っていて、日本市場での地味な姿とはまったく対称的で欧州全土を覆うほどの大暴れをしています。

  そしてもう一方のGMはイギリスではボクスホールというブランド名で販売されていて、欧州フォードと激しくトップシェアを争うほどイギリスではメジャーなブランドです。その主力を担いつつあるのが、GM傘下のオペルが供給する小型車アダムです。人気の秘密はオペル車のデザインが飛躍的に向上するなか、最軽量モデルのこのクルマも大衆ブランドとは思えない見事なフォルムをしていて、日本でも人気を集めるMINIクーパーやフィアット500を追い上げる「プレミアム・コンパクト・キラー」として話題を集めています。

  マツダの新型デミオのコンセプトがジュネーブモーターショーで公開されました。いよいよコンパクトの国・日本からもいよいよ「プレミアム・コンパクト」がやってきたと、かなりの反響があったようです。なによりデミオのコンセプトがすんなりと受け入れられた背景には、オペルが切り開いた欧州市場におけるパラダイムの変化が根底にあります。デザインをちょっと見ただけで、新型デミオはオペルアダムに続く、MINIやフィアット500への「挑戦者」なんだなと欧州の人には伝わるわけです。日本で流行っている日産キューブのようなマニアックなクルマではなくて、マツダが欧州の為に作ったクルマだとすぐに理解されたようです。

  おそらくマツダの狙いもそれとほぼ(オペルと)同じでしょうし、日本市場においてもMINIブランドの価格高騰による停滞感を見る限りは発売のタイミングとしては理想的というほどではないけども、かなりの商機(勝機)といえるかもしれません。最低グレードでも300万円越えするようになったMINIクーパーはかなり売りにくいクルマだろうなと思います。なんといっても同じ金額でハリアーや86が買えてしまうわけですから、若者ユーザーが大幅に離れていくのも必然の成り行きでしょうか。今ではMINIのニューモデルを運転しているのは確実と言っていいほどに50歳以上のオッサンばかりです。余計なお世話かもしれませんが、本気でイケているとでも思っているのでしょうか?

  デミオも実はそれほど安くなく、クーパーの3気筒ターボに対抗できる1.5Lモデルになると100万円台後半になり、最上級のデミオスポルトは200万円を超えてしまいます。さらに新型では1.5Lディーゼルターボが設定されて250万円と価格もかなりMINIに接近して、価格ではなくクルマの内容で勝負になりそうです。BMWの3気筒ターボは今後1シリーズ/2シリーズアクティブツアラー/3シリーズに搭載されると噂されていますが、新型クーパーに使われているものは、現状では騒音がヒドいようで、すぐに3気筒とわかる野暮ったさがあるようです。

  マツダとしてはディーゼルターボの静音に全神経を集中させて、おそらく予想を上回る出来のデミオを完成させてくるでしょう。デミオのコンセプトカーである「Hazumi」のセンターマフラーは、MINIクーパーを意識したものでしょうし、なにやらマツダからのMINIへの宣戦布告を象徴しているような・・・。アテンザで3シリーズを、アクセラで1シリーズを、そしてデミオでMINIクーパーに「対抗しよう!」ということですが、マツダなりの価値観を尊重するならば、十分に世界の人々のパラダイムを転換させる活躍ができているのではないかと思います。

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posted by cardrivegogo at 12:18| Comment(0) | デミオ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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