富士五湖にはそれぞれ湖畔を周回するドライブコースが用意されていますが、どこも平坦なルートばかりで軽自動車でも楽に走れます。一番西側にある本栖湖は狭いブラインドコーナーが連続する区間があり、軽自動車の方が行き違いもそれほど神経を使う必要がないので気楽なようです。それでも売れ線の軽自動車ではドライブ気分がいまいち盛り上がらないみたいで、東京では滅多に見かけないダイハツ・コペンがやたらとたくさん走ってました。
東京じゃ完全にコペンよりもロードスターの方が多いのですが、やはり新車乗り出しで400万円近く掛かってしまうロードスターRHTは、本物の「クルマ社会」ではムダが多すぎてアウトサイダーになってしまうようです。有名なドライブに行けばマツダ車率が異常に上昇するわけですが、都市圏のナンバー車ではデミオとアクセラの人気には目を見張るものがあります。
FFでもこれだけのドライビングカーが作れるのですから、マツダにもコペンのような雰囲気を味わえる軽スポーツがあっても良さそうなんですけどね。しかしマツダがスポーツカーを作るとどうしても「AZ1」みたいにMRでガルウイングみたいなガチの本格設計になってしまって、どう頑張っても採算が取れない方向へ暴走してしまうのが目に見えていて、なかなか実現しないようです。
さて箱根やらビーナスラインやらに週末ごとに結集するのがこれまでのマツダ車でしたが、最近では住んでいる東京西部では特に顕著にCX5が普及していて街の景色がいくらか変わってきた印象があります。ドライバーを見ると意外にもことごとく高齢者だったりします。この状況を見る限り、マツダの日本での販売を好調に推移させている原動力はCX5なんだと改めて感じます。アテンザもアクセラもとてもよく出来たデザインですが、特にこのCX5はライバル車と比較すると「存在感」が全く違うので、マツダの武器であるデザインの良さが一番よくわかるモデルですね。
「SUV人気」が欧州でも米国でも広がっていて、とうとうアメリカでのマツダの最量販車種がCX5になりました。期待されたアテンザやアクセラがアメリカ市場でそれほど大きなムーブメントを起こしておらず、いよいよマツダも今後は腹をくくって「SUV」にさらなる開発資源の投下を行いそうな予感がします。BMWやポルシェにしたって状況は似たようなもので、どこも業績を伸ばすために「SUVバブル」にずぶずぶとのめり込んでいます。
マツダも更なる拡販を狙って新車種CX3を鋭意作成中と言われていますが、過去の歴史を見ると過剰投資で崖っぷちを迎えることが多いマツダとしては、盲目的な他社追従の結果「バブル」が弾けて失速というシナリオだけは避けたいところです。そもそもこの「SUVバブル」はルノーが欧州販売での窮状から子会社化している日産に対して高性能なB/CセグHBの開発を控えるよう指令を出し、困った日産がSUVに活路を求めて欧州でジュークを売ったらバカ売れしたことに端を発しているといわれています。
日産にはHBを作るなと言っておきながら、自らはキャプチャーというジュークのパクリ車を投入する辺りにM&Aの血も涙もないルノーのやり方はひどいな・・・と感じます。マツダもルノーに敏腕デザイナーをヘッドハンティングされ、そのマツダ流のデザインがすでにキャプチャーに盛り込まれているわけで、そこにCX3を投入したところで完全に後手にまわっているんじゃないかなと危惧しております。
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