2014年05月01日

アテンザXD ディーゼルはプレミアムというマツダの主張

  デザイン!デザイン!デザイン!と伝染病のように広まる「NEW・MAZDA」のブランディング展開ですが、何かもう一押ししてくれる「ブレイクスルー」が欲しいなあ・・・と、そろそろMCが噂されるアテンザに対してあれこれ想像してしまいます。しかしFMCの段階でかなりたくさんのことを盛り込んだのも事実で、回生ブレーキ(i-ELOOP)と自動ブレーキ(i-ACTIVSENSE)付けただけでも十分に立派です!レクサスの非HVモデルはブレーキ熱を捨ててますから・・・。

  GJアテンザのデビュー当初は「ディーゼル&6MT」に盛り上がる世間の評価にまったく付いていけずに、否定的な意見ばかりをブログで連発していましたが、いよいよMC待ちという段階になって「XD」に俄に可能性を感じるようになってきました。マツダはどのモデルにもポリシーを貫くメーカーだと信じるファンとしては「なんで今回のマツダはディーゼルなのか?」と考え、マツダの深い意図を解釈しなきゃダメだなと・・・。

  関東マツダの営業マンは「高速道路ですっ飛ばす分には楽しいけどね・・・」という冷ややかな説明をしてくれましたが、高速乗るだけならじゃあなんで「6MT」なんだろう?と思ってしまいます。 マツダがこれからは「ディーゼル&6MT」だと言っているのだから、それを黙って買えばいいってことなんでしょうけど。「ディーゼル&6MTだけど”プレミアム志向”」っていうのは確かに斬新です。そして確実にレクサスと距離を置くことができます。レクサスは絶対にディーゼルもMTもやらないでしょうから。

  「レクサスは正しい」けど「非レクサスもまた正しい」・・・。V8の静粛性を最優先して、HVを付けて燃費を向上させるレクサスのフラッグシップ「LS」に対して、マツダのフラッグシップ「アテンザ」はディーゼルで真っ向から勝負を挑む!というのはちょっと無理があるかもしれないですけど。でもマツダが「プレミアムとは何だ?」と真剣に考えて、「ディーゼル」というレクサスが絶対に選ばない「答え」を導きだしたことと、その真意は何となくわかります。

  「プレミアムカー」って見栄を張るために買うクルマと思っている人がいるようですが、「良いものを長く使うことが一番賢い」という考えが大前提にあるわけです。服でもベッドのマットレスでもそうですが、一番高いものを選ぶ人はこのことがよくわかっています。結局はどれだけ「長く満足して使えるか」があらゆるプレミアム商品の根底にある価値なんだと思います。それをそのままクルマに当てはめると、「長く乗るため」に耐久性に優れたV8エンジンにこだわる「レクサスLS」はやはり正しいということになります。「Sクラス」「7シリーズ」もV12やV8である限りは正しいプレミアムカーなわけです。

  マツダが選んだ「ディーゼル」もまた質実剛健な欧州で圧倒的な支持を受けて各ブランドから発売されています。欧州でなぜディーゼルが好まれるのか?それはCO2排出量においてガソリンよりも「若干有利」だという地味な理由ではなく、ガソリンエンジンよりも一般的に耐久性に優れる「ディーゼルエンジン」が同じクルマに長く乗ることを好む欧州人の気質に合っているからです。

  しかし最近のプレミアムブランドでじわりじわりと増えてきている、ガソリンの「直4ターボ」です。これは耐久性において一番疑問が残る設計です。果たしてこのエンジンが「プレミアムカー」に相応しいのか(採用すべきなのか)? 日本で走っているメルセデス・BMW・アウディでは圧倒的に多くなっているエンジンですが、この3ブランドにおいても欧州市場ではディーゼルのシェアが非常に大きく、ガソリンターボは少数派なんです。それなのに日本のライターの中には「欧州は進んでいる=ガソリンターボ」みたいな誤った先入観を発信している人もいたりします。

  欧州ブランドを数年遅れで追っかけて、やがて日本車はターボに変わると本気で信じているライターも多いようですね。こんなことは少しでも自分の頭で考えればすぐにわかることですが、絶対に「あり得ません」。そもそもターボチャージャーなんて三菱とIHIの2つの日本メーカーが世界の80%のシェアを握っているわけですから、本当に採用する価値があるならとっくに日本でも広まっているはずです。それに先ほども似たようなことを言いましたが、欧州でガソリンターボが主力になっているモデルは、ディーゼルが設定されることが少ないBセグ以下に限定されます。つまりCセグ以上(中型以上)では欧州ですら主力エンジンに成り得ていないのです。

  「レクサス(V8/V8HV)は正しい」そして「非レクサス(ディーゼル)も正しい」けれども「ガソリンターボは間違い」。手前勝手ではありますが、これがマツダが掲げる「プレミアムカー」としての原理なのだと思います。アテンザのMCでこの理想をどこまで高めてくれるのかが楽しみです。
  

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posted by cardrivegogo at 06:46| Comment(0) | GJアテンザ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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